疾患・特集

あなたはミネラルウォーターを信じますか?

いまや都市生活者の日用品、ミネラルウォーター。
ベタつかない飲みやすさや、お手頃感もさることながら、健康的というのも人気の大きな理由。
つまり体に良さそうということ。
だけどホントにミネラルウォーターは体にいいのだろうか?

ミネラルウォーターの効用

「やせる水はいける!」
「やっぱりミネラルウォーターを2リットルくらい飲まないといけない!」
などなど、体にイイと巷ではミネラルウォーターを信じる向きも多い。
いまやキオスクでも2~3種類のミネラルウォーターが販売されているくらいポピュラーなものになっている。
しかし一方で、水に溶けたミネラルが体内でどのようにはたらくかについては、まだはっきりとわかっていないのが現状だ。

ミネラルウォーターの際だった成分はマグネシウムとカルシウム。
マグネシウムは心臓などの循環器系の病気予防に効果があるといわれ、飲料水が硬水の地域では循環器系の疾患による死亡率が低いとの統計もある。
となると、マグネシウム豊富な水は気になる存在。
日本人は平均摂取量は200~250ミリグラムで、とかく不足といわれるマグネシウム。
ミネラルウォーターから摂ることができそうだ。

カルシウムは摂り過ぎにもご用心

カルシウムといえば骨のもと。
と同時に筋肉の収縮や心臓機能の安定に有効。
高血圧や結腸ガンの予防にもいいらしい。
また不足すると神経がイライラしたり、筋肉が痙攣したりすることも。
特に日本人は不足しがちなので、ミネラルウォーターはこの点で○。

さて、A出版のMさん27歳、徹夜の友は「体に良さそう」とミネラルウォーターに決めていた。
コンピューターの熱で部屋は暑く、渇いたノドをミネラルウォーターで潤しつつ仕事に励んでいた。
そんな彼女は昨年の秋、自宅でキョーレツなお腹の痛みにおそわれ、家の隣のクリニックにSOS。
検査の結果は腎臓結石。
食生活や睡眠時間、仕事の内容など原因を探るべく、ドクターからさまざまな質問を受けた。
外食やコンビニ系のお手軽フードを改めなさい、とキツく言われたMさんは、「でも甘い飲み物やお酒は飲まないで、ちゃんとミネラルウォーター飲んでるんですよ」と反論。
すると先生は、「断定はできないけど、ミネラルウォーターも飲み過ぎるとカルシウムの過剰摂取になって、人によってはまれに結石の原因のひとつになるんだよ」と言われた。
もちろん、カルシウムはヒトに必要なもの。
しかし、そこが一筋縄で行かない難しいところ。
カルシウムは取り過ぎると、吐き気や便秘、不整脈、骨や関節などへの沈着を引き起こすことがあるのだ。

もちろん、Mさんの結石の原因はそれひとつではない。
またカルシウムが不足することを考えるとそれも恐ろしい。
ミネラルウォーターの代わりに甘い飲み物やアルコール、というのも感心できない。
でもやはり、何か一つを信じ過ぎるのは危険ということではないだろうか…。