トリプトファンという名前を聞いたことがありますか?トリプトファンとは、脳内神経伝達物質でもあるセロトニンを生み出すための原材料であり、必須アミノ酸の一種です。そのトリプトファンのもたらす疲労、ストレスとの関わりについて詳しく解説します。 目次 トリプトファンとは? トリプトファンと疲労・ストレスとの関係性 トリプトファンを食品から摂取しよう トリプトファンとは? みなさんは、トリプトファンという名前を聞いたことがありますか? トリプトファンとは、脳内神経伝達物質でもあるセロトニンを生み出すための原材料であり、必須アミノ酸の一種です。 トリプトファンは、しっかりと摂取することによって疲労やストレスを軽減させることにつながるといわれています。なぜトリプトファンを摂取することによって、疲労やストレスを軽減させることにつながるのでしょうか。 今回は、トリプトファンのもたらす疲労、ストレスとの関わりについて詳しくみていきましょう。 トリプトファンと疲労・ストレスとの関係性 トリプトファンは体内に入った後、脳の内部に届けられ、それを原材料として、セロトニンが生み出されます。 セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑えるはたらきがあり、これによって精神のバランスを整える作用があります。 セロトニンが不足すると、脳内のバランスが崩れやすくなります。その結果、疲れを感じやすくなる、不眠または寝付きが悪くなる、ストレスが溜まりやすくなるといった症状につながります。 また、セロトニンの不足が原因となり、うつ病や自律神経失調症といった精神疾患を引き起こす恐れがあります。 このようにセロトニンは、私達の精神の安定に深く貢献している物質であり、トリプトファンはセロトニンを生み出す上で重要な役割を担っています。つまり、トリプトファンを摂取していくことによって、疲労やストレスを感じにくい体作りにもつながるといえるでしょう。 トリプトファンを食品から摂取しよう トリプトファンの特徴として、人間の体内では生成することができないことがあげられます。このため、食事やサプリメントによって外側から取り入れていく必要があります。 トリプトファンを食品から摂取するためには、たんぱく質を含む食品の摂取をすることがよいとされています。 たんぱく質を含む食品として、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品。お米や小麦粉などの穀物類、納豆や豆乳などの豆類を使用した食品、赤身の魚や肉類などがあげられます。 どの食品も私達の身近で手に入りやすいものばかりです。身近にある食品を取り入れることで、日常生活においてトリプトファンを無理なく摂取していくことが可能です。 食事の際、主食であるお米やパンをしっかり食べること、飲み物を飲む際は、牛乳や豆乳を意識的に取ること、間食をする場合はチョコレートやスナック菓子のかわりにナッツ類を摂取すること、などを意識的に行いましょう。 無理のない範囲からトリプトファンの摂取を心がけ、疲労やストレスの緩和につなげていきましょう。 公開日:2016/05/23
アミノ酸にはさまざまな健康効果があります。女性に嬉しいダイエットや美肌効果をはじめ、うまくアミノ酸を摂取すれば、脂肪を燃焼したり、肌再生ができて若返るかもしれません。 目次 体の疲れを癒すアミノ酸 脳も活性化!アミノ酸パワー アミノ酸摂取は食事+サプリメントで! こんな時には、このアミノ酸パワーを! 体の疲れを癒すアミノ酸 スポーツをする人なら耳にしたことがあるかもしれないが、BCAAとは、「ロイシン、イソロイシン、バリン」という分岐鎖型(側鎖が枝分かれしている)の構造を持つ、必須アミノ酸のこと。ほかのアミノ酸が肝臓で代謝されるのに対し、これらのアミノ酸は筋肉に運ばれて代謝される。 さらにBCAAには、運動による疲労を予防し、スタミナを持続させたり筋肉痛を軽減する効果があるのだ。 運動選手が運動の前にBCAAを摂取するのは、運動によってこれらがエネルギーとして利用され、乳酸の発生を最小限に抑えて、スタミナを持続させるため。 スポーツ選手でなくても、BCAAの摂取によって疲れを癒すことができるのだ! 脳も活性化!アミノ酸パワー 脳機能を活性化させると言われるアミノ酸は、「トリプトファン」。このアミノ酸には、疲れた脳を休ませる作用がある。 脳が疲れたり集中力がなくなった時には、セロトニンという物質が発生している。セロトニンは、脳を休息させリラックスさせる神経伝達物質であり、このセロトニンの原料となるのが、トリプトファンなのだ。 脳が疲れたな~と感じた時には、ぜひトリプトファンを! アミノ酸摂取は食事+サプリメントで! さまざまな効果のあるアミノ酸。基本的には、バランスの取れた食事をしていれば、アミノ酸は摂取される。しかし、極端に偏りのある食事をしていると、なかなかアミノ酸が摂取できない。 そんな方は、食事+サプリメントでアミノ酸を摂取しよう。 注意したいのは、含まれているアミノ酸の種類。ダイエットをしたい時、また体力を回復したい時、脳の疲れを取りたい時など、その用途に合わせたアミノ酸を摂取すると効果的。サプリメントを購入する時に、どんなアミノ酸が含まれているのか、確認してみよう。 とはいえ、基本はもちろん普段の食事でアミノ酸を摂取することだ。 こんな時には、このアミノ酸パワーを! こんな時 アミノ酸の種類 効果 体力アップさせたい! バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニンなど 筋肉内でエネルギーの燃料になるアミノ酸を摂ることでスタミナアップが可能 脂肪を燃焼させたい! リジン、プロリン、アラニン、アルギニンなど 脂肪燃焼を促すホルモンを構成するアミノ酸を多く摂ることで脂肪燃焼を促進 肌をキレイにしたい! プロリン、アルギニンなど 肌の原料となっているアミノ酸を摂ることで肌再生をスピードアップ 疲労回復したい! リジン、アルギニン、アスパラギン酸など 成長ホルモンの分泌を促進してくれる 集中力をアップさせたい! チロシン、トリプトファンなど 脳の伝達物質であるアミノ酸を摂ることで脳の回転をアップ 免疫力をアップさせたい! グルタミン、アルギニンなど マクロファージなど免疫細胞を構成するアミノ酸を摂ることで免疫力アップ 参考サイト:「もっともっとアミノ酸」「フードリスト」(協和発酵HP) 「アミノ酸のはたらき」(管理栄養士を目指そう) 公開日:2002年6月10日
アミノ酸には、疲労を回復したり、体力をつける健康パワーもあります。その力は、運動選手が体脂肪を効率よくエネルギーに替えてスタミナを維持するために摂取しているほど。これらのアミノ酸をうまく利用すれば、体力アップや疲労回復などに効果的です。 目次 アミノ酸でダイエットできるってホント? どうやってアミノ酸が脂肪を燃焼させるの? どのように摂り入れる? お肌ツルツル!アミノ酸効果 アミノ酸でダイエットできるってホント? 約20種類あるアミノ酸には、それぞれはたらきがある。 主に、体力アップや疲労回復、免疫力アップなどの効果があるが、なかでもダイエットに嬉しいのが「脂肪を燃焼させてくれるアミノ酸」。それが、リジン、プロリン、アラニン、アルギニンなどだ。 どうやってアミノ酸が脂肪を燃焼させるの? 体内には、リパーゼという脂肪燃焼酵素がある。これは、脂肪を分解し血中に放出することで、溜まっている内臓脂肪や皮下脂肪を減少させるはたらきを持っている。そのリパーゼのはたらきを活発にするのが、アミノ酸なのだ! 「ウォーキングなどの有酸素運動を20分続けると、やっと脂肪が燃焼し始める」と言われるように、体内の脂肪が燃焼するには少し時間がかかる。が、リジン、プロリン、アラニン、アルギニンなどのアミノ酸を摂り入れることで、体内の脂肪分解を促進し、エネルギーに変化させることができる。 その結果、体内から脂肪がなくなっていくのだ! どのように摂り入れる? 「じゃあ、このアミノ酸を摂取していれば、それだけでやせるの?」というとちょっと間違い。そもそも、脂肪燃焼酵素のリパーゼが分解して血中に放出しているものは、遊離脂肪酸。これは、筋肉のエネルギー源でもある。 でも、せっかくアミノ酸によってリパーゼが活性化し、遊離脂肪酸を放出したとしても、そのままにしていては筋肉が活動を停止してしまうのだ。 つまり、アミノ酸を摂取するのと同時に有酸素運動をすることで、より早く筋肉からエネルギーを発散し、脂肪を燃焼させることができる、というワケだ。 脂肪を燃焼させたいなら、アミノ酸摂取+有酸素運動だ! お肌ツルツル!アミノ酸効果 ダイエットだけでなく、お肌ツルツル効果がアミノ酸にはある。 肌の再生によい、と言われているアミノ酸は、「アルギニン」と「プロリン」。 キレイな肌の話になると、「コラーゲン」という言葉がよく聞かれるが、健康な肌でいるためには、網の目のようなコラーゲンの層によって、油分や水分、弾力が適切に保たれていなければならない。 そのコラーゲンの主原料が、アミノ酸である「アルギニン」や「プロリン」なのだ。 体内に摂り入れられたアミノ酸は、コラーゲンに変化する。しかし、歳をとるごとにコラーゲンの生成力が衰え、肌が老化していってしまう。そこで、コラーゲンの原料でもあるアルギニンやプロリンなどのアミノ酸を摂り入れることで、みずみずしい肌を保つことができるのだ! また、紫外線を浴びると肌が傷つき、メラニンが過剰に形成され、シミの原因になる。そこで、効果的なのが、「システイン」というアミノ酸。システインは、紫外線の害を防ぎ、メラニンが沈着するのを防ぐ作用があると言われている。さらに、システインには抜け毛を抑制したり、肌、爪、髪などを健康に保つ効果あり! 公開日:2002年6月10日
アミノ酸をはじめて発見したのは?また、グルタミン酸ってアミノ酸なの?など、アミノ酸に関する豆知識を集めてみました。 目次 はじめて「アミノ酸」が発見されたのはいつ? うまみ成分「グルタミン酸」ってアミノ酸? それぞれのアミノ酸には、どんなはたらきがあるの? どんな食品にどんなアミノ酸が含まれている? はじめて「アミノ酸」が発見されたのはいつ? 1806年にフランスの学者がアスパラガスの芽の抽出物からアミノ酸を結晶として取り出すことに成功した。このときのアミノ酸が「アスパラギン」だ。 また、うまみ成分として有名なグルタミン酸は、ドイツで1866年に小麦粉のたんぱく質であるグルテンから取り出され、「グルタミン酸」と名づけられたのだ。 うまみ成分「グルタミン酸」ってアミノ酸? うまみ成分として調味料に使われているものは、グルタミン酸にナトリウムを結合させた、グルタミン酸ナトリウム。これは、昆布のうまみ成分の研究から発見されたものである。グルタミン酸とグルタミン酸ナトリウムは別物だ。 ちなみに、アミノ酸の中でも、グルタミン酸やアスパラギン酸は酸味とうまみがある。例えばトマトを食べる時、この2つのアミノ酸は欠かせないもので、しかもグルタミン酸とアスパラギン酸が4対1の割合で含まれているときが一番トマトらしい味になるそうだ。 それぞれのアミノ酸には、どんなはたらきがあるの? 20種類のアミノ酸は、それぞれの役割を持って人の体内ではたらいている。その役割をまとめてみた。 必須アミノ酸 スレオニン 肝臓への脂肪の蓄積を予防する作用を助ける。また、コラーゲンの材料になる フェニルアラニン食欲の抑制や、学習、記憶、気分、注意力の向上など ヒスチジン皮膚で紫外線を吸収する化合物で、赤血球、白血球の形成に欠かせず、貧血の治療に使われる バリン筋肉に積極的に取り込まれるアミノ酸で、脳の神経伝達物質の前駆体(トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン)の取り込みに深い関係がある トリプトファン神経伝達物質であるセロトニンの前駆体で、成長ホルモンの分泌を刺激する ロイシン筋肉のたんぱく質の分解を抑える助けをしたり、エネルギー源として使われたりする リジンウイルスのはたらきを抑制する効果がある イソロイシン筋肉の組織の主成分。衰弱した人に対しては、筋肉の消耗を防ぐために使われる メチオニン抗酸化物質のレベルを上げ、血中コレステロールを下げる可能性があると言われている 非必須アミノ酸 チロシン 神経伝達物質であるドーパミン、ノルエビネフリン、エビネフリン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、メラニンの前駆体。気分を高揚させるはたらきもある シスチン傷の治癒の促進、シミの原因になるメラニン色素の沈着を防ぐ アスパラギン酸炭水化物をエネルギーに変換し、体内の老廃物の処理や、疲労回復に効果がある アスパラギンアスパラギンは加水分解されるとアスパラギン酸に変化する セリン記憶、神経系の機能を助けたり、皮膚の潤いを保つ天然保湿因子の主成分になる グルタミン酸知能を高めたり、潰瘍の治癒を早める。また、エネルギー源にもなり得る グルタミン最も多くみられるアミノ酸で、免疫系の機能に重要な役割を持つ プロリン筋肉のエネルギー源として使われやすく、脂肪の燃焼に関わっている グリシンほかのアミノ酸の合成を助け、ヘモグロビン、チトクロームの材料になる。また、保湿作用、酸化防止作用がある アラニン脂肪の燃焼に関わっている。また、免疫系をつくりだすために重要 アルギニン脳下垂体にはたらきかけて、成長ホルモンを分泌される。免疫機能の向上や、肝機能の増強、脂肪の燃焼などの作用もある どんな食品にどんなアミノ酸が含まれている? アミノ酸がたくさん含まれる食品を見分けるための指標に、食品のたんぱく質の評価をした「アミノ酸スコア」というものがある。これは、食品に含まれる9種類の必須アミノ酸の必要量をもとに、それぞれがどれだけバランスよく含まれているかを評価したものだ。 最高値は100。数値が高いほど、必須アミノ酸がバランスよく含まれていることになる。 アミノ酸を含んだ食品 鶏卵…100 牛肉(和牛)…100 鶏肉 (もも、胸、ひき肉)…100 豚肉(ロース)…100 牛乳…100 まいわし…100 さけ…100 たい…100 柿…91 くるまえび…77 だいず…86 白米…68 じゃがいも…68 資料:アミノ酸資料集I(平成8年度改訂版) 日本必須アミノ酸協会 公開日:2002年6月3日
アミノ酸は、たんぱく質を構成するもので、その数は20種類ほどです。なかでも、必須アミノ酸と言われる9種類は体内で合成することができないため、食物などから取り入れなければなりません。 目次 人の体はたんぱく質からできている たんぱく質のもと「アミノ酸」とは? なぜアミノ酸が重要? 人の体はたんぱく質からできている たんぱく質というと、肉や魚に含まれる栄養素を思い浮かべるが、人の体もたんぱく質からできている。人の体の約20%はたんぱく質なのだ。このたんぱく質が、人間の各臓器や髪の毛、筋肉、ホルモンや酵素など、生命活動の重要な役割を果たしている。 しかも、人体のたんぱく質の種類は、約10万もあるのだ! このたんぱく質を構成しているのが「アミノ酸」なのである。 たんぱく質のもと「アミノ酸」とは? 学生のころ、理科の授業で「アミノ酸」という言葉を聞いたことはないだろうか。 アミノ酸は、アミノ基とカルボキシル基を持ち、その数は20種類ほど。その20種類で10万種類のたんぱく質を作り出しているのである。 例えるなら、20種類のアミノ酸というブロックから作られる形は、家や車、飛行機などなど無数にあるようなものだ。 食物として摂取したたんぱく質は、消化酵素によってバラバラに分解され、1個1個のアミノ酸として吸収される。さらに、人体を構成しているたんぱく質も絶えず分解され、アミノ酸として体内に蓄えられている。その蓄えによって、あるときは髪の毛や爪などを、またあるときは筋肉や臓器などを必要に応じて作っているのだ。 アミノ酸の種類 必須アミノ酸 体内ではつくられず、体外からの摂取が必要なアミノ酸。 スレオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、バリン、トリプトファン、ロイシン、リジン、イソロイシン、メチオニン 非必須アミノ酸 体内でつくることができるアミノ酸。 アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン、システイン、プロリン、チロシン、グリシン、セリン、アスパラギン、アラニン、グルタミン酸 なぜアミノ酸が重要? アミノ酸が注目されるのは、アミノ酸が体内で重要なはたらきを持っているからである。 本来、必須アミノ酸は体内で合成することができず、口から摂取(食べ物やサプリメント)しなければならない。昔は「アミノ酸を摂取しよう!」と意識しなくても、バランスの取れた食事をしていたため、ちゃんとアミノ酸を摂取していたが、最近は食生活が乱れアミノ酸不足を招いている人が少なくないのだ。 アミノ酸不足は、体の疲れや体力の衰え、また脂肪蓄積などを招いてしまう! 公開日:2002年6月3日
アミノ酸欠乏による症状 体内に吸収されたアミノ酸はたんぱくとして再合成され、体の組織を作ったり、酵素やホルモン、アルブミンなどの血中のたんぱく、抗体などの原料になります。また、アミノ酸やその代謝物がそのまま神経伝達物質になることもあります。 従ってアミノ酸が欠乏すると、筋肉たんぱくの崩壊や浮しゅ(むくみ)を呈するクワシオルコールや、血中のたんぱくの低下により、血液中の水分が血管の外へ染み出していき、浮しゅになったり、免疫機能の低下、筋肉の衰え、知覚障害、精神異常…などが現れてきます。 たんぱく合成を活発にさせるための食事 こうしたアミノ酸欠乏症には、消化のよい良質のたんぱく質を多く含み、さらに糖質や脂質の豊富な食事をとるようにしましょう。なぜなら糖質や脂質の摂取が少ないと、アミノ酸はエネルギー源として利用され、たんぱく合成に回される分が少なくなるからです。
生物価の求め方 栄養価とは栄養的な評価のことをいいます。この評価には生物価、アミノ酸価、正味たんぱく利用率などがあります。 食品中や生体内の窒素を含む化合物が、量的にそのほとんどがたんぱく質であるところに着目したのが生物価です。生物価は、生体への窒素の出入りを測定して求めます。 生物価= 体内保留窒素量 (体たんぱく質となった窒素量) ――――――――――――――――――×100 吸収窒素量(吸収した窒素量) 正味たんぱく利用率の求め方 アミノ酸価とは、食品のたんぱく質に含まれるアミノ酸の量が、必要量に対してどれくらいかを算出し、必要量に対して最も少ないアミノ酸を第一制限アミノ酸とし、この第一制限アミノ酸で、たんぱく質の栄養価を評価しようというものです。 正味たんぱく利用率はたんぱく質の消化率を考慮したもので、体たんぱく質に変換される食事中のたんぱく質の比率をいいます。 正味たんぱく利用率= 体内保留窒素量 ――――――――――×100 摂取窒素量 以上の評価法で米と大豆の栄養価を比べてみると以下の通りになります。 - 生物価 アミノ酸価 正味たんぱく質利用率 米 67 62 63 大豆 73 69 61 これで分かるように両者にはそれほど差がありません。つまり栄養価では同程度といえます。
細菌や毒素を攻撃する免疫グロブリン 血しょうの約90%は水分で、残りの大部分がたんぱく質です。血しょうたんぱくの主な構成成分はアルブミン、α1-グロブリン、α2-グロブリン、β-グロブリン、γ-グロブリンです。 ところで、私たちの体には、体内に一度入ってきた細菌や毒素などの異物を確認して攻撃する免疫力が備わっています。この作用を担うのが抗体で、免疫グロブリンと呼ばれるたんぱく質でできています。この免疫グロブリンの主成分がγ-グロブリンなのです。 抵抗力が落ちるγ-グロブリン不足 つまり血しょう中のたんぱく質が不足するということは、γ-グロブリン不足を意味します。γ-グロブリンが不足すると、免疫グロブリンができにくくなり、異物に対する抵抗力が落ちます。その結果、感染症になりやすくなるというわけです。 なお、γ-グロブリン値が低下する病気に低γ-グロブリン血症というのがあり、臨床的には免疫不全を示します。 また骨髄移植患者などの免疫不全患者には感染症を予防するために、γ-グロブリンが投与されることもあります。
科学的証拠が薄いプロテインの多量摂取 筋肉は筋繊維が結合組織で束ねられたものです。筋繊維は細長い円柱状の細胞で、その中には筋原繊維という繊維たんぱく質が詰まっています。 そこでプロテイン食品を取れば筋肉を補強できるのでは、という考えが出てくるわけです。しかし、今のところプロテインの多量摂取が筋力や筋肥大、競技能力に効果をもたらすという科学的な証拠はほとんどありません。むしろ、必要以上に摂取したたんぱく質は単にエネルギーとして使われたり、脂肪として蓄えられたり、体外に排出されてしまい、無駄になってしまう面もあります。 たんぱく質を多く取るスポーツ選手 とはいえ、激しいトレーニングを行うと、たんぱく質の必要量が増加するという報告が多く、実際、スポーツ選手の中にはたんぱく質を多く含む食品を一般の人より多く摂っている人が多いようです。 特に重量あげやボディービルなどの選手たちは、食事のたんぱく量を多くして、筋量の増加や体力の増強を図る例が多くあります。 しかし通常の所要量のみの摂取でも良いという説もあり、結論には達していません。
酸化的分解を促進するビタミンB2 食物から摂取したたんぱく質は胃や腸で消化され、個々のアミノ酸に分解されて、門脈を介して肝臓に達します。肝臓では、生体組織の要求にこたえてアミノ酸を色々な形に変えます。 その時に必要なビタミンが幾つかあります。その一つがビタミンB2で、アミノ酸の酸化的分解を促進します。 ビタミンB6、B12、葉酸のはたらき ビタミンB6は体内ではピリドキサールリン酸(PLP)の形で、アミノ酸代謝に関係します。 アミノ酸は分子にアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)を持っていますが、このカルボキシル基が二酸化炭素となって除かれる反応を脱炭酸反応といいます。この時にPLPは補酵素として作用します。アミノ基転移反応や含硫アミノ酸の代謝における脱アミノ反応においてもPLPは同様のはたらきをします。 葉酸はグリシンやセリンなどのアミノ酸の生成や転換反応などに関与し、ビタミンB12はホモシステインからメチオニンへの生成の際、必要となります。 パントテン酸はバリン、ロイシン、イソロイシンなどのアミノ酸の代謝に、ビタミンCはコラーゲンの生成や、ファニルアラニン、チロシン代謝に関与しています。
成長を阻害され、時には精神障害も たんぱく質は骨や皮膚、臓器や細胞に至るまで、体の生命維持にかかわっている成分です。それだけにたんぱく質の不足は体にとって多くの悪影響をもたらします。栄養失調=たんぱく質不足と考えられるほどで、成長阻害に始まり、時に精神障害を起こしてしまうこともあります。 初期には、貧血や下痢、むくみが現れ、それが食欲不振につながって疲労感が残るようになります。また、長期にわたると皮膚がザラザラになり、抜け毛が起こることもあり、女性では生理が止まってしまうこともあるのです。
最も不足している必須アミノ酸の量で評価 食品たんぱく質の栄養価を化学的に示す方法です。その食品のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸のなかで、最も不足している必須アミノ酸を第一制限アミノ酸とします。この第一制限アミノ酸が人間の体の必要量に対して、どれくらいの割合となるかを計算します。 食品たんぱく質の第一制限アミノ酸含量(mg/gN) ---------------- ×100 アミノ酸評定パターン当該アミノ酸含量(mg/gN) なぜ第一制限アミノ酸で栄養価を評価するかというと、たとえ十分含まれている必須アミノ酸があったとしても、第一制限アミノ酸までの効力が発揮できないからです。 高たんぱく質食品とは? アミノ酸スコアの高い食品をいいます。 アミノ酸スコアは、人間にとって理想の必須アミノ酸の量に対して、その食品の最も不足している必須アミノ酸の割合で算出されますから、その値が100に近いものほど、高たんぱく質食品であるといえます。 肉や魚、乳製品など動物性たんぱく質のアミノ酸スコアはほとんどが100で、良質のたんぱく質とされます。
肉や魚、乳製品、豆腐のたんぱく質は… 通常、アミノ酸スコアが100に近いものほど良質のたんぱく質とされます。 アミノ酸スコアとは栄養価を表す一方法で、人間にとって理想の必須アミノ酸の量に対する、その食品の最も不足している必須アミノ酸の割合で算出されます。 従ってアミノ酸スコアが100であれば、必須アミノ酸すべてが理想に近い形で含まれていることを表します。肉や魚、乳製品など動物性たんぱく質や豆腐のたんぱく質のアミノ酸スコアは100に近く、良質のたんぱく質とされます。
1種類でも欠けると重大な栄養障害を起こす たんぱく質を構成している単位をアミノ酸といいます。約20種類あり、そのうち、トリプトファン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニンの8種は私たちの体内では合成されません。 従って、この種類のアミノ酸だけは外の生物を食べて補うしかなく、また1種類でも欠けると重大な栄養障害を起こすところから、必須アミノ酸、または不可欠アミノ酸と呼ばれます。 さらに、ヒスチジンは体内で作られますが、急速な発育をする幼児の食事に欠かせないことから、1985年からこれも必要なアミノ酸として加わるようになり、合計9種類が必須アミノ酸と呼ばれています。 なお、この必須アミノ酸に対して、体内で合成されるアミノ酸は非必須(可欠)アミノ酸と呼ばれます。
プロテインは「第1を占める」に由来 人間の体を構成している主体は水とたんぱく質です。例えば体全体を乾燥させてみるとその半分はたんぱく質になります。 たんぱく質とひと口にいってもさまざまな種類があります。髪の毛や皮膚、筋肉はもちろんのこと、血液などの体液中にも多くのたんぱく質が入っています。さらに細胞の中に含まれる酵素や、酵素の作用を調節するホルモン、外敵から身を守るための抗体もすべてたんぱく質からできています。 つまり、たんぱく質は生命活動を維持するうえで不可欠なものなのです。ちなみに、英語ではたんぱく質をプロテイン(protein)といいますが、その語源はギリシャ語の「第1を占める(proteios)」に由来します。 新陳代謝で分解されたたんぱく質を補う しかしたんぱく質がいくら重要であっても、いったん体内でできたものが存在し続けるのであれば新しく補給する必要はありません。ところが私たちの体は、毎日新陳代謝を起こしています。体をつくっているたんぱく質も当然、合成・分解を繰り返しています。従って、その分解された分を毎日体に取り入れていかなければならないのです。
肉類も魚類もたんぱく源としては差がない たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成できない必須アミノ酸がどのように含まれているかがアミノ酸価で、これが100に近いものほど良質のたんぱく質とされています。 肉や魚の主なものはほとんどアミノ酸価は95~100でそれほど差はありません。つまり、どちらもたんぱく源としては変わらないといえます。 たんぱく質以外の栄養分に問題がある しかし、たんぱく質以外の栄養に目を向けると、例えば魚ばかりを食べると、魚油中のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の過剰摂取となり、血小板の凝集抑制を強く引き起こし、出血しやすくなることもあります。 一方、肉ばかりだとコレステロールや脂肪分の取り過ぎに陥る危険性があります。 そこで理想的な魚と肉の比率は1対1とされています。 それを基本に、コレステロール値が高めの人は魚を多めにし、逆にコレステロール値が少なめの人は肉類を多めにすると良いでしょう。また、魚も肉も種類によって含まれる栄養素は異なりますから、1種類に偏らないで、色々な種類をバランスよく取るようにします。
動物性たんぱく質は優れもの たんぱく質は動物と植物から摂取することができます。通常、動物性食品は植物性食品より多くのたんぱく質を含んでいます。また、栄養価も動物性たんぱく質の方が高く、体の構成成分として無駄をそれほど出さずに利用されます。 それならば動物性たんぱく質だけを摂っておけばよさそうですが、これはお勧めできません。 動物性たんぱく質には脂肪も多い 動物性たんぱく質、つまり動物性食品にはたんぱく質だけでなく、たくさんの脂肪を含んでいるものも多いのです。脂肪は細胞膜を維持するのに重要な役割を果たしますが、高カロリーであるため、過剰な動物性食品の摂取は動脈硬化や心臓病などを引き起こしかねません。同様に、植物性たんぱく質だけを摂っても栄養分のアンバランスを生みます。 では、動物性と植物性たんぱく質を、どれくらいの割合で摂取すれば健康上望ましいかというと、1対1が良いといわれています。ただその場合でも、例えば動物性たんぱく質は牛肉だけから取るというのではなく、豚肉、鶏肉など色々なものから取るようにします。そうしないと、ここでも栄養素の偏りが出てくるからです。
減食するとたんぱく質不足を招く ダイエットをする人が増えていますが、減食するとカロリーだけでなく栄養分まで減ってしまいますので注意が必要です。 例えば、これまで2杯食べていたご飯を減らしたとすると、7gのたんぱく質をらなくなったことになります。これは1日の成人男子のたんぱく質量の10%に相当し、牛乳1本強に当たります。 ご飯だけでなく、ほかの料理の量も減らすとなると、かなりのたんぱく質が体内に入らないことになります。たんぱく質は皮膚や血液、筋肉、髪の毛などの主成分です。たんぱく質が不足すると、肌や髪の毛のつやがなくなり、筋肉がやせてきて…と、ひどい結果を招いてしまいます。 たんぱく質不足は体の構成成分の原料が不足すること たんぱく質は体内に入ると、消化管でペプシンやエラスターゼといった酵素により分解され、最終的にアミノ酸という最小単位になって腸から吸収されます。 たんぱく質が不足するということは、アミノ酸が不足するということにほかなりません。体内に吸収されたアミノ酸は、そのまま体の酵素やホルモンなどの原料になったり、再びたんぱく質に合成されて利用されます。体の構成成分の原料が不足するばかりでなく、体のさまざまなはたらきも障害されます。 たとえダイエット中でも毎日のたんぱく摂取量は変わらないのですから、摂り方が落ちないように気をつけたいものです。
たんぱく質と腎臓の関係 口から入ったたんぱく質は胃で胃液によって消化されペプトンという物質に分解されます。 さらに小腸では、さまざまな酵素がはたらき、ポリペプチドからオリゴペプチドという形になり、最終的にはアミノ酸となって肝臓へ運ばれます。 肝臓で必要な形のたんぱく質に再合成されますが、その際、アミノ酸の窒素成分の一部がアンモニアとなり、大部分は尿素サイクルによって毒性の少ない尿素に変換されて腎臓を経て排せつされます。 尿毒症の危険性 ところが腎臓が弱いと、この排せつが十分でなくなり、尿素が体内に蓄積されていきます。これが毒性を示すまでになると尿毒症になり、生命を脅かしかねません。そのため、腎臓が弱い人は尿素の源になるたんぱく質の量を制限し、尿素の量を少なくしなければならないのです。 また、最近ではたんぱくを過剰に取ると、腎臓の糸球体という血液ろ過装置が障害されることも分かってきました。糸球体には血液を送る動脈と、そこから血液が出ていく動脈がありますが、たんぱくを過剰に取ると糸球体から出る動脈が収縮して糸球体そのものが高血圧になり、障害されるとされています。
成人の1日のたんぱく質所要量は、体重1kg当たり1.08gといわれています。ところが妊娠していたり、授乳期などに当たっている人には、この数字は該当しません。 妊娠期 その年齢におけるたんぱく質所要量に、妊娠が経過するにつれて増加するたんぱく質付加量を加算します。たんぱく質付加量は胎児、胎盤、せい帯(へその緒)、子宮肥大、乳房肥大などによる窒素蓄積量を基本に算出されます。 妊娠前期では10g/日、後期では20g/日のたんぱく質を足すとよいとされています。 授乳期 必乳量やたんぱく質含量をもとにたんぱく質付加量が出されます。さらに安全率を考慮して、20g/日が妥当とされています。 高齢期 混合たんぱく質の平均窒素平衡維持量0.83g/kg/日をもとに算出すると1.19g/kg/日となるのですが、生態機能の変化や生活習慣などが個人によってかなり異なるため、1.0~1.5g/kg/日以内と考えるほうがよいでしょう。 子供のたんぱく質所要量は年齢によって違いますので、下表を参考にしてください。 年齢(歳) 男 体重基準値(kg) 漸減地(g/) 計算値(g/) 所要量(g/) 1 10.57 2.80 29.6 30 2 12.85 2.73 35.1 35 3 15.00 2.65 39.8 40 4 17.12 2.57 44.0 45 5 19.34 2.51 48.5 50 6 21.70 2.45 53.2 55 7 24.40 2.37 57.8 60 8 27.42 2.29 62.8 65 9 30.69 2.21 67.8 70 10 34.34 2.13 73.1 75 11 38.73 2.02 78.2 80 12 44.31 1.91 84.6 85 13 50.39 1.78 89.7 90 14 55.69 1.62 90.2 90 15 59.62 1.47 87.6 90 16 61.93 1.33 82.4 80 17 63.15 1.22 77.0 75 18 63.53 1.15 73.1 75 19 63.53 1.11 70.5 70 20~ 63.47 1.08 68.5 70 年齢(歳) 女 体重基準値(kg) 漸減地(g/) 計算値(g/) 所要量(g/) 1 10.07 2.80 28.2 30 2 12.36 2.73 33.7 35 3 14.57 2.65 38.6 40 4 16.74 2.57 43.0 45 5 18.97 2.51 47.6 50 6 21.25 2.44 51.9 50 7 23.75 2.32 55.0 55 8 26.60 2.21 58.8 60 9 29.95 2.10 62.9 65 10 34.23 1.98 67.8 70 11 39.28 1.87 73.5 75 12 43.92 1.75 76.9 75 13 47.60 1.62 77.1 75 14 50.38 1.49 75.1 75 15 52.08 1.36 70.8 70 16 52.92 1.26 66.7 65 17 52.95 1.18 62.5 65 18 52.53 1.14 59.9 60 19 51.93 1.11 57.6 60 20~ 51.44 1.08 55.6 60 出典:第五次改定「要説日本人の栄養所要量」(第一出版刊)
健康維持には絶対必要 人間の体は、筋肉も血液も、皮膚、髪の毛も、主にたんぱく質からできています。また、一部のホルモン、酵素、免疫体など、生命の維持に不可欠なものもたんぱく質から構成されています。つまり、たんぱく質は健康を維持するためには絶対に必要な栄養素なのです。 人間の体は常に新陳代謝を繰り返しています。たんぱく質も例外ではなく、毎日新旧のたんぱく質が入れ替わっています。その消費される分を毎日きちんと補っていかなければ、「たんぱく不足」になってしまいます。 1日の摂取量の基準値 では、どれくらいの量のたんぱく質を摂取すればよいかというと、次のようにして算出されます。 0.64(A)×100/85(B)×1.1(C)×1.3(D)≒1.08(g/kg/日) (A)窒素平衡を0に維持することができる良質たんぱく質の摂取量 (B)1986年の国民栄養調査結果により日常摂取たんぱく質の良質たんぱく質に対する相対利用率を85%とした (C)軽度の外傷、環境の変化、ストレスなどに対する安全率10% (D)個人差に対する安全率30% 例えばあなたの体重が50kgとすると、54gとなります。また、20歳代の男子だと、平均体重が64.69kgですから69.9g、つまり約70gと算定されます。 しかし、これはあくまでも基準値。感染にかかっていたり、大きなけがや精神的ストレスなどがある時は、2~2.5g/kg/日は必要です。
アミノ酸スコアが高いほど良質たんぱく 食品に含まれるたんぱく質の栄養価は、たんぱく質の量と、必須アミノ酸の量と種類、それらのバランスがどのくらい取れているかによって決まります。 その評価は、「アミノ酸スコア」で表され、最高値は100です。アミノ酸スコアが高いほど質の良いたんぱく質で、体内で効率良く利用されます。卵や肉の赤身は、アミノ酸スコア100です。 ご飯+焼き魚+お浸し+豆腐のみそ汁=100 アミノ酸スコアを食品の組み合わせでみてみます。 例えば、ご飯は、アミノ酸スコアが64で、たんぱく質量は6.8gです。ご飯に納豆を加えると、アミノ酸スコアは85、たんぱく質量も15.1gと上がります。そして、ご飯に焼き魚、お浸し、豆腐のみそ汁にすると、アミノ酸スコアは100、たんぱく質量は30.8gとなります。 それだけで、もう1日に必要とするたんぱく質60~70gのほぼ半分が取れたことになります。 必須アミノ酸が多く含まれているのは、植物性たんぱく質より動物性たんぱく質です。植物性たんぱく質には必須アミノ酸のうち、トリプトファン、リジン、メチオニンという3つが不足しています。 牛乳にもトリプトファンが含まれています。うどんやそばだけの昼食に卵を1つ加え、牛乳1本飲むことで、欠乏しやすい必須アミノ酸の不足を補えます。
たんぱく質とビタミンB6を一緒に取る たんぱく質は口の中では消化されず、胃に入って初めてペプシンと呼ばれるたんぱく質分解酵素によって、アミノ酸に分解されます。 腸に送られ吸収されたアミノ酸は、他のアミノ酸や糖質、脂質からアミノ酸を合成したり、アミノ酸を糖質や脂質に転換したりという代謝を行っています。 栄養素の代謝には、酵素が必要です。酵素を助けるはたらきがあるのは、ビタミンB群です。特にアミノ酸の代謝には、ビタミンB6を補酵素とする酵素が欠かせません。 従って、たんぱく質だけをいくら多く摂っても、ビタミンB6を取らないと、たんぱく質の代謝が円滑に行われなくなるのです。不足すると、疲れやすく、食欲不振になります。 質の良いたんぱく質を取り、十分な量のビタミンB6を取れば、体はアミノ酸を作ったり壊したりして、無駄なく効率的に使うことができるのです。 ビタミンB6を多く含む食品 ビタミンB6を多く含む食品は、レバー、鶏の胸肉、鮭・サバ・マグロなどの魚類、玄米やそばなどの精製していない穀類、豆類、ブロッコリーやホウレンソウなどの緑色野菜です。また、バナナやアボカド、パパイア、キウイ、パイナップル、イチジクなどの果物にも多く含まれています。