血行促進に有効な手段として「血管を強くする」という方法があります。この血管を強くする成分に「へスペリジン」というものがあるのをご存知ですか?みかんの皮などに多く含まれるへスペリジン。この冷え症対策の強い味方について、ご紹介しましょう。 目次 血行促進で冷え症を解決!? 血行促進に効果的!へスペリジンについて 血行促進で冷え性を解決!? 女性の体のお悩みでよく耳にするのが「冷え性」ですね。18~25歳の女性97人に冷えについてのアンケートを行ったところ、全体の74%もの人が「冷えを感じることがある」と答えた、ということもあるほど、女性にとっては身近な悩みです。 この冷え性の原因は、血行不良によるもの、ということはみなさんご存知のことと思います。血行促進のためには、入浴やストレッチ、適度な全身運動などが効果的です。 さらに、血行促進に有効な手段として「血管を強くする」という方法があります。この血管を強くする成分に「へスペリジン」というものがあるのをご存知ですか? みかんの皮などに多く含まれるへスペリジン。この冷え性対策の強い味方について、ご紹介しましょう。 血行促進に効果的!へスペリジンについて へスペリジンは、ビタミンPとも呼ばれるポリフェノールの一種です。ビタミンCと一緒にはたらき、毛細血管を細菌やウイルスから守ったり、ビタミンCの消耗を防いでしなやかで強い血管を保ったりする効果があります。 みかんの皮やすじに多く含まれ、漢方でもみかんの皮を乾燥させた「陳皮」は重宝されてきました。 このへスペリジンには、活性酸素を除去する抗酸化作用や、末梢血管を強くする働き、さらに血管の透過性を適度に保つ働きがあります。 透過性とは、物質を通り抜けさせることができる性質のこと。末梢血管には、血液と体内の細胞の間で栄養や酸素の受け渡しを行う働きがあります。透過性が適度に保たれることで、血管の強度が保たれ、血行促進に大きな役割を果たしているのです。 ある実験では、へスペリジンを7日間摂取した人に15度の水に手をつけてもらい、体温の変化をサーモグラフィーで測定したところ、手の体温の回復が早い、という結果も得られています。 日本では昔から、天日干ししたみかんの皮をお風呂に入れると、体が温まると言われていますね。これは、このへスペリジンの効果をうまく利用しているものなのです。 この血行促進に有効な成分であるへスペリジンは、他にも高血圧を予防する、生活習慣病の予防、改善、花粉症や骨粗しょう症の予防といった効果もあると考えられています。 このように、体にとって様々なよい効果が期待できるへスペリジンは、サプリメントで摂取することもできます。みかんの皮などと比べて、手軽に体に取り入れることができるサプリメントを活用するのもいいですね。 公開日:2016/02/15
「5大ビタミン欠乏症」と呼ばれる病気があることをご存知だろうか。脚気、ペラグラ、壊血病、くる病、悪性貧血--いずれもビタミンが欠乏することで起こる疾患だ。食生活が豊かになった現在ではさほど心配する必要はないが、過去には多くの人を悩ませ、これらの研究をする過程でビタミンが発見され、注目されてきたのである。その歴史をひも解いてみよう! 兵士たちの病気から発見されたビタミン ビタミンが発見されるまで、不可解な症状に悩まされる人は後を絶たなかった。とくに15世紀中ごろから17世紀中ごろまで続いた大航海時代には、多くの船乗りたちが壊血病で死んでいった。インド航路を発見したあのヴァスコ・ダ・ガマも、半分以上の船員を壊血病で失い、命からがらポルトガルに帰還したといわれている。 謎の病を防ぐ方法を発見したのは、ジェームズ・リンドというイギリス海軍の船医。彼は18世紀中ごろ、兵士たちを相手に実験を行い、オレンジやレモンなど柑橘系の果物が壊血病を予防することを知った。以来、イギリス海軍ではライムジュースを兵士たちに支給するようになったという。 さらに、19世紀末にはオランダの医学者、クリスチアーン・エイクマンが米ヌカの中に脚気に効く有効成分を発見。さらにポーランドの化学者、カジミール・フンクが抽出した成分にはアミンが含まれていたため、フンクはこれを「生命のアミン」、すなわち「ビタミン」と名づけた。 このビタミン発見の歴史には裏話がある。じつはフンクより1年前、日本の農化学者、鈴木梅太郎が同成分の抽出に成功していたのだ。彼はこの成功を世界に向けて発表したが、論文の翻訳ミスがあったため、「新しい栄養素」としてアピールできなかった。結局、せっかくの発見も国外ではまったく注目されなかったのである。 5大ビタミン欠乏症って? ビタミンB1不足で起こる…脚気 脱穀によってビタミンB1が失われた白米を常用している地方に多発していた。当時は食生活が貧しかったことから、副食では十分にビタミンB1を摂れなかったからだ。日本でも明治時代には、1年に1万人も死亡者が出ていた病気。腱反射の消失、心臓の肥大をもたらす。 ナイアシン不足で起こる…ペラグラ ナイアシンとはビタミンB3のこと。アルコール依存症で偏食の人に見られる。イタリア語で「荒れた肌」という意味。皮膚の炎症、消化器系の異常、中枢神経の異常が起こり、認知症もあらわれる。 ビタミンC不足で起こる…壊血病 6世紀から18世紀の大航海時代には、この病気の原因が分からなかったため、海賊以上に恐れられた。歯茎や皮膚などからの出血や貧血、体重減少、免疫力の低下などが起こる。 ビタミンD不足で起こる…くる病 成人の発症は骨軟化症と呼ばれる。かつては日照の少ない地方で多発した。日光浴をするとくる病が起こらないのは、皮膚でプロビタミンDからビタミンDが作られるため。カルシウムが骨に沈着せず、骨が盛り上がることで、肋骨のこぶや鳩胸、低身長などが起こる。 ビタミンB12不足で起こる…悪性貧血 昔は原因不明で死に至ることもあったため、悪性貧血と名づけられた。黄疸などの症状が見られ、血液中に異常に大きい赤血球が出現する進行性の貧血。 あなたも潜在性ビタミン欠乏症!? 「なんとなく元気がない」「肌荒れがひどい」「体がだるい」。そんな不調を抱えている人は要注意だ。ビタミン不足による「潜在性ビタミン欠乏症」の可能性が大だからである。ビタミンの体内貯蔵量が減ると、明らかな病気にまでは至らないものの、体がつねにイエローサインを出すようになる。背景にあるのはインスタント食品や外食、極端なダイエット、偏食など。環境や流通事情の変化で、野菜や果物に含まれるビタミンそのものが減っているという見方もある。 ビタミン不足にならないように、食生活には十分に留意しよう。サプリメントを効果的に取り入れるのもおすすめだ。とくに効果的なのは、マルチビタミン。最近はミネラルを多く配合したものも増えており、必要な栄養素をバランスよく摂取できるようになっている。 「ビタミン不足が恐れられた時代は過去のもの」と片付けず、しっかりビタミン摂取するよう心がけたい。 公開日:2006年10月23日
ビタミンやミネラルが不足すると、脳のはたらきが悪くなりうつ状態にもなりやすいことをご存知だろうか?ビタミンは、神経を落ち着かせ脳細胞を活性化。ミネラルは、神経・筋肉を機能させるためには欠かせない成分だ。これらをうまくとり入れてストレスに負けないカラダになろう! 目次 「ストレスかな?」は危険信号 ビタミン・ミネラル不足がストレスを引き起こす!? ビタミン・ミネラルの欠乏によりおこるストレス・神経症状 ストレスに負けないカラダづくり 「ストレスかな?」は危険信号 新緑がまぶしく清々しい季節。その天候とは裏腹に、気分的にストレスを感じている人もいるのではないだろうか。ストレスとは自分の身の回りから刺激を受け身体的・精神的になんらかの影響があることをいう。ストレスには、何か目標に向かう時、自分を勇気づけてくれたり、パワーの源となるような良いストレスもあれば、緊張、不安、不快感を感じる悪いストレスもある。悪いストレスの場合が続くと病気を発症するなどカラダに悪影響を及ぼすことがある。 ストレスは、外部から感じる刺激を察知して脳下垂体へ。そして副腎皮質ホルモンが分泌され、自律神経を伝わり、体内の各器官へ伝えられる。本来は、刺激を小さくくい止めようとするが、長い間刺激にさらされると、日常的に疲労感がぬけず、症状が進むと不眠、肩こり、食欲がなくなるなど、さまざまな症状が引き起こされる。そのほか、吐き気、頭痛、腹痛、うつ状態など深刻になる場合もあり、なかには疲労やうつ状態が長く続き、突然死することもある。ストレスを放置しておくととても危険なのだ。 ビタミン・ミネラル不足がストレスを引き起こす!? 毎日仕事が忙しくて外食ばかりになっていると、ビタミンやミネラルが不足し、ストレスを感じやすくなる。ビタミンは、副腎皮質ホルモンと似たはたらきをしたり、神経を落ち着かせ、脳細胞を活性化してくれる。またミネラルは、神経・筋肉を機能させるためには欠かせない成分だ。 こうしたことから、ビタミン・ミネラルが不足していると、脳のはたらきが悪く、気分の浮き沈みがあり、うつ状態になりやすいことがわかっている。もしビタミン・ミネラル類を補給するとしても、一種類だけとればよいというわけではない。バランスのとれた食生活を心がけたうえで、マルチビタミン・ミネラルを利用し、まんべんなく補給するようにしよう。 ビタミン・ミネラルの欠乏によりおこるストレス・神経症状 どのビタミン・ミネラルが欠けても精神的バランスを保てなくなる。 ビタミン 成分名 体内での主なはたらき 欠乏したら発症すると考えられる症状 ビタミンB1脳の中枢神経を正常に保つ気分がふさぐ、疲労、精神不安定、集中力・協調性欠如 ビタミンB6神経伝達物質の合成にかかわる神経過敏、不眠 ビタミンB12神経系を正常にはたらかせる記憶力・集中力の低下、ふさぎこむ、体がだるい ビタミンC外部からの刺激に対する免疫力を強化する疲労感や脱力感を感じる、神経失調 パントテン酸自律神経のはたらきを維持する、副腎皮質ホルモンの合成に必要怒りっぽくなる ビオチン疲労感を感じさせないはたらきがある憂うつ、無気力 ミネラル 成分名 体内での主なはたらき 欠乏したら発症すると考えられる症状 カルシウム神経の興奮をしずめ、精神が安定するイライラする カリウム体内の老廃物を排泄し、血圧を下げる作用があるやる気をなくす マグネシウム血液を固まりにくくし、体温・血圧を調節するうつ状態、集中力低下、イライラ 鉄体内において酸素の運搬をして神経を正常に保つ集中力・思考力の低下 亜鉛肝臓で生産される抗ストレス物質の原料となるうつ状態、情緒不安定 ストレスに負けないカラダづくり ストレスを根本的に改善するには、自分の生活環境を見直すことが第一。 例えば、長時間のデスクワークにストレスを感じることも多いだろう。仕事の合間にストレッチをしたりお茶を飲むなど、ちょっとした気分転換ができるようにすることも大切。食生活についても、外食ばかりでは必要な量のビタミン・ミネラルをとることができない。野菜、魚、肉などをできるだけバランスよくとれるようにする。 また、周りの環境に振り回される人はストレスを感じてしまいがちだが、ひとりで問題を抱え込んでしまわず、誰かに相談したり、「人は人、自分は自分」と割り切るなど、考え方を少し変えてみよう。体の不調が続くようなら、早めに心療内科などを受診して。 公開日:2005年5月23日
たいていの食材には何種類かのビタミンが含まれています。同じ食材ばかりではなく、まんべんなく摂るようにしましょう。ただし、ビタミンによっては調理の仕方によって失われてしまうものもあります。できるだけビタミンが失われないような方法で調理し、食べることが必要になります。 目次 基本は食事から摂ろう 野菜はこうして食べよう! 効率よくビタミンを吸収するには? 基本は食事から摂ろう たいていの食材には何種類かのビタミンが含まれているため、効率良くいろいろなビタミンが摂取できる。 ただし、同じ肉類でも豚肉と牛肉では含まれるビタミンも違うし、緑黄色野菜と淡色野菜でも違うため、同じ食材ばかりではなく、まんべんなく摂ることが大切だ。 また、ビタミンによっては調理の仕方によって失われてしまうものもあるため、食品成分表にあるとおりの量のビタミンが摂取できているわけではない。そこで、できるだけビタミンが失われないような方法で調理し、食べることが必要になる。 野菜はこうして食べよう! ●1日に300g程度の野菜は摂るようにする ●旬のものを選ぶこと ●保存するほどビタミンは減るので早めに調理する ●それでも保存するなら、調理してから冷凍しておく ●にんじんやごぼうなど皮のある野菜は皮をむかずに調理する 効率よくビタミンを吸収するには? ビタミンによっては、調理の仕方で吸収効率がぐんとアップするものがある。同じ摂取するなら、吸収効率が高いほうがいいので、ぜひお試しあれ。 カロチンは油と一緒に ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収率がアップする。よってほうれん草やにんじんを食べる時、油で炒めたり揚げたりすると効率がよい。また、「油と一緒に」というのは、ゴマや牛乳などの油脂分を含んだ食品を一緒にとれば大丈夫。特に植物性の油ならビタミンEがたっぷり含まれているのでおすすめ。 ビタミンB群、ビタミンCはすばやく調理 ビタミンB群やCは水に溶けやすく熱に弱いため、すばやい調理が必要になる。そこで水洗いを手早くし、ゆでたり炒めたりする加熱時間は短く、調理したらなるべく早く食べること。 ビタミンDは日光浴が必須 カルシウムの吸収に必要なビタミンDは、ビタミンの中で唯一紫外線を浴びることで体内で合成される特徴がある。最近は子供が外で遊ぶ機会が減ってしまったため、ビタミンDが不足し骨の弱くなっている可能性も高いのだ。休日にはぜひ日光浴をしよう。 ビタミンA、C、Eは一緒に摂るのがいい ビタミンCやEには抗酸化性(酸化を防ぐ)があり、ビタミンEは脂肪の中、ビタミンCは水のなかでそれぞれはたらく。ビタミンEが活性酸素をとらえて酸化されるとそれをビタミンCが還元し、もとのビタミンEに戻すはたらきがある。ビタミンA(β-カロチン)とビタミンEにも上記と同じようなはたらきがあるのだ。よって、ビタミンA、C、Eは一緒に摂るのがいい! 公開日:2001年4月16日
お酒を飲む、たばこを吸う…、そんな人が不足しがちなビタミンがあります。体調不良になる前に摂取したほうがいい、おすすめのビタミンをご紹介します。 目次 たばこを吸うあなたには、ビタミンC お酒が好きなあなた、疲れがなかなかとれないあなたには、ビタミンB1 目が疲れやすいあなたには、ビタミンA たばこを吸うあなたには たばこの煙はフリーラジカルを発生させる。フリーラジカルとは、不対電子をもつ原子のこと。電子の数が奇数である不対電子のままでは安定しないため、電子をほかの物質から奪って偶数になろうとすることを「酸化」というが、酸化は人の身体をむしばむ行為なのである。 このようなフリーラジカルのはたらきを阻止するのが抗酸化ビタミン(ビタミンA、C、E)なのである。特に、ビタミンCは、非喫煙者より喫煙者のほうがより多く体内で消費され、抗酸化ビタミンとして効力を発揮している。 ただし、ビタミンCを摂取しているからといって、たばこの害がなくなるわけではないので、ご用心。 お酒が好きなあなた、疲れがなかなか摂れないあなたには お酒を飲むと、そのアルコールは腸管から吸収され、血液中に入って肝臓へ運ばれる。その大半は肝臓で分解されるのだが、そのアルコールをアセトアルデヒドに分解するときに必要なのがビタミンB1だ。お酒の量が増えれば増えるほどビタミンB1は必要になるが、お酒を飲む人はたいてい食事をあまりしないため、ビタミン不足を招きやすい。お酒を飲む時にはビタミンB1を摂るように心がけよう。 また、ビタミンCにもアセトアルデヒドの分解を促進するはたらきがあるため、お酒を飲む前にビタミンCをたっぷりとっておくと二日酔いが予防できる。 さらに、ビタミンB1はビタミンの中でも疲労を回復すると言われている。 肉体的な疲労は、体内に疲労物質が蓄積されることによって起こる。とくに、ビタミンB1が欠乏すると糖質を分解することができず、疲労物質がたまり疲れやすくなる。特に、筋肉はブドウ糖からグリコーゲン合成酵素によってつくられるグリコーゲンをエネルギー源としているため、そのとき必要なビタミンB1が不足していると肉体疲労になってしまうのだ。 ただ、ほかにも疲労を回復するビタミンはあるので、疲れを感じたらまずは総合ビタミン製品を摂るのがいいかも。 目が疲れやすいあなたには ビタミンAは「目のビタミン」と言われるほど、目と関係が深いビタミンだ。パソコンなどに長時間向かう人は、疲れ目やドライアイになりやすく、そのまま酷使しつづけると頭痛、肩こり、吐気などのほかの症状も出てくる。 ビタミンAは目の角膜や粘膜が乾燥するのを防ぎ、眼精疲労にも効果を発揮するため、レバーなどを摂るようにするといい。 また、ビタミンB2とCには、目の老化を促進する水晶体の酸化を防ぐはたらきがあり、疲れ目に効く。 公開日:2001年4月16日
「最近、なんとなく体がだるい」「疲れやすい」「だるい」「めまいがする」…、こんな体調不良を感じていたら、あなたもビタミン不足かもしれません。足りないビタミンをチェックしましょう。 目次 ビタミン不足は体調不良の原因 ビタミンAは足りている? ビタミンB群は足りている? ビタミンCは足りている? ビタミンDは足りている? ビタミンEは足りている? ビタミン不足は体調不良の原因 「最近、なんとなく体がだるい」「疲れやすい」「だるい」「めまいがする」…、こんな体調不良を感じていたら、あなたもビタミン不足かもしれない。 昔に比べて、現代は食生活もかなり変わり、糖分が増えビタミンが不足しがちになっている。また、ストレス社会や喫煙・飲酒もビタミン不足を招く原因だ。 はたしてあなたの「ビタミン足りてる度」は大丈夫? 当てはまる項目が多いものが、あなたの不足しているビタミンだ! ビタミンAは足りている? 最近目が疲れやすい 暗いところで目がなかなか慣れない 肌がかさかさしている 風邪をひきやすい ビタミンB群は足りている? 最近イライラすることが多い いつも眠気を感じる やる気がせず、気力が減退している 口内炎や口角炎など、口や鼻などが炎症を起こしている 貧血気味である たちくらみやめまいを感じることがある 疲れやすい 抜け毛や白髪が増えてきた 脂っこいものをよく食べる ファーストフードやインスタント食品、清涼飲料水などをよくとる ビタミンCは足りている? シミ・ソバカスが増えてきた たばこを吸っている ケガをした時の治りが悪い(ちょっとした打ち身で内出血をするなど) 果物やブロッコリーをほとんど食べない 疲れやすい イライラしやすい ビタミンDは足りている? 魚類はほとんど食べない きのこ類(しいたけなど)をほとんど食べない 太陽の光に当たることがほとんどない 骨が弱い(転んだだけで骨折したことがあるなど) 虫歯になりやすい 妊娠・授乳中である ダイエット中である ビタミンEは足りている? シミができやすくなった 冷え性である よく頭痛や肩こりになる しもやけになりやすい スポーツをしている 最近抜け毛が増えてきた 肉をよく食べる 公開日:2001年4月16日
ビタミンは水に溶けるの?冷凍食品のビタミンは?一緒に摂ったほうがいいビタミンは?知っているようで知らない「ビタミン」のこと、Q&A形式でお答えします。 目次 ビタミンは水に溶けるの? ビタミンって体内で摂り溜めができるの? ビタミンは1日に必要所要量だけ摂ればいいの? 冷凍食品にはビタミンが含まれている? 一緒に摂ったほうがいいビタミンってある? ビタミンは水に溶けるの? ●溶けるものと溶けないものがある。 ビタミンには水に溶けやすいもの(水溶性ビタミン)と油に溶けやすいもの(脂溶性ビタミン)がある。 水溶性ビタミンは、ビタミンB群(B1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、B12)とビタミンC、脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D、E、Kの4種類。 水溶性ビタミンは、水に溶けやすいため、手早い調理が必要になる。例えば、ブロッコリーをゆでるとビタミンCは生のときの3分の1程度に減ってしまう。しかし、ゆでる時間が短いほど、その損失をおさえることができる。 一方、脂溶性ビタミンは油と一緒に摂ると効果的に摂取できる。例えば、にんじんに含まれるビタミンA(カロチン)は、油で炒めたほうがより摂取できるというワケ。 ビタミンって体内で摂り溜めができるの? ●水溶性ビタミンはできないが、脂溶性ビタミンは蓄積されやすい。 水溶性ビタミンは必要な分だけ体内にとりこまれ、余分な分は尿の中に排出されてしまう(水に溶ける性質だから、尿にも溶ける)。そのため、毎日必要な量を摂ることが大切だ。 一方、脂溶性ビタミンは体内で蓄積が可能。そのため、前日に摂取して余った分を翌日に使うこともできる。だからといって、大量な摂取は過剰症を起こすこともあるので注意すること。 ビタミンは1日に必要所要量だけ摂ればいいの? ●1日の所要量の2~3倍摂るのが効果的。 ビタミンはそれぞれ1日の所要量が決まっているが、これは健康を維持するために最低必要なビタミンの量のこと。とはいっても、ふつうに食事(偏りのないバランスのとれた食事)をしていれば、ほとんど不足する心配はないのでご安心を。 ただ、野菜を食べているから大丈夫、というわけでもない。例えば、鮮度が落ちればビタミンは減るし、太陽の光を浴びてじっくり育った青々とした野菜に比べて、促成栽培の野菜にはもともとビタミンが少ないともいわれている。 さらに、ビタミンは調理することによっても減ってしまうので、1日の所要量の2~3倍を目安に摂るのが効果的だ。 冷凍食品にはビタミンが含まれている? ●意外と含まれている。 冷凍食品の野菜は、マイナス60℃以下で急冷するので、ほとんど損失なく含まれている。また、最初に蒸気をあてて固ゆでの状態にしてから冷凍されているものが多く、この過程でビタミンCなどは20%程度失われることもあるが、同時にビタミンCを破壊する酵素もはたらかなくなるため、それ以上は損失しないのだ。 しなびた生野菜よりは冷凍食品を食べてみては? 一緒に摂ったほうがいいビタミンってある? ●ビタミンA、C、Eは一緒に摂った方がいい。 ビタミンAは酸化されやすい性質をもっており、酸化されてしまうとビタミンAとしても効果をなくしてしまう。でも、ビタミンEと一緒に摂るとビタミンEの方がAよりも先に酸化してしまうため、ビタミンAは酸化されなくなる。ビタミンEは酸化されても、ビタミンCがもとに戻すはたらきがあるため、ビタミンA、C、Eを一緒に摂ると効果的なのだ。 また、ビタミンB2にもビタミンEの酸化をおさえるはたらきがあるため、ビタミンEを摂る時には、B2、Cと一緒に摂るようにするのがよい。 公開日:2001年4月16日
ビタミンという栄養素が発見される前までは、ビタミン欠乏によって起こる病気によって多くの人命が奪われました。それまで風土病や伝染病として恐れられていた病気が、食物に含まれるビタミンのせいだと発見されたおかげで不治の病ではなくなりましたが、現代でも欠乏症の人は意外といるようです。 目次 かつては不治の病だった「欠乏症」 「潜在性ビタミン欠乏症」と「顕在性ビタミン欠乏症」 ビタミン不足でこんな症状になる! かつては不治の病だった「欠乏症」 ビタミンという栄養素が発見される前までは、ビタミン欠乏によって起こる病気によって多くの人命が奪われた。 例えば、インド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマは全身から出血してしまう壊血病によって船員の3分の2を失ったというし、日本では明治時代、それまでの玄米に変わり白米の習慣が浸透したおかげで脚気に苦しむ人が増え、年間1万人もの死者を出したとか。 それまで風土病や伝染病として恐れられていた病気が、食物に含まれるビタミンのせいだと発見されたおかげで不治の病ではなくなったが、現代でも欠乏症の人は意外といるのだ! 「潜在性ビタミン欠乏症」と「顕在性ビタミン欠乏症」 ビタミン欠乏症といえば、「脚気」「ウェルニッケ脳症」「くる病」などがあるが、こういった臨床的に明らかな欠乏症(顕在性ビタミン欠乏症)が起こるのは、食生活がゆたかな現代ではあまり多くない。しかし、そこまで至らなくても「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」「めまいがする」などの不定愁訴も、ビタミン欠乏によるものなのだ。こういった場合を「潜在性ビタミン欠乏症」という。 厚生労働省の国民栄養調査によれば、カルシウム以外の栄養素はだいたいとれているそうだが、そうはいってもインスタント食品やファーストフード、外食、コンビニ弁当などを食べることが多い人は、ビタミン不足になりがちだ。また、飲酒や喫煙によってビタミンが不足している人もいる。 ビタミンはほとんど体内で生産・合成することができず、食物などからとらなければならないので、食生活を見なおしてみてはどうだろうか? ビタミン不足でこんな症状になる! ビタミン不足が招く、欠乏症および過剰に摂取した場合の症状をまとめた。ただし、過剰摂取の場合は、まだ分かっていないことも多い。 ※注意!必要所要量は、年齢や性別、労働量、妊産婦、授乳婦によって違いがあるため、ここでは成人の場合についてのみ記載してあります。 脂溶性 ビタミン名 1日の必要所要量 欠乏すると? 1日の許容上限摂取量 ビタミンA 成人男性2000IU成人女性1800IU 夜盲症、角膜乾燥症、皮膚乾燥、ニキビ、成長停止など 成人男女ともに5000IU。 ビタミンD 成人男女ともに2.5μg くる病、骨軟化症、骨粗鬆症、動脈硬化症など 男女ともに50μg。過剰摂取は心肺、血管壁、胃などにカルシウムが沈着し、腎臓が障害されると尿毒症を起こし死亡する場合もある。 ビタミンE 成人男性10mg成人女性8mg シミ・ソバカス、不妊、流産、頭痛、生理痛、冷え症など 成人男女ともに600mg。ただ、毒性が極めて低く、大量に摂取した場合でも、重篤な過剰症は報告されていない。 ビタミンK 成人男性で65μg成人女性で55μg 新生児出血症、頭蓋内出血など 成人男女ともに30000μg。過剰摂取した場合は、血圧低下、嘔吐、呼吸困難、溶血性貧血などを起こすことがある。 水溶性 ビタミン名 1日の必要所要量 欠乏すると? 1日の許容上限摂取量 ビタミンB1 成人男性1.1mg成人女性0.8mg しびれ、だるさ、疲労感、動悸、息切れ、めまい、むくみ、脚気、ウェルニッケ脳症など 報告されていない。 ビタミンB2 成人男性1.2mg成人女性1.0mg 目や皮膚、口や鼻などのただれ、口内炎、口角炎、舌炎など 心配ないとされているが、1日30mgで吐気などの副作用があるとの報告もあり、賛否両論。 ビタミンB6 成人男性1.6mg成人女性1.2mg 脂肪肝、けいれん、アレルギー症状など 男女ともに100mg。1日80~100mgまでなら安心だが、過剰摂取だと神経症、肝機能障害、腹部膨満感などが認められるとの報告がある。 ナイアシン(ニコチン酸) 成人男性16mg成人女性13mg ペラグラ症(手足や顔に炎症ができる)、神経症、認知症、下痢など 成人男女ともに30mg。心配ないとされているが、1日100mg以上の摂取によって副作用があるとの報告もある。 パントテン酸 成人男女ともに5mg 手足のしびれ、痛み、疲労などを感じるが、さまざまな食物に含まれているため、とくに注意しなくても心配はない。 報告されていない。 葉酸 成人男女ともに200μg 貧血、口内炎、腸炎 許容上限摂取量は1000μg。でも、過剰症はいまのところ認められていない。 ビタミンB12 成人男女ともに2.4μg 貧血、口内炎、腸炎出血性疾患、神経・精神障害など 報告されていない。 ビオチン 成人男女ともに30μg 不眠症、貧血、脂漏性皮膚炎、しっしん、脱毛など 報告されていない。 ビタミンC 成人男女ともに100mg 壊血病(毛細血管の結合組織が弱くなる)、風邪、肉体疲労など 健常者の過剰症は認められていないが、腎臓障害がある人は、腎臓結石や尿路結石のリスクを高めるため、要注意。 公開日:2001年4月16日
体を構成する材料ではないけど、それがないとうまく生命活動を維持できないのがビタミンです。ビタミンはいくつかの種類があります。どんなものがあり、どんな食品に含まれているのでしょうか。 目次 ビタミンとは何? ビタミンにはどんなものがあるの? ビタミンとは何? ヒトは食物から栄養を摂取して生命を営んでいる。その栄養として必要なものは、大きく分けて5つある。 人の体に必要な5大栄養素 ●たんぱく質 ●脂質 ●糖質 ●ビタミン ●ミネラル たんぱく質や脂肪は、血液や細胞などの体をつくるのに必要なもの。また、糖質や脂肪は、体を動かすエネルギーとして必要なものだ。 ビタミン(有機化合物)やミネラル(無機化合物)は、体の機能を調節して、体のなかで起こるさまざまな科学反応を助ける役目がある。 体を構成する材料ではないけど、それがないとうまく生命活動を維持できないのがビタミンなのだ。 ビタミンにはどんなものがあるの? 現在知られているビタミンは13種類。その内容と、それぞれのはたらき、含まれている主な食品をまとめた。 脂溶性 ビタミン名 特徴 多く含む食品 ビタミンA 単一物質ではなく、ビタミンAの効力を発揮する物質の総称。最初からビタミンAの効力を発揮するものと、体内に吸収されてからビタミンAに変わるカロチン(とくに作用するのはβカロチン)とがある。また、目のビタミンと言われるほど視覚と関係が深い。 レバー、うなぎの蒲焼き、小松菜、にんじん、春菊、卵黄、チーズ ビタミンD D2からD7までの6種類があるが、通常ビタミンDといえば、D2かD3のこと。ビタミンDは肝臓、次に腎臓で変化して活性ビタミンDになり、カルシウムやリンの吸収を助け、骨へと運ぶ役割がある。 魚類(サケ、カツオ、イワシ、マグロ、しらす)、しいたけ(なま・干し)、まいたけ ビタミンE 抗酸化作用があり、過酸化脂質の生成をおさえる。また、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす。 アーモンド、ひまわり油、かぼちゃ、ほうれんそう、たらこ ビタミンK K1からK7まであるが、天然に存在するのは、K1とK2。血液凝固因子の合成を補酵素として助けるはたらきがあり、また、カルシウムの代謝とも深い関わりがある。ただし、腸内細菌の生産によってほとんどまかなえるため心配はいらない。 納豆、モロヘイヤ、ブロッコリー、わかめ、ほうれんそう、緑茶 水溶性 ビタミン名 特徴 多く含む食品 ビタミンB1 炭水化物(糖質)を分解してエネルギーに変えるはたらきをする酵素を助けるのに不可欠。ビタミンB1が不足すると糖質をたくさん摂取しても分解することができないため、疲労物質が溜まりやすくなり、疲れやすくなる。 豚肉、玄米ごはん、うなぎの蒲焼き ビタミンB2 脂肪を燃やしてエネルギーに変える時の化学反応を進める酵素を助ける補酵素としてのはたらきがある。脂肪を多くとったら、ビタミンB2も多くとること。 レバー、うなぎの蒲焼き、牛乳、チーズ、たまご、納豆 ビタミンB6 たんぱく質の成分であるアミノ酸を合成したり、分解したりする補酵素としてはたらく。たんぱく質を多くとったら、ビタミンB6も多くとること。 アジ、サケ、カジキ、牛レバー、牛乳 ナイアシン(ニコチン酸) エネルギーをつくりだすのに不可欠なビタミン。また、遺伝子の修復にも関与している。 かつお、ぶり、牛レバー、いわし パントテン酸 糖質、たんぱく質、脂肪などをエネルギーに変えるのに必要な補酵素。熱に弱く、腸内細菌によっても合成される。 さつまいも、たまご、食パン、いくら、チーズ、ローヤルゼリー 葉酸 ビタミンB12とともに核酸をつくる作用があり、とくに赤血球をつくるときに必要なビタミン。また、遺伝子情報を正しく伝えるDNAの成分のひとつである核酸の合成にも関与している。 レバー、ほうれんそう、モロヘイヤ、大豆など ビタミンB12 増血のビタミンと呼ばれるほど、赤血球の熟成に不可欠。また、神経細胞にも多く含まれ、不足するとイライラしたり、憂うつになったりする。 いくら、牛肉、カキ、いわし、たらこ、のりなど ビオチン 脂肪酸やアミノ酸の代謝を促進し、主に皮膚を正常に保つはたらきがある。ただし、卵白と一緒に摂取すると吸収が妨げられる特徴がある(1日1~2個程度なら問題はない) レバー、牛乳、たまご、大豆 ビタミンC コラーゲン(細胞と細胞をつなぐ結合組織や骨などを丈夫にしているたんぱく質)の合成に必要。また、副腎から分泌されるホルモンの合成にも必要である。 柿、いちご、みかん、レモン、ブロッコリー、トマト、ピーマンなど 公開日:2001年4月16日
いまや、サプリメントの種類は多岐にわたり、どれを選べばいいかわからないことも多いでしょう。知っているつもりでも実は知らないサプリメントの基礎知識を解説します。 目次 機能や目的によって3種類に分かれる 効果アップ!賢いサプリメントの飲み方 サプリメントは食事の「サポーター」 機能や目的によって3種類に分かれる 現代の日本では、さまざまな種類のサプリメントが販売されています。種類が多すぎて「どれを選べばいいのか分からない」という人も多いかもしれません。実は、サプリメントはその機能や目的によって、下記のように大きく3つに分けることができます。 ベース・サプリメント ビタミン、ミネラルなどは、私たちが健やかに生きていく上で欠かせない栄養素です。不足すると体の調子が悪くなることから、健康をささえる土台(ベース)という意味で、「ベース・サプリメント」と分類されています。たくさんのサプリメントを目の前に「自分には何がいいの?」と迷ったときにはまず「ベース・サプリメント」を選択してみましょう。 ヘルス・サプリメント 黒大豆、ローヤルゼリー、青汁、プロポリス、深海鮫エキスなど、体調を調節してくれる成分が「ヘルス・サプリメント」です。ベース・サプリメントで健康の土台を作ったあと、自分の体質や好みで選ぶと良いでしょう。 オプショナル・サプリメント マカ、イチョウ葉、エキナセアなど民間医療として伝えられてきたサプリメントです。本来、体の中に存在する成分ではないので、脂肪の燃焼、免疫の活性など、具体的な目的に応じて使用すると良いでしょう。 さまざまなサプリメントが販売されているなかで、あれもこれもと試しているうちに、たくさんの種類のサプリメントを飲むようになっていた…という人もいるでしょう。そんな人に人気なのが、目的別にさまざまな栄養素が配合された「複合型サプリメント」です。手軽に多くの栄養素を摂ることができ、お財布にもやさしいものが多いようです。 しかし、もともとは「不足しがちな栄養素」を補うのがサプリメントの役目です。複合型サプリメントの場合、目的別に分けられていることが多いので、含有成分や量をきちんとチェックすることが大切です。すでに食事で補えている栄養素の摂取目安量をオーバーしないように賢く利用しましょう。 効果アップ!賢いサプリメントの飲み方 「毎日サプリメントを飲んでいるから健康です」というあなたは、改めてサプリメントの飲み方を考えたことはあるでしょうか?サプリメントはその種類によって飲むタイミングが異なり、適当に飲むと吸収率も低下してしまいます。 数種類の栄養素が一緒になったマルチタイプのサプリメントは、食事と一緒に摂るのが基本です。脂溶性のビタミン(A・D・E・K)は食前に、水溶性のビタミン(B群・C)は食間または食後がおすすめです。カルシウムは一般的には食後に摂取することが好ましいとされています。小さな子どもやお年寄りは消化器官が弱いことが多いので、一度に摂らず、何回かに分ける方が良いでしょう。 また、体に良いサプリメントも摂りすぎると害になることもあるので注意が必要です。とくに、ビタミンAを過剰摂取すると疲労感、吐き気、肌荒れ、抜け毛など、慢性的な症状が引き起こされることがあります。ビタミンCは尿とともに排出されるので不足しがちですが、摂りすぎると一時的に下痢になったり、尿路結石のリスクが高くなったりすることもあります。サプリメントの良さを最大限に生かすためにも、適量を守ることが大切です。 サプリメントは「サポーター」 「食事の代わりにたくさんサプリメントを摂るから大丈夫」というのは、もちろん誤りです。食材にはさまざまな栄養素が含まれており、サプリメントだけでは当然そのすべてを補えるわけではありません。また食事は、噛む力をつけるほかに、食卓を囲んで会話を楽しむ場になるという役割も果たします。「おいしい、楽しい」と思う気持ちは栄養素の吸収を高めたり、ストレス解消になったりもします。 残念ながら、サプリメントにこの役目を果たすことはできません。サプリメントは、あくまでもサポーターであり、主軸となるのは、食事から摂る栄養素。毎日きちんと食べ、食事から栄養を摂るという基本のうえに、サポーターによる補強が生きてきます。せっかく摂るなら、まずは食事をきちんと摂ることです。そこに自分に合ったサプリメントを加えることで、健康で充実した毎日を送ることができるでしょう。
野菜のビタミンCチャンピオンは、なんとジャガイモ。加熱しても失われにくく、保存にも向く。果物ではアセロラや、中国原産の刺梨がオススメ。ビタミンCは他の栄養素と組み合わせれば、効率的に健康維持に役立つはず。 目次 ビタミンCの王様はジャガイモ? アセロラ、刺梨はミラクルフルーツ! ほかの栄養素と組み合わせて~サプリメントを摂ろう! 料理の知恵袋 ビタミンCの王様はジャガイモ? 「野菜でビタミンCを摂るなら、生野菜が一番」。そんなふうに思い込んではいないだろうか?しかし、「隠れビタミンC不足」にぴったりの食品は、なんとジャガイモ!じつはジャガイモ可食部100g中のビタミンC含有量は35mgと、意外にも豊富なのだ。 これはほうれん草100gに含まれる量とほぼ同じだが、ほうれん草を100g食べるのは容易なことではない。しかも加熱すればビタミンCは損失されてしまう。 ところがジャガイモをはじめとするいも類のビタミンCは、加熱しても失われにくい特徴を持っている。豊富なでんぷん質に守られているためだ。また、時間がたってもあまり減少することがなく、保存に向いている。 かつてヨーロッパでは、ビタミンC不足で壊血病(歯肉や皮膚から出血をおこす病気)になる船員が後を絶たなかったが、ジャガイモを船に貯蔵するようになってから、こうした病気がなくなったといわれている。 コロッケや肉じゃが、ポテトサラダなど、料理法もさまざま。とくに皮の部分にビタミンが含まれているので、新ジャガなどはまるごとがオススメ。 アセロラ、刺梨はミラクルフルーツ! 果物の中でも、とくにビタミンC豊富なのがカリブ海原産のアセロラ。可食部100gあたりの含有量はレモン果汁の34倍。抗酸化作用のあるβカロチンも多く含まれており、美肌づくりには最適のフルーツ。 もうひとつのオススメは、中国原産のバラ科の潅木の果実、刺梨(とげなし)。ビタミンC含有量は、レモンのなんと約50倍!ほかにも、ビタミンEやB1、B2、ミネラル類、ポリフェノール、アミノ酸などを含んでいる。 どちらも日本で生食するのは難しいが、サプリメントなら簡単に摂取することが可能。ビタミンC不足解消には強力な決め手となりそう。 ほかの栄養素と組み合わせて ~サプリメントを摂ろう! カルシウム、マグネシウムと ~骨粗しょう症予防 女性がかかりやすい骨粗しょう症。予防するには、カルシウムはもちろん、ビタミンDやビタミンK、マグネシウム、そしてビタミンCが必要となる。ビタミンCはコラーゲンの生成に関わり、骨の強化にも役立つのだ。中高年だけでなく、ダイエット中の人も骨がもろくなりがち。バランスよく栄養を摂取して、骨太な体に! ビタミンA、Eと ~老化・生活習慣病予防 ビタミンCの抗酸化作用は、細胞の水分中で発揮され、ビタミンE、ビタミンAは細胞の脂肪中で抗酸化作用を発揮する。より効果的にバランスよく活性酸素対策をするなら、ビタミンE、ビタミンAを一緒に摂取しよう。 コラーゲンと ~美肌効果 細胞にはたらきかけ、いきいきとしたお肌をつくるコラーゲン。ビタミンCの助けで生成され、維持される。つまり、この2つを一緒に摂れば、美肌効果はますます促進されるということ。大急ぎで美人になりたいなら、見逃すわけにはいかないうってつけの組み合わせ。 料理の知恵袋 ●加熱はささっと!が大原則。ゆでたり、煮たりするより、炒めたほうがビタミンC損失量は少ない ●ゆで汁や煮汁には、ビタミンCがいっぱい。「捨てずに有効利用」を ●温めなおすと、ビタミンCは逃げてしまう。作ったらすぐ食べるのが理想 公開日:2004年3月29日
健康に欠かせないビタミンC。しかしながら、いろいろと弱点も持っている。長所・短所をきっちりおさえて、効率的な摂取を目指そう! 目次 ビタミンCはパワフルだ! ビタミンCは失われやすい! ビタミンCはパワフルだ! ビタミンの中でも、最も多彩な活躍をするビタミンC。美肌づくり、健康維持に欠かせない役割を果たしている。 ビタミンCのパワー ●美肌に みずみずしいお肌に欠かせないたんぱく質、コラーゲン。細胞と細胞をつなぎ合わせる接着剤のような役割を果たし、骨や血管を丈夫にしている。ビタミンCは、このコラーゲンの生成や維持を助け、肌荒れや骨粗しょう症を予防してくれる。 また、ビタミンCには紫外線によるダメージから肌を守る美白効果も。シミや日焼けをつくる皮膚中のメラニンにはたらきかけ、褐色化を食い止めるのだ。すべすべの色白肌になりたい人は、たっぷりビタミンCを! ●老化や生活習慣病に 今、話題の「活性酸素」。血液によって全身に運ばれた酸素が酸化した「体のサビ」だ。体内のいたる所で細胞を攻撃し、老化や生活習慣病のもととなる。ビタミンCは、活性酸素を除去し、体の酸化を防いでくれる。 ●風邪に ビタミンCをたっぷり摂っておけば、風邪をひきにくくなるといわれている。これはコラーゲンを生成することにより、のどや鼻の粘膜を強化し、風邪ウイルスの侵入を防ぐから。また、白血球と結びつき、免疫力を高めるはたらきも。治療薬の代わりにはならないが、風邪のシーズンにはこまめに摂るとよさそう。 ●このほかにも… ストレス緩和/便秘防止/疲労回復/痴呆予防/アレルギー改善/眼病予防など、意外な効果も期待できる。 ビタミンCは失われやすい! ビタミンCには弱点がある。そう、なにかと損失されやすいのだ。調理中はもちろん、摂取したあともどんどん体内から排出されてしまうので要注意! ビタミンCの弱点 ●熱に弱い 加熱すると簡単に分解してしまう。よって、調理はささっと!がオススメ。 ●水に弱い 水に溶けやすいので、洗ったりするとどんどん減ってしまう。野菜や果物を長く水にさらしておくのはご法度と心得よう。 ●空気に弱い 空気に触れるとどんどん酸素を取り込み、分解されてしまう。買ってきてから時間の経ったものは、ビタミンCがスカスカの状態になっている場合も。 ●体から排出されやすい たった2、3時間で体外に排出されてしまう。一度にたくさん摂取するより、こまめに摂るほうが得策。 ストレスやたばこ、飲酒などでも大量に消費されてしまう点も、ビタミンCの困ったところ。よくはたらくけど、ちょっとナイーブ。そんなビタミンCとは賢い付き合いを心がけよう! 公開日:2004年3月29日
ビタミンCの適正摂取量は、成人男女ともに1日に100mg。いちごなら10個ほど、キウイなら1個半といったところだ。ちなみに平成14年の国民栄養調査によれば、国民の平均摂取量は101mg。単純に考えれば、半数くらいの人は、基準をクリアしているはずなのだが…。 ところが最近、慢性的なビタミンC不足、「潜在性ビタミンC欠乏症」がひそかに増えているという。いったいなぜだろう? 目次 ストレス、たばこ、飲酒、外食…現代社会はビタミンCの敵だらけ チェック!こんなあなたは隠れビタミンC不足! 消極的摂取派から積極的摂取派へ! ストレス、たばこ、飲酒、外食…現代社会はビタミンCの敵だらけ 実は現代社会はビタミンCの敵だらけ。野菜や果物をふんだんに食べているつもりでも、温室育ちだったり、季節はずれだったりと、含まれるビタミンCの量は、昔より落ちていることが多い。さらに保存や輸送などの流通過程で失われてしまうことも。 ある研究によって「野菜のビタミンCの含有量の減少が、日本人の健康に影響を及ぼしている」ということを明らかにした研究結果もある。また、大気汚染、紫外線、たばこ、飲酒、外食といった生活習慣やストレスなども、血液中のビタミンCを消耗する原因になっている。不定愁訴や体調不良がなんとなく続いているというあなた。もしかしたら「隠れビタミンC不足」では!? チェック!こんなあなたは隠れビタミンC不足! 都会に住んでいる たばこを吸っている 人間関係で気疲れする ハードワークをこなしている 不規則な生活を送っている 頭痛薬が手放せない 外食が多い けっこう大酒のみだ ●Yesの数が0個 現代人にはめずらしく健全なあなた。この調子ならビタミンC不足の心配はないかも。ただし、野菜や果物をきちんと摂っていればの話。油断は禁物。 ●Yesの数が1~3個 結構、お疲れのあなた。少しでもビタミンC摂取を怠れば、体調不良に陥る可能性が大!ストレスをためこむ前に、ビタミンCたっぷりのメニューやサプリメントを。 ●Yesの数が4~8個 あなたは立派な「隠れビタミンC不足」。すでに、原因不明の症状に悩まされているのでは?きちんとした食生活とサプリメント習慣で元気を取り戻そう! 隠れビタミンC不足の人はこんな症状に注意! 食欲不振/歯茎からの出血/あざ/肌荒れ/小じわ/頭痛/肩こり/筋肉痛/関節痛/風邪/無気力感・全身の倦怠感/情緒不安定 消極的摂取派から積極的摂取派へ! ただでさえ失われがちなビタミンC。動物と違い、人間は体内でビタミンCを生成することができない。だからこそ、積極的に摂取する努力が必要なのだ。これまでなんとなく摂っていた、という消極派の人は、積極的に野菜や果物を食べたり、サプリメントを摂ったりする必要がありそう。 公開日:2004年3月29日
妊娠・産後は、ママの体から赤ちゃんに栄養が奪われるため、この時期は特にビタミン・ミネラルなどの栄養の補給に気を配らなければなりません。この時期に押さえておきたいビタミン・ミネラルについて確認しておきましょう。 目次 どうなるの?妊娠中と産後の体調 妊娠中や産後に起こりやすい不調 妊娠中のトラブルには葉酸+このビタミン&ミネラルを 赤ちゃんのために葉酸+このビタミン&ミネラルを どうなるの?妊娠中と産後の体調 妊娠すると女性の体にはさまざまな変化が現れます。妊娠初期に現れるつわりはもちろんのこと、肌や髪のトラブル、情緒不安定、だるさや疲れやすさなどその症状はさまざまです。また、妊娠中だけではなく、産後もしばらくの間はこうしたトラブルが続くことが多いようです。月経が再開するとしだいにホルモンバランスは戻っていきますが、それまでは不定愁訴や体調の変化に悩まされることもしばしばです。妊娠中、そして産後の女性に現れる不快な症状とはどのようなものなのか、事前に症状をチェックしましょう。 妊娠中や産後に起こりやすい不調 症状 主な原因 対策 眠くてだるい ホルモンバランスの乱れ、ストレス、貧血などの要因が絡み合って起こります 妊娠により疲れやすくなっているので、とにかくぐっすり眠ること 気持ちが悪い 妊娠初期に起こる、いわゆる「つわり」です。吐きづわり、空腹づわりなどタイプもさまざまです つわりの場合は、食べたいときに食べたいものを。もちろん、無理に食べなくてもOK 頭がズキズキ 妊娠中毒症が原因の場合、血圧の上昇に伴って起こります。めまいがしたり、目の前にチラチラしたものが見えることもあります 市販薬などを自己判断で飲まず、早めに受診を。妊娠中毒症の場合は安静を心がけ、塩分控えめの食事を フケ・かゆみ 皮脂腺が閉じやすくなっているのに皮脂の分泌が多くなるため 頭皮を清潔に。刺激の少ないシャンプーでやさしく洗いましょう シミ 貧血やストレスなどが原因となって起こります 栄養をしっかり補給。紫外線を防止し、悪化を防ぐことも大切です 憂うつ・イライラ ホルモンバランスの乱れやストレスが自律神経に影響を及ぼします あまり物事を考え過ぎない、思いつめないこと。気分転換やリラックスも大切です 妊娠中のトラブルには葉酸+このビタミン&ミネラルを 妊娠中は、おなかの赤ちゃんにママの体から栄養が奪われてしまいます。また、初期のつわりではほとんど食べられないという人も多く、さらに中期以降では体重管理とともに必要なビタミン・ミネラルまで減らしてしまい、栄養不足に陥るケースもあります。妊娠中に起こりやすいトラブルに関連した必要な栄養素をチェックし、足りない場合はサプリメントで補うことも賢い選択でしょう。 なお、サプリメントを利用する際は、注意事項をよく読むように。なかには、妊娠・授乳中の場合には控えた方がよいものもあります。迷ったら販売元や医師に相談をしましょう。 予防したい症状 必要な栄養素 妊娠中の1日の所要量( )内は授乳中の1日の所要量 必要な理由 貧血 赤血球のヘモグロビンのなかに含まれる鉄、赤血球の再生に必要な葉酸、ビタミンB12など 鉄…20mg(20mg) 葉酸…400μ g(280μg) ビタミンB12…2.6μg(2.6μg) 妊娠が進むにつれ体内の血液が急激に増えるため、赤血球の生産が追いつかなくなります つわり つわりの人に多いといわれる「キサンツレン酸」の増加を間接的に防ぐビタミンB6など ビタミンB6…1.7mg(1.8mg) ビタミンB6が不足すると、アミノ酸の代謝異常が起こり、「キサンツレン酸」が増加します 眠気やだるさ、イライラ 脳や神経の興奮を鎮め、精神を安定させるカルシウム カルシウム…900mg(1,100mg) 胎児の骨や歯の形成に、母親の骨からカルシウムが奪われます 妊娠中毒症 血圧を正常に保つカリウム、心臓の収縮をスムーズに行うカルシウム カリウム…2,000mg(2,500mg) カルシウム…900mg(1,100mg) 不足すると高血圧になり、妊娠中毒症の原因となります 栄養所要量の出典:第6次改定日本人の栄養所要量 赤ちゃんのために葉酸+このビタミン&ミネラルを 積極的な葉酸の摂取を ママの体のためだけではなく、丈夫で健康な赤ちゃんを産むためにも、栄養のコントロールは欠かせません。ビタミン・ミネラルのなかでも葉酸は、厚生労働省が「神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるために、妊娠の1ヵ月以上前から妊娠3ヵ月までの間、葉酸の摂取が必要である」としているように、元気な赤ちゃんを産むために大切な栄養素です。 しかしながら、葉酸は通常の食事から必要量摂取するのは至難の業。緑黄色野菜などはゆで野菜にすることで栄養成分が流出してしまいます。また、肉類で摂ろうとするとカロリーも増やしてしまうからです。現実問題として、毎日葉酸の多い食品ばかりを食卓に並べるのも大変なことでしょう。 米国政府では、「妊娠可能な年齢にあるすべての女性」に対し、1日400μg(0.4mg)の葉酸をサプリメントで摂取するよう呼びかけています。また日本でも厚生労働省が、食事だけでなくサプリメントの利用もすすめています。 必要量を毎日無理なく摂るために、食事で摂りきれない分をサプリメントで補うなど上手に組み合わせてみましょう。 こんなもので葉酸を摂取! 参考:2002新食品成分表(五訂日本食品標準成分表準拠) ビタミン・ミネラルの過剰摂取にも要注意 意外に見落としがちなビタミン・ミネラルの過剰摂取にも注意を。特に、妊娠3ヵ月までにビタミンAを大量に摂ると、新生児の奇形発生率が高まるといわれています。妊婦の場合ビタミンAの必要所要量は2,000IUだが、5,000IUを超えるとリスクが増えるといわれているので、十分に注意しましょう。 よいおっぱいをつくるには 出産が近づいてきたら、母乳の質を高め、量もたっぷりと与えられるように気を使うとよいでしょう。生まれてきた赤ちゃんは、妊娠中よりもたくさんの栄養を必要とするので、ママも負けずにしっかり栄養補給することが大切です。特に新生児のビタミンK欠乏性出血症を防ぐため、ビタミンKの摂取は積極的に行いましょう。このビタミンは血液凝固に必要な成分で、不足すると頭蓋内出血を引き起こし、脳障害の原因となります。 また、ホルモンの分泌を正常にし、母乳の分泌を高めるビタミンEや赤ちゃんの骨の育成に関わるカルシウムの補給もお忘れなく。
20~30代女性は、欠食習慣、ストレス、喫煙、飲酒などの要因により体調に変化を起こしがち。毎日のビタミン・ミネラルのバランスを見直すことが大切です。月経前症候群・月経トラブル、血行不良、自律神経失調症・抑うつなど女性に起こりやすいトラブル別のおすすめ栄養素を紹介します。 目次 こんな生活習慣がビタミン&ミネラルを奪っていく!? こんなトラブルにはこのビタミン&ミネラルを 女性の不調によいビタミン「葉酸」とは こんな生活習慣がビタミン&ミネラルを奪っていく!? 忙しい女性はついつい欠食しがち? 元気に毎日を過ごすには、毎日3度の食事をしっかり摂って食生活を管理することが大切です。しかし、ついつい忙しくて夕食を抜いてしまったり、寝坊して朝食を食べられなかったりということも多いのではないでしょうか。平成13年国民栄養調査(厚生労働省)によると、欠食習慣のある女性は、なんと20代で3人に1人、30代でも4人に1人にも上るようです。 欠食を続けているとどうなるのでしょうか?必要な栄養が脳に供給されず、頭がぼーっとする、憂うつ感が高まる、外出や新しいことを始めるのがおっくうになる、だるくて疲れやすくなるなどの不定愁訴につながっていきます。さらに、さまざまな心身の病につながることもあります。「最近、体調が悪い」という人は、まず自分の食習慣を見直すことから始めましょう。 ■20代、30代女性の欠食状況 出典:平成13年国民栄養調査「ふだんの欠食の頻度」 ストレスがビタミン&ミネラルを消費していく! 毎食きちんと摂っていても、栄養不足に陥ることがあることもご存知でしょうか。その最も大きい原因がストレスです。ストレスを感じると体内のビタミンが盛んに消費されます。例えば、ちょっとドキッとしただけでも、なんと1日の栄養所要量 (100mg)の5倍にも当たる量のビタミンCが消費されるといわれています。 体調管理に禁煙を!飲酒もほどほどに たばこやお酒もビタミン・ミネラルの不足に大きく関わっています。たばこ1本で破壊されるビタミンCは25mgといわれ、1本で1日の栄養所要量の1/4もの量があっという間になくなってしまうのです。しかも、日本たばこ産業の調査では、2002年に男性の喫煙率がようやく5割を切り、5年間で6%ほど減ったというのに、女性は14%前後でほぼ横ばいです。これでは自ら体調不良を招いているようなものです。 また、ビタミン不足にはお酒も無縁ではありません。アルコールを摂り過ぎると葉酸を含むビタミンB群が欠乏してウェルニッケ脳症を引き起こしたり、ナイアシンが欠乏してぺラグラなどの病気を引き起こすこともあります。 毎日を健やかに過ごすために禁煙・節酒を心がけることは、忘れてはならないポイントと心得ましょう。 アルコール依存とも関係があるビタミン・ナイアシンの欠乏症 こんなトラブルにはこのビタミン&ミネラルを 疲れやすい20~30代の女性はどんなビタミンを補給するとよいのでしょうか。女性によく起こるトラブル別に、不足しがちなビタミン・ミネラルの特徴や栄養素が多く含まれる食品を紹介します。 月経前症候群・月経トラブルには 月経の前にイライラや眠気、だるさや食欲の変化などが起こる月経前症候群、また生理不順などの月経トラブルによいとされるビタミン・ミネラル。 栄養素 どんなはたらきをするの? 多く含まれる食品 ビタミンB6 女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が増えるとともに不足しがちに。月経前の不定愁訴を防ぐ効果があります。 かつお、まぐろ、白さけ、さんま、牛レバーなど ビタミンE 血液の循環をよくし、生理痛をやわらげる効果もあります。 アーモンド、にじます、へーゼルナッツなど 葉酸 細胞の新生を促し、月経前に起こりやすい口内炎などの症状を防ぎます。 レバー(鶏・牛・豚)、菜の花、枝豆など カルシウム 精神を安定させる作用があり、月経前のイライラなどを防ぎます。 田作り(ゴマメ)、干しえび、どじょう、わかさぎなど マグネシウム 月経前のむくみ感や不安感を防ぎます。カルシウム2に対し、1の割合で摂取します。 ごま、ピーナッツ、玄米、納豆、カキなど 血行不良には 血行不良を改善するといわれるビタミン・ミネラル。不足すると肩こりや頭痛、貧血、冷え性などが引き起こされることもあります。 栄養素 どんなはたらきをするの? 多く含まれる食品 ビタミンE 抗酸化作用により血液をサラサラにし、冷えなど血行不良の諸症状を改善します。 アーモンド、にじます、へーゼルナッツなど 葉酸 赤血球の新生を促し、悪性貧血を防ぎます。 レバー(鶏・牛・豚)、菜の花、枝豆など ビタミンB12 葉酸とともに赤血球の新生を促し、悪性貧血を防ぎます。 レバー(牛・鶏)、カキ、さんま、あさりなど 鉄 ヘモグロビンに含まれるミネラルです。不足すると血液が合成されず、貧血に。 天然あゆ、かわのり、干しひじき、あさり水煮など 銅 ヘモグロビンと鉄の合成に必要です。 ほたるいかの燻製、牛レバー、しゃこなど 自律神経失調症・抑うつには 自律神経のバランスを崩し、心身に影響を与える自律神経失調症や、抑うつによいといわれるビタミン・ミネラル。 栄養素 どんなはたらきをするの? 多く含まれる食品 ビタミンC ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの生成に関わります。 アセロラ、グアバ、赤ピーマン、菜の花など ビタミンB1 脳や神経のエネルギー源となる糖質の分解を促進し、精神を安定させます。 豚肉(ヒレ・モモ)、うなぎの蒲焼、たらこなど ビタミンB12 中枢神経のはたらきに関与し、脳のはたらきをよくします。不眠の解消にも。 レバー(牛・鶏)、カキ、さんま、あさりなど 葉酸 神経細胞、脳の神経伝達物質の産生に関わります。不足すると不眠などの症状が現れます。 レバー(鶏・牛・豚)、菜の花、枝豆など パントテン酸 ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの合成を促します。 レバー(鶏・牛・豚)、子持ちガレイ、にじますなど カルシウム 脳や神経の興奮を鎮め、精神を安定させます。不眠にも有効です。 田作り(ゴマメ)、干しえび、どじょう、わかさぎなど 女性の不調によいビタミン「葉酸」とは 女性に特有の症状の軽減に「葉酸」の摂取はとても大切です。月経に関連する不調や貧血、神経症状などに広く関わっています。葉酸は水溶性のビタミンB群の一種です。最初に抽出されたのがほうれん草からだったため、ラテン語で葉を意味する「フォリウム」からその名がつけられています。 葉酸って何?
コエンザイムQ10(CoQ10)とはどんなものか、またエネルギーを作り出す補酵素としてのはたらきはどんなふうなのかをまとめた。 目次 「コエンザイムQ10」ってどんなもの? コエンザイムQ10とアミノ酸、どこが違うの? どんなふうにエネルギー産生するの? なぜ、コエンザイムQ10は不足するの? コエンザイムQ10、もともとは医薬品だった! 「コエンザイムQ10」ってどんなもの? 部位別コエンザイムQ10の量 体内の生命活動のために酵素が潤滑にはたらけるよう、助けるのが補酵素の役目。コエンザイムQ10もそのひとつだ。黄色からオレンジ色の結晶状の物質で、匂いはなく水にはほとんど溶けない。 このコエンザイムQ10、実は人間が生命活動を営むために必要なエネルギーを作り出すのに重要な関わりがある。体内でエネルギーを作り出しているのは、全身の細胞に含まれているミトコンドリアという小器官であり、1細胞当たり50~200ほど含まれている。このミトコンドリアは、人間が生命活動に必要なエネルギーの約95%にも上るほどの一大エネルギー工場なのである。そして、このミトコンドリアにコエンザイムQ10は多く含まれ、エネルギー産生に一役買っているのだ。 また、コエンザイムQ10は人間の体内のすべての細胞に存在するが、その濃度は部位により異なる。特に、心臓には多く含まれており、不足すると心臓に影響が出やすいとも言われている。 コエンザイムQ10とアミノ酸、どこが違うの? アミノ酸とはたんぱく質を構成している最小の物質で、約20種類ある。人間の体を作っているたんぱく質は約10万種類あると言われているが、すべてわずか20種類のアミノ酸でできている。コエンザイムQ10はビタミンに近いはたらきをするビタミン様物質。体力向上、美肌効果など、メリットは似ているが、別々の物質なのだ。 どんなふうにエネルギー産生するの? エネルギー産生メカニズムとコエンザイムQ10の果たす役割 体内のエネルギー工場である細胞内のミトコンドリアでは、どのようにエネルギー産生が行われ、コエンザイムQ10がはたらいているのだろうか。 人間が筋肉を収縮させたり、呼吸をしたり、何か考えたりするには必ずエネルギーが必要となる。そして、そのエネルギーを得るために食事をする。それは、車が走るためにガソリンが必要なのと同じだ。 そして、食事から摂取したエネルギーは、すべて化学エネルギーとして供給される。このときのエネルギーが「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼ばれるものだ。 糖質やたんぱく質、脂質などの栄養素をエネルギーに変換する回路には、それぞれ「解糖系」「TCA回路(クエン酸回路)」「電子伝達系」と呼ばれる3つがある。 食事から摂取した糖質は、ブドウ糖になり、解糖系と呼ばれる経路によりピルビン酸まで変化する。その過程で若干ATPが作られる。さらに、このピルビン酸はTCA回路に入り、電子が発生する。ここで発生した電子は電子伝達系に送られ、酸化されて水になる。この酸化の過程で発生する大量のエネルギーを利用してATPを合成するのだ。その時に必要なのがコエンザイムQ10である。 ここでコエンザイムQ10が不足するとエネルギー工場のはたらきもストップしてしまい、エネルギーが産生されなくなるため、コエンザイムQ10は欠かすことのできない存在なのである。 なぜ、コエンザイムQ10は不足するの? これほど欠かすことができないコエンザイムQ10。でも、不足してしまうことがある。 原因その1:加齢 加齢によるコエンザイムQ10量の減少 資料提供:日清ファルマ株式会社 コエンザイムQ10は、体内での合成と体外からの補給という2つの方法で供給されているが、体内で合成されるものは20歳をピークに40歳ごろからどんどん減少していってしまう。特に、心臓や肺などの臓器での減少が目立つ。 原因その2:食生活 食物中のコエンザイムQ10の量 資料提供:日清ファルマ株式会社 イワシやサバなどの青魚やウナギ、牛に多く含まれるコエンザイムQ10であるが、さまざまな研究により健康維持や老化防止のために目安として1日30~60mgの摂取が推奨されている。が、30mgのコエンザイムQ10を摂るためには、イワシなら6匹分、牛肉ならなんと950gも必要なのである。実際、食事だけではなかなかまかなえない。上手にサプリメントなどで補給するのも賢い方法だろう。 原因その3:病気 病気にかかってしまうと、血中のコエンザイムQ10の量が減ってしまうことも確認されている。例えば、健常者の心臓の血中コエンザイムQ10濃度は0.8~1.0μg/mlであるのに対し、心臓疾患者では0.5μg/ml以下。そのほか、糖尿病や肝硬変などの病気でも血中コエンザイムQ10濃度は低くなっているのだ。 コエンザイムQ10、もともとは医薬品だった! 1950年代初期:ユビキノン発見 1974年:世界ではじめて医薬品としてコエンザイムQ10を販売 1980年代初期:延べ600万人の心疾患患者が使用 1991年:一般医薬品として薬局薬店で販売を開始 2001年:厚生労働省がコエンザイムQ10を食品としても位置付ける 日本ではもともと心臓疾患の医療品として使われてきたコエンザイムQ10。2001年の食品規制の緩和により健康食品として販売されるようになり、私たちの身近なものになっている。 アメリカではすでに10年ほど前からコエンザイムQ10のサプリメントが販売され、人気を呼んでいる。サプリメント以外にもスポーツドリンクや歯周病予防の歯磨き剤、基礎化粧品なども発売されているとか。今後日本でもコエンザイムQ10の新しい商品が開発されるかもしれない。 公開日:2003年3月3日
最近では洗剤にも含まれているという酵素。そして、酵素がはたらくためには補酵素が必要であるという。さて、酵素、補酵素とはどんなものなのだろうか。 目次 酵素とは? 補酵素とは? 補酵素としてはたらくビタミンたち 「コエンザイムQ10」も補酵素だ! 「コエンザイムQ10」には別名がある! 酵素とは? 人間の体は、約60兆個の細胞からできており、それぞれの細胞は食物から取り入れた栄養素を燃やして、生きていくために必要なエネルギーを作り出している。しかし、人間の生命活動は消化だけではなく、呼吸をしたり、筋肉を動かしたりと多様なもの。そのすべての生命活動のための化学反応に「酵素」は活躍している。 酵素はたんぱく質からできており、ミネラルに巻き付いた構造をしているものもある。中心になるミネラルの種類やたんぱく質の巻き付き方によっていくつもの種類があり、現在発見されている酵素は約3,000種だ。消化を助ける消化酵素以外に、代謝酵素や食物酵素などがある。 酵素にはこんなものがある ●消化酵素 食物から摂取したデンプンをブドウ糖に分解するアミラーゼ、たんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、脂肪を脂肪酸に分解するリパーゼなどがある ●代謝酵素 吸収された栄養を体内の細胞に届けて効果的にはたらくのを助けたり、毒素を汗や尿の中に排出したり、体の悪い部分を修復するはたらきがある ●食物酵素 加熱されていない食べ物や発酵食品には酵素が含まれている。例えば、生の野菜や果物、肉や魚にも含まれているし、みそや納豆などの発酵食品にも含まれている 補酵素とは? 消化や代謝、はたまた食品の中に含まれて発酵を助けるなど、さまざまなはたらきのある酵素。しかし、それだけではスムーズにはたらけない酵素もある。そこで、登場するのが「補酵素」だ。 例えば、体内でAが酸化されてBになる(Aから水素が取り除かれる)という酵素反応が起こる場合、Aの水素を引き取る相手がいなければ、酵素やAがたくさんあってもBを生成することはできず、そこで反応は止まってしまう。この水素の引き取り手が「補酵素」というワケなのだ。 ある種の補酵素は、主に人間が食事で摂取したビタミンからつくられている。 補酵素としてはたらくビタミンたち ビタミンの中でも、特にB群のビタミンは、体内で代謝に関与する補酵素の構成材料として重要な生理機能を持っている。 例えば、ビタミンB1は糖質代謝の補酵素として、ビタミンB6はアミノ酸やたんぱく質代謝の補酵素として、ナイアシンは酸化や還元などの脱水素酵素としてはたらいている。 これらのビタミンがなくては反応がストップしてしまう、いずれも重要な補酵素である。 「コエンザイムQ10」も補酵素だ! みなさんは「コエンザイムQ10」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「コエンザイムQ10(CoQ10:コーキューテン)」と呼ばれる物質も補酵素であり、人間の生命活動になくてはならない存在なのだ。厳密には、ビタミンの定義には当てはまらないためビタミンではない。しかし、ビタミンと同じようなはたらきをするため、「ビタミンQ」とも言われている。 さて、このコエンザイムQ10、どんなはたらきをするのか「注目!「コエンザイムQ10」入門講座」を見てみよう! 「コエンザイムQ10」には別名がある! 英語で酵素のことを「enzyme」という。これに補うという意味の「co」が付いたものが「coenzyme=補酵素」である。また、コエンザイムQ10は、別名「ユビデカレノン」とか、「ユビキノン10」と言われ、その語源はラテン語の「Ubuiquitous(普遍的に存在する)」からきている。 公開日:2003年3月3日
葉酸は、主に緑黄色野菜に含まれています。なかでも緑色をした葉っぱのものや豆類に含まれています。ほうれん草、ブロッコリー、枝豆などあなたは食べていますか?「そんな食事、してないよ~」という方には、手軽に摂取できるサプリメントもありますよ。 目次 葉酸が含まれる食品 葉酸を摂るときのコツとは? 葉酸が含まれる食品 さて、「葉酸を摂ろう!」と言われても、「何を食べたらいいの?」と思ったあなたに、具体的に葉酸が摂れる食品をご紹介。主に緑黄色野菜に多く含まれており、なかでも緑色の濃い、葉ものを食べるといいようだ。普段の食生活にぜひとり入れよう! ただし、レバー類はビタミンAが多く、過剰摂取の心配があるので注意すること。 葉酸はどのくらい含まれている?(食品100g当たり) 食品名 葉酸の含有量(μg) ●鳥レバー1,300 ●牛レバー1,000 ●豚レバー810 ●ひよこ豆350 ●なば菜340 ●えだまめ320 ●からし菜310 ●ささげ300 ●そらまめ260 ●みずかけ菜240 ●モロヘイヤ250 ●大豆230 ●ほうれん草210 ●ブロッコリー210 ●グリーンアスパラガス190 ●春菊190 ●たか菜180 ●たらのめ160 ●だいこんの葉140 ●納豆120 ●ライチー100 ●いちご90 ●パッションフルーツ86 ●アボガド84 ●マンゴー84 出典:五訂食品成分表 葉酸を摂るときのコツとは? 葉酸は水に溶け出しやすく、加熱に対して失われやすい性質を持っている。 そのためフルーツや野菜から摂取する場合はなるべく生の新鮮な状態で食べるようにし、スープや煮込み料理など熱を加える場合は、煮汁に溶け出した葉酸も一緒に摂るようにしよう。 また、葉酸は光にも弱いため、直射日光を避けるなど保存の仕方にも工夫をしないとせっかくの効果も減少してしまう。「葉酸が足りていないな…」と心配な場合は、1日成人200μgの推奨量を参考に食事で摂り、足りない分はサプリメントで補充すると良いだろう。 公開日:2002年6月3日
「男だから」「妊娠なんてしないから」葉酸は必要ない、なんてことはありません。葉酸は増血ビタミンとも言われるほど、血液と深く関係しています。葉酸が不足すれば、貧血や疲れ、皮膚の炎症や口内炎などを招きます。 目次 葉酸は、男性や妊婦以外の女性にも必要 葉酸はビタミンB12と切り離せない 現代人は不足気味 葉酸は、男性や妊婦以外の女性にも必要 もちろん、葉酸が必要なのは、妊婦や妊娠する可能性のある女性だけではない。 1998年2月4日付けのニューヨークタイムズ紙に、ビタミンB群を多量に摂ると女性の心臓発作の危険性が半減するという研究報告が掲載された。このビタミンB群の中で注目されたのは、ビタミンB6や葉酸であるという。 さらに、葉酸とビタミンB6を多量に摂取しつつ、アルコール飲料を1日1杯程度飲んだ場合は、なんと心臓発作の危険性が75%低下したという。これは、ビタミンB6や葉酸に血中のアミノ酸ホモシステイン濃度を下げ、血管の流れを妨げないようにするはたらきもあるからなのだ。 また、葉酸には赤血球の合成や赤芽球の分裂などに関与するはたらきがあるため、貧血気味、疲れやすいなどの症状がある人も葉酸やビタミンB12を摂取する必要がある。 葉酸は妊婦だけのものじゃない! 葉酸はビタミンB12と切り離せない 「じゃあ、葉酸だけを摂っていれば大丈夫なの?」というと、これは誤り。 葉酸とビタミンB12はお互いに補い合ってはたらいているため、どちらか一方が不足すると十分に作用しない。赤血球の製造を行う葉酸と、その葉酸を助けるビタミンB12のはたらきが必要なのだ。 ビタミンB12と葉酸は、どちらも「増血ビタミン」ともいわれ、赤血球の形成、再生に関係している。どちらか一方が不足しても赤血球が減り、貧血が起こりやすくなるというワケ。 ビタミンB12のはたらき ビタミンB12は主に肝臓に蓄えられている。そのためビタミンB12が不足して起こる貧血は、鉄分不足による貧血よりも悪性で、貧血の一般症状以外にも、胃腸障害や頭痛、全身の倦怠感、舌の炎症などが現れる。 また、ビタミンB12は神経にも関与しているため、不足すると中枢神経や末梢神経の障害が起こることもある。 要は「バランスよく摂る」ことが必要なのだ。 現代人は不足気味 ここ最近日本でも、ビタミン摂取の重要性に注目が集まり、意識してビタミンを摂取するようにはなってきたが、ほかのビタミンに比べるとやはり葉酸は摂取不足気味。 21~22歳の若い女性244名を対象に、3日間葉酸摂取実態を調査したところ、190±70μgという結果が得られた(平岡真美ら:ビタミン、74巻5-6号)。成人の1日の必要摂取量が200μgであることから考えると、やはり不足しているといわざるを得ない。 その要因は、ひとつは食生活の変化。インスタント食品やコンビニ食に頼る食生活では、ビタミン不足は避けられないことである。 また、喫煙やアルコール類の多量摂取でも葉酸は破壊されてしまうのだ。 葉酸不足を招かない生活を心がけよう! (葉酸を摂取できる食生活はこんなもので葉酸を摂取!をご覧ください。) 公開日:2002年6月3日
数あるビタミンの中でも、ビタミンB群に含まれる葉酸。「ビタミンAやビタミンCはよく耳にするけど、『葉酸』って本当にビタミンなの?」という方、まずは葉酸とはどんなものかを知ってください。 目次 「葉酸」って知ってる? 体にどんなはたらきをするの? 葉酸不足は貧血のもと 「葉酸」って知ってる? 「葉酸」という言葉を聞いたことがある?実は、葉酸はビタミンの一種。ビタミンというと、ビタミンAやビタミンCを思い浮かべるが、葉酸は水溶性のビタミンB群の一種だ。 最初に抽出されたのはほうれん草からで、ラテン語で葉を意味する「フォリウム」から名づけられたもの。その名の通り、植物に多く含まれている。 ちなみに、ビタミンって? ビタミンとは、人の体を正常にはたらかせるために欠かすことのできない栄養素だ。1日の所要量は炭水化物やたんぱく質に比べてごく微量ではあるが、そうはいっても不足すると体にさまざまな不調が現れてしまう。 現在、健康に必要だといわれているビタミンは主に13種類。水に溶けやすい性質の水溶性ビタミンと、溶けにくい性質の脂溶性ビタミンに分けられる。なかでもビタミンB群は水溶性ビタミンでさまざまな酵素とともに食物の分解を助け、これらの成分の多くを燃やしてエネルギーを作り出している。 ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、そして葉酸などが含まれている。 体にどんなはたらきをするの? ビタミンはほかの栄養素のはたらきを円滑に進めるための潤滑油のようなはたらきをする。人の体を車に例えるなら、炭水化物やたんぱく質が車を動かすためのガソリンであり、ビタミンは車のエンジンを動かすためのエンジンオイルに当たるのだ。 なかでも葉酸は血液と関係が深く、ほかのビタミンB群、特にビタミンB12と一緒にはたらく。 葉酸のはたらき ●遺伝物質であるDNAやRNAを構成している核酸の合成に不可欠 ●赤血球の合成 ●アミノ酸(グリシン、セリン、メチオニン)の合成やたんぱく質の生成・促進作用がある ●皮膚の粘膜の強化 ●口内粘膜の強化 葉酸不足は貧血のもと 葉酸が不足すると、体調にどのような変化が現れるのだろうか。 葉酸不足は、悪性の貧血(巨赤芽球性貧血=DNAの合成障害が原因で起こる貧血)、口内炎、食欲不振、舌炎、下痢、顔色が悪い、などの症状が現れる。 さらに、重要視されているのが妊婦の葉酸不足。とくに、妊娠初期(4週~12週)は胎児の細胞分裂がさかんな時期であり、この時期に葉酸不足を起こすと胎児に神経障害が起こりやすくなるといわれているのだ(妊婦と葉酸については、くわしくは妊娠中の女性にはとくに大切!をご覧ください)。 また、「過剰摂取の影響は?」というと、現在のところ摂り過ぎによる疾患は現れていない。葉酸は水溶性ビタミンなので、過剰分は腎臓から尿の中に排出されるため、それほど過剰摂取に敏感になる必要はないのだ。 1日の必要摂取量はどのくらい? ●成人男女の所要量:1日200μg ●妊婦の所要量 :1日400μg ●授乳婦の所要量:1日280μg ●許容上限摂取量:1日1,000μg 公開日:2002年6月3日
いちごはビタミンCの宝庫ともいわれています。美容や健康にはもちろん、喫煙者の ビタミンC補給にも。風邪に効くいちご酒の作り方も紹介します。 目次 ビタミンCの量はみかんに勝る たばこを吸う人は、いちごを常食したい 風邪予防に「いちご酒」 ビタミンCの量はみかんに勝る ビタミンCには、血管などを柔軟に保ち、肌などの老化を防ぐ効果がある。このほか、発がん物質ががん遺伝子を目覚めさせる作用(酸化作用)をおさえるはたらきも。最近よく聞く活性酸素の害から体を守るともいわれているのだ。 いちごにはビタミンCが100g中50mgも含まれている。ビタミンCの量はみかん以上なのだ。このため、いちごを食べることで風邪の予防になるとも言われている。 たばこを吸う人は、いちごを常食したい ある研究によると、たばこを1本吸うたびに、ビタミンCが20mg失われているという。つまり、喫煙者は、普通以上にビタミンCを補給しなくてはいけないというわけ。 いちごはカロリーが低いので、少したくさん食べても大丈夫。購入したものを冷凍庫に保存しておくことができるから、独り暮らしにもピッタリだ。 いちごの冷凍保存は、よく洗ってへたをとった後、ほんの少しグラニュー糖をまぶしておき、冷凍庫へ。食べるときは、特に解凍の必要なし。シャーベット感覚で食べられる。1日5粒(100g)程度を目安にしよう。 風邪予防に「いちご酒」 いちごはビタミンCのほか、疲労回復に効果があるクエン酸も含んでいる。このため、風邪の予防にピッタリ。ここでは、3~4日でできるいちご酒を紹介しよう。 いちご酒 ■作り方 いちご200gを洗い、へたをとる これを電子レンジに使える鍋などに入れ、グラニュー糖100g(少な目でもOK)、ホワイトリカー 450cc、レモンの輪切り2枚を加える 2を電子レンジで4~5分温める そのまま3~4日おく。お湯や水で割っていただく 公開日:2001年1月15日
昔から風邪の特効薬として食されてきたみかん。その効果的な使い方を紹介します。 目次 がん予防、老化防止にも効くビタミンCが豊富 風邪のひき始めにあついみかん 冷え性に効くみかん風呂 がん予防、老化防止にも効くビタミンCが豊富 みかんにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCには、発がん物質ががん遺伝子を目覚めさせる作用(酸化作用)をおさえるはたらきがあります。最近よく聞く活性酸素の害から体を守るともいわれているのです。ビタミンCにはこのほか、血管などを柔軟に保ち、老化を防ぐ効果もあります。 ビタミンCは水に溶けやすい性質があるため、野菜やいちごなどの場合、洗ったり調理したりする過程でその多くが失われてしまいます。その点、みかんはそのまま食べることができるので、ビタミンCも丸ごと摂ることができるのです。 手軽なビタミンCの供給源として、1日1~2個程度食べるようにしてはいかがでしょうか。 ビタミンCは逃げ足の速いヤツ 風邪のひき始めにあついみかん 古くから、みかんは風邪の特効薬として使われてきました。古い漢方書によると、果実だけでなく皮にも薬効があるとされています。ここでは、風邪に効くと言われるみかんの食べ方を紹介します。 体が温まる焼きみかん ■作り方 みかんを皮ごとよく洗って水気をふきます そのまま焼き網にのせて、ときどき転がしながら弱火で焼きます。皮が黒くなるまでじっくりと。 あつあつの果汁を絞り、しょうが汁少々を加えて飲みます(絞らないで丸ごと食べてもよいです) みかんの皮の煎じ液は、せき、のどの痛みを防ぐ ■作り方 ノーワックス、無農薬、減農薬など、皮に心配のないみかんを利用します みかん10個分ほどの皮をお湯でよく洗います 荒くきざんで、風通しのよい日陰で干し(1週間~10日)、密封できる瓶などに入れて保管します 3の皮としょうが、各6gに水500ccを加え、水が半分くらいになるまで煮ます 4の煮汁にハチミツを少量加え、3回くらいに分けて飲みます 冷え性に効くみかん風呂 みかんの皮はお風呂に入れてもいいでしょう。食べ終わったみかんの皮をよく洗い、5~6個分をまとめて布袋に入れ、沸かした湯に入れます。みかんの精油成分が毛細血管を広げ、血液の循環がよくなって体も温まります。 お風呂の温度はぬるめにし、長時間つかるほうが効果があります。
とうがらしにはビタミンAやCが含まれています。女性の大敵である日焼けや老化によるシミやシワの防止にも一役かっています。 目次 ビタミンCの発見はパプリカから とうがらしの仲間が含むビタミンC・ビタミンA とうがらし栽培にも挑戦! ビタミンCの発見はパプリカから とうがらしは、日焼けによるシミ、しわや皮膚の老化などを防ぐビタミンCを大量に含む植物です。 ビタミンCを発見したことにより、1932年度にノーベル賞を受賞したのがハンガリーの医学者アルベルト・セント=ジェルジ博士です。彼の発見は、とうがらしの仲間パプリカによってもたらされました。 柑橘類の果実などでは量が少なくなかなか抽出できなかったのですが、偶然調べてみたパプリカに大量に含まれていることがわかったのです。 とうがらしの仲間が含むビタミンC・ビタミンA 次の表は、とうがらしの仲間たちが含むビタミンC、ビタミンAの量をほかの食物と比べたものです。 さすがにとうがらし100gは食べられませんが、ピーマンなどなら調理も簡単。たくさん食べられるのではないでしょうか。ピーマン+とうがらしで、強い日差しにさらされるお肌を内側から防衛しましょう。 ビタミンA(IU) ビタミンC(mg) とうがらし(乾燥)11,000100 一味とうがらし1,60075 ししとうがらし16090 ピーマン15080 赤ピーマン520170 ※ビタミンA・Cは食品100g中の量 ほかの食品と比較してみると、 ビタミンA(IU) ビタミンC(mg) みかん6535 キウイ3680 トマト22020 にんじん4,1006 キャベツ1044 ※ビタミンA・Cは食品100g中の量 1日に必要なビタミンAの量は男性2,000IU、女性1,800IU。ビタミンCの量は50mgです。ビタミンAは、にんじんやほうれんそうには到底かないませんが、ビタミンCの方は1日の所要量と比較しても十分な量です。 料理などの材料として無理なく食べられる量は、ピーマンで1個、ししとうがらしは7~8本くらい(約30g)です。 どちらかを毎日このくらい食べれば、1日に必要なビタミンCの半分近く補給できます。冷蔵庫にぜひとも常備しておきたい1品です。 とうがらし栽培にも挑戦! 花屋さんの店先でとうがらしの苗をよく見かけるようになりました。植木鉢やプランターで手軽に栽培でき、赤い実と緑の葉っぱのコントラストが見た目もなかなかきれい、さらに料理にも使いやすいということで、人気を集めているようです。 4月~5月頃に苗を植え、夏~秋が収穫の季節となります。ただ、純粋に観賞用の品種(五色、旭光、ブラックプリンスなど)もあるので、購入するときは食べられる品種(鷹の爪、八房など)かどうか確かめましょう。
自分に何が足りないビタミンがわからなければ、対策も立てられません。ケース別に摂りたいビタミンをまとめたので、ぜひ参考にしてください。 目次 「生活スタイル別」不足しがちなビタミン 「悩み別」不足しがちなビタミン 「行動別」不足しがちなビタミン 「生活スタイル別」不足しがちなビタミン ●外食やインスタント食品が多い →ビタミンB1 外食などはどうしてもめん・パンといった糖質の多いものになりがちです。糖質が多いということは、それをエネルギーに変えるビタミンB1が大量に必要になるということになります。 ●甘いものや清涼飲料水が好き →ビタミンB1 糖の代謝にはビタミンB1が必要不可欠です。 ●生活が不規則で睡眠不足気味 →ビタミンB1、ビタミンB2 不規則な生活でたまった疲労を回復するには、食べたものを効率よくエネルギーに変えることが大切です。B1は糖質を、B2は脂肪をエネルギーに変えるために必要となります。 ●ダイエット中 →ビタミンB1、B2、B6、 B12(とくにB2とB12) 蓄積された脂肪をエネルギーとして活用し、新陳代謝を盛んにするはたらきがあります。 ●たばこを吸う →ビタミンC、ビタミンA たばこを吸うと体内のビタミンCが破壊されます。Aは粘膜保護のためです。 ●お酒好き →ビタミンB1、ビタミンC B1はアルコールの代謝に必要な栄養素です。Cはアルコール分解途中に生じる悪酔い物質アセトアルデヒドを減らす効果があります。 「悩み別」不足しがちなビタミン ●ストレスがたまっている →ビタミンC ストレスを解消するために、副腎が副腎皮質ホルモンを大量生産して対抗しようとします。ビタミンCはこのホルモンをつくるときに大量に使われます。 ●シミ・ソバカス →ビタミンC、ビタミンE 予防のためには、メラニンの発生を抑えるCが効果的です。できてしまったシミをとるには、Eを摂りましょう。毛細血管を広げて血流をよくし、真皮の新陳代謝をよくして細胞の入れ替わりを活発にします。 ●シワ・肌荒れ →ビタミンA、ビタミンE Aは肌をみずみずしく張りのあるものにするコラーゲンの生成に関与しています。Eは血行をよくし、皮膚の新陳代謝を活発にします。 ●便秘 →ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1 Cは一種の副作用として大量に摂ると便が柔らかくなったり下痢を起こします。Eも同様です。B1は腸のはたらきを活発にします。 ●口臭が気になる(消化不良によるもの) →ビタミンB群、ビタミンC B群には整腸作用があります。Cには胃腸の中の有害菌を殺す作用があります。 ●前日の疲れがとれない →ビタミンB1 体内に蓄積された疲労物質を分解してくれます。脳のはたらきもよくなり、神経疲労の軽減にも役立ちます。 ●風邪をひきやすい →ビタミンC、ビタミンA Cは風邪のウイルスの核酸を破壊してウイルスを殺すなどの作用があります。Aは鼻やのどの粘膜を丈夫にします。 ●肩こりがひどい →ビタミンB1、ビタミンC 目からくる肩こりには、神経の情報伝達をスムーズにして目の疲れを和らげるB1を摂りましょう。ストレスによって筋肉に疲労物質がたまった場合には、疲労物質の分解を早めるCが効果的です。 ●抜け毛・枝毛がひどい →ビタミンE 髪の老化は酸化が原因です。Eのもつ抗酸化作用が髪の毛の酸化を防ぎ、ツヤのある美しい髪を守ります。 「行動別」不足しがちなビタミン ●二日酔い →ビタミンB群(とくにB1)、ビタミンC 肝臓のはたらきを活発にし、アセトアルデヒドを早く排出します。 ●パソコンによる疲れ目 →ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンC 健康な目を維持するためには、Aが不可欠です。B1やCは水晶体の酸化・老化を防ぐ作用があります。 ●海外出張で時差ボケに悩む →ビタミンB12、ビタミンC 時差ボケの原因は、体内時計と現地の生活時間との間のギャップにあります。B12はこの体内時計を生活時間に合わせるのに役立ちます。海外でのストレス解消に役立つビタミンCとあわせて摂ると効果的です。
何となくイライラする、夜眠れない、食が進まない、体がだるい、肌が荒れる…。「病院に行くほどじゃないけど、ちょっと調子が悪い」ということはありませんか?もしそうであれば、あなたも「潜在性ビタミン欠乏症」かもしれません。 目次 潜在性ビタミン欠乏症って何? これだけのビタミンが摂れていますか? 1日に必要なビタミン所要量(成人男子の場合) 潜在性ビタミン欠乏症って何? ビタミン欠乏症といえば、「くる病」「脚気」「夜盲症」などが有名です。しかしそこまでいかなくても、「不足気味」といった、病気と健康の中間にいる人はかなりいるといわれています。 上のようなだるい、眠れないなどの症状を訴える人のうち、3人に1人がこの潜在性ビタミン欠乏症だともいわれています。しかも、たいていは自分でそのことに気づいていません。 厚生労働省の国民栄養調査によれば、日本人はカルシウムと鉄以外の栄養素は必要な量をだいたい摂れているようです。しかし、これはあくまでも平均値。またこの調査は食品を調理するときに失われるビタミンの量は計算に入っていません(ビタミンは壊れやすく、例えばブロッコリーのビタミンCはゆでると3分の1以下になるといいます)。また温室栽培や養殖のものはビタミンが減少しがちですし、吸収率も人によって差が出ます。思うほどビタミンは摂取できていないものです。 自分だけは大丈夫と思わず、足りないかなと思ったらビタミンを補給してみましょう。 これだけのビタミンが摂れていますか? 欠乏症にならないためには、一体どれくらいのビタミンを摂ればよいのでしょうか。 下の表の数字がその目安となります。参考までに食品に含まれるビタミンの量も書き添えましたが、これは基本的にそのまま生で食べた場合の数字です。ビタミンは非常にデリケートなため、水に溶けやすい、空気に触れると酸化しやすい、光で分解されやすいなど、調理の過程でかなりの量が失われてしまいます。とくに熱にはとても弱いです。 したがって、この2~3倍の量を目安に、積極的にビタミンを摂るようにしたほうがよいでしょう。 ビタミンは野菜や果物だけではなく、肉や魚介類、乳製品にもたくさん含まれています。「何が何でも野菜」というわけではなく、苦手な人はそれ以外のもので摂ればよいでしょう。無理せずできる範囲で献立を考えるのが、長続きのコツです。 1日に必要なビタミン所要量(成人男子の場合) ビタミンの種類 所要量 多く含まれる食品 食品で摂るときの目安 ビタミンA600μg レバー、うなぎ(きも)、にんじん、バター、緑黄色野菜 うなぎ蒲焼き1/2串(40g) 600μg、にんじん中1/4本(50g) 630μg ビタミンB11.1mg 玄米、強化米、豚肉、ごま、大豆、 落花生、そば 豚ひれ肉(100g) 1.22mg、玄米カップ1杯(150g) 0.62mg ビタミンB21.2mg うなぎ、レバー、干ししいたけ、脱脂粉乳、 牛乳、卵 鶏レバー2串(60g) 1.08mg、牛乳コップ2杯(400ml) 0.64mg ビタミンB61.6mg 魚類、牛・豚肉、穀類、豆類、レバー、 牛乳、卵 焼きいも中2本(500g) 1.49mg、きはだまぐろ刺身10切れ(100g) 0.64mg ナイアシン16~17mg レバー、肉類、魚類、豆類、緑黄色野菜 まかじき1切れ(120g) 16.2mg、エリンギ1パック(90g) 6.72mg パントテン酸5mg 魚類、きのこ、豆類、野菜 ひきわり納豆1パック(100g) 4.28mg、銀鮭1切れ(100g) 1.37mg ビオチン30μg レバー、卵黄、緑黄色野菜、果物 葉酸200μg レバー、牛・豚肉、卵黄、豆類、ほうれん草 ほうれんそう1/3束(100g) 189μg、牛レバー(20g) 200μg ビタミンB122.4μg レバー、貝(カキ)、ニシン、いわし、さば、牛・豚・鶏肉、卵 あさり1個 2.1μg、まいわし1尾(100g) 4.75μg ビタミンC100mg みかん、グレープフルーツ、緑黄色野菜、いちご ブロッコリー1/3株 100mg、キウイフルーツ1個(100g) 59mg ビタミンD2.5μg 卵、まぐろ、レバー、いわし、かつお、さつまあげ、シラス干し、きのこ 干ししいたけ3個(12g) 1.63μg、初がつお刺し身2~3切れ(50g) 2μg ビタミンE10mg 植物油、小麦胚芽、パン、緑黄色野菜 まぐろ油漬け缶詰ホワイト小1缶(80g) 7.3mg、アーモンド10粒(フライ:15g) 4.4mg ビタミンK55~65μg 緑黄色野菜、海藻類、レバー、豆類 干しのり1/2枚(2g) 52μg、ニラ1/3束(30g) 51.3μg 出典:五訂日本食品標準成分表 ※廃棄分を考慮
ビタミンのはたらきとその欠乏症を知れば、どれだけビタミンが大切なものか、わかります。それぞれのはたらきをまとめました。 目次 なぜビタミンが必要? ビタミンの種類とはたらき なぜビタミンが必要? ビタミンはよく機械の潤滑油にたとえられます。機械(体)を長持ちさせ故障を防ぐために、つねに必要とされるものということです。簡単にいえば、「体のはたらきを助けて、その調子を整えてくれる栄養素」です。 ビタミンは全部で13種類。それぞれが一体どんな風に「体のはたらきを助けてくれる」のか、まとめました。 ビタミンの種類とはたらき ★の数が多いほど欠乏症になりやすい ビタミンの種類 欠乏度 主なはたらき 欠乏すると ビタミンA★★★ 目に栄養を与え、風邪の予防には欠かせない。目の機能を正常に保つ。粘膜や皮膚を強くする。抗がん作用。 夜盲症、眼球乾燥症、皮膚がかさつく、免疫機能が低下する。 ビタミンB1★★★ 糖質を分解し、疲労感の回復に役立つ。糖質の代謝を促進する。中枢神経・末梢神経のはたらきを正常に保つ。食欲を増進させる。 脚気、食欲不振、だるくなる、胃腸障害、イライラする。 ビタミンB2★★★ 動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果的。細胞の再生やエネルギー代謝を助けます。目・口・皮膚の粘膜のはたらきを正常に保つ。 角膜炎、口唇・口腔・鼻など皮膚や粘膜の炎症、目の充血。 ビタミンB6★★ アレルギーにも力を発揮する。たんぱく質の利用効率を高める。脂肪肝を抑制する。抗アレルギー作用。 湿疹、皮膚炎、神経過敏症、不眠症 ニコチン酸(B群の仲間)★★ 酵素のはたらきを助ける。酵素のはたらきを助けて体内の化学反応を促進する。 口内炎、皮膚炎、胃腸障害、精神神経症状 パントテン酸(B群の仲間)★ コレステロールをコントロールする。特に脂肪の分解・合成に重要な役割を果たし、いわゆる善玉コレステロールを増やす。抗ストレス。 疲労、胃腸障害、精神障害 ビオチン(B群の仲間)★ 皮膚を正常に保つ。アミノ酸や脂肪酸の代謝を促進して皮膚を正常に保つ。 皮膚炎、湿疹、貧血、不眠、脱毛、フケ 葉酸(B群の仲間)★★ 血をつくるビタミン。赤血球をつくる。核酸の生成を助ける。脳の発育を助ける。 悪性貧血、口内炎、下痢、出血しやすくなる ビタミンB12★★ 血液の生産を助ける赤血球をつくる。精神を安定させて記憶力や集中力を高める。子供の成長を促す。 悪性貧血、食欲不振、消化不良、無気力 ビタミンC★★★ 血管を強くし、ストレスへの抵抗力をつける。毛細血管・歯・骨などの結合組織を強固にする。免疫機能を高める。鉄分の吸収を促進する。抗がん作用。 壊血病、貧血、歯周病、成長が遅れる、風邪をひきやすくなる ビタミンD★★★ カルシウムの吸収をよくする骨のビタミン。カルシウムやリンの吸収を助け、骨を丈夫にする くる病、骨粗しょう症、虫歯 ビタミンE★★ 動脈硬化、老化を防ぐ。細胞の老化を抑える。生殖機能を正常に保つ。手足などの血行をよくする。 シミができやすくなる、歩行失調、血液障害 ビタミンK★★ 止血・凝固作用に欠かせない。血液の正常な止血・凝固作用を保つ。 鼻血など出血しやすくなる、出血したときに血が止まりにくくなる、大腸炎、下痢
フリーラジカルを消去 ビタミンEは、ビタミンAや不飽和脂肪酸の酸化を防止したり、フリーラジカル(対にならない電子をもつ原子や分子で周囲の化学物質と容易に反応する)を消去する作用があり、生体膜の機能を正常に保つはたらきをしています。 同じ作用を持つ類縁体入りビタミン剤 自然界に存在するビタミンE作用を持つ類縁体として、8種類のトコフェロールが知られており、α、β、γ、δなどの異性体があります。最も活性が高いのはαトコフェロールです。 このため、ビタミンE剤はαトコフェロールの表示があるものを選ぶのが良いといわれています。 市販されているビタミンE剤のなかでは、ユベラックス300(エーザイ)、トコロールEゴールド(湧永製薬)などにαトコフェロールが配合されています。
エネルギー変換にかかわる ビタミンB群にはB1やB2、B6、B12などの種類があり、それぞれの主なはたらきは次の通りです。 ビタミンB1 体内に取り入れた糖質を分解してエネルギーに変える代謝を促進したり、脳の中枢神経や手足の末しょう神経が正常にはたらくように作用しています。 ビタミンB2 糖質、たんぱく質、脂質を体内でエネルギー源として変換するのに不可欠なビタミンです。目、皮膚、口内の粘膜の発育や機能を助けます。 ビタミンB6 たんぱく質や脂肪の代謝に必要な栄養素です。細胞の新陳代謝を促進します。 ビタミンB12 たんぱく質の代謝や血中の赤血球の成熟過程に重要なはたらきをしています。糖質や脂肪の代謝にも関係しています。 種類を多く取る方がいい これらを見ると、どのビタミンB群も糖質、たんぱく質、脂質などのエネルギー変換にかかわっており、お互いが連携してはたらいていることがよく分かります。 従って、ビタミンB群の種類を多く摂取すれば、その分エネルギー変換が高まり、疲労がたまった人や疲れやすい人は早く回復することができます。 このような症状がある人が、ビタミンB剤を利用するときには、なるべくB群複合剤で取ることが望ましいといえます。
1日当たりの摂取量を把握 日本人に不足しやすいビタミンは、A、B1、B2、C、D、ナイアシンといわれています。 ビタミンを効率的に取るためには、まず、1日当たりの摂取量を把握しておくことが大切です。表に示したビタミンの1日当たりの所要量は、欠乏症を防ぐ最小必要量に2割程度を上乗せした数値です。 ただし、年齢やエネルギー消費量、妊娠、授乳中などの条件によって量に増減が出てきますので、所要量はあくまでも目安です。例えば、妊娠前期の人は、ビタミンDを300IU多く取ることが望ましいとされています。 このように状況に応じて摂取する量を判断し、偏った食生活にしないことが欠乏症を防ぐポイントです。 30種類以上の食品を ビタミンを上手に取る方法としては、色々な食品を食べることで、1日に6つの基礎食品群の内から満遍なく30種類以上の食品を食べれば、ビタミンバランスの取れた食事になります。 6つの基礎食品とそれに含まれる主なビタミンなどの種類 1群 たんぱく質 魚、肉、卵、大豆 ビタミンA・B1・B2、カルシウム、鉄 2群 無機質 牛乳、乳製品、小魚 ビタミンB2 3群 カロチン 緑黄色野菜 ビタミンA・C、カルシウム、鉄 4群 ビタミンC 緑黄色野菜以外の野菜、果物 ビタミンB1・B2、カルシウム 5群 炭水化物 米、パン、めん、芋 ビタミンB1・C 6群 脂肪 油脂 ビタミンA・D・E、リノール酸 ビタミンの日当たりの所要量 ビタミン名(単位) 6歳 12歳 成人(20~49歳) 妊娠 授乳時 男 女 男 女 男 女 前期 後期 ビタミンA(IU) 1200 1200 1500 1500 2000 1800 - +200 +1400 ビタミンD(IU) 100 100 100 100 100 100 +300 +300 +300 ビタミンE(mg) - - - - 8 7 +1 +1 +2 ビタミンB1(mg) 0.7 0.6 0.9 0.9 1.0 0.8 0.1 0.2 0.3 ビタミンB2(mg) 0.9 0.9 1.3 1.2 1.3~1.4 1.1 0.1 0.2 0.4 ナイアシン(mg) 11 10 15 15 16~17 13~14 +1 +2 +5 ビタミンC(mg) 40 40 50 50 50 50 +10 +10 +40
量は少ないがモヤシにもビタミンCがある パセリやブロッコリー、芽キャベツなどの野菜に比べると、その量は随分少ないのですが、モヤシからもビタミンCは取れます。 モヤシのなかでもビタミンCが多いのは緑豆モヤシで、100g中16mg含まれています。次に多いのが、ブラックマッペモヤシの生で100g中12mg、次いで大豆モヤシの生(100g中8mg)、アルファルファモヤシ(100g中7mg)です。 ただし、どのモヤシもゆでてしまうと、その量は2mg程度に減ってしまいます。モヤシからビタミンCを取りたい場合は、なるべく生で食べることが望ましいといえます。なかでも、アルファルファモヤシはサラダに入れてもおいしいモヤシです。
脂溶性ビタミンは中毒症状が出やすい ビタミンを過剰に摂取するとビタミン過剰症が発生します。 水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても尿中に排せつされるので中毒症状は出にくいのですが、脂溶性ビタミンは、体内に蓄積されるので中毒症状が出やすいとされています。 ビタミンAの過剰症には皮膚の荒れ、骨の痛み、食欲喪失、出血、肝肥大、吐き気、頭痛などがあります。 極端な急性過剰摂取では、2週間で死亡した例もあります。慢性的な過剰では、微熱や体重低下、糖尿病など、さまざまな症状が現れます。 ビタミンDの過剰症は、腸管からのカルシウム吸収高進により高カルシウム血症が起こり、血清リンが上昇し、腎臓、心筋、動脈、副甲状せん、肺などに多量のカルシウムが沈着します。重症になると、尿毒症などを合併し死亡することもあります。 水溶性ビタミンの毒性作用は少ない 水溶性ビタミンであるビタミンB6とビタミンCは、他の水溶性ビタミンと同じように毒性の作用はほとんどありませんが、まれにビタミンB6で知覚障害が、ビタミンCで下痢が発症する場合があります。
生活習慣病の予防に効果 ビタミンEには、女性ホルモンのバランスを整えて生理不順を防止し、生殖機能を正常に保つはたらきがあります。 また、末しょう血管を広げ、血行を良くするので、栄養が体のすみずみまで行き届き、冷え症や肩こり、白髪を防ぐなどの効果もあります。 さらに、ビタミンEがもつ抗酸化作用(物質が酸化するのを防ぐ作用)は、生活習慣病の予防に効果のある大切なものです。細胞を構成する不飽和脂肪酸が酸化されてできた過酸化脂質などのフリーラジカルは、細胞膜を破壊し、細胞の老化を促進します。 そして、過酸化脂質は、血管を傷つけて動脈硬化を引き起こします。ビタミンEを十分取っていると、過酸化脂質やフリーラジカルの害を防ぎ、生活習慣病、ひいては老化を予防することができるのです。 不足すると顔や体にシミ、ソバカスが増える ビタミンEが不足すると、顔や体にシミやソバカスが増える、流産しやすい、手足が冷える、しもやけができる、肩凝りがひどくなる、などの兆候が現れます。 欠乏症としては、貧血、え死性筋疾患、反射低下、歩行困難、眼球まひなど、さまざまな症状が現れます。
健康な人には欠乏症はほとんどない ビタミンKは、肝臓での血液凝固たんぱくであるプロトロンビンなどの生合成との関係が深く、血液凝固に必要なビタミンです。 食事からの摂取と腸内細菌の合成したものを直接吸収することにより満たされるので、健康な人にはほとんど欠乏症は起こりません。 しかし、妊婦のビタミンK摂取不足による胎児のビタミンK生体内貯蔵量の減少は気を付けなければなりません。 それが原因で出生後の新生児・乳児に頭がい内出血や腸管内出血が起こる可能性があるからです。特に頭がい内出血は病後の回復が悪いといわれています。 ビタミンKは骨を強化する 一方、ビタミンKには骨を強くする作用もあります。このためビタミンK製剤は骨そしょう症の予防や治療に使われています。 成人では、抗生物質の連続投与による腸内細菌不全など、二次的な欠乏症も見られます。この場合は、ビタミンKを豊富に含む納豆などを積極的に摂取すれば、欠乏症は改善します。
不定愁訴の要因に 臨床的な兆候は見られませんが、体内の貯蔵量が減少し、生化学的に変化が見られる潜在性の欠乏状態が存在することが分かっています。このような状態は、不定愁訴の要因となったりすることもあります。 国民栄養調査の結果と違う 例えば、ビタミンCの1日の必要量は成人で50mgです。イチゴなら5~6粒、グレープフルーツ1/2個弱、プリンスメロン1/2個が目安といえば、日常で簡単に取れる量だと思うでしょう。若い女性たちの間では、野菜・果物ブームだからです。 実際に、毎年行われる国民栄養調査の結果でも国民一人当たりのビタミンCの摂取量は1日113mgとなっています。 ところが、現実にはそれほど摂取されておらず、血清中のビタミンC濃度が低い潜在性ビタミンC欠乏症の人が年々増加しているという報告もあります。 ビタミンCは水溶性で体内に蓄積されないうえに、加熱や酸化でも失われる量が多いので必要以上摂取することを心掛けたいものです。 国民栄養調査の結果は平均値ですから、約半分の人は平均を下回っていると考えられます。
ビタミンCは確かに熱で壊れやすい ビタミンCは水溶性ビタミンです。この種類のビタミンは、水で洗ったり、刻んだものを水にさらしたりすると、その成分が減少することが特徴です。 特にビタミンCは、空気に触れると酸化しやすく、加熱によっても失われる、壊れやすいビタミンです。従って、ビタミンCを摂取する時にはなるべく生で食べるようにします。 しかし、芋類のビタミンCは損失が少ない ただし、例外もあります。ジャガイモやサツマイモなどの芋類にも、ビタミンCは多く含まれています。これら芋類は、加熱調理によるビタミンCの損失が少ないという長所があります。 コロッケなどやポテトサラダなどの調理法にすれば、1回量も多く取れるので、ビタミンC源として積極的に取りたいものです。
ビタミンAは効力で測る国際単位を使用 ビタミンAの必要量は極めて微量で、実験などで使用される白ネズミの1日当たりの必要量は1μgの数分の1に過ぎず、重量で表すと不便なことが多くなります。 また、ビタミンAの前段階のプロビタミンや誘導体の種類により効果が異なるので、効力をベースにした共通単位である国際単位(International Unit:IU)が使用されています。 ベータカロチンもビタミンAに ビタミンAには2種類あり、主として動物性食品に含まれるものはレチノールと呼ばれ、体内に入るとそのままビタミンAとしてはたらきます。 もう一つは植物性食品、特に緑黄色野菜に多く含まれる色素のベータカロチンです。こちらは体内に入ると小腸で酵素のはたらきによってビタミンAに変化し、効力を発揮します。 ビタミンAの1IUはベータカロチン0.6μgに相当しますので、ビタミンAの1日所要量は2000IUをベータカロチンに換算すると1200μgとなります。
風邪を引きにくい体質にする効力がある ビタミンCには色々なはたらきがあります。 その中でも特に重要なのが、細胞と細胞を結びつけているコラーゲンと呼ばれるたんぱく質の生成を助けるはたらきです。 このためビタミンCは、のどや鼻の粘膜を強くして風邪の侵入を防ぐはたらきがあるといわれています。さらに、白血球と結び付いてウイルスを破壊する力があるため、風邪を引きにくい体質にする効力があります。 ただし、風邪とビタミンCの関係について基礎研究レベルでは確かな証明がされていないので、その効力について論議があるのも事実です。 風邪の予防治療薬としては疑問 「ビタミンCが風邪に効く」という説を唱えたのは、ノーベル賞を2度受賞したライナス・ポーリング博士です。1970年(昭和45年)に「ビタミンCと風邪」という本を出し、国際的な議論を巻き起こしました。 ポーリング博士は、1日5~10gという大量のビタミンCを摂取すれば風邪を予防でき、かかってからも進行を食い止めることができると主張しました。 その後、この説を検証するために二重盲検法(医者も患者もそれが本物か偽物か分からないようにして効果を見る臨床試験)が幾つか行われました。それらの予防効果はともかく、治療面ではある程度の効果が期待できるというものでした。 ビタミンCは、体の新陳代謝には欠かせない栄養素ですから、不足していればもちろん風邪にかかりやすくなります。ただ、風邪の予防治療薬としての有効性については、それほど多くは期待できないといったところが実情のようです。
ビタミンA、Dの効率の良い調理法は油いため ビタミンは脂溶性と水溶性の2つのタイプがあります。 脂溶性のビタミン(ビタミンA、D、E、K)は油脂に溶けやすく、水洗いなどで失われることはありません。加熱調理による損失が少なく、油脂と一緒に取ると体内への吸収率がぐんと高まることも特徴です。 例えば、ビタミンA(ベータカロチン)が多く含まれるホウレンソウを、ゆでる(3分間)、蒸す(5分間)、いためる(3分間)と調理法を変えて、そのカロチン減少率を比較したところ、それぞれ10%、5%、3%という結果でした。 つまり、ベータカロチンを有効に摂取するためには、油いためが一番効率が良いことが証明されています。 また、ビタミンDが多く含まれる干しシイタケを調理法別に比較したところ、ビタミンDの残存率は、植物油でいためる(2分間)が94%、植物油で揚げる(1分間)が100%という結果になり、これもまた、油による調理の効率の良さが分かっています。 水溶性ビタミンは壊れやすい 一方、水溶性のビタミン(ビタミンB1、B2、C、B12、葉酸、ナイアシンなど)は水で洗ったり、刻んだりすると減少し、加熱調理によって壊れたり、失われやすいタイプのビタミンです。 水溶性ビタミンのなかでも、ビタミンB1は、比較的加熱調理に強いビタミンですが、脂溶性ビタミンに比べると、その残存率は劣ります。 また、ビタミンCは特に加熱に弱いことがよく知られています。 つまり、脂溶性なのか水溶性なのか、ビタミンの性質を見極めて、調理を工夫し、摂取することが大切になってきます。 調理によるカロチンの損失 食品 調理法 処理時間(分) カロチン含有量(mg/100g) カロチン減少率(%) 新鮮物 調理品 ホウレンソウ ゆで 310 8.668.66 7.796.45 1025 蒸し 5 8.66 8.17 5 油いため 35 7.025.93 6.815.64 35 コマツナ ゆで 5 13 6.156.15 4.734.01 2335 ニンジン ゆで 1030 6.664.21 6.644.06 0.33.6 出典:足利千枝「調理科学」(調理科学研究会編)光生館、1984 干しシイタケの調理によるビタミンD2の残存率 調理方法 ビタミンD2の残存率(%) 対照(干しシイタケ) 水戻し(30分間) 上記後水をしぼる 沸騰水中でゆでる(5分間) 同上(15分間) 同上(30分間) 植物油中でいためる(2分間) 植物油中で揚げる(1分間) 100 100 100 65 63 51 94 100 出典:「食品学総論」南江堂、1997
ビタミンB1を吸収しやすくするアリチアミン 食品中のビタミンB1は、主としてチアミンピロリン酸エステルの形でたんぱく質と結合したり、でんぷんに吸着して存在することが多いものです。 ビタミンB1の化学構造を少し変えた誘導体も多数開発されており、ジベンゾイルチアミン、アリチアミンなどがあります。これらは吸収率が優れているために医薬品あるいは食品添加物として使われています。 タマネギやニンニクの匂い成分から生まれる アリチアミンは、玉ネギやニンニクをすりつぶした時に発生する、匂い成分アリシンとチアミンとの反応によって生じた脂溶性の成分です。これは小腸からの吸収性に優れており、ビタミンB1の補給に適しています。
悪性貧血 ビタミンB12は、たんぱく質の代謝や、血液中の赤血球を作るのに重要なはたらきをしています。また、糖質や脂肪の代謝にも関係しています。 欠乏症は、摂取不足またはビタミンB12の吸収を助ける胃液中内因子の欠乏による吸収障害により発生します。 その代表的なものが悪性貧血です。胃液中内因子の欠乏による吸収障害は、胃の全摘出手術を行った後によく見られます。 悪性貧血になると、全身けん怠、顔色そう白、とう痛の激しい舌炎、下痢、腹部膨満感、食欲不振、知覚障害、振動覚低下、精神異常などの症状が現れます。 これらは回復に手間取るやっかいな症状です。
ビタミンAの摂取量は世帯間のバラツキが大きい ビタミンAは、上皮細胞の成長分化、視力の保持などに欠かせないうえに、最近では抗がん作用のあることが分かってきた重要なビタミンです。ところが、日本人はビタミンAが多く含まれている乳製品の摂取量が少ないといわれています。 また、厚生労働省の国民栄養調査によれば、ビタミンAの摂取量は世帯間のバラツキが大きく、3世帯に1世帯は不足しています。 乳製品の外には、肝油、卵黄、緑黄色野菜などに多く含まれています。ビタミンAが欠乏すると、夜盲症、皮膚・粘膜上皮の角化、眼の角膜乾燥などを引き起こします。
水溶性ビタミンを流失している加工食品 ビタミンは調理法によって失われるものが少なくありません。従って、計算上は必要量を満たしていても、実測では不足しているということが起こります。 例えば、冷凍食品などの加工食品は、食中毒などを防止するため、加工の際に塩素やオゾンなどで洗浄しており、水溶性ビタミン(ビタミンB群やビタミンC)をかなり流出しています。 また、魚や豚肉に含まれるビタミンB1は、煮たり焼いたりすることによって10~40%減少し、ビタミンB6やビタミンB12は調理の際に煮汁を捨てることで消失が大きくなります。 光や温度によっても破壊される ホウレンソウやコマツナに含まれるビタミンA(カロチン)は、温度や光などによって破壊されるので、ゆでると10~35%カロチンが減少します。ビタミンDも光線や酸素によって分解されるので、魚の天日乾燥では30%近く損失することもあります。 また、植物油はビタミンEを多く含んでいますが、揚げ油として長時間加熱すると油の中に溶け出して損失が大きくなります。
骨の健康には活性型ビタミンDの助けが必要 骨そしょう症とは、骨からカルシウムが溶け出し、骨がすかすかになって軽石状態となり、日常生活に支障をきたすほどもろくなった状態をいいます。 骨そしょう症の治療薬としては、ビタミンDや女性ホルモンなどの薬が用いられますが、日本では、ビタミンDの有効性をより高めた活性型ビタミンD剤がよく使われています。体内でも、腎臓などでビタミンDは活性型に変えられます。 体内の活性型ビタミンDは、カルシウムを吸収する小腸のはたらきを助けたり、骨の新陳代謝をつかさどるなど、重要な役目をしています。 つまり、骨の健康のためには、カルシウムの摂取とともに活性型ビタミンDの助けが不可欠なのです。 普段からカルシウムやビタミンDを多く取る 加齢に伴う肝臓や腎臓の機能の低下などにより、体内でビタミンDを活性型ビタミンDに変える能力が低下すると、カルシウムの腸管での吸収が悪くなり、骨が弱くなります。 このように、体内でビタミンDを活性型ビタミンDに変える力が弱くなった人には、活性型ビタミンD剤が最も有効な治療薬なのです。 普段からカルシウムやビタミンDを多く含む食品を取ることを心掛け、軽い運動を行うことが骨そしょう症の予防になるといわれます。 カルシウムを大人は1日に600mg、骨そしょう症患者や妊婦、子供は800~1000mg摂取するようにします。 日焼けする程の日光浴は皮膚がん発生の危険性がありますが、1日30分くらい日光浴をすると皮膚内のプロビタミンDからビタミンDが形成され、腎臓や肝臓で活性型に変わり、カルシウムの腸管での吸収を促進したり、骨の形成を高めます。
ストレスが生み出す攻撃的な活性酸素 たばこの吸い過ぎや酒の飲み過ぎ、強いストレスを受けると、人間の体内には不安定で攻撃的な活性酸素が生成されます。また、排気ガスなどに含まれる環境汚染物質や日光の強い紫外線も、活性酸素の生成を促進します。 この活性酸素が体内で適切に処理されないと、それが引き金となって、心筋梗塞や脳卒中、がんなどの生活習慣病、老化を引き起こす可能性があります。 活性酸素は生活習慣病や老化を促進する 活性酸素は、血管壁を傷つけて動脈硬化をもたらしたり、遺伝子を傷つけてがんを発生させたり、コラーゲンなどを変性させて老化を促進します。 活性酸素の害を防ぐには、抗酸化活性作用のあるビタミン類、なかでもビタミンAやビタミンC、それにビタミンEが有効であることが、既に動物実験により明らかになっています。 ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEはがんの予防に有効といえるでしょう。
水には溶けないビタミン「脂溶性ビタミン」 油や脂溶性溶媒によく溶け、水には溶けないビタミンを脂溶性ビタミンといいます。 脂溶性ビタミンは脂肪と一緒に体内に残るため、極端に大量摂取すると、中毒が起きることがあります。 脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKを多く含む食品を表に示してみました。 脂溶性ビタミンをたくさん取ることのできる日常食品 ビタミン名 食品名 ビタミンA ニンジン、シュンギク、コマツナ、ホウレンソウ、ウナギ ビタミンD マグロ(トロ)、イワシ、さつまあげ、カツオ、サンマ、サバ、マス、ウナギ、内臓類、バター、卵黄 ビタミンE アーモンド、大豆、落花生、マーガリン、ウナギ、エンドウ豆、シジミ、カツオ、卵、バター、サケ、アユ、ホウレンソウ、内臓類、牛乳 ビタミンK 納豆、ホウレンソウ、キャベツ、ハクサイ、牛乳、馬鈴薯、トマト、母乳、大豆
水溶性ビタミンは過剰症の心配なし 水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても尿中に容易に排せつされるので、過剰症の心配はありません。水溶性ビタミン(ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、ナイアシンなど)を多く含む食品を表に示してみました。 水溶性ビタミンを多く含む日常食品 ビタミン名 食品名 ビタミンB1 豚肉、内臓類、落花生、大豆、ウナギ、シイタケ、玄米、半つき米、米ぬか、フナ、コイ ビタミンB2 内臓類、ドジョウ、シジミ、ウニ、納豆、サバ、卵、イワシ、牛乳 ビタミンB6 イースト、イワシ、ヒラメ、内臓類、大豆、サケ、クルミ、バナナ、玄米、マグロ、落花生、肉類、馬鈴薯、卵 ビタミンB12 内臓類、カキ、ニシン、サバ、イワシ、肉類、卵、チーズ、ウナギ、海老、タラ、ソーセージ、のり 葉酸 内臓類、ホウレンソウ、大豆、海老、肉類、インゲン豆、落花生、アズキ、アスパラガス、南瓜、カニ、パン、ニンジン、バナナ、牛乳 ナイアシン カツオ、落花生、マグロ、内臓類、サバ、イワシ、大豆、肉類、玄米、小麦、ソラ豆 パントテン酸 内臓類、ソラ豆、落花生、大豆、グリンピース、卵、オートミール、ニシン、サツマイモ、インゲン豆、サケ、パン、卵、肉類、豆腐、玄米 ビオチン 内臓類、卵、オートミール、大豆、エンドウ豆、落花生、鶏肉、インゲン豆、カキ、ヒラメ、ベーコン、小麦、サケ ビタミンC ブロッコリー、イチゴ、レモン、とうがらし、ピーマン、柿、大根、ホウレンソウ、カリフラワー、サヤエンドウ、キャベツ、かんきつ類、サツマイモ
脚気とウェルニッケ脳症 ビタミンB1は糖質の代謝に不可欠のビタミンですが、体内で合成されるので最も不足しやすいビタミンの一つです。不足すると食欲がなくなり、イライラや疲れがたまりやすくなります。 ビタミンB1の欠乏症には、脚気とウェルニッケ脳症があります。 脚気の症状は全身けん怠、心き高進、心臓肥大、浮しゅ、血圧の低下、四肢の知覚異常、けん反射消失、知覚まひなどで、心臓と末しょう神経の疾患といえます。 ウェルニッケ脳症は、主として中枢神経が侵される疾患で、眼球運動まひ、歩行運動失調、意識障害を伴いますが、慢性化するとコルサコフ症という精神疾患に移行します。これはアルコールの摂取量の多い人に多発し、アルコール依存症との関係が注目されています。 なお、乳児の場合、脚気になると食欲不振、おう吐、チアノーゼなどが起こり、治療が遅れると24時間以内に死亡することもあるので注意が必要です。
貧血と神経疾患が続発 ビタミンB2の重要なはたらきは成長促進作用です。目、皮膚、口内の発育や機能を助ける作用があり、成長期には必要量を十分取らなければなりません。 糖質、たんぱく質、脂肪を、体内でエネルギー源として燃やすのに不可欠なビタミンです。不足すると口内炎などが起こります。 欠乏症には舌炎、口唇症、目症状、皮膚炎、皮脂の増加などがあり、貧血と神経疾患が続発します。舌炎は舌が赤紫色になり、痛みや、しゃく熱感を覚えます。 口唇症は唇が赤くはれます。 目の症状は、角膜に充血が起こり、進行すると白内障になることもあります。 皮脂も増加し鼻の周囲や顔の中央部に脂ぎった、ぬか状の吹き出物ができます。
皮膚炎、下痢、認知症の症状 ナイアシン(ニコチン酸)は水によく溶け、加熱によって壊れにくく、光や酸化、酸、アルカリにも耐性が強く、水溶性ビタミンのうちで最も安定しているビタミンです。 ナイアシンが欠乏すると、皮膚炎、下痢、認知症などの症状が現れます。皮膚炎は顔、けい部、手、足など日光の当たる部分に左右対称に発赤、水泡、褐色の色素沈着などを生じます。下痢は消化管出血を伴います。 欠乏症になると、頭痛、不眠症、めまい、抑うつ症を起こし、重症になると幻覚、錯乱、発狂などの病状が出現します。 ナイアシンン欠乏症は、アルコール依存症などでたんぱく質やビタミンB群なども併せて欠乏となっているケースがほとんどです。
発育促進、各組織の修復などのはたらき ビタミンB6は、たんぱく質や脂肪の代謝に必要な栄養素です。 細胞の新陳代謝を促すことから、発育促進、各組織の修復、生殖機能の活性化、性欲増進を図るはたらきがあります。 魚、肉、豆類などに多く含まれ、また腸内細菌により合成されるので、欠乏の心配はないとされています。 摂取が十分でも不足しやすい しかし、摂取が十分であっても、ビタミンB6の需要が増加する妊娠時、腸内細菌が変化する抗生物質の投与、発熱、甲状せん機能障害、放射線照射、慢性アルコール中毒などで不足しやすいビタミンです。 ビタミンB6が欠乏すると、舌炎、胃炎を伴う目、鼻、口の周囲の脂漏性皮膚炎などが起こります。 また、食欲不振、おう吐、貧血、さらに日光の当たる部分に発赤・水泡・色素沈着などが生じる、ペラグラ様皮膚炎などの症状も現れます。
欠乏すると造血臓器が侵される 葉酸は腸内細菌によって合成されますが、抗生物質などで腸内細菌叢(そう)が変わってしまうと不足することがあります。 葉酸が欠乏すると、まず造血臓器が侵され、貧血、白血球減少症、食欲不振、舌口内炎、下痢などが現れます。 心筋梗塞の要因に また、精神神経症状として不眠、記憶障害、不機嫌などがあります。これは葉酸の摂取不足のほか、吸収障害によって発症し、妊娠、アルコール中毒で欠乏が促進されます。 最近の研究では、葉酸が欠乏すると心筋梗塞を起こしやすいことも明らかにされています。 しかし、血液学的変化はビタミンB12欠乏の症状と類似しているので、明確な区別が難しく、ビタミンB12欠乏を伴っていることもあります。
抗生物質を投与している場合は注意が必要 ビタミンは厚生労働省により所要量が決定されているものと、決定されていないものがあります。決定されているビタミンはその値が適正摂取量となり、成人の場合の1日当たりの値は次のとおりです。 種類 適性摂取量 ビタミンB1 0.7~1.0mg ビタミンB2 1.0~1.1mg ナイアシン 12~17mg ビタミンC 50mg ビタミンA 1800~2000IU ビタミンD 100IU ビタミンE 7~8mg ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンKは、いずれも腸内細菌により合成されるので、普通の食事をしていれば不足することはありません。ただし、抗生物質を投与している場合は、腸内細菌そうが変化するので注意が必要です。 カルシウムは1日600mg必要 主なミネラルの1日当たりの適正量(成人の場合)は、カルシウム 600mg、鉄 10~12mg、リン 600mg、カリウム 2~4g、マグネシウム 300mgとされています。
体組織の成長や保持、機能調節に役立つビタミン 最近、肥満や高血圧、脳卒中、心臓病、糖尿病などの生活習慣病が大変な勢いで増えています。それは、実際に消費するカロリーよりずっと多いカロリーの食事を摂ったり、栄養のバランスを欠いたりしているからです。特に体組織の成長や保持、機能調節に役立つビタミンの不足がめたってきています。ビタミンは毎日の食事から取る必要があります。 ビタミンA、B、C、D、Eを多く含む食べ物 ビタミンA、ベータカロチンは、がんの予防になるといわれています。レバー、ウナギ、緑黄色野菜、海藻に多く含まれています。 ビタミンB群は、糖質をエネルギーに変える時に必要な酵素のはたらきを助けます。不足すると脚気などの原因になります。豚肉、レバー、胚芽、大豆、牛乳などに多く含まれています。 ビタミンCは、抗酸化作用があり、がんや脳卒中の予防に役立ちます。風邪の予防やストレス解消にも効果があるといわれています。特に野菜や果物に多く含まれています。 ビタミンDは、血液中のカルシウム濃度を一定に保ちます。カルシウムを骨に沈着させて骨を丈夫にします。魚、きのこに多く含まれています。 ビタミンEは、抗酸化作用があり、血液中の過酸化脂質(老化物質)の増加を抑制し、動脈硬化や高血圧を予防します。植物油、魚、卵、緑黄色野菜に多く含まれています。
吸収を助けるビタミンD カルシウムの99%は骨と歯に、残りの1%は血液と筋肉に存在しています。 カルシウムの吸収には、ビタミンDが必要です。ビタミンDは、日光にあたると体の中に自然にできます。食品では、レバー、牛乳、シイタケ、カツオ、イワシなどに、多く含まれています。 リンを多く含むスナック菓子や食塩、砂糖、アルコールには要注意 リンが多すぎると、腸内にリン酸カルシウムができて、吸収されずに体外に排出され、カルシウムの吸収率が下がってしまいます。 スナック菓子やインスタント食品、冷凍食品などの加工食品には、リン酸塩として多く含まれているので、要注意です。 また、食物繊維やホウレンソウのようにシュウ酸を多く含む野菜も、カルシウムの吸収を妨げます。食塩、砂糖、アルコールも、カルシウムの吸収率を低下させます。 体内のカルシウムは、たんぱく質の量が増え過ぎると尿の中に排せつされてしまいます。また、マグネシウムが不足するとカルシウムの利用に障害が出るといわれています。 カルシウム不足が続くと、それを補うために骨からカルシウムが溶け出し、血管などに沈着して、動脈硬化や結石の原因になります。
病気ではないが、明らかにビタミン不足 ビタミンは、糖質、脂質、たんぱく質という熱栄養素のはたらきをスムーズにする潤滑油の役目をしています。体に必要な量は微量でも、欠くことはできません。 現代は、夜盲症やくる病、脚気、壊血病といった、目に見える形でのビタミン不足の病気は少なくなりました。しかし、元気がない、体がだるい、調子が良くないという声を多く聞きます。 それらは、ビタミンの不足による場合が多いのです。 このように、病気という形ではっきりとは現れませんが、明らかに不足している状況を潜在性ビタミン欠乏症といいます。 なぜ潜在的に欠乏しているのか 現代はビタミンの潜在的欠乏の時代です。 その理由は、まず、栄養バランスの悪い食事や偏食です。ビタミンを多く含む穀類や豆類、緑黄色野菜が減り、食物繊維も不足しています。たんぱく質や脂質を取り過ぎています。菓子類や清涼飲料水など、砂糖の取り過ぎもあります。 また、加工食品やインスタント食品が出回り、食品添加物なども使われるようになり、化学肥料や農薬でやせた土壌、汚れた大気も影響します。 昔と比べて、肉、魚、野菜などの食品そのものの栄養価が落ちてしまったこともあげられます。