亜鉛は私達の体を作る上でなくてはならない栄養素のひとつですが、体内で不足すると、貧血や食欲不振、免疫力の低下などの症状を引き起こす原因にもつながります。亜鉛の特徴やはたらきについて説明します。 目次 必須ミネラルのひとつでもある亜鉛 亜鉛のはたらき 亜鉛を摂取して、健康維持をはかろう 必須ミネラルのひとつでもある亜鉛 亜鉛は、必須ミネラルとされており、私達の体を作る上でなくてはならない栄養素のひとつです。 亜鉛が体内で不足すると、貧血や食欲不振、免疫力の低下などの症状を引き起こす原因にもつながります。 亜鉛は、私達の体内でどのようなはたらきをしているのでしょうか。亜鉛の特徴やはたらきについて説明します。 亜鉛のはたらき 亜鉛は私達の体の中で、次にあげるような役割を担っています。 1. 酵素を活性化させる 体内にある数多くの酵素を活性化させ、酵素の構造が安定するのに大きく役立っています。 2. 細胞分裂や新陳代謝を助ける 細胞分裂によって新しい細胞を作る際、DNAやRNAの合成を行う上で亜鉛が不足すると、DNAやRNAの組み替えが正常に行われない可能性が高まります。 3. ホルモン分泌の活性化 亜鉛は、性ホルモン、甲状腺ホルモン、インシュリンの合成に必要不可欠な要素です。アメリカで亜鉛は「セックスミネラル」と呼ばれており、ドラッグストアなどでも多く取り扱われており、精子や卵巣のはたらきを活性化させるのにも大きく関わってきます。妊娠を望んでいる方に非常に大切な栄養素の一つでもあり、不足すると男性は精液の減少、性欲減退、勃起不全、女性は不妊や生理不順につながる恐れがあります。 4. 妊娠の正常な持続 妊娠すると女性の子宮の中で細胞分裂が爆発的に行われる為、亜鉛が今まで以上に必要になります。細胞分裂のほかにも胎児の成長ホルモンとしてのはたらきを助ける役目もあり、妊娠週が経過する程、亜鉛を多く必要とします。 亜鉛が不足すると、流産や早産、奇形につながる恐れがあり、正常な妊娠を続ける為には不可欠な要素と言えるでしょう。 5. 子どもの発育や成長を助ける 細胞分裂が活発である成長期の子どもにとって、骨の成長や成長ホルモンの機能を維持する上で亜鉛が活躍します。不足すると、身長や体重が正常に増加しない成長障害につながります。 6. 皮膚・爪・髪・視力の健康維持 ビタミンCやコラーゲンの合成や網膜機能の維持やビタミンAの代謝にも関与しており、皮膚・爪・髪・視力の健康を維持する上でもなくてはならない要素です。 7. 味覚機能の維持と唾液の分泌 亜鉛は味覚細胞の形成にも関与しており、不足すると味覚障害につながる恐れがあります。 8. 活性酸素の除去(細胞の老化防止) 体内の活性酸素の量が多くなると、細胞を傷つけることや、発がん性物質と結びつき、がんなどの病気を引き起こす恐れがあります。 亜鉛は、活性酸素を除去し、細胞が正常なはたらきを行う上で大きく貢献しています。 9. 精神の安定化 中枢神経の形成・機能維持に関与しています。 10. 体内の有害な金属の排出 環境汚染が悪化しつつある現代社会において、水銀、ヒ素、アルミニウム、鉛、カドミウムといった有害な金属が蔓延しています。 亜鉛は、体内の有害な金属の排出にも大きな役割を担っており、有害金属や活性酸素の解毒に必要なメタロチオネインというタンパク質をすい臓で作る為に必要な要素です。 亜鉛を摂取して、健康維持をはかろう このように、亜鉛は私達の体内でさまざまなはたらきを担ってくれており、マルチな活躍をしてくれています。 亜鉛は、数多くの食品に含まれています。なかでも含有量が多い食品は、牡蠣です。そのほかにも、お米やパンなどの穀類、レバーなどのお肉類や卵、煮干しやたこなどの魚介類、チーズやナッツ類などにも含まれています。 加工食品やダイエットなどで食事が偏ると、亜鉛が不足しがちになる恐れがありますので、亜鉛を摂取しやすい食品を中心としたバランスの良い食事を心がけましょう。 公開日:2016/05/09
熱中症予防のためにこまめに水分補給を、というのは常識となりましたが、水分を必要以上に摂り過ぎたり大量に汗をかいたりすると、今度は体内の塩分量が不足し「低ナトリウム血症」を引き起こす危険があることをご存知ですか? 目次 市民ランナーは水分の摂りすぎに注意! 重度の場合、危険な状態になることも… 低ナトリウム血症にならないために 市民ランナーは水分の摂りすぎに注意! 夏に限らず、マラソンの大会に参加して脱水症状になり、熱中症にかかってしまう市民ランナーは少なくありません。このことは比較的よく知られているため、水筒でこまめに水を飲む、コースの途中に設けられた給水所を利用するなど、参加者の間でも水分補給の意識は高いと考えられています。 実は、ここが意外な盲点。水分を必要以上に摂りすぎたり、大量に汗をかいて体内の塩分量が不足したりすると、血液中のナトリウム濃度が薄くなりすぎる「低ナトリウム血症」になってしまうことがあります。 重度の場合、危険な状態になることも… 低ナトリウム血症の主な症状 軽度 特になし 中等度 全身の倦怠感、吐き気、筋肉のこむらがえりなど 重度 呼吸困難、意識障害など ナトリウムは、体内の水分と塩分のバランスを調節するはたらきがある、健康の維持に欠かせないミネラルの一つです。不足した量がわずかであれば、特に症状が現れないこともありますが、不足の程度が大きくなるにつれ、だるくなる、吐き気がするなどの症状が現れるようになります。重症になると、脳がむくむ脳浮腫や、肺に水がたまる肺水腫などが引き起こされて、呼吸困難や意識障害などの危険な状態に陥り、最悪の場合は死に至ることもあります。 なお、腎臓の機能が弱くなった腎不全の患者さんが、余分な水分を排出できなくなった場合や、精神疾患の患者さんが水を大量に飲んで水中毒を起こした場合、体内の抗利尿ホルモンと呼ばれる物質が体内に増えすぎた場合などにも、低ナトリウム血症は起きることがあります。 低ナトリウム血症にならないために 症状が重くない段階では、一日に摂取する水分の量を約1リットル以下に制限すれば、症状は治まります。重度の場合は、薬や点滴で血液中のナトリウム濃度を高める治療が行われます。この際、濃度を急激に高めると脳に損傷が起きる可能性があるため、徐々に高めていくことになります。 何よりも大切なのは、やはり低ナトリウム血症にならないように、あらかじめ気をつけておくことでしょう。健康な人であれば日常生活でそれほど気にしなくても良いのですが、マラソンなどの運動をする際は、ナトリウム濃度が0.1~0.2%の食塩水などでナトリウムの摂取を心がけるとともに、水を摂りすぎないように注意することが必要です。 かといって、水分が不足すると熱中症になる恐れがあります。可能であれば、低ナトリウム血症になるとみられる体重の増加が起きていないか、練習中にチェックするのが理想的といえます。少なくとも、自分にとっての水分摂取の過不足を、普段の練習中から意識しておくようにしましょう。 公開日:2011/06/20
ミネラルウォーターとは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んだ水で、そのミネラルは人の体にとって欠かせないものだ。だからミネラルウォーターを飲むことは大変よいのだが、最近ではミネラルをあまり含んでいないものもたくさんあるので、よく確かめて買いたい。 目次 すべてが「ミネラルウォーター」ではない 海洋深層水とは? すべてが「ミネラルウォーター」ではない のどが渇いたなと思った時、ミネラルウォーターに手が伸びる人は多いだろう。 水道水なら蛇口をひねればすぐに飲めるのに、わざわざ買いに行ってまでミネラルウォーターを飲む人が多い。 その理由は、「水道水はマズくていや」「ジュースを飲むより健康にいい」などさまざま。 そもそもミネラルウォーターとは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んだ水で、そのミネラルは人の体にとって欠かせないものだ。 だからミネラルウォーターを飲むことは大変よいのだが、最近ではミネラルをあまり含んでいないものもたくさんあるので、よく確かめて買いたい。 ミネラルウォーターの確かめ方 飲料水の製品表示をチェック。 品名のところに、「ナチュラルミネラルウォーター」か「ミネラルウォーター」と表示のあるものがミネラルウォーター。 そのほか、「ナチュラルウォーター」「ボトルドウォーター」などの表示のあるものは、正確にはミネラルウォーターではない。 かしこいミネラルウォーター選び 海洋深層水とは? ミネラルを多く含んだ水として、話題になっているのが海洋深層水。海洋深層水とは、深海を循環している水のこと。深海とは、光が届かないので植物などが光合成できず、また水温も低いところのことだ。この水が、体にいいとして注目を集めている。 ミネラルが豊富! 必須微量元素や、さまざまなミネラル成分がバランスよく約60種類含まれている。河川の水と比較してもその違いは歴然だ。 とくに摂取しにくいマグネシウムは、深層水コップ2杯程度で、1日の分が補えてしまうほどだ。 主なミネラル分海洋深層水河川 マグネシウム(mg/l)13264 カルシウム(mg/l)4262 ナトリウム(mg/l)110509 カリウム(mg/l)4192 キレイな水である! 2000年もの間海の奥底を循環し、表層の海水と混じり合うことがないのが海洋深層水。そのため、グラフのように細菌の数が少なく、とてもキレイである。 また、光が届かず光合成ができないため、海洋性細菌そのものの数も表層に比べて少ない。 低温で安定している 深層水は、水温が表層よりかなり低く、一年中ほとんど変化しないため、とても安定している。 公開日:2001年4月2日
ミネラルはそれぞれ、微量ではあっても体内で重要な役割を果たしている。その中の「亜鉛」について、現在分かっているはたらきのうち、一部を紹介する。亜鉛不足をチェックしてみよう。 目次 人に必要な「亜鉛」とは? 亜鉛の役割は? あなたは大丈夫?亜鉛不足チェック 人に必要な「亜鉛」とは? とかく健康ブームな世の中でよく耳にするミネラルという言葉は、いったい何なのかご存知だろうか。 なんとなく、ヒトの体を健康にしてくれそうなもの、というイメージはつくのかもしれない。地球上のものはすべて「元素」という、これ以上小さくできない単位のものが組み合わさってできているが、人の体も例外ではないのだ。 人の体を組織しているのは、95%が、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)の4つの元素であり、残りの5%には16種類の元素が含まれていると言われている。これらが人間の生理機能を補助するのに欠かせないミネラルでありその16種類のうちのひとつが亜鉛(Zn)なのだ。 代表的なミネラル カルシウム(Ca)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、ナトリウム(Na)、鉄(Fe)、銅(Cu)、クロム(Cr)など 亜鉛の役割は? ミネラルはそれぞれ、微量ではあっても体内で重要な役割を果たしている。その中の亜鉛の現在分かっているはたらきのうち、一部を紹介しよう。 亜鉛の役割 300種類を超えるさまざまな酵素(体内での化学反応を助けるもの)の活性化 DNAにも深く関与している 病気の予防と回復 成長ホルモンの機能維持 皮膚の健康維持 視力の維持 味覚、嗅覚の保全、唾液の分泌 アルコール分解 老化防止 あなたは大丈夫?亜鉛不足チェック ところで、「カルシウムは意識して摂取しよう!」と思っているかもしれないが、「亜鉛をとろう!」としている人はそうそういないのでは?でも、亜鉛は体内で合成することができず、食物からとらなければならない。 最近は、食生活が変化し、ファーストフードやコンビニなどの普及によって栄養が偏りがちで、なかなかバランスの取れた食事をしていない人が多いようだ。そこで、次のような症状が出ていたら、あなたも亜鉛不足かも?当てはまるものが多い人は要注意! 亜鉛不足チェック 最近、やたらと疲れやすい 視力が落ちてきた 抜け毛が増えた 貧血を起こしやすくなった 皮膚がかさかさしやすい 爪が変形してきたり、伸びるのが遅かったりする 食べ物の味が薄く感じられることがある ケガをすると治りが悪い (男性なら)最近、急に精力が落ちた (女性なら)生理不順だ 味覚障害とは 公開日:2001年3月26日
何を食べても味がしない。「味覚障害」といわれる症状が増えているようだ。味覚障害となる原因のひとつは亜鉛不足と言われている。味覚のチェックは、病院で簡単に検査できる。 目次 味覚障害が増えている! 原因は亜鉛不足 あなたの味覚をチェック! 味覚障害が増えている! 「何を食べても味がしない」「食べ物の味が薄く感じられる」「作った料理が濃すぎると、家族に言われた」―こんな症状を訴える人が増えているようだ。 これは、味覚障害といわれる症状。食べている物の味がしないことほど気持ちの悪いことはない。味覚障害は、知らず知らずのうちに症状が進行し、気がついた時にはかなり症状が進んでいるケースも少なくない。 こんな症状が味覚障害 ●味覚減退・味覚消失…味の感じ方が鈍くなったり、味を感じなくなったりする ●異味症…本当は甘いのに、苦く感じるなど、違った味を感じる ●自発性異常味覚…口の中に何もないのに苦味や渋味などを感じる ●解離性味覚障害…甘みだけがわからない ●悪味症…何を食べてもいやな味になる 参考文献:「亜鉛パワーの秘密」冨田 寛 宙出版 原因は亜鉛不足 味覚障害に陥る原因は、いくつか考えられる。舌に異常がある場合や風邪をひいて嗅覚が鈍っているケースもあるが、主な原因は亜鉛不足と言われている。 ちなみに、味覚を感じるのは、舌や上あごにある味蕾(みらい)という器官。舌の表面を覆っている白いぶつぶつした突起物を糸状乳頭といい、その中にあるぽつぽつした赤い部分を茸状(じょうじょう)乳頭という。その中に味蕾はある。 また、味蕾は舌の奥のほうの10個くらい逆V字型に並んでいる大きないぼいぼ(有郭乳頭という)の中や、舌の両側のつけ根に赤く盛りあがって見える葉状乳頭と呼ばれる部分や、上あごの奥の口蓋垂(いわゆるのどちんこの上の部分)にもある。 実はこの味を感じる細胞は、短い周期で新しく生まれ変わっており、そのためにはたくさんの亜鉛を必要とする。つまり、亜鉛が不足すると細胞が生まれ変われなくなってしまい、味覚障害を引き起こしてしまうのだ。 あなたの味覚をチェック! 自分の味覚がおかしい、なんてなかなか気がつかないことがある。とくにひとりで食事をする機会が多い人は、知らないうちに症状が進行してしまうこともある。 病院での診断には電気味覚検査法と濾紙ディスク法がある。いずれも簡単にできる検査なので、検査設備が整っている病院で受けよう。なお、味覚障害と聞くと内科などの受診を思い浮かべがちだが、耳鼻咽喉科で検査設備が整っていることがあるので、出かける前に問い合わせてみよう。 味覚チェック法 ●電気味覚検査法 電気味覚計という器具を使い、弱いプラスの電気を流して刺激レベルを変化させ、味を感じ取れる度合いを調べる方法。 ●濾紙ディスク法 甘味、塩味、酸味、苦味の4種類の味をそれぞれ染み込ませた濾紙を舌の上にのせて味が感じられるかどうかをチェックする方法。濾紙に染み込ませた味が全部で5段階ある。 公開日:2001年3月26日
亜鉛は体内で合成されないので、食品からとらなければならない。簡単にいえば、亜鉛を含む食品をとればよいのだ。亜鉛を含んだ食品と簡単レシピをご紹介。 目次 偏食をやめ、加工食品にも注意 1日の目安は男性12mg、女性10mg 亜鉛たっぷり食品のナンバー1は「牡蠣(かき)」 偏食をやめ、加工食品にも注意 亜鉛は体内で合成されないので、食品からとらなければならない。簡単にいえば、亜鉛を含む食品をとればよいのだが、現代は土壌中のミネラルが少なくなった土地が多く、その地で育ったもののミネラルも減少してしまっている。 ただでさえ、少なくなっている亜鉛。効率よく摂取するためには、どうしたらいいのだろうか? 偏食をやめること インスタント食品やファーストフードなど、手軽なものばかりを食べるのをやめること。若い世代に味覚障害が増えているのは、偏食がかなり影響している。これでは亜鉛はなかなかとれない。 加工食品に注意 ほとんどの加工食品に含まれているポリリン酸ナトリウムなどの食品添加物は亜鉛を体内から排出してしまうはたらきがあり、フィチン酸という天然物質は、亜鉛を吸収しにくくする作用がある。 亜鉛が吸収されない!? ●ポリリン酸ナトリウム 弾力を増し、変色防止や舌触りをよくするために添加するもの。かまぼこや清涼飲料水などに含まれる。 ●フィチン酸 変色・変質を防止し、色をよくするためなどに添加するもの。つけものやパン、しょうゆなどに含まれる。 アルコールはほどほどに アルコールを分解するのにたくさんの亜鉛が使われる。また、亜鉛が不足しているとアルコールを分解する酵素のはたらきが鈍くなるため、お酒好きな人はとくに亜鉛をとるよう心がけて。 1日の目安は男性12mg、女性10mg 厚生労働省では、1日の摂取量を成人男性は12mg、成人女性は9mgと発表している。でも、普段の日本人の食事では7~9mgしかとれていないそう。1日の目標の半分しか摂取できていないので、12mgとはいわず15mgを目標に摂取するようにしたいものだ。 ちなみに、1日の許容上限は成人男性で40~45mg、女性で30~35mgだそう。過剰摂取による害を気にすることもあるかもしれないが、ほかのミネラルに比べて体が亜鉛を受けつける許容範囲が広いため、たとえ多めに摂取しても副作用は出にくい。 亜鉛たっぷり食品のナンバー1は「牡蠣(かき)」 亜鉛たっぷり食品 参考資料:食品成分早見表 亜鉛が含まれているものといえば、緑茶や抹茶、そしてなんといっても牡蠣(かき)。牡蠣は、大粒のものなら1つ食べれば1日の所要量を軽くクリアすることができる(牡蠣は100g中に40~70mgの亜鉛が含まれており、大粒の牡蠣なら1個30g程度あるため)。 そのほかの食品と簡単レシピをご紹介。 牡蠣のイタリアン ■材料(4人分) 牡蠣大粒4個、ベーコン20g、パン粉大さじ4、ニンニクひとかけ、とろけるチーズ、パセリ、オリーブオイル ■作り方 ベーコンとニンニク、パセリをみじん切りにする。牡蠣はよく洗っておく。 フライパンにオリーブオイルをいれ、ニンニクをいためて香りが立ってきたらベーコン、パン粉、パセリの順に炒めて取り出しておく。 耐熱皿に牡蠣を並べ、オリーブオイルをかけ、2をかける。さらにチーズをのせ、オーブントースターで焼く。 抹茶プリン ■材料(4人分) 抹茶大さじ1、牛乳450cc、プリンの素1袋(約60g) ■作り方 抹茶を大さじ1の湯で溶く。 鍋に牛乳とプリンの素、1の抹茶を入れて中火にかけ、沸騰したら火を止めて型に流す。粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし固める。 公開日:2001年3月26日
カルシウムは骨をつくるだけでなく、血液中や脳、心臓などにも存在します。一方で、毎日なにも食べなくても、体外へ排出されてしまいます。あなたはカルシウムをきちんと摂っていますか?チェックしましょう。 目次 カルシウム不足度をチェック! いったい、カルシウムって何? カルシウムはなぜ必要なの? カルシウム不足度をチェック! 次の項目のうち、4つも5つも当てはまるような人はカルシウム不足の危険信号です。あなたは大丈夫ですか? インスタント食品や缶詰を毎日のように食べる 野菜、小魚、乳製品をあまり食べない 甘いお菓子やジュースを毎日とる 日光にあまりあたらず、歩くことも少ない 食事制限中心の無理なダイエットをしている 手足がけいれんしたり、筋肉が弱った感じがする つめが弱い イライラしやすい、気が短い いったい、カルシウムって何? すべての物質は原子がたくさん集まってできています。でも、1種類の原子だけでできている物質もあり、これが元素といわれるものです。カルシウムはこの元素にあたります。例えば、ビタミンは炭素、酸素、水素などの元素からできている化合物ですが、カルシウムはそれだけではたらきがあるのです。 カルシウムはおよそ体重の2%含まれます。50kgの体重の人なら約1kgのカルシウムが体にあります。そのうちの約99%(約990g)は骨にあり、残りの1%(約10g)は血液中や細胞に存在します。ちなみに、血液中のカルシウム濃度は9~10mg/dlに保たれており、それより低くなっても高くなってもいけません。 カルシウムはなぜ必要なの? カルシウムは骨をつくるだけでなく、血液中や脳、心臓などにも存在します。一方で、毎日なにも食べなくても、カルシウムの量は1日600mgくらいは尿や便となって体外へ出てしまいます。カルシウムが不足すると骨が弱くなり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などになりかねないのです。 また、「カルシウムが足りないとイライラする」のは本当のことで、血液中のカルシウム濃度が低くなると、イライラするだけでなく、筋肉がけいれんしたりすることもあります。 例えば1日30mgのカルシウムが不足したら… 1ヵ月で約1g → 1年で12g → 40年で480gが不足。 20歳のとき健康な体でも、60歳には体内にある1kgのカルシウムは約半分に減ってしまう。 つまり、スカスカ骨になってしまう! 公開日:2000年12月25日
骨粗しょう症(こつそしょうしょう)はカルシウム不足によって骨がスカスカになる病気です。高齢者ではちょっと転んだだけでも骨折する場合があり、怖いのは、その結果「寝たきり」になってしまうこと。リスクの高い人は予防を心がけましょう。 目次 「骨粗しょう症」ってどんな病気? どうして「骨粗しょう症」になるの? 「骨粗しょう症」になりやすいのはどんな人? 「骨粗しょう症」ってどんな病気? ご存知の方も多いと思いますが、骨粗しょう症(こつそしょうしょう)はカルシウム不足によって骨がスカスカになる病気です。骨の中が粗くなるので、当然骨が弱くなり、骨折しやすくなります。 加齢とともにその発生率は高くなり、高齢者ではちょっと転んだだけでも骨折する場合があるくらいです。特に怖いのは、大腿骨頸部(骨盤にいちばん近い部分の足の骨)を骨折し、その結果「寝たきり」になってしまいます。 年齢別にみた骨粗しょう症の発症頻度 出典:「貯骨でふせぐ骨粗鬆症」家庭栄養研究会編集食べもの通信社 どうして「骨粗しょう症」になるの? カルシウム不足が招く病気だけど、原因はそれだけではありません。 骨粗しょう症になる原因は? ●加齢 普通の健康な人でも、骨量は45歳くらいから減り始めます。 ●遺伝・体質による 家族に骨粗しょう症の人がいる場合、なりやすいともいわれています。また、体重の多い人ほど骨の量が多いといわれます(小柄な人より大柄な人のほうがなりにくいようです)。 ●女性ホルモンの不足による 閉経後の女性がなりやすいようです。女性ホルモン「エストロゲン」が減少すると骨量が減少すると考えられています。 ●カルシウム代謝調節ホルモンによる 人の体のはたらきを調節するカルシウム代謝調節ホルモンのはたらきにより、骨の吸収と形成が調節されていますが、これがなんらかの原因でバランスが崩れ、吸収が形成を上回ると骨粗しょう症になります。 ●栄養不足による カルシウムの摂取が不可欠ですが、その吸収率を高めるのに必要なのがビタミンDやビタミンKなどです。これらが不足していては、カルシウムが吸収されにくくなります。 ●運動不足による 骨にはある程度負荷をかけたほうが強くなります。激しい運動でなく、ウォーキングでもOKです。また、太陽光を浴びるのも必要です。 ●喫煙・飲酒による たばこの吸いすぎは胃腸を荒らし、カルシウム吸収率を悪くします。また、過度の喫煙や飲酒は、体のバランスを崩してホルモンの異常をきたすので注意しましょう。 「骨粗しょう症」になりやすいのはどんな人? 次のような条件に当てはまる人は要注意です。とくに骨粗しょう症は、知らない間に骨のスカスカ度が進行していて、気がついたときには骨折!ということになりかねません。 こんな人は骨粗しょう症が迫っているかも!? 女性 高齢者 やせた人 運動をあまりしない人 牛乳を飲まない人 日光にあまり当たらない人(北国の人) 公開日:2000年12月25日
「炭酸飲料が骨を溶かす」のはホント?「カルシウムは摂り過ぎるとよくない」のはホント?など、カルシウムと骨に関する素朴な疑問に回答します。 目次 「炭酸飲料が骨を溶かす」のはホント? 「カルシウムは摂り過ぎるとよくない」のはホント? 「宇宙旅行をすると骨が弱くなる」のはなぜ? 「背が低いのはカルシウムの摂り方が少ないから」というのはホント? 「普通の食事を摂っていたのではカルシウムが不足する」のはホント? 「炭酸飲料が骨を溶かす」のはホント? 骨の溶け方 骨を溶かすのは、骨に取りついた破骨細胞と骨の表面との間にできた空間に破骨細胞が自分でつくった強い塩酸(PH2で胃酸と同じくらい強い)によるものです。炭酸水を飲んでもそれが直接骨にいって溶けるわけではありません。 ただし、カルシウムの摂り方が足りないと副甲状腺ホルモン(カルシウム調節ホルモンのひとつで、骨吸収を促進したり、腎や尿細管からのカルシウム再吸収を促進して血清カルシウム値を上昇させるはたらきがあります)が増えるため、骨が溶けていくことになります。 「カルシウムは摂り過ぎるとよくない」のはホント? 普通の日本人の食生活では、まず摂り過ぎる心配はありません。基本的には、カルシウムを摂り過ぎたら骨に蓄えて骨を強くするため、問題はないのです。事実、日本人では1日500~600mgのカルシウムを摂っていたらいいほうですが、アメリカでは1日に1,000mg以下の人は10人に1人か2人なのだそう。そうはいっても、サプリメント食品などで過剰に摂取することはよくありません。過剰なカルシウムは尿の排泄が間に合わず、腎臓結石ができたり、動脈硬化や心筋梗塞の原因にもなりかねないからです。 「宇宙旅行をすると骨が弱くなる」のはなぜ? 骨はもともと重力に対抗して体をまっすぐ立たせ、また脳や心臓のような大切な器官を外からの力から守るためにできたものです。骨に重力がかからなくなると、骨は急激にやせ細ってしまいます。一説によると骨に力が加わると電気が通り、これが骨の細胞を刺激して骨芽細胞が骨をつくるのだとか。力が加わらなくなれば、さっそく骨をつくるのを止めてしまうというわけです。 ちなみに、火星にも生き物がいると想像していたころ、火星人はくらげのように骨のない姿の絵で描かれることが多かったのですが、無重力状態では骨もいらないということを知っていたから!?という説があります。 「背が低いのはカルシウムの摂り方が少ないから」というのはホント? カルシウム摂取と身長の伸びの関係 背の高さを決めるのは遺伝が大きく影響しています。両親が背が低ければ、子供の背も低くなる確率は高くなります。だから、カルシウムを摂ったからといって飛躍的に背が伸びるわけではありませんが、大抵は12~14歳くらいに骨の端にある軟骨が骨に変わっていく軟骨性化骨というものにより手足の骨が伸びることによって、急激な身長の伸びが起きます。レントゲン写真で手首の骨の端に軟骨の線が残っていれば、まだ伸びる余地があるということです。 普通、15~17歳くらいで骨の伸びは終わります。だから、その時期までにカルシウムを摂らなければ、本来伸びるはずのところまでも伸びなくなりますので、やはりカルシウムは必要です。もちろん、長いだけで細くて折れやすい骨ができても意味がないので、骨を太く強いものにするためにもカルシウムは必要です。 「普通の食事を摂っていたのではカルシウムが不足する」のはホント? これは日本の土壌が関係しています。日本は一部を除いて火山島です。火山灰の土地というのは、サラサラしていて水をよく通し、酸性でアルカリ土類金属のカルシウムをあまり含んでいません。この火山灰土壌を通ってくる飲料水ももちろんカルシウムはあまり含まれていないため、カルシウム不足になる原因をつくっています。 さらに、欧米に比べ、日本人は乳製品を摂ることが少ないのも原因のひとつ。もちろん、乳製品以外に海草や小魚、豆腐などからカルシウムを摂ってはいるものの、やはり乳製品にはかなわないのです。 公開日:2000年12月25日
現代の日本人にとってカルシウム不足は深刻な問題です。年齢、性別などで1日に必要なカルシウム量は異なってきますが、最低でも600mgは摂るようにしましょう。 目次 1日に必要なカルシウムは600mg カルシウムを摂るには牛乳がいちばん!? カルシウムの吸収を助けるビタミンD 1日に必要なカルシウムは600mg 厚生労働省が定めた1日に必要なカルシウムの量は600mg。これは、尿や汗、便などで失われるカルシウムの量とほぼ同じです。 しかし、「600mgとっていれば大丈夫」なのではなく、「最低でも600mg」と考えてください。もちろん、妊婦や授乳期の女性は1,000~1,100mg、成長盛りの人は700~900mgなど人によってそれぞれ差はあるものの、最低でも600mgは摂取したいものです。 日本人の1日あたりのカルシウム所要量 出典:「カルシウムその基礎・臨床・栄養」社団法人全国牛乳普及協会田沢良記・日木正孝・江澤郁子・広田孝子編 カルシウムを摂るには牛乳がいちばん!? カルシウムを摂る代表的な食品は「牛乳」です。よくいわれているカルシウム吸収率は牛乳で53%、小魚で38%、野菜で18%。やっぱり、牛乳はカルシウムの王様!ではありますが、もちろんほかの食品でも摂れるため、牛乳が苦手なら、ほかの食品から摂るように心がけましょう。 カルシウム(Ca)を多く含む食品 食品名 100g中のCaの量(mg) 1回にとる量の目安(g) Caの量(mg) 普通の牛乳 100 200 200 ヨーグルト 130 100 130 アイスクリーム(普通脂肪) 140 100 140 チーズ(プロセス) 630 25 157 鶏卵(全卵) 55 50~100 28~55 ごま 1200 10 120 豆腐 120 150 180 ひじき 1400 10 140 しらす干し 530 10 53 マイワシ(丸干し) 1400 25 350 干しえび 2300 10 230 からし菜 110 80 88 小松菜 290 80 232 切干大根 470 20 94 カルシウムの吸収を助けるビタミンD 実は、カルシウムの吸収にはビタミンDが大きく関与しています。ビタミンDが摂れる食物に以下のようなものがあります。積極的に摂り入れましょう。 ビタミンDを多く含む食品 マグロ刺身、イワシ、カツオ、ブリ、サンマ、サバ、レバー、干ししいたけ、卵黄、バターなど 公開日:2000年12月25日
5大栄養素のひとつである「ミネラル」。必要な量はごく微量でも、体にはとても大きな影響を与えるのがミネラルです。ミネラルのはたらきと、ミネラル不足が引き起こす症状を紹介します。 目次 「ミネラル」とカラダの深い関係 ミネラルのはたらきと、ミネラル不足が引き起こす症状 カルシウム、鉄…私たちにはミネラルが足りない! 「ミネラル」とカラダの深い関係 たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンと並び、5大栄養素のひとつである「ミネラル(無機質)」。そもそも、あなたはミネラルとは何か知っていますか? 人の体を元素にまで分解してみると、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)・窒素(N)の4つで全体の約96%ができています。「ミネラル」とは、この残りの4%にあたる元素の総称です。つまりミネラルとは、私たちの体の一部であり、重要な構成成分です。 このほか、ミネラルは体液量や酸・アルカリ度の調整、筋肉や神経のはたらきの調節にも欠かせません。さらにビタミンと同様に、炭水化物やたんぱく質、脂質などの代謝にも深く関わっています。 私たちにとって、ミネラルの必要量はごく微量。しかし生命維持には不可欠の栄養素なのです。 ミネラルのはたらきと、ミネラル不足が引き起こす症状 ミネラルは、残念なことに人間の体内で作り出すことができないため、食べ物から補うしかありません。しかし、摂取量が不足すると欠乏症が起き、さまざまな病気のもとになってしまいます。カルシウム不足による「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」や、鉄分不足による「貧血」は耳にしたことがあるのではないでしょうか? ※男女とも30~49歳の一日の推定平均必要量 カルシウム ●必要量と推奨量※ 成人男性成人女性 推定平均必要量550mg550mg 推奨量650mg650mg ●主なはたらき 骨・歯の原料となる 体液のアルカリ性の保持 神経興奮性の抑制 心筋をはじめとする筋肉の収縮・伸長 筋肉の興奮性の抑制 ●不足すると? 骨密度の低下 骨粗しょう症 内出血を起こしやすい 発育不全 鉄 ●必要量と推奨量※ 成人男性成人女性 推定平均必要量6.5mg5.5mg※閉経後は9mg/日 推奨量7.5mg6.5mg※閉経後は10.5mg/日 ●主なはたらき 赤血球の材料となる 筋肉などの臓器でエネルギー代謝に関与 ●不足すると? 貧血 運動能力の低下 免疫機能の低下 マグネシウム ●必要量と推奨量※ 成人男性成人女性 推定平均必要量310mg240mg 推奨量370mg290mg ●主なはたらき 骨形成をたすける 多様な酵素の補酵素として活躍 体液の平衡維持 ●不足すると? 循環器疾患 筋肉の緊張低下 刺激に対する過剰反応 筋肉のけいれん 亜鉛 ●必要量と推奨量※ 成人男性成人女性 推定平均必要量8mg6mg 推奨量10mg8mg ●主なはたらき 酵素の構成成分となる 代謝調節に関与 ●不足すると? 食欲低下 成長の遅れ 皮膚病が起こりやすい 免疫機能の低下 生殖能異常 味覚障害 出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」厚生労働省 このミネラル欠乏症、女性はとくに注意しましょう。生理や妊娠、更年期など女性特有の事情は、ミネラル不足を引き起こしやすくなります。毎月の生理では鉄分が大量に失われ、更年期を迎えると骨のカルシウム量は急激に減少してしまいます。また、極端な食事制限によるダイエットもミネラル不足の大きな原因となります。日ごろから、積極的なミネラル補給が必要です。 カルシウム、鉄…私たちにはミネラルが足りない! 年齢別にみたミネラル摂取量 「必要量」は各年代の推定平均必要量。「摂取量」は栄養素等摂取量の平均値。 ※赤字は必要量に達していない数値 ■カルシウム(mg/日) 年齢20-2930-3940-4950-5960-69 必要量 男性650550550600600 女性550550550550550 摂取量 412441437485541 ■鉄(mg/日) 年齢20-2930-3940-4950-5960-69 必要量 男性6.06.56.56.06.0 女性8.5※月経なし 5.09.0※月経なし 5.59.0※月経なし 5.59.0※月経なし 5.59.0※月経なし 5.5 摂取量 6.87.07.07.78.4 ■マグネシウム(mg/日) 年齢20-2930-3940-4950-5960-69 必要量 男性280310310290290 女性230240240220220 摂取量 207220224247271 ■亜鉛(mg/日) 年齢20-2930-3940-4950-5960-69 必要量 男性88888 女性66666 摂取量 8.08.08.08.18.3 出典:「平成28年(2016)国民健康・栄養調査」厚生労働省 ミネラルのなかでも、とくに不足しやすいのが「カルシウム」です。なんと日本人は、摂取量が目標値を上回ったことが過去約30年間一度もないという「慢性カルシウム不足」です。さらに、これに加えて最近の調査では、鉄、マグネシウムさえも不足しています。豊かな食生活を送っているようでも、今や日本人は「深刻なミネラル不足」なのです。
カロリーはオーバーしがちなのに、なぜか不足してしまうのが「ミネラル」。現代人のミネラル不足の原因として、見逃せないのが食生活の変化です。現代の食事は、昔に比べてミネラルが少なめ。インスタントやレトルトなど、加工食品の存在も見逃せません。加工食品が多い食事のときにはカルシウム補給を心がけましょう。 目次 原因は、土にある!? ミネラルは忘れられた栄養素!? ミネラルを補給しにくい現代の食事 原因は、土にある!? 一般的に、ペットボトルのミネラルウォーターは外国産の方がミネラル分が多いということをご存知ですか?そもそも私たちが住む日本の土壌は、欧米に比べるとミネラル分がかなり少なく、そのため、日本の土地で育つ水や野菜など食べ物のミネラルも少なめです。 さらに近年は、度重なる化学肥料や農薬の使用によって土のミネラルバランスが崩れています。このため、食べ物自体に含まれているミネラル量も昔に比べて減少してしまっているといいます。日本の土地は、ミネラルが不足しやすい環境なのです。 ミネラルは忘れられた栄養素!? 現代人のミネラル不足の原因として、見逃せないのが食生活の変化です。現代人の食事は昔に比べてミネラルが少なめです。例えば米、小麦、砂糖…。一般的にどんな食品でも、精製が進むほどミネラルは失われていきます。より食べやすくおいしいもの、と食品が精製される一方で、含まれるミネラル量は減少してしまいます。 ミネラルの種類と量(可食部100g当たり 単位:mg) 食品名 カルシウム 鉄 マグネシウム 亜鉛 銅 玄米精白米 95(44%減)2.10.8(62%減)11023(79%減)1.81.4(22%減)0.270.22(19%減) 玄穀小麦粉 3623(36%減)2.90.6(79%減)11012(89%減)1.70.3(82%減)0.320.09(72%減) 黒砂糖上白糖 2401(99.5%減)4.7微量(100%減)31微量(100%減)0.5微量(100%減)0.240.01(96%減) 出典:五訂日本食品標準成分表 ミネラルを補給しにくい現代の食事 インスタントやレトルトなど、加工食品の存在も見逃せません。例えば、多くの清涼飲料水や加工食品には、添加物として「リン酸塩」が加えられています。リンもミネラルだが、むしろ過剰摂取が問題になっている栄養素で、多く摂り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまいます。カルシウムとリンは1:1の割合で摂るのが理想です。しかし、現代の食事はリンの摂取量が多く、カルシウムの摂取量が追いついていません。手軽で便利な加工食品は現代の食事には欠かせないものですが、加工食品が多い食事のときにはカルシウム補給を心がけましょう。
ミネラル補給の基本は食事です。でも、気をつけていても不足してしまうのが「ミネラル」。ミネラル補給が簡単にいかないのは、ミネラルが体に吸収されにくいことも大きな原因のひとつです。では、どうしたらいいのでしょうか?手軽にミネラルを効率よく補給するポイントを紹介します。 目次 ミネラル補給は「吸収」がカギ サプリメントを上手に利用 ミネラル補給の味方!ツイントース ミネラル補給は「吸収」がカギ 食事にいくら気をつけていても、不足してしまう「ミネラル」。ミネラル補給が簡単にいかないのは、ミネラルが体に吸収されにくいことも大きな原因のひとつです。 例えばカルシウムの場合、吸収率は牛乳で約50%、小魚で約30%、ほうれん草ではたったの10%。鉄の場合も、吸収がよいとされる牛肉のレバーでさえ約20%とかなり少なくなります。加工食品が多い現代の食事の中では、摂っているようで、摂ることができていないミネラル。効率よくミネラルを摂る方法は、「吸収率アップ」がカギを握っているといえそうです。 吸収されやすいカルシウム食品、吸収されにくいカルシウム食品 サプリメントを上手に利用 ミネラルを補給しにくい現代人。どうしても食事だけで摂るのが難しいなら、サプリメントを利用するのもひとつの手でしょう。サプリメントのなかには、あらかじめ数種類のミネラルがバランスよく入っているものや、ミネラルの吸収率をアップするものを加えたものが市販されているので便利です。ただし手軽に補給が可能な分、摂り過ぎには注意しながら、うまく利用しましょう。 ミネラル補給の味方!ツイントース 「ツイントース」、あまり聞きなれないこの成分は、チコリの根から作られたオリゴ糖の仲間です。ただ、普通のオリゴ糖とは少し形が変わっていて、ほかのオリゴ糖にはない独自の特徴があるといいます。 ツイントースの3つのメリット ●ミネラルの吸収を促進する→ミネラル不足を補う ●カルシウムを体内に留めておく→体内でしっかり活用できる ●骨の形成を促進する→骨を丈夫にする とくに注目したいのが、ミネラルの吸収促進です。ツイントースは「小腸」と「大腸」の両方で吸収を高め、カルシウムや鉄などのミネラル吸収を強力にサポートすることがわかりました。さらに、吸収したカルシウムを体内に留めておくはたらきもあるといいます。 オリゴ糖の仲間なので、砂糖の半分程度の甘さがあり、食べやすいというのもうれしい話。ミネラル不足の強い味方になってくれることは、間違いなさそうです。
妊娠・産後は、ママの体から赤ちゃんに栄養が奪われるため、この時期は特にビタミン・ミネラルなどの栄養の補給に気を配らなければなりません。この時期に押さえておきたいビタミン・ミネラルについて確認しておきましょう。 目次 どうなるの?妊娠中と産後の体調 妊娠中や産後に起こりやすい不調 妊娠中のトラブルには葉酸+このビタミン&ミネラルを 赤ちゃんのために葉酸+このビタミン&ミネラルを どうなるの?妊娠中と産後の体調 妊娠すると女性の体にはさまざまな変化が現れます。妊娠初期に現れるつわりはもちろんのこと、肌や髪のトラブル、情緒不安定、だるさや疲れやすさなどその症状はさまざまです。また、妊娠中だけではなく、産後もしばらくの間はこうしたトラブルが続くことが多いようです。月経が再開するとしだいにホルモンバランスは戻っていきますが、それまでは不定愁訴や体調の変化に悩まされることもしばしばです。妊娠中、そして産後の女性に現れる不快な症状とはどのようなものなのか、事前に症状をチェックしましょう。 妊娠中や産後に起こりやすい不調 症状 主な原因 対策 眠くてだるい ホルモンバランスの乱れ、ストレス、貧血などの要因が絡み合って起こります 妊娠により疲れやすくなっているので、とにかくぐっすり眠ること 気持ちが悪い 妊娠初期に起こる、いわゆる「つわり」です。吐きづわり、空腹づわりなどタイプもさまざまです つわりの場合は、食べたいときに食べたいものを。もちろん、無理に食べなくてもOK 頭がズキズキ 妊娠中毒症が原因の場合、血圧の上昇に伴って起こります。めまいがしたり、目の前にチラチラしたものが見えることもあります 市販薬などを自己判断で飲まず、早めに受診を。妊娠中毒症の場合は安静を心がけ、塩分控えめの食事を フケ・かゆみ 皮脂腺が閉じやすくなっているのに皮脂の分泌が多くなるため 頭皮を清潔に。刺激の少ないシャンプーでやさしく洗いましょう シミ 貧血やストレスなどが原因となって起こります 栄養をしっかり補給。紫外線を防止し、悪化を防ぐことも大切です 憂うつ・イライラ ホルモンバランスの乱れやストレスが自律神経に影響を及ぼします あまり物事を考え過ぎない、思いつめないこと。気分転換やリラックスも大切です 妊娠中のトラブルには葉酸+このビタミン&ミネラルを 妊娠中は、おなかの赤ちゃんにママの体から栄養が奪われてしまいます。また、初期のつわりではほとんど食べられないという人も多く、さらに中期以降では体重管理とともに必要なビタミン・ミネラルまで減らしてしまい、栄養不足に陥るケースもあります。妊娠中に起こりやすいトラブルに関連した必要な栄養素をチェックし、足りない場合はサプリメントで補うことも賢い選択でしょう。 なお、サプリメントを利用する際は、注意事項をよく読むように。なかには、妊娠・授乳中の場合には控えた方がよいものもあります。迷ったら販売元や医師に相談をしましょう。 予防したい症状 必要な栄養素 妊娠中の1日の所要量( )内は授乳中の1日の所要量 必要な理由 貧血 赤血球のヘモグロビンのなかに含まれる鉄、赤血球の再生に必要な葉酸、ビタミンB12など 鉄…20mg(20mg) 葉酸…400μ g(280μg) ビタミンB12…2.6μg(2.6μg) 妊娠が進むにつれ体内の血液が急激に増えるため、赤血球の生産が追いつかなくなります つわり つわりの人に多いといわれる「キサンツレン酸」の増加を間接的に防ぐビタミンB6など ビタミンB6…1.7mg(1.8mg) ビタミンB6が不足すると、アミノ酸の代謝異常が起こり、「キサンツレン酸」が増加します 眠気やだるさ、イライラ 脳や神経の興奮を鎮め、精神を安定させるカルシウム カルシウム…900mg(1,100mg) 胎児の骨や歯の形成に、母親の骨からカルシウムが奪われます 妊娠中毒症 血圧を正常に保つカリウム、心臓の収縮をスムーズに行うカルシウム カリウム…2,000mg(2,500mg) カルシウム…900mg(1,100mg) 不足すると高血圧になり、妊娠中毒症の原因となります 栄養所要量の出典:第6次改定日本人の栄養所要量 赤ちゃんのために葉酸+このビタミン&ミネラルを 積極的な葉酸の摂取を ママの体のためだけではなく、丈夫で健康な赤ちゃんを産むためにも、栄養のコントロールは欠かせません。ビタミン・ミネラルのなかでも葉酸は、厚生労働省が「神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるために、妊娠の1ヵ月以上前から妊娠3ヵ月までの間、葉酸の摂取が必要である」としているように、元気な赤ちゃんを産むために大切な栄養素です。 しかしながら、葉酸は通常の食事から必要量摂取するのは至難の業。緑黄色野菜などはゆで野菜にすることで栄養成分が流出してしまいます。また、肉類で摂ろうとするとカロリーも増やしてしまうからです。現実問題として、毎日葉酸の多い食品ばかりを食卓に並べるのも大変なことでしょう。 米国政府では、「妊娠可能な年齢にあるすべての女性」に対し、1日400μg(0.4mg)の葉酸をサプリメントで摂取するよう呼びかけています。また日本でも厚生労働省が、食事だけでなくサプリメントの利用もすすめています。 必要量を毎日無理なく摂るために、食事で摂りきれない分をサプリメントで補うなど上手に組み合わせてみましょう。 こんなもので葉酸を摂取! 参考:2002新食品成分表(五訂日本食品標準成分表準拠) ビタミン・ミネラルの過剰摂取にも要注意 意外に見落としがちなビタミン・ミネラルの過剰摂取にも注意を。特に、妊娠3ヵ月までにビタミンAを大量に摂ると、新生児の奇形発生率が高まるといわれています。妊婦の場合ビタミンAの必要所要量は2,000IUだが、5,000IUを超えるとリスクが増えるといわれているので、十分に注意しましょう。 よいおっぱいをつくるには 出産が近づいてきたら、母乳の質を高め、量もたっぷりと与えられるように気を使うとよいでしょう。生まれてきた赤ちゃんは、妊娠中よりもたくさんの栄養を必要とするので、ママも負けずにしっかり栄養補給することが大切です。特に新生児のビタミンK欠乏性出血症を防ぐため、ビタミンKの摂取は積極的に行いましょう。このビタミンは血液凝固に必要な成分で、不足すると頭蓋内出血を引き起こし、脳障害の原因となります。 また、ホルモンの分泌を正常にし、母乳の分泌を高めるビタミンEや赤ちゃんの骨の育成に関わるカルシウムの補給もお忘れなく。
食べ物の味がわからない、肌が荒れる・髪がパサつく、ささいなことでイライラしてしまう…これらの一因には亜鉛不足が関係しているのです。でも、そもそも「亜鉛」って何?ただの金属じゃないの?そんな素朴な疑問にお答えします。 目次 亜鉛不足度をチェックしよう そもそも亜鉛って何? ちなみにミネラルとは? 亜鉛コラム:なぜ人体に金属が必要なの? 亜鉛不足度をチェックしよう あなたは毎日、漠然とした不調を感じてはいないだろうか?亜鉛不足に陥ると体に様々な変調を来してしまう。まずはあなたの体に亜鉛が足りているかどうかチェックしてみよう!ひとつでも思い当たることがあるなら、亜鉛不足を疑ってみるべき。 亜鉛不足度をチェック 肌が荒れたり、髪がパサついている なんとなくだるい 風邪が長引く or 傷が治りにくい 忘れ物が多い イライラする そもそも亜鉛って何? 「亜鉛」というと、体に有害な「鉛」の一種か!?と誤解されるかもしれない。ローマ帝国が滅んだのは、鉛製の水道管を敷き、鉛製のコップで水を飲んでいたため市民が鉛中毒になったからだという説もあるほどだ。 でもご安心を。私たちの体内にある亜鉛はほんの数g程度の微量元素だ。わずかな量だが、わたしたちの体に果たす役割は大きく、200種類以上の酵素とともにはたらき、遺伝子やたんぱく質の合成を行う、重要なミネラルだ。また、炭水化物やたんぱく質の代謝とも深くかかわり、ホルモン活性にも欠かせない。 以前は不足の心配がないとして所要量も特に決められてはいなかったが、現在は大人で1日15mg摂ることが望ましいとされ、許容上限摂取量も30mgと決まっている(厚生労働省「第6次改定日本人の栄養所要量について」より)。 ちなみにミネラルとは? たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンとともに5大栄養素のひとつで、無機質ともいう。元素の形で存在し、微量ながらビタミン同様体の構成物質として重大なはたらきを担う。これらミネラルは、自分の体の中では作り出せず、食事やサプリメントから補うしかない。必要量を知った上でうまく摂るように心がけたい。 準主要原素 ミネラル 主な作用 カルシウム骨や歯を形成、神経の興奮を抑制 リン骨や歯を形成、糖質代謝に関与 カリウム心臓や筋肉の機能調節、塩分量の調節 イオウ皮膚や髪、爪を作る ナトリウム体液のバランスをとり、神経、筋肉の興奮を鎮める 塩素胃液中にあり、消化を促進 マグネシウム約300種の酵素反応に関係 微量原素 ミネラル 主な作用 鉄赤血球中ヘモグロビンに含まれ、酸素を運ぶ 亜鉛たんぱく質の合成に関与 銅ヘモグロビン合成に関与、抗酸化作用あり ヨウ素発育促進、基礎代謝促進 セレン抗酸化作用あり マンガン糖質・脂質の代謝、骨形成に関与 クロム糖質・脂質の代謝に関与 コバルトビタミンB12の構成成分で造血作用あり モリブデン糖質・脂質の代謝に関与 亜鉛コラム:なぜ人体に金属が必要なの? ミネラルには亜鉛のほかにも鉄だの銅だの、金属の名前があがっている。でも、なぜ金属が人体に必要なのだろうか? 私たちの体の中ではたらくたんぱく質や酵素、脂肪、糖類、核酸類などは分子が集まった立体構造をしている。その立体構造をコントロールするものとして、金属は欠かせないのだ。たとえば骨の主成分のひとつ、おなじみのカルシウム(Ca)。元素を原子番号順に並べた同期表ではカルシウムは「周期表第A族に属するアルカリ土類金属の代表的存在」であり、実は金属である。私たちの体の、文字通り骨組みが金属でできているなんて、ちょっと不思議な感覚…。 公開日:2002年7月22日
亜鉛は新陳代謝に欠かせないミネラル。お肌や髪を健やかに保つ、傷を早く治すなど大事なはたらきをしてくれるのです。他にも免疫力をアップさせたり、脳のはたらきを高めてキレやすい精神状態を穏やかにする作用も。見逃せない亜鉛効果がいっぱいです! 目次 はたらき1:イライラ&落ち込みを解消 はたらき2:免疫力アップ! はたらき3:女性ホルモンの分泌を促す はたらき4:お肌の健康を保つ はたらき5:味覚を正常に保つ はたらき6:悪酔い回避 亜鉛コラム:味蕾(みらい)って? はたらき1:イライラ&落ち込みを解消 感情のコントロールや記憶力の維持には、神経細胞の伝達がスムーズに行われる必要がある。 亜鉛は神経細胞間の刺激伝達物質を合成する成分で、脳の機能を高め、精神を安定させるために不可欠なのだ。亜鉛不足が続くとイライラしたり落ち込みやすくなったり、記憶力の低下、うつを招く原因になってしまう。子どもたちが突然「キレる」原因のひとつにも亜鉛不足があげられている。 はたらき2:免疫力アップ! 亜鉛には免疫細胞のはたらきを活性化させる作用がある。また、活性酸素を除去する酵素のはたらきを助けるため、生活習慣病などから体を守る効果も。粘膜の健康を保つビタミンAを体内にとどめるはたらきもあり、喉の痛み・鼻水・鼻づまりなど風邪の症状の改善が期待できる。風邪をひいたかな?と思ったらビタミンCとともに亜鉛を摂ることをおすすめ。 はたらき3:女性ホルモンの分泌を促す 亜鉛は女性ホルモンが正しく機能するためにも欠かせない栄養素。亜鉛の摂取量が不足すると女性ホルモンのはたらきの低下や月経周期の乱れが大きくなるなどの問題が生じるともいわれている。特に更年期に差しかかった場合、亜鉛不足がホルモンバランスの乱れに一層拍車をかけてしまうことをお忘れなく。更年期の女性ばかりではなく、若い女性にも亜鉛は不可欠。卵子の発育や妊娠の継続にも欠かせないことから、妊娠を望む人や妊娠中の人は亜鉛が不足しないように気をつけて! もちろん男性にも亜鉛は重要。前立腺に多く存在し、性ホルモンの合成を助けて精子を作ったり、精子の運動を活発にしてくれる作用があるのだ。 はたらき4:お肌の健康を保つ 亜鉛は新しい皮膚の生成に欠かせない。ビタミンCとともに肌のハリを保つコラーゲンを作ったり、傷んだ細胞の新陳代謝を活発にし、再生を促してくれる。もちろん、毛髪などの新陳代謝も活発にするので、薄毛を気にしている場合も積極的に亜鉛を摂ろう! はたらき5:味覚を正常に保つ 舌には味蕾(みらい)という器官があり、細胞の新陳代謝を繰り返すことで味覚を正常に保っている。亜鉛が不足すると細胞の新陳代謝が滞るため、味覚が鈍くなって濃い味しかわからなくなったり、甘さを苦く感じたり、味を感じられないなどの「味覚障害」がおこる。若い年代を中心に味覚障害が年々増加傾向にあるという。 体内の「亜鉛欠乏」が味覚障害の引き金に! 「料理ベタ」の原因は、まさかの…味覚障害!? はたらき6:悪酔い回避 体内に入ったアルコールは肝臓で分解される。その過程で酔いがさめるとともに、アセトアルデヒド(二日酔の原因)が代謝物として産生される。肝臓でのアルコール分解には、アルコール脱水酵素という酵素が関与しているが、亜鉛はこの酵素のはたらきを助け、悪酔いを防止する効果がある。 亜鉛コラム:味蕾(みらい)って? 舌の表面に見える小さなプチプチの中にある味覚の受容器のこと。味孔という穴から味の化学分子が入り込み味覚細胞で味覚信号をキャッチ、味覚神経→延髄→間脳を経由して「大脳」の「側頭葉味覚中枢」に信号が受信されて私たちは"味"を感じているのだ。味をよく感じるために基底細胞の分化によって絶えず新しい味覚細胞が作られており、味覚細胞の寿命はほ乳類で約10日といわれている。味蕾は舌以外にも咽頭、喉頭などに分布、成人でその数1万個前後といわれている。味蕾の数は5~7ヵ月の胎児に一番多く、40代半ばからだんだん減少してしまう。「おいしい」をキャッチする味蕾。大事にしたいものだ。 公開日:2002年7月22日
インスタント食品や加工食品を摂る機会の多い現代日本人。亜鉛摂取量がどんどん不足しています。毎日の食事から上手に亜鉛を摂ることを心がけましょう。また、食品の組み合わせ次第で亜鉛の吸収量が断然アップします。知っておくと得する食べ合わせもご紹介します。 目次 亜鉛不足を招く原因 +ビタミンC・クエン酸で最強メニューに! 食べ合わせを工夫してみよう サプリメントも活用しよう! 亜鉛不足を招く原因 偏った食生活は、亜鉛の摂取量を減少させる。また近ごろよく使われている合成保存料の食品添加物の中には、亜鉛の吸収を妨げるものがたくさんある。そのため、亜鉛不足にますます拍車がかかってしまうのだ。以下に亜鉛を多く含む食品をまとめたので、積極的に摂ることを心がけよう。 亜鉛を多く含む食品(1食分) 牡蠣(かき)(3~4個・可食部70g)9.24mg 和牛もも肉(90g)3.60mg 豚レバー(50g)3.45mg うなぎ(かば焼き1串100g)2.70mg ほたて貝(70g)1.89mg 鶏レバー(50g)1.65mg カシューナッツ(30g)1.62mg アーモンド(30g)1.32mg プロセスチーズ(2枚40g)1.30mg そば(茹)(240g)1.00mg 納豆(1個50g)1.00mg 木綿豆腐(1/2丁150g)0.9mg 出典:科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」 +ビタミンC・クエン酸で最強メニューに! 亜鉛は吸収されにくい栄養素だが、ビタミンCやクエン酸は亜鉛の吸収を助けてくれるお役立ちアイテム。ビタミンCとクエン酸、両方を含む代表的な食品がレモンで、生牡蠣+レモンは亜鉛を効率よく摂るための最強メニューといえる。ビタミンCは緑黄色野菜や果物に、またクエン酸は酢や梅干などに多く含まれているので、亜鉛を含む食品と一緒に摂ることを心がけよう。 食べ合わせを工夫してみよう 牡蠣(かき)以外にももちろん亜鉛を含む食品は多くある。以下に生活習慣病などさまざまな不調に効果を発揮する食べ合わせをまとめてみた。バランスよく食べて、健康になろう! ●牡蠣(かき)+かぶ、クレソン、セロリ、トマト、ほうれん草、牛乳 → 肝機能障害の改善、二日酔い防止 ●牡蠣(かき)+じゃがいも、ほうれん草、えび、牛肉、栗 → 背を伸ばす、知能を高める ●豆腐+たまねぎ、ほうれん草、なす、ねぎ、うるめいわし、ホタテ貝 → 糖尿病・動脈硬化・高血圧の予防と改善 ●カシューナッツ+春菊、ゆり根、梅、栗、なつめ、びわ、ごま → 長引く乾燥性の咳を緩和 サプリメントも活用しよう! 好き嫌いが多い人や、外食がちでどうしても食事のバランスがとりにくい人はサプリメントで補うのも手。各種出ているサプリメントは亜鉛の他に、そのはたらきを高めるセレンやクロムなどのミネラルを配合しているものが多い。サプリメントを利用する際には、1日の摂取目安量を守ることをくれぐれもお忘れなく! 公開日:2002年7月22日
ミネラルは体にいいものですが、だからといって、お茶や炊飯に硬水を使ってもおいしくありません。ミネラルウォーターは硬度の違いなどで、使い道を変えましょう。また「味わい」の違いも知って、自分好みのものを見つけましょう。 目次 ミネラルウォーター使いわけ術 ミネラルウォーターを「おいしさ」で選ぶなら ミネラルウォーター使いわけ術 ミネラルが不足しがちだからといって、なんでもミネラルウォーターを使えばいいというものでもありません。硬度別「おいしい使い方」というのがあります。 硬度とは、ミネラルの中でも量が多いカルシウム、マグネシウムの含有量のこと。ちなみに水道水の硬度は、30~100程度と言われています。 硬度別ミネラルウォーターの使い方 硬度50以下(軟水) 野菜料理、炊飯、和風のだし、お茶、コーヒーなど 硬度50~100(中程度の軟水) 炊飯、調理、コーヒーなど 硬度170前後の水(硬水) ウイスキーの水割り、洋風だし、肉の煮込みやアク抜き 硬度300の水(非常な硬水) 食欲増進の効果があるので、食前酒の代わりに 硬度600を超える水(さらに非常な硬水) 便秘対策、スポーツ後のミネラル補給などに 硬度についての表示がない場合の計算方法 (カルシウム)×2.5+(マグネシウム)×4=硬度 ミネラルウォーターを「おいしさ」で選ぶなら ミネラルウォーターを「そのまま飲む」としたら、どのミネラルウォーターを選べば「おいしい」のでしょうか?その「おいしさ」を決定づけるのは難しいこと。個人の好みはさまざまだからです。多くの日本人が好む軟水より「私は硬水の方が好き」という人もいるでしょう。 そこで「好みの水」探しのヒントになる「おいしさの違い」をご紹介します。 水質項目 おいしい水の要件 おいしさの違いは? 蒸発残留物 30~200mg/l 主にミネラルの含有量を示します。量が多いと苦み・渋味が増し、適度に含まれるとこくのある、まろやかな味がします。 硬度 10~100mg/l 硬度の低い水は「くせ」がありません。高いと「くせ」があるため、人によって好き嫌いが出ます。カルシウムに比べ、マグネシウムの多い水は苦みを増します。 遊離炭酸 3~30mg/l 水にさわやかな味を与えますが、多いと刺激が強くなります。 水温 最高20℃以下 水は冷やすことによっておいしく飲めます。 出典:おいしい水の水質条件より主な項目を抜粋(厚生省、おいしい水研究会、1985年)
「海洋深層水」とは、その名前の通り、深海を循環している水です。海の底をはるかな年月をかけて循環してきた海洋深層水には、ミネラルが豊富、性質が安定しているなど健康に役立つさまざまなパワーがあると言われています。 目次 実は、地球上の水の90%以上が深層水 深層水のすごいところ 実は、地球上の水の90%以上が深層水 実は、地球上の水のほとんどが深層水です。「海洋深層水」とは、その名前の通り、深海を循環している水です。 では、その「深海」とは、どんなところでしょうか? ●光の届かない(無光層) 大陸棚外縁より沖合で、植物が光合成することもほとんどできない、ごくわずかな太陽光線しか届かないところ。 ●水温が低い(水温躍層) 海の中には、水温が急に冷たくなるところがあります。その境界、以深。 どこで生まれているの? 北極グリーンランド周辺で、塩分濃度差によって生じる「プルーム」と呼ばれる垂直に沈む海流が始まりです。そこから、水深2,000m以上、深いところでは4,000mの深海にもぐりこむ海流となります。 どこで、くみ上げてるの? 北大西洋で沈んだ水は、なんと約2000年間、一度も大気と接することなく深海を循環し続け、北太平洋にまでたどり着きます。 その一部が、科学技術庁が「海洋深層水の研究・開発のモデル地区」に指定した、高知県室戸市沖あたりで上昇して、わき上がってきます。 そこで、沖合い約2km、水深344mからパイプをひき、くみ上げられています。 深層水のすごいところ 海の底を、るかな年月をかけて循環してきた深海水には、健康に役立つさまざまなパワーがあると言われています。 実際、アトピーなどへの治療効果の研究にも使われ始めています(注意・研究段階につき、その効果については、まだはっきりとは確認されていません)。 ミネラルが豊富 必須微量元素や、さまざまなミネラル成分がバランスよく約60種類含まれています。 ミネラルウォーターの原水となる河川の水と比較すると、その違いがよくわかります。特に摂取しにくいマグネシウムは、深層水コップ2杯程度で、1日の分が補えてしまうほどです。 主なミネラル分 海洋深層水 河川 マグネシウム(mg/l)13264 カルシウム(mg/l)4262 ナトリウム(mg/l)110509 カリウム(mg/l)4192 「キレイな水」である 2000年もの間、海の奥底を循環し、表層の海水と混じり合うことがありませんでした。そのため、次のグラフの通り、キレイな水を保っています。 海の水の総細菌数の比較 表層の海水と違い、産業廃水や生活廃水、大気からの化学物質による汚染がほとんどない 陸水から来る大腸菌や一般細菌に、ほとんど汚染されていない 光が届かないので、光合成も行われず、海洋性細菌そのものの数も表層に比べて非常に少ない 低温で安定性している 海洋深層水は、このグラフの通り、水温が表層よりかなり低く、一年中ほとんど変化しないため、とても安定しています。 海洋深層水をくみ上げている取水口付近の水温でも、年間を通じて約9.5℃。くみ上げた段階でも11~12℃です。 よく「熟成」した水である 海洋深層水は、常に水圧30気圧以下の環境で、長い年月をかけて形成された海水なので、性質が安定しています。
ペットボトルで売っている水は、すべてがミネラルウォーターとは限りません。「品名」を見て、売られている水の種類をきんちと把握しましょう。 目次 売っている「水」すべてがミネラルウォーターというわけではない ヨーロッパ系のミネラルウォーター 日本の「ミネラルウォーター類」 ニアウォーター 売っている「水」すべてがミネラルウォーターというわけではない 最近、ペットボトルで売っている水は、数え切れないほどあります。しかし、その「中身」はさまざまで、実はすべてがミネラルウォーターというわけでは決してありません。成分的には、あまりミネラルを含んでおらず、水道水と変わらないものも多いです。「おいしければ良い」という嗜好品的な選び方の場合なら問題ありませんが、健康のことを考えて飲むなら、ミネラルウォーターのことを知り、ちゃんと選んでみましょう。 ヨーロッパ系のミネラルウォーター エビアンやボルヴィックに代表されるようなヨーロッパ産の製品です。ミネラルが豊富で、まったく加工していない水も多いようです。 日本の「ミネラルウォーター類」 「無機塩類(ミネラル)やガスを豊富に含む、飲料に適した鉱泉の水」が、日本における「ミネラルウォーター」です。 つまり正確には、次の表の真ん中の2つだけが、確実にミネラルウォーターと言えるものとなります。 分類 品名 原水 処理方法 ナチュラルウォーター ナチュラルウォーター 特定水源より採水された地下水です。 ろ過、沈殿および加熱殺菌に限ります。 ナチュラルウォーター ナチュラルミネラルウォーター 特定水源より採水された地下水のうち、地下にある間に無機塩(ミネラル)類が溶解したもの。鉱水、鉱泉水など。 ろ過、沈殿および加熱殺菌に限ります。 ミネラルウォーター ミネラルウォーター ナチュラルミネラルウォーターの原水と同じです。 ろ過、沈殿加熱殺菌以外に、複数の原水の混合・ミネラル分の調整・ばっ気・オゾン殺菌・紫外線殺菌などを行ったものです。 ボトルドウォーター ボトルドウォーター 飲用に適した水です。純水、蒸留水、河川の表流水、水道水など。 処理方法の限定はありません。 それ以外で「自然の水」のようなイメージで売っているものは、「ナチュラルウォーター」か「ボトルドウォーター」に分類される可能性もあります。 この違いは、製品表示の「品名」を見ればわかるので、購入前にチェックしましょう。 ニアウォーター 商品名に「○○の水」と、うたっているものの中には、上記の分類にも入らないものもあります。その多くが「ニアウォーター」と呼ばれるもの。これには明確な定義はありませんが、一般的に、水にビタミンやカルシウムなどの栄養素や、果汁を加えた飲料のことを指します。それには糖分が添加してあり、カロリーもあります。ダイエット中の人が普段飲むのには、あまりおすすめできません。これも「品名」を見ればわかります。
転んだだけで骨折してしまう子供や、骨粗しょう症の患者が増えています。カルシウム不足がひとつの大きな原因のようです。実際、国民栄養調査でも、カルシウムは日本人に唯一不足している栄養素となっています。どうすればよいのでしょうか。 目次 骨が弱い日本人 カルシウムが不足するとどうなる? 骨が弱い日本人 成人の1日あたりのカルシウム所要量は、600mgです。しかし、実際には、日本人の約70%の人はこれだけの量を摂取できていないといわれます。カルシウム摂取率は、先進国の中でも最下位です。 昔は、日本人の食事といえば、カルシウムたっぷりの小魚や野菜中心のバランスのとれたメニューでした。しかし昭和30年代頃を境に日本人の食生活は大きく変わり、肉料理や加工食品(特にインスタント食品)中心になってきました。また、そもそも日本の土壌にはカルシウムが少ないために、野菜や水などに含まれるカルシウムも少ないようです。こうしたことも、今日の日本人のカルシウム不足の大きな原因でしょう。 ご存知の通り、カルシウムは骨や歯をつくる大事な原料となります。しかしそれだけではありません。筋肉の伸び縮みをコントロールする、刺激に対する神経の感受性を鎮める、アレルギーなどの過剰な反応を抑える、というように、体のあちこちでいろいろなはたらきをしているのです。 カルシウムが不足するとどうなる? カルシウム不足は、骨や歯がもろくなるだけでなく、いろいろな症状を引き起こします。イライラ怒りっぽくなるのもそのひとつです。 主な症状は次のとおりです。 歯がもろくなる 骨がもろくなり、骨折や変形がおこりやすくなる 骨粗しょう症や骨軟化症を引き起こす 高血圧症や動脈硬化、糖尿病を促進させる 出血したとき血が止まりにくくなる 心臓の筋肉の収縮異常により心筋梗塞の原因となる 神経過敏になり、イライラする では、たくさん摂れば摂るほどいいのかというと、そういうわけでもありません。 例えばダイエット中にカルシウムを補助食品で補うなど、ほかの栄養素に比べてカルシウムを摂りすぎた場合、ミネラルバランスが崩れて貧血になりやすくなります。また尿中にカルシウムが多量に排泄されることで、尿路結石になることもあります。 目安は1日600mgで(成人の場合)、これは牛乳600mlに相当します。上のような過剰症がでやすくなるのは2000mgといわれていますが、それ以下でも補助食品で摂る場合はミネラルバランスが崩れやすいので注意が必要です。 それでもカルシウム不足が心配であれば、カルシウム剤を利用するとよいでしょう。食品よりも効率よくカルシウムが摂れます。ただし、手軽に飲める分、取りすぎには注意しましょう。
あなたのカルシウム度をチェックしてみましょう。カルシウムを上手に摂るためのポイントもご紹介します。 目次 あなたのカルシウム不足度をチェック! カルシウムを効率よく摂るためのポイント カルシウム剤にはこんなものがある あなたのカルシウム不足度をチェック! 次の項目のうち、4つも5つも当てはまるような人は要注意です。1日600mgのカルシウムを意識的に摂るようにしましょう。 インスタント食品や缶詰を毎日のように食べる 野菜、小魚、乳製品をあまり食べない 甘いお菓子やジュースを毎日摂る 日光にあまりあたらず、歩くことも少ない 食事制限中心の無理なダイエットをしている 手足がけいれんしたり、筋肉が弱った感じがする 爪が弱い イライラしやすい、気が短い カルシウムを効率よく摂るためのポイント ●牛乳や乳製品はなるべく毎日摂ろう カルシウムは吸収されにくい栄養素ですが、牛乳はその中でも最も吸収率が高く、40~50%(10%しか吸収されないものもあることを考えれば、これは高い!)です。乳製品が苦手なら、豆腐などの大豆製品をおすすめします。 ●ビタミンDや良質のたんぱく質もあわせて摂ろう これらはカルシウムの吸収を助けてくれます。ビタミンDはマグロ、鮭、レバー、干ししいたけなどに多く含まれますが、日光にあたれば体内でもつくられます。良質のたんぱく質とは、リジン(魚介類、肉類に多い)やアルギニン(鶏肉、にんにくに多い)などが挙げられます。 ●糖分を控えること せっかく摂ったカルシウムが消費されてしまいます。 ●運動をしよう 筋肉運動によって骨組織に刺激を与えることで、カルシウムが効率よく利用されます。逆に刺激を与えないと、カルシウムは不要なものとみなされて体外に排出されてしまいます。 カルシウム剤にはこんなものがある 医薬品としてのカルシウム剤 錠剤がほとんどで、カルシウムの吸収を高めるビタミンDが配合されたものも多いです。不足しがちなマグネシウムや鉄分を配合したものもあります。 栄養補助食品 ほとんどがタブレットのようです。ビタミンD配合のものや、マグネシウム・亜鉛・鉄などのいわゆる「ミネラル」を集結させたマルチミネラルタイプもあります。バナナ味、ヨーグルト味、カフェオレ味など、いろいろな味があるので、お好みで選ぶとよいでしょう。 カルシウム配合のお菓子 ウエハース、クラッカー、ゼリー、タブレットなど、形態もいろいろです。ただし、お菓子ですからやっぱりカロリーは高めになります。お菓子が大好きでどうしてもやめられない人にはいいかもしれません。
水道水が飲み水としての信用を失って、注目されたのがミネラルウォーター。 カルキ臭くない、味もいいと生活必需品になってきた。 でも、ミネラルウォーターにも実は色々な種類があるのだ! ミネラルウォーターだからって、ミネラルは豊富じゃない!? 海外のレストランで食事をすると、「ミネラル、プリーズ」なんてかっこよくオーダーしている人がいる。 でもそのミネラルウォーターの基準をしっかり把握している人、意外に少ないのではないか。 残念ながら、ミネラルウォーターのすべてが豊富なミネラルを含んだ天然水というわけではないのだ。 確かに、エビアンやボルヴィックに代表されるようなヨーロッパ産の製品には、ミネラルが豊富で全く加工していない水も多い。 ところが、国産品のほとんどが、ミネラル成分に限っては水道水と大差がないのだ。 あなたが飲んでいる水はどのジャンル? 1990年に農林水産省が定めたガイドラインによれば、「ミネラルウォーター類」と呼ばれる水は、原料によって4種類に分けられている。 ナチュラルウォーター 特定水源から採水した地下水。 濾過、沈殿、加熱殺菌に限り処理して良い。 ナチュラルミネラルウォーター ナチュラルウォーターのうち無機塩類が溶解したもの。 ミネラルウォーター ナチュラルウォーターを原料とし、混合したりミネラル分を調整したもの。 ボトルドウォーター 飲用に適した水をつめたもの。 ミネラル分の濃度や量については特に規制されていない。 普通、私たちがイメージするミネラルウォーターは、この中のナチュラルミネラルウォーターだろう。 だが実は、国産品の中にはボトルドウォーターやナチュラルウォーターに属する物も多い。 わざわざお金を払って、水道水と大して変わらないミネラル量の水を買っていることもあるということになる。 本当にあなたのイメージにあったミネラルウォーターを買うためには、ラベルのチェックが大切である。
いまや都市生活者の日用品、ミネラルウォーター。 ベタつかない飲みやすさや、お手頃感もさることながら、健康的というのも人気の大きな理由。 つまり体に良さそうということ。 だけどホントにミネラルウォーターは体にいいのだろうか? ミネラルウォーターの効用 「やせる水はいける!」 「やっぱりミネラルウォーターを2リットルくらい飲まないといけない!」 などなど、体にイイと巷ではミネラルウォーターを信じる向きも多い。 いまやキオスクでも2~3種類のミネラルウォーターが販売されているくらいポピュラーなものになっている。 しかし一方で、水に溶けたミネラルが体内でどのようにはたらくかについては、まだはっきりとわかっていないのが現状だ。 ミネラルウォーターの際だった成分はマグネシウムとカルシウム。 マグネシウムは心臓などの循環器系の病気予防に効果があるといわれ、飲料水が硬水の地域では循環器系の疾患による死亡率が低いとの統計もある。 となると、マグネシウム豊富な水は気になる存在。 日本人は平均摂取量は200~250ミリグラムで、とかく不足といわれるマグネシウム。 ミネラルウォーターから摂ることができそうだ。 カルシウムは摂り過ぎにもご用心 カルシウムといえば骨のもと。 と同時に筋肉の収縮や心臓機能の安定に有効。 高血圧や結腸ガンの予防にもいいらしい。 また不足すると神経がイライラしたり、筋肉が痙攣したりすることも。 特に日本人は不足しがちなので、ミネラルウォーターはこの点で○。 さて、A出版のMさん27歳、徹夜の友は「体に良さそう」とミネラルウォーターに決めていた。 コンピューターの熱で部屋は暑く、渇いたノドをミネラルウォーターで潤しつつ仕事に励んでいた。 そんな彼女は昨年の秋、自宅でキョーレツなお腹の痛みにおそわれ、家の隣のクリニックにSOS。 検査の結果は腎臓結石。 食生活や睡眠時間、仕事の内容など原因を探るべく、ドクターからさまざまな質問を受けた。 外食やコンビニ系のお手軽フードを改めなさい、とキツく言われたMさんは、「でも甘い飲み物やお酒は飲まないで、ちゃんとミネラルウォーター飲んでるんですよ」と反論。 すると先生は、「断定はできないけど、ミネラルウォーターも飲み過ぎるとカルシウムの過剰摂取になって、人によってはまれに結石の原因のひとつになるんだよ」と言われた。 もちろん、カルシウムはヒトに必要なもの。 しかし、そこが一筋縄で行かない難しいところ。 カルシウムは取り過ぎると、吐き気や便秘、不整脈、骨や関節などへの沈着を引き起こすことがあるのだ。 もちろん、Mさんの結石の原因はそれひとつではない。 またカルシウムが不足することを考えるとそれも恐ろしい。 ミネラルウォーターの代わりに甘い飲み物やアルコール、というのも感心できない。 でもやはり、何か一つを信じ過ぎるのは危険ということではないだろうか…。
特に50歳代の女性に多い骨そしょう症 カルシウムの欠乏は、摂取不足、吸収率の悪さ、ビタミンDの欠乏などが誘因となります。 カルシウムが欠乏すると、骨・歯の軟化、成長不良、骨そしょう症などを引き起こします。 骨そしょう症は骨組織中のカルシウムが減少し、骨がもろくなる病気です。50歳代の閉経後の女性にとくに発症率が高く、日本では約400万人の女性がこの病気とされています。 これは、閉経後に女性ホルモンの分泌がなくなると腸管からのカルシウムの吸収率が低下し、また骨からのカルシウムの溶出が進むためと考えられています。
虚血性心疾患が増加 マグネシウムは、各種の酵素の構成成分として、また神経伝達、イオンの転送、遺伝情報伝達の重要な段階などに関与しているミネラルです。 マグネシウムが慢性的に摂取不足になると、虚血性心疾患が増加します。 また、骨や歯の形成障害、知覚過敏、筋肉がひきつるテタニーなどの欠乏症が起こります。
ほとんどの食品に含まれる 亜鉛は、微量元素のなかでは鉄に次いで多い元素です。 亜鉛は各種の酵素の構成成分であり、細胞膜の安定化にも重要な役割をしています。また、インシュリンの合成、核酸などの合成にも深く関係しています。 ほとんどの食品に金属酵素の成分として存在しますが、穀粒中のフィチンやカルシウム、食物繊維の過剰摂取によって吸収が阻害されます。 欠乏症には、成長の遅延、食欲低下、皮膚などの障害、骨・軟骨の異常、生殖機能の障害、味覚・嗅覚・視覚の障害、中枢神経の障害、免疫系の障害、傷の治りが悪いなどがあります。
がんに対する防衛効果 セレンは、ヒ素、カドミウム、水銀などと体内で対抗作用を示し、それらの毒性を軽減するはたらきを持っています。 また、消化器、肝臓、すい臓、乳房、皮膚のがんに対する防衛効果を持っているとされています。 セレンは魚介類、海藻類、穀類、豆類、肉類に多く含まれており、日本人の1日当たりの摂取量は0.2mgです。 セレンの欠乏に関係する病態には、克山病(中国の北東部から南西部、チベットに多発する地方病性の心筋症)があります。発がん、虚血性心疾患、心筋障害、透析患者の腎不全の進行、ぜんそくなどとも関係があるとされています。
加工食品やインスタント食品でリン過剰に カルシウムはリン灰石〔ヒドロキシアパタイト:Ca10(PO4)OH2〕の形で人体を支える骨をはじめ、歯などの硬組織を形作っています。つまり、骨や歯を形成していくためには、カルシウムだけでなく、リンも大切な無機質なのです。 カルシウムやリンなどのミネラル類は、体内で合成されないため外部より摂取しなければなりません。カルシウム/リン比は1:1が望ましいと考えられています。カルシウムの1人1日当たりの目標摂取量は約600mgなので、リンの目標摂取量も600mgになります。 しかし、最近ではリンが加工食品やインスタント食品に広く用いられていることから、リンの過剰摂取が指摘されています。リンの1日摂取量が2000mgを超えるとカルシウムの摂取が追い付けず、副甲状せんの機能が高進してしまう外、腎臓にも負担がかかります。 バランスの取れたカルシウム食品 「日常食品のリン量及びカルシウムとの比」をみると、干しのりでリン12mg、カルシウム8mgとなっており、その比率は3:2なので、比較的バランスのよいカルシウム食品といえます。 また、ホウレンソウ、牛乳、豆腐もバランスが良く、含有量も多いため、干しのりに劣らないカルシウム食品といえます。 日常食品のリン量及びカルシウムとの比 食品名 1回の摂取量 リン/カルシウム (g) リン(mg) カルシウム(mg) 精白米飯 130 39 3 13.0 ソバ 283 31 9.1 ジャガイモ 130 71 6 11.8 焼きチクワ 120 132 18 7.3 牛肉 120 4 30.0 豚肉 152 4 38.0 ビール 89 13 6.8 食パン 35 18 1.9 サツマイモ 200 88 64 1.4 豆腐 85 120 0.7 牛乳 180 200 0.9 マーガリン 10 1 1 10 ホウレンソウ 50 30 28 1.1 干しのり 2 12 8 1.5 出典:小原哲二郎「リン酸のはたらきその重要性」第一出版、1983
ビタミン、ミネラル豊富 海藻類はビタミンやミネラルも豊富に含まれています。 例えば、ワカメのビタミンAは100g中1800mgも含まれ、緑黄色野菜と比べてもひけをとりません。 昆布のカルシウムの含有率は100g中760mg、干しヒジキのカルシウム含有率は100g中1400mgと高い上に、鉄分も100g中55mgと、他の食品と比べても圧倒的に多く含まれています。さらに、モズクにも鉄分が多く、100g中6.0mg含まれています。 もう一つ、海藻類はノンカロリーで食物繊維がたっぷりという特色があり、ダイエットしながらビタミンやミネラルを摂取するには、打ってつけの食材です。バラエティーのある調理法で大いに利用してみる価値があります。 具だくさん昆布巻き サバ、ロースハム、ニンジン、タケノコ、インゲン、シラタキなどの具を昆布でのり巻きのようにぐるりと巻いて、カンピョウで縛り、しょうゆと砂糖、みりんであっさり和風に煮ます。これ1品でビタミンAが1000IU、ビタミンCが25mg以上も取れます。 切り昆布のふりかけ 削りガツオ、小麦はい芽、切り昆布を細かくすり混ぜ、これにゆでて細かく刻んだ大根の葉を混ぜて塩で味付けした簡単メニュー。ビタミンA、E、Cが毎食手軽に取れます。 サバとワカメの酢の物 よく焼いてほぐしたサバと熱湯にサッとくぐらせたワカメとピーマンを合わせ酢で和えたスピード料理です。ビタミンがバランス良く入っています。
良いとはいえない吸収率 カルシウムは不足しやすいミネラルです。体重1kg当たり10mgと定められているので、60kgの人なら所要量は約600mgということになります(成長期では800mg、妊婦の場合は1100mg)。 カルシウムは腸管上部から吸収され、ビタミンDによって吸収が促進されますが、食品中のほかの成分(例えば、ホウレンソウのシュウ酸や穀類、豆類のフィチン酸)によって若干吸収が妨げられます。 吸収率は年齢や体調、食べ物の種類や摂取形態によっても異なりますが、他の食品成分に比べて必ずしも良いとはいえません。日本人はカルシウム含有量の多い乳製品などの摂取量も少ないので、カルシウムが不足がちになるのです。 カルシウムの欠乏は、骨そしょう症を招く カルシウムの欠乏の原因は、摂取不足、吸収率の悪さ、ビタミンDの欠乏によることが多いといえます。カルシウムの欠乏は、骨・歯の軟弱化、成長不良、骨そしょう症などの誘因となります。
骨の健康には活性型ビタミンDの助けが必要 骨そしょう症とは、骨からカルシウムが溶け出し、骨がすかすかになって軽石状態となり、日常生活に支障をきたすほどもろくなった状態をいいます。 骨そしょう症の治療薬としては、ビタミンDや女性ホルモンなどの薬が用いられますが、日本では、ビタミンDの有効性をより高めた活性型ビタミンD剤がよく使われています。体内でも、腎臓などでビタミンDは活性型に変えられます。 体内の活性型ビタミンDは、カルシウムを吸収する小腸のはたらきを助けたり、骨の新陳代謝をつかさどるなど、重要な役目をしています。 つまり、骨の健康のためには、カルシウムの摂取とともに活性型ビタミンDの助けが不可欠なのです。 普段からカルシウムやビタミンDを多く取る 加齢に伴う肝臓や腎臓の機能の低下などにより、体内でビタミンDを活性型ビタミンDに変える能力が低下すると、カルシウムの腸管での吸収が悪くなり、骨が弱くなります。 このように、体内でビタミンDを活性型ビタミンDに変える力が弱くなった人には、活性型ビタミンD剤が最も有効な治療薬なのです。 普段からカルシウムやビタミンDを多く含む食品を取ることを心掛け、軽い運動を行うことが骨そしょう症の予防になるといわれます。 カルシウムを大人は1日に600mg、骨そしょう症患者や妊婦、子供は800~1000mg摂取するようにします。 日焼けする程の日光浴は皮膚がん発生の危険性がありますが、1日30分くらい日光浴をすると皮膚内のプロビタミンDからビタミンDが形成され、腎臓や肝臓で活性型に変わり、カルシウムの腸管での吸収を促進したり、骨の形成を高めます。
カルシウムを摂取するには牛乳が最適 カルシウムを多く含む食品は少なく、また吸収率の低い食品が多いので、よく選ぶ必要があります。食品中のカルシウムの大部分は骨や歯にありますが、肉類には少ないので、骨ごと食べる小魚、牛乳や卵を多く取るようにします。 カルシウムの吸収率は、カルシウムとリンの比が1:1程度のときが最も良いとされています。 牛乳はリン酸を多く含み、その比もだいたい1:1で吸収も良く、カルシウムを摂取するためには最適の食品といえます。 牛乳のカルシウム吸収率が50~60%に対し、小魚が30%、野菜は20%位です。 欧米人が主に牛乳・乳製品からカルシウムを取っているのに対し、日本人は小魚や野菜、海藻からカルシウムを取っています。これらも日本人のカルシウム不足の原因になっています。 なお、乳製品に含まれる乳糖はカルシウムの吸収を助けます。同様に、アスコルビン酸、たんぱく質、ビタミンDもカルシウムの吸収を助けます。
ヘモグロビンの重要な構成成分 鉄は赤血球に含まれる酸素運搬体であるヘモグロビンの重要な構成成分です。ヘモグロビンは呼吸によって取り込まれた酸素を各組織に運搬する役目をしています。 鉄欠乏性貧血 鉄の欠乏症には、 鉄欠乏性貧血があります。 原因は鉄の摂取不足、鉄の喪失増加(出血、寄生虫、月経による出血の増加、妊娠の繰り返し)、鉄需要の増加(小児、思春期、妊娠)、感染症、鉄の吸収不全(胃腸管手術、吸収不良症候群)などがあります。
日本人は1日当たり1~4mgを摂取 ヨウ素は、主に甲状せんに取り込まれ、甲状せんホルモンであるサイロキシンの構成成分になります。ヨウ素の生理作用はサイロキシンのはたらきに直結しているので、新陳代謝や成長作用に関係しています。 ヨウ素欠乏症としては、地方性甲状せんしゅとクレチン病があります。これらの疾患は中国、東南アジア、中央アフリカ、南米などのヨウ素が欠乏しやすい地域でしばしば見られます。 日本人は、コンブやワカメをよく食べ、1日当たり1~4mgのヨウ素を摂取しているので、欠乏することはまずありません。
カルシウム吸収を助けるCPP 骨そしょう症予防には骨の原料になるカルシウムの摂取が大切です。しかし、カルシウムをいくらたくさん摂っても体に吸収されなくては骨をつくることはできません。この吸収を助けるのがCPP(カゼインホスホペプチド)です。 CPPは腸管内でリン酸カルシウムが沈殿するのを防ぎ、カルシウムの吸収が促進されます。 最適の食品は牛乳 CPPが多く含まれているのが牛乳です。しかもカルシウムも多く含まれていますから、牛乳は骨そしょう症予防には最適の食品といえます。
抗生物質を投与している場合は注意が必要 ビタミンは厚生労働省により所要量が決定されているものと、決定されていないものがあります。決定されているビタミンはその値が適正摂取量となり、成人の場合の1日当たりの値は次のとおりです。 種類 適性摂取量 ビタミンB1 0.7~1.0mg ビタミンB2 1.0~1.1mg ナイアシン 12~17mg ビタミンC 50mg ビタミンA 1800~2000IU ビタミンD 100IU ビタミンE 7~8mg ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンKは、いずれも腸内細菌により合成されるので、普通の食事をしていれば不足することはありません。ただし、抗生物質を投与している場合は、腸内細菌そうが変化するので注意が必要です。 カルシウムは1日600mg必要 主なミネラルの1日当たりの適正量(成人の場合)は、カルシウム 600mg、鉄 10~12mg、リン 600mg、カリウム 2~4g、マグネシウム 300mgとされています。
ビタミン摂取に効果をあらわす脂肪 脂肪は、脂溶性ビタミンを溶かし、これらのビタミンの摂取に大きな役割を果たしています。脂溶性ビタミンには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあり、カロチンも脂溶性です。 さまざまなビタミンのはたらき ビタミンAとカロチンには、皮膚・粘膜の健康と薄暗い場所での視力を保つはたらきがあり、抗がん作用もあります。不足すると、骨や歯の発育が止まり、夜盲症、皮膚や粘膜の上皮の角化などをもたらします。 ビタミンDは正常な骨の発育を支え、欠乏症としては小児のクル病、成人の骨軟化症、骨そしょう症があげられます。ビタミンEは生体膜を健全に保ち、赤血球が壊れるのを防ぎます。 またビタミンAやカロチンには抗酸化作用があり、必須脂肪酸の過酸化、老化の防止にも役立ちます。不足すると歩行失調、けん反射消失、位置感覚障害をもたらすといわれています。 ビタミンKは血液の凝固に欠かせない物質で、肝臓での血液凝固因子の生成に重要な役割を果たしています。欠乏すると、血液が凝固しにくくなったり、新生児の場合は出血性疾患をもたらしたりします。
みその栄養プラス、ワカメの効用 みそは、塩分が多めという側面だけがクローズアップされがちですが、良質の大豆たんぱくの他、炭水化物、ビタミンB群・Eなどのビタミン類、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウムなどの各種ミネラルなど、体に必要な栄養素が含まれています。 さらに、みそ汁にする際、具に工夫をすれば、塩分を排せつする作用があるカリウムや、日常不足がちなマグネシウムなどを補うこともできます。 ワカメ(特に乾燥ワカメ)は、カリウム、血圧降下作用のあるカルシウム、高血圧を始めあらゆる疾患や便秘を防ぐ食物繊維などを含むため、塩分が気になる人のみそ汁の具には適しています。
栄養も利用方法も色々 塩分を抑えた調理では、酸味や香味など、他の調味方法で味を適度に補うと、薄味もさほど気にならなくなります。 そのなかでもごまは、味の点からも栄養の点からも、利用価値の高い食品です。使用方法としては、すって使うと消化が良く、さらにコクと味わいも広がります。 栄養面では、体内の余分なナトリウムを排せつするカリウムと食物繊維、血圧降下作用のあるカルシウム、血管の老化を防ぐビタミンEなど、多様な栄養素を含みます。 おひたしにかける、煮物に隠し味として使う、各種たれやドレッシングなどに入れるなどして、利用したいものです。
安定した量と質の精製塩 精製塩は、天日塩を溶解した濃い塩水から再製加工したものです。微量のマグネシウムやカルシウムなどを含むものの、99.5%以上が塩化ナトリウムです。一種の工業生産物であるため、安定した生産量と品質を得ることができます。 天然塩は栄養的にバランスが良い それに対し天然塩は、塩田を利用した昔ながらの方法で作られた塩です。 太陽熱や風力で、数段階にわたって自然乾燥を繰り返し、濃縮を重ねてできた塩結晶から作り出されます。精製塩に比べ、場所と時間を必要とし、品質や生産量は、自然条件に大きく左右されます。 ただし栄養素的には、精製塩に比べ、生産地によりばらつきはあるものの、血圧を下げる作用があるカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分が豊富に含まれています。 よって、塩分以外の栄養素が多く含まれているという点で、天然塩のほうがバランスのいい食品といえるでしょう。
日本人は慢性カルシウム不足 厚生省の決めた日本人の栄養必要量によると、カルシウムは1日600mgが必要とされています。しかし、実際に摂取している量は540mgで、日本人の食生活では慢性的に不足しがちです。 カルシウムを多く含む食品は、牛乳、乳製品、小魚、魚介類、豆類、野菜類、海藻類、穀物などです。牛乳は100g当たり100mg、強化牛乳ではその2~2.5倍もカルシウムが含まれています。チーズもかなりカルシウムが含まれています。 日本人のカルシウム源は魚類からが多く、イワシの煮干し、皮付きエビの干し物、オイルサーディンの缶詰にも多く含まれています。干しヒジキや干しのりなどの海草も、カルシウムの隠れた宝庫です。野菜では、カブの葉や大根の葉などに多く含まれています。 吸収率が良いのは乳製品のカルシウム これらの食品の摂取で大切なのは、吸収率です。カルシウムは腸での吸収率があまり良くないからです。子供の時は食品中のカルシウムの約6割を吸収できますが、大人になるとわずか4割しか吸収できません。 最も吸収の効率が良いのは、乳製品で50%、小魚からの吸収率は30%、野菜からの吸収率は20%ですが、カルシウムを取るには、平均して色々な食品を食べた方が良いのです。
吸収を助けるビタミンD カルシウムの99%は骨と歯に、残りの1%は血液と筋肉に存在しています。 カルシウムの吸収には、ビタミンDが必要です。ビタミンDは、日光にあたると体の中に自然にできます。食品では、レバー、牛乳、シイタケ、カツオ、イワシなどに、多く含まれています。 リンを多く含むスナック菓子や食塩、砂糖、アルコールには要注意 リンが多すぎると、腸内にリン酸カルシウムができて、吸収されずに体外に排出され、カルシウムの吸収率が下がってしまいます。 スナック菓子やインスタント食品、冷凍食品などの加工食品には、リン酸塩として多く含まれているので、要注意です。 また、食物繊維やホウレンソウのようにシュウ酸を多く含む野菜も、カルシウムの吸収を妨げます。食塩、砂糖、アルコールも、カルシウムの吸収率を低下させます。 体内のカルシウムは、たんぱく質の量が増え過ぎると尿の中に排せつされてしまいます。また、マグネシウムが不足するとカルシウムの利用に障害が出るといわれています。 カルシウム不足が続くと、それを補うために骨からカルシウムが溶け出し、血管などに沈着して、動脈硬化や結石の原因になります。
1日男性10mg、女性12mg必要 鉄は血液の大切な成分です。ヘムというたんぱく質と結び付いて、赤血球中のヘモグロビン(血色素)を作り、体内に酸素を運ぶはたらきをしています。 鉄不足から起きる貧血が鉄欠乏性貧血です。 鉄は、微量でも毎日必要で、男性は10mg、女性は12mgが1日の目安とされています。 しかし、吸収率が10%程度と低く、特に清涼飲料や加工食品に含まれるリン酸、野菜の中のシュウ酸などは、呼吸を妨げます。 吸収を良くするには、ビタミンCやたんぱく質と一緒に取ること、かんきつ類や酢などで胃酸の分泌を良くすることがあげられます。 1品で大量に含む食品はほとんどない 鉄には、肉や魚などの動物性食品に多いヘム鉄と、植物性食品に多い非ヘム鉄があります。ヘム鉄は吸収率が20~30%ですが、非ヘム鉄では5%に過ぎません。 動物性食品では、スッポンの血、豚レバー、牛レバー、鶏卵、うずらの卵、牛肉、豚肉、鶏肉、赤身の魚、アユ、イワシの丸干し、スジコ、アカ貝、カキ、シジミ、ハマグリ、植物性食品ではヒジキ、アオノリなどに多く含まれています。 鉄を1品で大量に含む食品はほとんどありません。毎日、これらの食品を少しずつ食べることが必要です。
マグネシウムを多く含む食品群 マグネシウムは、緑黄色野菜、豆類、穀物、海藻類、アーモンドやチョコレートなどに多く含まれています。 マグネシウムの必要摂取量は、成人で1日300mgですが、実際に摂取している量は200~250mgで、不足しています。 マグネシウムは、加熱や精製、食品の加工の過程で80%も失われてしまいます。 また、カルシウムの取り過ぎも、マグネシウムの不足を引き起こします。重量比として、カルシウム2に対し、マグネシウムは1以下が理想的です。 マグネシウムには、カルシウムが血管や組織に沈着するのを防ぐはたらきがあります。十分に取れば、高血圧を予防できる可能性があります。 また、筋肉をし緩させる作用があるとされています。手や足の脱力感やこむら返り、凝り、痛みなどは、マグネシウムの不足から起きることがあります。 欠乏すると心臓病を起こす マグネシウムが欠乏すると、心臓障害を起こしやすく、突然死とも関係があるといわれています。突然死した人の冠動脈には、マグネシウムが非常に少なくなっているのが分かっています。 慢性的にマグネシウムが不足すると、血管の狭さくが起きて、虚血性心臓病を誘因すると考えられています。 ■関連記事 働き盛りのあなたを襲う「突然死」はある日突然訪れる!?突然死を予防するには 重症心不全への再生治療の実際