年齢とともに視力の低下やかすみ目などが起きる白内障の原因として、喫煙や糖尿病のほかに紫外線の影響を忘れてはなりません。紫外線が発症のリスクを高める目の病気や、紫外線から目を守る方法を紹介します。 目次 40代の若さで白内障になる!? 白内障だけではない!紫外線が発症リスクを高める目の病気 UVカットタイプのサングラスで、目の紫外線対策を! 40代の若さで白内障になる!? 年齢とともに目の水晶体が白く濁り、視力の低下やかすみ目などが起きる白内障は、一般的に高齢者の病気というイメージが定着しています。確かに、多くみられるのは60代以上ではありますが、40代や50代のうちに「若年性白内障」が発症することもあります。 年齢以外の原因として、喫煙や糖尿病が挙げられるが、それ以外で忘れてはならないのが、紫外線の影響です。紫外線は、その波長によってA波、B波、C波の3種類に分類されます。このうちのB波は、そのほとんどがオゾンなどの大気層で吸収されますが、一部が地表へと到達します。日焼けや皮膚がんの原因となるばかりか、目にも害を及ぼします。このB波によって、水晶体に含まれるたんぱく質の変性や水分量の変化が起き、色の濁りが進行すると考えられています。 白内障だけではない!紫外線が発症リスクを高める目の病気 紫外線が発症リスクを高める目の病気は、白内障だけではありません。紫外線の多くは、目の角膜で吸収されますが、長時間にわたって紫外線にさらされた場合や、目の奥にある水晶体や網膜に紫外線が到達した場合は、目がダメージを受けることがあります。以下の病気も白内障と同様、紫外線が発症に関わっていると考えられています。 紫外線が発症リスクを高める目の病気 ●翼状片 白目を覆う結膜の一部が、黒目に三角形状に被さった状態。目の充血や異物感を感じます。 ●雪目(雪眼炎) 積もった雪に反射した紫外線を受けて、目に炎症が起きた状態。紫外線を受けてから数時間後に発症し、痛みや充血、まぶしさを強く感じるなどの症状が現れます。 ●加齢黄班変性 色・形・大きさなどを識別する、網膜にある黄斑に、加齢・喫煙・紫外線などで異常が起こった状態。視力の低下、視野の真ん中が見えにくくなる、物がゆがんで見えるなどの症状が現れます。 …など UVカットタイプのサングラスで、目の紫外線対策を! 白内障が初期のうちは、点眼薬で進行を遅らせますが、ある程度進むと、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズ(人工水晶体)を入れる手術が行われます。ほとんどの場合、この手術は年齢を問わず、90代の高齢者でも受けることができます。 予防のためには、やはり年齢に関わらず、紫外線から目を守ることが重要となります。帽子や日傘、長袖の洋服、化粧品などで、肌の紫外線対策はできていても、目にまで気が回らない人も多いかもしれません。外出の際は、目の紫外線対策として、UVカットタイプのサングラスをかけるようにしたいもの。天候やファッションとの兼ね合いで、サングラスがかけづらいという場合は、UVカットタイプの眼鏡やコンタクトレンズを使用しましょう。 公開日:2014/05/26
ほくろは年齢や性別を問わず、誰にでもあるものですが、ほくろが徐々に大きくなる、色が濃くなる、硬くなるなどの変化があれば、「ほくろのがん」と呼ばれる悪性黒色腫(メラノーマ)かもしれません。悪性黒色腫(メラノーマ)とは?悪性黒色腫(メラノーマ)が現れる部位やその原因、治療法について紹介します。 目次 ほくろかと思いきや、実はがん!? 日本人で多くみられるのは足の裏、手のひら、手足の爪など 手術の後に抗がん剤治療などが行われることも 悪性黒色腫の主な治療法 ほくろかと思いきや、実はがん!? ほくろは年齢や性別を問わず、誰にでもあるもの。美容的な観点を別にすれば、ほくろがあるからといって、健康上の問題は特にありません。しかし、そのほくろが徐々に大きくなる、色が濃くなる、硬くなるなどの変化があれば、それは通称「ほくろのがん」と呼ばれる悪性黒色腫(メラノーマ)かもしれません。悪性黒色腫は皮膚がんの一種であり、悪性度が高く、肺や肝臓などほかの臓器に転移することもあります。 日本人で多くみられるのは足の裏、手のひら、手足の爪など 悪性黒色腫は、メラニン(皮膚の色の構成要素となる色素)をつくる色素細胞(メラノサイト)や、ほくろを構成する母斑細胞(ほくろ細胞)ががん化することで発生します。良性の一般的なほくろが悪性になる可能性は低いのですが、見た目ではそのほくろが良性か悪性かを判断することは難しいようです。高齢者で多く発生する傾向があるものの、若年者でみられることもあります。 悪性黒色腫のはっきりとした原因はよくわかっていませんが、日本人より生まれつき紫外線の影響を受けやすい白色人種に多く発生することから、ほかの皮膚がんと同様、紫外線が関係すると考えられています。また、日本人では足の裏や手のひら、手足の爪などに現れる人が多いため、日常生活における外部からの刺激との関連性も疑われています。予防のためには、過度な日焼けや刺激を与える行為(焼いてほくろをとろうとするなど)は控えるようにしたいもの。ほくろの大きさや色の変化などが気になる場合は、皮膚科で相談しましょう。 手術の後に抗がん剤治療などが行われることも 悪性黒色腫の治療は進行の度合いによって異なりますが、主に以下のような治療法があります。悪性黒色腫になる前段階である「悪性黒色腫前駆症」という状態で発見できるのがもっとも望ましく、早期発見・早期治療が何よりも大切だと言えるでしょう。 悪性黒色腫の主な治療法 ●外科手術 悪性黒色腫の治療の基本。初めにできた病巣は、まわりの皮膚に転移しやすいので、病巣より数cm広い範囲で切除されます。 ●化学療法(抗がん剤治療) 手術で取りきれない小さながん細胞が、リンパ節などへ転移するのを防ぐため、手術後に一定期間にわたり、静脈内に点滴注射で抗がん剤が投与されることがあります。 ●放射線療法 悪性黒色腫ではあまり効果がみられませんが、限られた医療施設で行われている速中性子線や重粒子線という種類の放射線を照射すると、効果が得られることがあります。 ●インターフェロンによる治療 がんの増殖を抑えるインターフェロンという薬を、手術後の皮膚転移を防ぐことを目的として、単独またはほかの治療法とともに用いられます。 ●免疫療法 自らの免疫力を高めることで、治療効果が得られることが期待される方法です。採取した免疫細胞を体外で培養して増やし、再び体内に戻す方法などが行われます。 ※上記は初発病巣に対する治療で、転移した場合は手術後の化学療法が中心になります。 公開日:2013/08/19
目のトラブルは、浴びる紫外線の量に関係します。目を守るためにも、毎日の外出では、自分の顔にフィットするサングラスを着用しましょう。 目次 サングラスが紫外線から目の健康を守る! 紫外線が引き起こす目のトラブルとは? お出かけ前にはサングラスを忘れずに! 外出前の紫外線対策チェック サングラスが紫外線から目の健康を守る! 夏に近付くと紫外線量が劇的に増え、人体に有害な悪影響が引き起こされます。 そのひとつとしてよく知られるのが、サンバーン、しみ・しわ、皮膚ガンなどの皮膚のトラブルです。しかし、それだけではありません。実は紫外線は「目」に対しても、さまざまなトラブルを引き起こすことがわかっています。 目のトラブルは、浴びる紫外線の量に関係するということが、近年のアイスランド人に対する研究から注目されています。高緯度地域であるアイスランドは、太陽の高度が低く、日光が目の高さから射し込んできます。しかし、直接目に光を浴びているにもかかわらず、目の病気になる人は少ないとのこと。その理由のひとつとして、アイスランド人はサングラスを常用する習慣があり、目が紫外線から常に守られているためではないかと考えられています。 紫外線が引き起こす目のトラブルとは? 紫外線が引き起こす目の急性のトラブルとして多いのが、いわゆる「雪目」と言われる「雪眼炎」です。雪山などで目を防護せずに超時間過ごすと、一時的に角膜の炎症が引き起こされ、後になって目を開けられないほどの痛みを感じることがあります。これが雪目の症状です。 一方で、慢性のトラブルもあります。それが、「翼状片」と「皮質白内障」です。翼状片とは、白目の結膜の一部が黒目に三角形状に被さり、目の充血や異物感を感じる病気です。また、皮質白内障とは、目の水晶体がにごって視力が低下してしまう病気です。紫外線のB波(UVB)はタンパク質を破壊します。そのため、紫外線が目に入ると水晶体の線維が破壊されてしまい、皮質白内障の原因となってしまいます。 こうしたトラブルを防ぐためにも、紫外線量の多い夏には、サングラスで目を保護することが大事です。 お出かけ前にはサングラスを忘れずに! ポイントのひとつは、色選びにあります。通常、サングラスと言うと、目が透けて見えないほど真っ黒なレンズを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、これが紫外線を防ぐ意味では逆効果となります。色の濃いレンズで光線の透過率を低下させると目の瞳孔が広がり、隙間から多くの紫外線を受け止めてしまう危険性があるからです。 もうひとつのポイントは、サングラスの形状です。面積の狭すぎるレンズ、またレンズと顔の間の隙間が空きすぎる形状は、光の防御効果が低く、紫外線が目に侵入しやすくなります。したがって、目の全体が覆われるよう幅の広いもの、顔の形にフィットするサングラスを選びましょう。 さらに身を守るためには、まず外出前に紫外線の量を確認し、次のようなポイントもチェックしたいところです。毎日の習慣にできるよう、ぜひ覚えておくといいでしょう。 外出前の紫外線対策チェック ●サングラスを携帯する(色が濃すぎず、顔にフィットするもの) ●日傘や帽子を携帯する ●日焼け止めを塗る(日常生活ではSPF20、PA++が目安) ●自転車に乗るときはアームカバーをする ●紫外線を反射させる白い服は控える ●なるべく日陰を歩くようにする ●紫外線量の多い10時から14時頃の外出はできるだけ控える 参考:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社沖縄・金沢・アイスランドにおける太陽高度と「眼に入る紫外線量調査」結果から 公開日:2009/06/01
いまやさまざまなデメリットが指摘される日焼け。とくにシミやシワなど、肌のトラブルに悩む方も多いのでは。そんなときの強い見方、日焼け止めの選び方から、日傘の差し方まで、紫外線カットの方法をご紹介。 目次 紫外線は、私たちを老けさせる 日焼け止めの選び方のコツ 紫外線防止のコツ エトセトラ 紫外線は、私たちを老けさせる 夏の間、リゾート地でのんびり肌を焼いてきました…。 こんな「バカンス焼け」がステータスだったのは、過去のこと。いまでは日焼けによるさまざまなデメリットが指摘されている。 下の表にあげたように、紫外線を浴び続けることで体に現れる影響は、どれも私たちの老化をうながすものばかり。とくにシミやシワなど、紫外線による肌の老化を「光老化」といい、いかに紫外線をカットするかが、見た目年齢の若さを保つカギ。肌への影響以外にも、白内障や皮膚がんを招く原因のひとつと考えられており、春先の花粉のように、夏の紫外線にも徹底した対策が必要だ。 紫外線によるトラブル トラブル トラブル発生のメカニズム シミをつくる 紫外線を浴び続けることによって、メラニンをつくる色素細胞の遺伝子に変異が生じ、メラニンを過剰に作り出すため。 シワをつくる 真皮まで届いた紫外線が、真皮にあるコラーゲンやエラスチンといった、ハリや弾力に関わる繊維を小さく切ってしまう酵素(コラゲナーゼ)を生成するため。 髪がパサつく 紫外線にあたることで、髪のメラニン色素が変質して赤茶けたり、水分が失われたりするため。 白内障の原因となる 紫外線は角膜を通過して水晶体で吸収されるが、その際、水晶体のたんぱく質に変化を起こし、濁らせてしまうため。 全身の免疫力を低下させる 皮膚の免疫を担当するランゲルハンス細胞のはたらきが、紫外線によって損なわれるため。その結果、細菌やウイルスに感染しやすくなったり、体調を崩しやすくなったりする。 皮膚がん発生の原因となる 紫外線が皮膚細胞に吸収され、遺伝子DNAを傷つけてしまうため。 日焼け止めの選び方のコツ 紫外線を防ぐには肌を露出しないのが一番だが、暑い夏にはツライもの。そこで活躍してくれるのが日焼け止め(サンスクリーン剤)だ。 日焼け止めは、主に紫外線吸収剤と、紫外線散乱剤から構成されている。紫外線吸収剤は、成分が紫外線をいったん吸収し、それを熱エネルギーに変えて放出するもの。一方、紫外線散乱剤は、紫外線をはね返すはたらきがある。 日焼け止めを選ぶとき、必ずチェックしたいのが「SPF値」と「PA値」だ。 SPF(Sun Protection Factor) 日焼けを起こす紫外線B(UV-B)を防ぐ指標で、SPF1の効果はおよそ20分前後といわれている。SPF値が高いほど、紫外線を防ぐ効果が高まるという面もあるが、SFP30を過ぎると紫外線の害への防御率はあまり変わらなくなるとも。アメリカやオーストラリアではSPF値の上限は30とされ、日本では現在、SPF50+が最大値となっている。 PA(Protection grade of UVA) 紫外線A(UV-A)を防ぐ効果を表している。+の数によって三段階に表示され、「+++」は「非常に効果がある」という意味。 「SPF値」と「PA値」を知った上で、さらに自分の肌のタイプと用途に合わせて、日焼け止めを使い分けるのも、効果的な紫外線対策のポイント。肌のタイプは、紫外線にあたったときの反応によって3つのタイプに分けられる。スキンタイプ1の人は、紫外線による影響を受けやすいため、SPF値が高めのものを選んでみよう。また、晴れた日にスポーツをしたり、山や海に出かけるなら、SPF値、PA値ともに高いものを選び、こまめに塗り直そう。 肌のタイプと用途に合わせて、日焼け止めを使い分けよう スキンタイプ1赤くなるが、黒くならない スキンタイプ2赤くなって、黒くなる スキンタイプ3すぐに黒くなる 日常生活など(~1時間) SPF10PA+ ~SPF10PA+ ~SPF5PA+ 散歩や外出など(1~3時間) SPF30PA+++ SPF20PA++ SPF10PA+ 屋外でのレジャーなど(3時間~) SPF50PA+++ SPF30PA+++ SPF20PA++ 紫外線防止のコツ エトセトラ 日焼け止め以外にも、紫外線をカットする方法がいくつかある。効率よく紫外線を防ぐコツをご紹介しよう。 ●紫外線を通しにくい衣類の素材は? おすすめは、ポリエステルと綿の混紡素材。長袖で、襟のついたものを選べば、紫外線予防効果もアップ。素材が同じであれば、生地の織り方が密なもの、厚手のものの方が効果的。また、UVカットに加え、吸湿性、速乾性を備えた素材もどんどん開発されているので、チェックしてみて!また、洗うだけで有効成分が生地に染み込み、UVカット効果を発揮するという洗剤も。 ●日傘の持ち方でも紫外線カット率が違う 日傘は、紫外線防止の強い味方。黒以外の色の日傘でも、紫外線防止効果がある。ただし、横から届く空気中の散乱紫外線や、地面や壁を反射して届く紫外線を防ぐことが難しいので、日傘を差していても手や顔などに日焼け止めを塗るのを忘れずに。また、日傘の布と肌が離れれば離れるほど紫外線カット率が低下するといわれているので、日傘の柄を短く持って。 ●サンバイザーは便利だけど…。理想はやっぱり麦わら帽子 「ちょっとそこまで…」というとき、さっとかぶれる便利なサンバイザー。しかし、つばが前方にしかないので、顔の側面や首の紫外線を避けることができない。野球帽も同じ理由で、紫外線を防止するという意味ではあまり効果が期待できない。なるべくつばの広い帽子をかぶり、日光が直接顔に当たらないようにしよう。 ●目を守るサングラスで、目を傷めてしまう!? ファッション性が高いサングラスだが、紫外線から大切な目を守る効果が高く、日常生活でこそ活躍させるべきもの。ただ、色の濃いサングラスをかけていると視界が暗くなるため瞳孔が開き、横からの散乱紫外線が入り込んでしまい、結局は目を傷めてしまう。水晶体にまで届くUV-Aをカットする「UVカット」の表示があるもので、薄い色のものを選ぼう。 公開日:2005年6月13日
小麦色にやけた肌は健康的で美しいもの。しかし、日焼けそのものは体に有害な場合も。太陽光線に含まれる紫外線は、しみ、そばかす、皮膚がんなど、さまざまなトラブルを発生させることがある。一年のうちでも、春から秋にかけては紫外線量が多くなる季節。紫外線と日焼けについての正しい知識を持ち、太陽と上手に付き合うようにしよう。 目次 紫外線は有害? 赤の「サンバーン」、黒の「サンタン」 痛み、ほてり、皮膚がんまで…日焼けダメージ・トラブル すぐできる日焼け予防 焼けちゃった!ときの応急手当 ヒリヒリ日焼け後のタブー4ヵ条 紫外線は有害? 太陽光線は、目に見える光「可視光線」の他に、赤外線や紫外線という光を含んでいる。このうち紫外線は、地表に届く光の中で最も波長が短い光線だ。種類は3つ。オゾンなどの大気層で吸収され、地表に到達しない「UV-C」、一部が地表に到達し、皮膚や目に有害な「UV-B」、長時間浴びると、健康への影響が心配される「UV-A」である。 紫外線には体内のビタミンDをつくるはたらきがあるため、日光浴が体によいとされていた時代もあった。しかし、最近では1日15分間日光にあたれば、必要なビタミンDは生成できるとされている。 さらに、近年は大気中に排出されたフロンにより、上空の成層圏にあるオゾン層が破壊されつつある。そのため、有害な紫外線が地上に到達し、皮膚がんの発生など、健康へのさまざまな影響が懸念されているのだ。ちなみに、オゾン層の厚さが1%減ると、地上の紫外線量は約1.5%増加する。なお、1997~2001年に観測したオゾン量の平均値は、1980年に比べ、北半球で3%、南半球で6%低下しているのだ! 赤の「サンバーン」、黒の「サンタン」 紫外線による日焼けには2つある。ひとつは肌が赤くなる「サンバーン」。もうひとつは肌の色が黒くなる「サンタン」。サンバーンは波長の短いUV-Bによって引き起こされる。紫外線によって皮膚に化学物質が生成されるため、血管が拡張してしまう現象だ。また、サンタンをもたらすのは波長の長いUV-A。色素細胞がメラニン色素を合成し、皮膚の色をだんだんと褐色に変えてゆく。これは、皮膚の細胞の遺伝子を紫外線から守るための作用だ。 通常は、日光に当たって8~24時間でサンバーンがピークとなり、2~3日後にサンバーンが消失するとサンタンが起こる。ただし中にはほとんどサンバーンが見られない人や、サンタンが起こらない人もいる。 痛み、ほてり、皮膚がんまで…日焼けダメージ・トラブル 日焼けによる肌へのダメージは少なくない。サンバーン状態がひどくなると、水ぶくれやむくみが起こる。ときに痛みやほてりをともなう場合も。慢性的に紫外線を浴びた場合は、一部の色素細胞がメラニンを合成し続けるようになり、やがてしみとなってしまう。さらにこの状態が続くと皮膚の弾力性が失われ、しわができる。 そして最も心配なのが皮膚がんだ。通常、皮膚の基底細胞にある遺伝子は、UV-Bによっていったん傷つけられても再び修復されるが、ときに修復過程でエラーが起こることがある。そのエラーにより突然変異となった細胞が、やがてがんに発展してしまうというわけだ。日焼けと皮膚がんの関係は、まだはっきりとはわかっていないが、長期にわたって浴び続けないよう気を配りたいもの。また、がんには至らなくても、悪性のほくろや日光角化症という皮膚症状があらわれるケースもある。 さらに、人によっては、紫外線を浴びることで免疫機能に支障をきたすことがある。このようなトラブルが起こると、感染症にかかりやすくなるので注意しよう。 すぐできる日焼け予防 ●午前10時から午後2時の、最も日差しの強い時間は、直射日光にあたらないようにしよう。 ●日中の外出の際は、なるべく帽子や日傘、サングラスを使うようにしよう。衣服は濃い色の長袖がベスト。 ●日焼け止めクリームを塗ろう。分量・有効時間を守り、時間ごとに塗り変えることが大切。戸外のレジャーなどの際は、日焼け止め効果を表すSPF表示の高いものを選ぼう。 焼けちゃった!ときの応急手当 ●冷たい水で湿らせたタオルを当てたり、氷で冷やすようにしよう。全身に日焼けをしたときは、水風呂につかるのもよい。 ●水泡ができたら清潔なガーゼで保護し、皮膚科で治療をしてもらおう。 ●頭が痛くなったり熱が出たりしたら、日の当たらない涼しい場所で休養を。 ヒリヒリ日焼け後のタブー4ヵ条 その1:ひどい日焼けのあとに化粧品を塗ると、症状が悪化しかねない。当分は口紅などのポイントメークに徹しよう。 その2:衣服の着脱はそっとおこなうこと。乱暴に脱ぎ着すると皮膚がこすれてしまう。 その3:熱いお風呂は皮膚に刺激を与える。ぬるめのお湯にそっとつかるようにしよう。 その4:日焼け後は、できるだけ日光を避けることが大切。当分は日陰でゆっくりと体を休ませるようにしよう。 このように、たかが日焼けとあなどると、意外なトラブルに苦しみかねない。紫外線を恐れるあまりまったく日に当たらないというのも問題だが、旅行やレジャーを楽しむ場合は、きちんと対策をするようにしよう。 南や標高の高い山はとくに紫外線が強いので、他の地域と比べると警戒が必要だ。また、海やプールでは水の反射により、体に浴びる紫外線量が激増する。水中でも紫外線は届くので、くれぐれも油断は禁物だ。 公開日:2004年8月16日
シミの原因になるうえ、できたシミを悪化させるはたらきもある美肌の天敵・紫外線。その紫外線対策と、シミをつくらない&濃くしないための対処法を、食事と生活のふたつの側面からご紹介します。 目次 シミ対策の第一は紫外線ブロック シミの段階に合わせたケア方法 シミレベル:シミはないが、潜在シミが気になる シミレベル:日焼けしてしまった!または、うっすらとくすんだように見える部分がある シミレベル:シミとはっきりわかる部分がある 注目されるβカロテンなどの抗酸化食品 シミ対策の第一は紫外線ブロック 潜在シミを表面化させないためにも、できたシミをそれ以上目立たせないようにするためにも、欠かせないのは紫外線対策。特に、紫外線量がピークとなる正午頃は要注意。戸外へ出るときは帽子や日傘、サングラスなどで対策を。近頃よく見かけるようになったUVケア加工の衣服を身に着けるのもおすすめだ。 また、顔などに使われる化粧品類では、「SPF30」などと書かれたUVケア用品があるが、これには次の通り2種類のタイプがある。覚えておくと便利だろう。 UVケア(サンスクリーン)用品の種類とはたらき 紫外線散乱剤 肌の表面で紫外線を散乱させ、紫外線をブロックする。一般的には、紫外線吸収剤より肌にやさしいとされている。 紫外線吸収剤 紫外線を薬剤に吸収させることで、肌への侵入を防ぐ。 さらに、今や毎日のスキンケアなどに欠かせない存在となっている美白化粧品。これにも作用によって、次の3種類がある。 いずれも、使い心地とともに、自分の肌に合ったものを選んで使いたい。 美白化粧品におけるメラニン対策の種類 タイプ よく知られる成分 メラニンの生成を抑える アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、ビタミンC メラニン色素を還元する ビタミンC 新陳代謝を高め、メラニン色素の排泄を促す プラセンタ シミの段階に合わせたケア方法 「今はできていなくても、潜在シミはきっとあると思う」。そんな、日焼け経験のある人がほとんどではないだろうか。そこで、シミの段階に合わせたケアの方法を、食事と生活のふたつの面からご紹介しよう。 シミレベル:シミはないが、潜在シミが気になる 新陳代謝を高め、肌を健やかに保つことがケアの基本。 食事面での対処法 ●女性ホルモンのバランスを整え、血行を促進。真皮の新陳代謝を促すビタミンE、体の老化=酸化を防ぐはたらきをするビタミンB2やβカロテンを過不足なく摂る。 ●メラニンの生成を抑え、肌の弾力や潤いのモトとなるコラーゲンの体内での合成を促進するビタミンCを摂る。 ●肌を整えるリジン、肌の弾力や潤いを保つコラーゲンを含む食物を積極的に摂る。 ●体内で酸化して過酸化脂質になりやすいリノール酸などの不飽和脂肪酸の多い食品を控える。 ●ケーキやジュース類などの糖分を控える。 生活面での対処法 ●十分な睡眠を取る。特に、肌の新陳代謝が活発になることから「美容睡眠」といわれる夜10時~午前2時は、睡眠に当てたい。 ●強くこするなどの強い刺激を肌に与えない。 ●ニキビや吹き出物などの肌トラブルは、できるだけ早く治す。 ●シャワーだけで入浴をすませない。シャワーだけでは血行が悪くなりやすく、肌がくすみやすくなる。 ●ストレスをためない。ストレスは体内の活性酸素を増やすとともに、メラノサイト刺激ホルモンの分泌が促され、メラニンの生成を増やしてしまう。 シミレベル:日焼けしてしまった!または、うっすらとくすんだように見える部分がある 上記の食事と生活が基本。そのうえで、次のことを実行しよう。 食事面での対処法 ●ビタミンCの摂取量を多めにする。ビタミンCは多量に摂っても副作用がほとんどなく、効果的。 生活面での対処法 ●日焼け直後は、クールパック。ご存知の通り、日焼けは一種のヤケド。冷たいタオルなどでとにかく炎症が治まるまで十分に冷やすことが第一。炎症が治まったら、たっぷりの保湿と美白化粧品などによるシミケアを。 ●うっすらとくすんで見える原因は、肌に汚れが残っていたり、乾燥している場合も。ダブル洗顔などで汚れをしっかり落とし、保湿性の高い化粧水などを。また、血行が悪くなっていることもあるので、暖かいタオルと冷たいタオルを交互に顔に当てる冷温タオルパックで血行をよくするのもオススメ。 ●ビタミンCは、素肌にも効果的。ただし、天然のビタミンCは肌から吸収されにくいため、吸収されやすいカタチで配合された化粧水などでパックを。 ●美白化粧品やエステを根気よく試す。 ●皮膚科の病院を受診する。 シミレベル:シミとはっきりわかる部分がある 上記の食事と生活をベースとして続ける。ときには数年がかりと時間はかかるが、少しずつ薄くなる場合が多い。 どうしても気になるようなら、皮膚科または美容整形外科の病院を受診。レーザー治療といった外的治療の道もある。 注目されるβカロテンなどの抗酸化食品 美肌のためのビタミンといえば、真っ先に思い浮かぶのがビタミンCだろう。これは正解。ビタミンCは、メラニンの生成を抑え、メラニン色素を還元してと、シミにとても有効な存在。シミ対策の大きな柱といえるものだ。だが、ビタミンCのはたらきは、これだけにとどまらない。さらに優れている点は、体の老化=体内の酸化を抑える抗酸化作用があること。 体は、不安や悩みなどのストレス、睡眠不足、喫煙などによって体内に活性酸素が増えると老化が促進されてしまう。もちろん素肌も例外ではない。体そのものの老化をできるだけ抑えることが、シミのない美しい肌のためにも大切なのだ。 こうした点から注目されるのが、βカロテンをはじめとする抗酸化物質(スカベンジャーとも呼ばれる)。多く含まれる食品の例を挙げてみると…。 ●βカロテン ニンジンやカボチャ、青菜などの緑黄色野菜に多い。 ●アントシアニン類 赤ワインやブルーベリー、ココアなど。 ●リコペン トマト、スイカなど。 また、特に女性に不足しがちな「鉄」(レバーやひじき、しじみなどに多い)、肌の新陳代謝に欠かせない「亜鉛」(ごま、大豆、くるみなどに多い)も、適量をきちんと摂取していこう。 公開日:2002年9月2日
紫外線が気になる季節。そこで、あらためて考えたいのが、紫外線とシミの関係です。紫外線対策はいつまで必要なのでしょうか。シミはなぜできるのでしょうか。 目次 紫外線は、秋や冬、春先もたっぷり 今はできていなくても。「潜在シミ」のできるメカニズム シミができる原因はそのほかにも 紫外線は、秋や冬、春先もたっぷり ギラつく太陽がやわらぎ、風が涼しさを増してくると、ほっとひと息。紫外線ケアをする手も、つい緩みがちになる。だが、油断は禁物。ご承知の通り、紫外線の影響は年中無休。雨の日でも真冬でも降り注ぎ、肌にダメージを与えているのだ。 シミ、シワといった肌の老化の、実に約80%が紫外線によるもの。これからの季節もケアは万全に。一般に、一生の間に浴びる紫外線の量が少ないほど、シミやシワは少ないとされている。 日本における有害紫外線量のグラフ 今はできていなくても。「潜在シミ」のできるメカニズム では、実際に、紫外線はどのように肌に影響し、シミを作り出すのだろうか。わかっているようで曖昧なこのメカニズムを簡単にまとめてみよう。 「シミ」とはそもそも、紫外線などの刺激から肌を守るために作られるメラニンの量が、部分的に、増えたままになった状態のこと。 健康な肌ならば、日焼けなどによって一時的にメラニンの生成量が増えても、ほぼ28日周期で細胞が入れ替わり、元に戻る。 だが、強い紫外線を長く浴び続けていたり、繰り返し浴びることによって、メラニンを作るメラノサイトという細胞が活性化しやすくなり、わずかな紫外線でもメラニンを作りはじめる性質になる。 と、同時に、長い間の紫外線の影響によって、肌の奥・真皮層にまでダメージを受けた部分にトラブルが発生。メラニンの生成量が増えたままになったり、正常な細胞の入れ替わりが行われず、ついには色素沈着してしまったのが「シミ」だ。 つまり「シミ」は、長年の紫外線の影響が積み重なり、表面化したもの。多くの場合、一度ならず日焼けしたことのある人は、シミになる可能性を肌の奥に抱えている。それが「潜在シミ」。あなたの肌は大丈夫だろうか!? 紫外線の種類と肌への影響 A波 表皮を通り越して「真皮層」へ到達。肌の弾力や潤いを保つコラーゲンなどを破壊し、シミやシワの原因となる。 B波 表皮にダメージを与え、シミ・そばかすの原因となるメラニンの生成を活性化させる。日焼けによって肌が赤くなったり、皮膚がむけたりするのも、このB波の影響。 ■健康な肌の内部 基底層のメラノサイトで作られたメラニンは、細胞の新陳代謝によって表皮へと押し上げられ、角質として排泄される。 ■潜在シミのある肌の内部 紫外線B波によってメラノサイトが活性化し、メラニンを増産。同時に、A波によってダメージを受けた部分が色素沈着しやすい状態に。 シミができる原因はそのほかにも 上で紹介したシミは、積年の紫外線によるダメージが表面化した、いわゆる老人性色素斑。残念だが、名前は「老人性」でも、年齢とはあまり関係がなく、早い人では20歳代の後半から現れてくる。また、紫外線以外でシミの原因となるものには、次のようなものもある。 ●ニキビなどの炎症による色素沈着 ニキビや肌荒れ、かぶれなどの炎症を繰り返すうちに、色素沈着してしまったもの。炎症を早めに治すことと、繰り返さないように注意することで避けられる。 ●こすり過ぎによる色素沈着 ナイロン製のフェイスブラシや、入浴時によく使われるナイロン製の垢落としタオルなどで肌をこすり過ぎたためにできるシミ。顔であれ、手や背中であれ、こすり過ぎないように注意。肌は摩擦に弱いのだ。 ●ホルモンのアンバランスによる色素沈着 これは肝斑と呼ばれるもので、妊娠時にできることが多い。出産後はほぼなくなるといわれるが、ときにシミとしてそのまま残ることもある。 とはいえ、どのようなことがキッカケでできたシミであろうとも、それをいっそう色濃く、きわ立つように悪化させてしまうのが紫外線。潜在シミを表面化させないためにも、できたシミを目立たせないためにも、一年を通じて紫外線対策を。また、少々のことには負けない健やかな素肌を保つことも大切だ。 公開日:2002年9月2日
これからの時期、注意しなければならない紫外線。できることなら正午をはさんで前後2時間は外出を避けたいものですが、なかなかそうはいきません。外出するならこんな対策をしましょう。 目次 紫外線から身を守れ! これで完璧!紫外線対策 帽子、サングラス、肌をあまり出さない服を着用しよう 「SPF」「PA」を知って、日焼け止めを使おう 紫外線から身を守れ! 皮膚の色は、色素物質メラニンで決まる。メラニンの量が多いほど、肌の色は黒くなるし、日光に対する抵抗力があると言われている。 白色人種はメラニンの量が少なく、黒色人種は多く、日本人のような黄色人種はその中間であるといわれている。 また、同じ日本人でも紫外線に対する抵抗力は人によって違う。大きく分けると、以下のように分けられる。 日焼けのタイプは? A:日光にあたるとすぐ赤くなるが、黒くはならずもとに戻るタイプ B:日光にあたるとそれなりに赤くなって、その後黒くなるタイプ C:日光にあたるとあまり赤くならずに黒くなるタイプ 紫外線の影響を最も受けやすいのは、A のタイプ。このタイプは、サンバーンを起こしやすく皮膚がんにかかる可能性が高いと言われている。また、C のタイプは、サンタンを起こしやすく、シミやシワができやすい。B のタイプはその中間だ。 「赤くならないから肌が丈夫」なのではなく、それなりに老化を早めているので、紫外線に強い人も弱い人もこれからの時期はしっかり対策しよう。 これで完璧!紫外線対策 これからの時期、注意しなければならない紫外線。できることなら、正午をはさんで前後2時間は外出を避けたいものだ。でも、そうはなかなかいかないので、外出するならこんな対策をしよう。 帽子、サングラス、肌をあまり出さない服を着用しよう 紫外線を避けるための常套手段としては、帽子をかぶること。今さら…という気もしないではないが、帽子は直射日光を避けることができるため、顔の肌を守るだけではなく、白内障や熱射病の予防にもつながる。 帽子は、つばが7cm以上のものがよい。約7cmのつばの帽子は、顔が浴びる紫外線の約60%をカットできるという。ただし、100%完全にカットすることは帽子だけでは難しい。 また、サングラスをかければそれだけ目が保護される。特に真夏の外出や冬のスキーなどの時には、UVカットされた安全規格のサングラスを使用しよう。また、肌をあまり出さないような服を着ることももちろん必要。 「SPF」「PA」を知って、日焼け止めを使おう 最近は、日焼け止めも幼児用から男性用、女性用などバラエティー豊富で、しかも種類もたくさんある。どんなものを選んだらいいのか、その目安となるのが「SPF」や「PA」という値だ。紫外線のUVA、UVBは波長が違うため、それぞれをブロックするための成分も違ってくる。 SPFとは? UVBを防御するレベルを表わす指標で「Sun Protection Factor」の略。 SPF=(サンスクリーン剤を使用した皮膚でのMED)/(素肌のMED)で表わされる。 ※MEDとは、個人差はあるが、真夏の快晴の時20~25分間日光を浴び、翌日その部分がほんのり赤く日焼けする程度(最少紅斑量)のこと。 つまり、サンスクリーン剤にSPF20とあれば、塗らなかった部分より日焼けするのに20倍時間がかかるということ。使用する場合は、次のことに注意しよう。 一度にたくさん塗ってもあまり効果はない。こまめに塗りなおすのがベスト。 肌に合わないものもあるので、腕などに塗ってみてかぶれないかどうかを確かめておくこと。 外国産のものは、一般にSPF値が高いが、そのまま日本人に当てはまるワケではなく、白色人種のSPFが60なら、日本人は20くらいだと考えるのがいいとも言われている。 PAとは? UVAを防御するレベルを表わす指標。「Proteciton Grade of UVA」の略。 PA+ :UVA防止効果がある PA++ :UVA防止効果がかなりある PA+++:UVA防止効果が非常にある。これが最高ランク PA値 SPFはほぼ世界共通の指標だが、PAは日本だけの基準と表示である。SPFと併せて表示されることが多いので、サンスクリーン剤や化粧品を選ぶ時の参考にしよう。 公開日:2001年5月14日
太陽の光は人が生命を営むために必要なものです。でも、最近、必ずしも太陽の光が身体にとっていいものばかりとは限らないようになってきました。その理由は紫外線にあります。紫外線がシミ、シワをつくる仕組みはどうなっているのでしょうか。 目次 紫外線とは? 5月は要注意!紫外線が多い時期 紫外線がシミやシワをつくる仕組み 紫外線とは? 紫外線とは、太陽光に含まれる光成分で、人の目には見えないものだ。可視光線(目に見える光線)よりも波長の短いもので、地球に届く太陽光のうちの6%程度に過ぎない。さらに、紫外線は、その波長によって3つに分けられる。 紫外線の種類は? 長波長(UVA) 321~400nmの波長を持つもの。 紫外線のうち、約9割を占める。UVAを浴びた後の日焼けはそれほど皮膚が赤くならず、 あとで黒っぽい色素沈着が起こり、その状態をサンタンと呼ぶ。シミやシワの原因をつくる。 中波長(UVB) 291~320nmの波長を持つもの。UVAの線量の10分の1程度。 UVBは浴びた直後から赤くなり、皮がむけたり水泡ができたりするほどの日焼けになる。 その状態をサンバーンと呼ぶ。また、皮膚がんの原因になる。 短波長(UVC) 290nm以下の波長のもの。 現時点では、オゾン層が破壊されない限り、地表には届いていない。人工的にUVCを 放出させて利用しているのが殺菌灯。 5月は要注意!紫外線が多い時期 実は、紫外線は日がサンサンと照る暑い時期だけではなく、5月のようなさわやかな時期でも多い。 紫外線の特徴 春先の3、4月ごろからだんだん強くなり、5月から8月ごろまで多く、特に5月は多い 夏に強く、冬に弱い 1日のうちもっとも強いのは午前10時から午後2時の間。この時間に外出するなら、しっかりと紫外線対策をしよう。 紫外線から身を守れ!外出時の紫外線対策 紫外線がシミやシワをつくる仕組み 紫外線によって肌は急速に老化する。シミやシワがつくられる仕組みは以下のとおり。 紫外線による「シミ」はこうしてできる 1. 紫外線を浴びる。 2. それに対する防衛反応としてメラニン色素がたくさんつくられ、肌は黒くなる。 3. メラニン色素はふつう28日周期の表皮の角化にともなって抜け落ち、肌色ももとに戻る。 4. しかし、日焼けの程度がひどい場合、表皮が壊れてメラニン色素が真皮に落ち込み、色素沈着を起こしてシミになる。 軽い日焼けでも、人によっては色素沈着を起こすこともある。 紫外線による「シワ」はこうしてできる 1. 紫外線を浴びる。 2. 肌の弾力とハリを司るコラーゲンが断裂・変性する。コラーゲン産生量も低下する。 3. 真皮が萎縮し、深いシワができる。 公開日:2001年5月14日
恵みの多い太陽の光ではあるが、太陽光の中に人に都合の悪い光成分が含まれていることが明らかになってきました。それが「紫外線」です。なぜ人にとって都合の悪いものなのでしょうか。 目次 とかく悪者にされがちな紫外線 なぜ「太陽紫外線」は悪者? とかく悪者にされがちな紫外線 太陽の光がまぶしい季節がやってきた。スポーツ、散歩、昼寝など、日光の下にいるだけで、安心したりすがすがしい気分になって思わず伸びをしたくなったりするもの。もちろん、それだけではなく、人は太陽の光を浴びることでビタミンDの合成を促進し、カルシウムの吸収を助けるため、骨が強くなるのだ。また、太陽の光がなければ作物や草花は育たないし、動物や鳥たちも生きることはできない。 これほど恵みの多い太陽の光ではあるが、太陽光の中に人に都合の悪い光成分が含まれていることが明らかになってきた。それが「太陽紫外線」なのである。 なぜ「太陽紫外線」は悪者? なぜ太陽紫外線は人にとって都合の悪いものなのだろうか。 シミ・シワをつくり、老化を早める! 特に女性が嫌うシミやシワはほとんどが紫外線によるもの。外で働く機会が多い人ほどシミやシワができやすい。また、日本でも北と南では、年間の紫外線量が1.5~2倍ほど違っているので、例えば、鹿児島に住む女性は秋田の女性よりシミで約20歳、シワで約6歳ほど早く発症すると言われているのだ。 表面化させない、濃くしない、シミ対策 過度の日焼けはヤケドと同じ!? こんがり焼けた肌は魅力的。でも、過度の日焼けは、水泡ができたり赤くはれ上がったりする。こうなると日焼けとは言えず、ヤケドになってしまっているのだ。これは、急性日光皮膚炎ともいい、ひりひりと痛くてじっとしていられず、病院に行くことになる。もちろん、水泡や赤くはれた部分は、そのままシミの原因にもなるのだ。 甘く見るとヤケドする!日焼け「基本のき」 皮膚がんのもと! 紫外線は皮膚がんのもとになることが最近の研究で分かってきている。もともとがんとは、遺伝子の異常によって起こるもの。日焼けを繰り返すことで、たびたび遺伝子が傷つき、免疫力が低下すると細胞に突然変異が起こってがん細胞を発生させてしまうのだ。 ひとことで皮膚がんと言っても、そのできる部分によってがんの種類は異なる。皮膚がんのうち、起こりやすいものを順にあげると、有棘細胞がん、基底細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫ともいい、極めて転移しやすい「ほくろのがん」)、表皮内がん、などである。 白内障も引き起こす! 紫外線による障害は、皮膚だけでなく目の水晶体にも害を及ぼすと言われている。特に、白内障の発生頻度がかなり高い。 目の水晶体は、レンズとしてはたらくと同時に紫外線を吸収するフィルターとしても作用するが、長年紫外線を浴びつづけると角結膜炎を起こし、激痛を伴うことになる。そのひとつが雪面反射による雪目だ。また、殺菌灯に直接目をさらす時にも起こるので注意。 目の紫外線対策で、白内障を予防しよう! 公開日:2001年5月14日
目への紫外線、どうやって防ぐ? 肌の紫外線対策といえば「日焼け止め」があるが、目の紫外線対策はどうしたらよいのだろうか。 効果的な対策のひとつが、UVカット加工のサングラスだ。だが、その形状や特性にも気をつけて選ばないと、紫外線を完全に防ぐことはできない。正面からの紫外線は防げても、横から入る分については難しい。目の側面(耳側)から入り込んだ紫外線が、角膜周辺で屈折した後、目の鼻側に集中するという「Coroneo(コロネオ)現象」が起こり、結果として、正面からの紫外線よりも強いダメージを受けてしまう。 そのため、サングラスを選ぶときには、UVカット機能があり、できるだけ顔との隙間がないものを選んだほうがよいだろう。 サングラスだけじゃ防げない!?UVカットコンタクトレンズで、目の紫外線対策 顔との隙間がないサングラスでは、「デザインが気に入らない」ということもあるかもしれない。そこで、注目したいのが、UVカットつきのコンタクトレンズ。UVカットつきのコンタクトレンズは瞳に一番近い紫外線対策といえる。 1年で最も紫外線量の増える夏。外出するときには、つばの広い帽子+UVカットサングラス+UVカットコンタクトレンズの組み合わせで、しっかりと目の紫外線対策をしよう。
紫外線、その正体は!? 7~9月にかけては、気持ちよく晴れた空の下、山や海へと外出することが多くなる季節。しかし、気になるのが紫外線だ。その正体は、可視光線よりも波長の短い光線のこと。そして、紫外線(Ultra Violet Ray 略してUV)は波長の長さによって、さらにUV-A波、UV-B波、UV-C波の3種類にわけられる。 地上に届く紫外線で、特に人体に有害といわれているのがUV-B。近年は、フロンガスによりオゾン層が崩壊していることから、地表に到達するUV-Bの量が増加している。そのため、紫外線による健康への影響が心配されているのだ。 曇りの日だから、安心? 1年のうち、紫外線量が最も増えるのは4月から9月。1日のうちなら、時間は午前11時から午後2時ごろが最も多くなる。もちろん、よく晴れた日ほど、紫外線は多く地表に届くのだが、曇りの日だからといって、紫外線対策をしなくても大丈夫というわけではない。量に変化はあっても、太陽が出ている間は紫外線にさらされているため、常に紫外線対策をする必要がある。 肌だけじゃない、目への悪影響 紫外線対策といえば、日焼けによるシミ、ソバカスなど、紫外線が皮膚に与える影響に意識がいきがちで、意外と目への影響はあまり知られていない。しかし、通常、紫外線の多くは角膜で吸収されるが、波長によっては水晶体や網膜にまで達する。こうして、蓄積されたダメージが、光誘発性角膜炎や、白内障などの眼病をひきおこしたり、目の老化を促進するといわれているのである。 またWHO(世界保健機関)の報告では、白内障の約20%* は紫外線によるものだという。症状が進むと失明することもある病気だけに、紫外線の目への影響を軽くみてはいけないのだ。 * WHO Press Release WHO/60 23 July 2002 紫外線が目に与えるさまざまな影響 光誘発角膜炎 強い紫外線が角膜の上皮細胞に壊死を起こす、いわゆる「雪目」。海水浴でも海面に反射した大量の紫外線を浴びるため、起こりやすい。 翼状片 結膜の一部が異常増殖するもの。 白内障 水晶体がにごる病気。目の老化現象のひとつ。 加齢性黄班変性症 網膜組織の萎縮や血管新生など組織の変性をともなう。
意外に見落としてしまいがちな紫外線対策のポイントをまとめました。あなたの紫外線対策は本当に正しい?ポイントをしっかりつかんで、しっかり対策をしましょう。 目次 ステップ1:スキンタイプによって対策は異なる! ステップ2:栄養を補充し、紫外線に負けない体づくりを! ステップ3:その服、そのサングラス、その帽子で大丈夫? ステップ4:UV-Aはガラス窓を透過する! ステップ5:紫外線を味方につけろ! ステップ1:スキンタイプによって対策は異なる! 人それぞれ、ぴったりな紫外線対策は異なるということをご存知ですか。日本人の皮膚には大きく3つのタイプがあり、親から子へと遺伝します。それぞれの特徴についてくわしく見てみましょう。 ■日焼けの種類 スキンタイプ1 スキンタイプ2 スキンタイプ3 肌の特徴 色白 中間 色黒 日焼けのタイプ 赤くやけるだけで、褐色にはならない 赤くやけたあと、褐色になる ほとんど赤くならず、すぐに褐色になる 日焼け後の痛み 最も起こりやすい やや起こる 起こりにくい 日光角化症の起こりすさ 最も起こりやすい やや起こる 起こりにくい 紫外線のダメージ DNAが傷つきやすい ややDNAが傷つきやすい DNAはほとんど傷つかない スキンタイプ1の人が最も紫外線の感受性が高く、リスクも高いです。色白の人は、帽子や日焼け止めでしっかり紫外線の防御を意識することが大切です。 ステップ2:栄養を補充し、紫外線に負けない体づくりを! 日焼けしてからあわてて対策する前に、栄養をたっぷり摂って紫外線のダメージを受けない体づくりを考えることが大切です。紫外線対策に有効な栄養素をしっかり把握しておきましょう。 紫外線対策に有効な栄養素 ■ビタミン 栄養素 作用 多く含まれる食品 ビタミンC 紫外線によって皮膚に発生する活性酸素を抑え、コラーゲン合成の促進作用もあります。 ブロッコリー、芽キャベツ、赤ピーマン、カリフラワー、イチゴなど ビタミンE 活性酸素の影響で細胞膜が不飽和脂肪酸から過酸化脂質に変わるのを防ぎます。活性酸素を抑えこむと同時に自らも酸化してしまいますが、ビタミンCをいっしょに摂るとすぐに還元されます。 はまち、ひまわり油、うなぎ、アーモンド、かぼちゃなど β-カロテン 体内で代謝されて必要な分だけビタミンAになり、その残りのβ-カロテンが活性酸素を抑えてくれます。また、ビタミンAには発がんを抑制したり、皮膚の免疫機能やバリア機能を維持するはたらきもあります。 モロヘイヤ、しゅんぎく、ほうれん草、明日葉、小松菜、だいこん菜など ビタミンB2 細胞の再生や成長を促進するはたらきがあり、皮膚の新陳代謝を高めてくれます。 豚レバー、牛レバー、鶏レバー、うなぎ、いわし、ぶりなど ■ミネラル 栄養素 作用 多く含まれる食品 亜鉛 細胞の再生に必要な栄養素で、不足すると紫外線に対する皮膚の抵抗力が低下します。 かき、豚レバー、牛レバー、牛もも肉、鶏レバー、うなぎ、鶏ささみなど セレン 紫外線によって酸化した皮膚の細胞膜の分解を促進します。また、ビタミンC、E、β-カロテンなどの抗酸化ビタミンといっしょに摂ると、発がんを抑制するはたらきもあります。 いわしの丸干し、しらす干し、小麦胚芽、玄米、ぬか、麹など ■アミノ酸 栄養素 作用 多く含まれる食品 L-システイン 皮膚において強い抗酸化作用を発揮し、皮膚細胞を守ります。メラニンの生成を抑えたり、できてしまったメラニンを少なくするため、しみを防ぐ効果もあります。 豚レバー、豚ひれ肉、ハチミツ、卵、ねぎなど ステップ3:その服、そのサングラス、その帽子で大丈夫? 紫外線対策には、外出するときの服装を見直すことも大切。降り注ぐ紫外線の下、無防備な格好で出かけていないかチェックしてみよう。 服や帽子の色は黒がいちばん。日傘も黒に 首筋も日にやけやすいので、襟のある服を着たほうがベター 素足は厳禁。ストッキングはUVカット効果のあるものを 肌の露出は少なくし、日が高いときには薄手のカーディガンをかける サングラスは真っ黒で幅の狭いものだと瞳孔が開き、光が目に入りやすくなるので、UVカット効果のある淡い色で幅が広いものを 帽子はつばの広いものを。帽子がなければ日陰を選んで下を向いて歩く ステップ4:UV-Aはガラス窓を透過する! UV-Bは窓ガラスでシャットアウトされますが、UV-Aは窓ガラスも透過するので、建物や車の中にいても油断は禁物です。建物や車の中での紫外線対策は以下のポイントに気をつけましょう。 ベッドやデスクは、日の当たる窓辺から遠ざける 建物や車の窓ガラスにはUVカットフィルムを貼ったり、紫外線防止剤を塗る ベランダから直射日光が入らないように、よしずを利用する 日差しが強い日は、家の中でも日焼け止めを塗る ステップ5:紫外線を味方につけろ! ここまで紫外線のデメリットを中心に紹介してきましたが、メリットも忘れてはなりません。以下のように紫外線を有効利用しているケースもあることをご存知でしょうか? 光線療法 UV-Bを照射するUVB療法と、UV-Aのうちソラレンを照射するPUVA療法がある。紫外線の免疫を抑える作用を利用して、薬物で効果が現れない難治性の皮膚炎などを治療します。ただし、使い方によっては紫外線やけどや色素沈着が起こる場合もあるので、必ず専門医による治療を受けること。 殺菌作用 紫外線には、細胞のDNAを傷つける作用があるため、細菌のDNAを破壊してくれます。下着やまな板、ふきんなどを直射日光に当てて乾かしたほうがよいといわれるのはこのためです。食品や医薬品などさまざまな分野でこの紫外線の殺菌作用を利用し、衛生管理が行われています。日が高いときには、部屋のカーテンを開け、家のなかに紫外線を取り込んで部屋を殺菌するのも大切です。 公開日:2003年5月26日
以前は「健康のために日光浴を」と盛んにいわれてたが、紫外線によるダメージの問題からこの考え方は語られなくなりました。母子健康手帳から「日光浴」の言葉も消え、幼いころからの紫外線対策の重要性も指摘されています。日光浴はどうして不必要なのでしょうか。また、紫外線と薄毛との関係も紹介します。 目次 母子健康手帳から「日光浴」のすすめが消えた 日光浴はしなくてもビタミンDはつくられる 子どものころから日焼け対策をすることが必要 オーストラリアやアメリカで進む日焼け防止対策 直射日光に当たると薄毛に拍車がかかる!? 母子健康手帳から「日光浴」のすすめが消えた 妊産婦の健康や乳幼児の発育に必要な情報が掲載された「母子健康手帳」。1998年に、母子健康手帳から「日光浴」の必要性に関する記述が消えたのをご存知ですか。以前は、赤ちゃんの健康のために日光浴が必要であると考えられていましたが、紫外線の問題のほうが深刻であるため、直射日光に当てるのではなく、外気浴のみで十分であるという考え方に変わってきたのです。 しかし、どうして健康のために日光浴がよいという定説が支持されてきたのでしょうか。18~19世紀に日照の少ない北欧や南アフリカなどの地方でクル病の発生が見られたことから、日光浴などで紫外線を積極的に浴びることがクル病の予防になると考えられてきました。しかし、最近ではこれらの地域のクル病発生率の多さの理由は、日照よりも食糧事情にあったのだとされています。 日光浴はしなくてもビタミンDはつくられる そもそも日光浴をすると骨が丈夫になると考えられてきたのは、紫外線にビタミンDを合成するはたらきがあるためです。クル病も、ビタミンDの欠乏によって骨の発育に必要となるカルシウムが十分に吸収されず、手足や背骨の発育が不十分になって、曲がってしまう病気です。 確かに紫外線には体内でビタミンD3の合成を促す作用がありますが、夏の正午近くの太陽光を手に2~3分浴びるくらいでも1日に必要な量を生成することができるといわれています。また、紫外線に当たらなくても、イワシやカツオなどの青背の魚、干ししいたけ、卵黄などの栄養を積極的にとっていれば十分なのです。 骨の老化を防ぐためにも日光浴が大事であるといわれてきましたが、何十分も直射日光の下で皮膚をさらす必要はなく、十分な栄養をとって適度の運動を行うことのほうがよっぽど重要なのです。 子どものころから日焼け対策をすることが必要 さて、紫外線による障害は年齢を重ねるとともに現れるものです。したがって、紫外線対策はできるだけ幼いうちから始めておいたほうがよいでしょう。特に子どものほうが紫外線に対する感受性が強いため、大人より積極的に行ったほうがよいのです。 赤ちゃんのころは紫外線の影響を受けていないためメラニン色素が少なく、強い日光を浴びるとすぐに火ぶくれや熱をひき起こしてしまいます。また、新陳代謝が活発なため、傷つけられたDNAを含む細胞分裂も盛んに行われ、中高年になってから皮膚がんを発症する確率も高くなるといわれています。 オーストラリアやアメリカで進む日焼け防止対策 日本人よりも皮膚がんの発生率が高いオーストラリアやアメリカでは、積極的に日焼けを予防しようという意識が国民に広まっています。多くのオーストラリアの学校では、後頭部のつばが長く伸びた帽子を使うように指導をし、親は外に出るときには日焼け止めを塗らせるように教育しているといいます。また、「ノーハット・ノープレイ(No Hat No Play)」を徹底し、帽子をかぶっていない子どもが校庭で遊ぶことを禁じているところも多いようです。 一方、アメリカでは1998年から環境保護局を中心に「サン・ワイズ・スクール・プログラム」という計画を全米の小学校で実施する動きが始まり、太陽紫外線の強さを0~10までの段階に分けてその強さに応じた対策をとるよう、メディアなどを通じて推進しています。 直射日光に当たると薄毛に拍車がかかる!? 薄毛は遺伝的要因が強いものですが、直射日光に当たるとよりリスクが高くなるといわれています。薄毛の人にはもともと毛根に含まれる抗酸化物質が不足しがちであり、紫外線の影響で活性酸素が発生すると紫外線防御機能がはたらかなくなり、薄毛を促進してしまうのです。 日光の下で長時間過ごすときには必ず帽子を携帯することを忘れないように心がけるようにしましょう。帽子は頭が蒸れやすいといって嫌う人も多いのですが、通気性がよい帽子をかぶったり、こまめに帽子をかぶりなおすなどの対策をとりましょう。 公開日:2003年5月26日
紫外線はシミ、シワなど美容の観点から語られることが多いのですが、実は体にも深刻なダメージをひきおこすことをご存知ですか?皮膚の炎症や皮膚がんだけでなく、免疫機能や目への影響について紹介します。また、安全なほくろと皮膚がんとの見分け方についても取り上げます。 目次 皮膚への影響1~日焼けには「サンバーン」と「サンタン」がある 皮膚への影響2~紫外線が関係する皮膚がんは3種類! 免疫への影響~ヘルペスも紫外線によってひき起こされる! 目への影響~紫外線を浴び過ぎると白内障のリスクが高まる! 皮膚がんと「ほくろ」はここが違う! 皮膚への影響1~日焼けには「サンバーン」と「サンタン」がある 初夏から真夏はさんさんとふりそそぐ日光の下、半そで、素足でさっそうと出歩きたくなる季節ですが、日焼けには用心しましょう。「日焼け」とひとことで言っても、その種類には大きく2種類あることをご存知でしょうか。皮膚の炎症が起こり、赤くなってヒリヒリ痛むのを「サンバーン」、その後3~4日たって色素沈着し、褐色になってしまうのを「サンタン」といいます。いずれもUV-Bの影響によって起こるものですが、まずはこの2つの特徴を把握しておきましょう。 UV-Bについては:驚異の紫外線、その正体は? ■日焼けの種類 日焼けの種類 サンバーン サンタン 肌の状態 赤くなってヒリヒリ痛む 褐色になるが痛みはほとんどない 発症する時期 強い日差しに当たった後、約半日~2日 サンバーンを発症してから3~4日後。約7日で最も黒くなる。 日焼けのメカニズム 表皮の角化細胞の細胞膜でつくられた活性酸素により、血管を拡張する作用をもつプロスタグランディンEという物質が真皮に作用して血管を拡張し、血流が増えるために炎症が起こる。 サンバーンにより、プロスタグランディンEとともにつくられたサイトカイン、神経ペプチドなどの物質が、表皮の基底層にあるメラノサイト(色素細胞)に到達し、メラニンという褐色の色素をつくる。これが増えると皮膚が褐色になる。 皮膚への影響 皮膚の細胞のDNAが傷つけられるため、皮膚がんの原因になる。 メラニンがたくさんできて表皮の基底細胞を覆うため、皮膚の細胞のDNAをUV-Bの影響から守ってくれる。 サンバーンからサンタンに移行するとメラニン色素がつくられ、UV-Bの影響でDNAが傷つくのを防ぐことができます。つまり、メラニンは肌を守るために大切な役割を果たしています。しかし、一度に大量にUV-Bを浴びるとメラニンの量が多くなるため、シミの原因になってしまいます。強い日差しを浴びるのは皮膚の美しさを保つには大敵というわけです。 今はできなくても。「潜在シミ」のできるメカニズム 皮膚への影響2~紫外線が関係する皮膚がんは3種類! それでは、紫外線によってひき起こされる皮膚がんには、どんな種類があるのでしょうか。大きく分けて以下の3つがあると言われています。 皮膚がんの主な種類 ●基底細胞がん 皮膚がんのなかでは最もポピュラーながんです。最初はほくろと間違えられやすく、年をとるとともに次第に大きくなっていきます。転移することはほとんどありませんが、治療しないでいると筋肉や骨にまで到達することも。 ●有棘細胞がん 基底細胞がんの次に多い。暗紅色のしこりや潰瘍ができます。紫外線量の影響のほか、子供の頃の重度のやけどが原因になることもあります。治療が遅れると転移するので、早めの対策が肝要です。 ●メラノーマ 悪性黒色腫ともいわれ、白人に多く見られます。メラノサイト(色素細胞)ががん化し、黒褐色や紅色のほくろのようなものができます。進行すると転移しやすく、手術では広範囲の皮膚やリンパ節も切除してしまわなくてはならないこともありあmす。 また、紫外線の影響によって起こる皮膚がんのがん前駆症として注目されているものに、「日光角化症」があります。顔や鎖骨の周辺、手の甲などに紅褐色の斑点ができたら要注意です。長い年月の間に紫外線を浴びてきた高齢者に多いのですが、約2割が有棘細胞がんになるといわれているので、早めに皮膚科医に相談するのがベストです。 免疫への影響~ヘルペスも紫外線によってひき起こされる! 紫外線の影響は皮膚ばかりではなく、体内の免疫機能へのダメージも深刻です。紫外線が免疫力に影響してひき起こされる病気に、ウイルス感染性の単純ヘルペスがあり、なかでも口唇ヘルペスが代表的です。口唇ヘルペスは、多くの場合お母さんが赤ちゃんにほおずりをしたりキスをしたときに感染し、体内にウイルスが潜伏します。風邪や睡眠不足、紫外線などによって免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化し、唇にポツポツと現れます。 では、紫外線が免疫機能を低下させるメカニズムはどうなっているのでしょう。皮膚の表皮には、「ランゲルハンス細胞」という手のひらを広げたような細胞があります。この細胞は異物が侵入した情報をキャッチし、リンパ節に移動してその情報をリンパ球に伝え、異物をやっつけてもらう仲介役のような役割をしています。しかし、ランゲルハンス細胞が紫外線によってダメージを受けると、異物の情報をキャッチできなくなるためリンパ球に情報が伝わらず、免疫機能がはたらかなくなります。つまり、体の免疫力を保ち、ウイルスや細菌の感染から身を守るためにも、日焼け対策はしっかり行うことが肝心です。 紫外線が免疫機能を低下させるメカニズム 目への影響~紫外線を浴び過ぎると白内障のリスクが高まる! 紫外線は目にも影響を与えるといわれています。目のレンズの役割をしている水晶体がにごり、視力が低下してしまう白内障です。なかでも最も多いのが加齢によって起こる老人性白内障ですが、このリスクファクターのひとつにあげられるのが、紫外線となります。白内障に影響を与える紫外線は、おもにUV-Bであるといわれてきましたが、最近の研究ではUV-Aも加わるとダメージが大きくなることが明らかになっています。レンズはたんぱく質を主成分として構成されており、血管がないために新陳代謝が起こりません。長い年月をかけてレンズに紫外線が当たるとたんぱく質の変性が進み、弾力性や透明性が低下して白内障がひき起こされるというわけです。 加齢とともに進行する白内障を予防するには、まぶしい日差しの下ではサングラスを着用することが最も大切です。 皮膚がんと「ほくろ」はここが違う! メラノーマなどの皮膚がんは、最初はほくろと見分けがつかないことが多いようです。ほくろはメラニンを多く含んだ色素細胞が増えてできる「色素性母斑」というもので、がんになることはほとんどありません。短期間に以下のような変化があれば、ほくろではなく皮膚がんが進行している可能性があるので、十分に注意しましょう。 ●1~2年で倍以上に大きくなってきた ●表面がでこぼこしたり、形が崩れてきた ●赤や黒、茶色や肌色などが混ざった色をしている ●最初は茶色っぽかったのに、しだいに黒く変色してきた 公開日:2003年5月26日
老化の原因といわれる活性酸素とは?活性酸素の正体や影響、発生源を紹介します。 目次 活発にはたらくよい酸素のこと? 活性酸素は「体内公害」だ! 活性酸素の発生源はこんなにある! 体内には活性酸素を追い出す勇士もいるのだが… 活発にはたらくよい酸素のこと? 私たちは呼吸によって空気中から酸素を取り入れています。酸素は私たちが生きていくために欠かせない大切なものです。 ところがこの酸素、ちょっとしたキッカケで「活性酸素」というものに変身します。そして、この活性酸素こそが、さまざまな老化現象を起こす真犯人ではないかと考えられています。 「活性」という言葉の響きからは、何やら私たちの体のために活発にはたらいてくれる賢い酸素のようなイメージがあるかもしれませんが、その正体はとても攻撃的で毒性の強い曲者ですなのです。 ふつうの酸素と4つの活性酸素 酸素原子2コから成る。両側の不対電子同士がペアをつくって安定。 一番ポピュラーな活性酸素。片側だけが不対電子になり、不安定に。 紫外線によって皮下組織でよく発生するのがコレ。片側の電子がもう一方の軌道に入り、軌道が一つガラ空き状態に。非常に反応性に富む。 酸素原子2コと水素原子2コから成る。不対電子はないがとても不安定。殺菌剤の成分にも使われており、体に侵入した細菌も殺してくれる。 最も反応性に富んだ活性酸素。酸素原子1コと水素原子1コから成る。過酸化水素が金属イオンと反応した時などにできる。 活性酸素は「体内公害」だ! 原子核のまわりの電子が2個でペアになっているのが、いわゆる安定した状態です。そこで、不対電子をもった不安定な活性酸素は、何とかして自分は安定しようと悪さを考え、あたりかまわず近くの分子から電子を奪い取ってきてしまいます。これが「酸化させる」(サビさせる)ということです。 こんな具合に体内の細胞を酸化させ、細胞の正常なはたらきを失わせ、その結果、老化やいろいろな病気を引き起こします。シミやシワなどのほか、がん・動脈硬化・糖尿病・老人性認知症・白内障といった大変な病気の引き金にもなるといわれています。 活性酸素の発生源はこんなにある! 活性酸素は私たちの日常の生体活動の中で発生するほか、紫外線や大気汚染などさまざまな条件のもとでも発生します。活性酸素の発生源として考えられているものには例えば、紫外線、たばこ、激しいスポーツ、医薬品、ストレスなどがあります。 そのほか、排気ガス、加工食品、殺虫剤、レントゲンなども、活性酸素発生の原因になります。 体内には活性酸素を追い出すものもいるが… 身の回りにこんなに活性酸素の発生源があったのでは、まったく遠ざけろというほうが無理です。では、体の酸化はどうすることもできないのでしょうか? それが、人間の体というものは実によくできたもので、「酸化防止システム」もちゃんと備わっています。酵素、たんぱく質、ビタミンなどさまざまな「サビ止め」が待機していて、活性酸素が発生したらたちまちこれを消してしまうという仕組みです。 しかしこのありがたいシステムにも限界はあり、大量の活性酸素が発生した時はカバーしきれません。さらに40歳を過ぎるとシステムもだんだん老朽化し、活性酸素に抵抗できなくなってきます。 老化を防ぐためには、できるだけ活性酸素を発生させないような生活の工夫と、酸化防止システムの強化(サビ止め=抗酸化物質が体内でたくさんつくられるような食生活をする)ことが大切です。
肌の老化を早める要因のうち、「乾燥」「強い刺激」「食生活」について考えます。 目次 あなたの肌、水分を欲しがっている? 偏った食生活も老化を促進する シミやシワは、一度できたら治らないの? あなたの肌、水分を欲しがっている? 紫外線の恐ろしさについては、老化を急ピッチに進める肌の敵「紫外線」で紹介したとおりですが、同様に 乾燥も肌の大敵です。例えば洗顔剤で顔を洗うと、肌がつっぱった感じがするでしょう。これは、洗顔によって皮脂が取られ、角質層の水分を保つ物質(天然保湿因子=NMF、細胞間脂質)も溶け出して、肌の水分が蒸散される状態になるため。このまま放置すると小じわのもとになります。 また、スクラブ洗顔・パック・美顔マッサージのやりすぎ、フェイスブラシの使いすぎなど、強い刺激も肌には迷惑となります。角質層(一番外側にあって皮膚を守っている)を傷め、水分が蒸散してシワができやすくなるうえ、炎症を起こしやすくなりシミや黒ずみの原因にもなります。角質層はセロテープで簡単にはがれてしまうような、デリケートなものなのです。 偏った食生活も老化を促進する 肌の新陳代謝、そして紫外線から体を守ろうとする物質の原料になるのは、各種の栄養素です。バランスの悪い食生活でこうした栄養素が不足すると、紫外線に対する抵抗力が低下し、シミやシワができやすくなります。肌のハリや弾力、みずみずしさも失われてしまいます。糖分や脂肪(特にリノール酸)の摂りすぎも問題です。 シミやシワは、一度できたら治らないの? シミができたら? シミができて慌てて美白化粧品を使い始める人も多いことでしょう。美白化粧品などには確かにシミに効く有効成分が入っています。ただし、シミの種類によって効くもの効かないものがありますし、そもそも化粧品というのは「治す」ものではありません。過度の期待はせず、「少しでも予防・改善できれば」ぐらいに考えたほうがいいようです。 エステも肌を活性化させるにはいいでしょう。結果的にシミが目立たなくなることもあるようです。ただしこれも、根本的に治すという「治療」ではありません。 きちんと治したいなら、皮膚科、美容整形外科などに相談してみるとよいでしょう。飲み薬(ビタミンC・E剤や抗プラスミン剤など)や塗り薬(ビタミンA誘導体など)、レーザー治療など、方法はいろいろあります(飲み薬や塗り薬は限界があります)。 シワができたら? 小ジワ(浅いシワ)ならスキンケアで元に戻すことは可能です。コラーゲンやフルーツ酸入りの美容液・化粧水で試してみるといいでしょう。皮膚科では塗り薬を処方してもらえます。 一方、深いシワとなるとスキンケアやエステでは無理です。どうしても治したい場合は、レーザー治療やシワ取り美容手術に頼ることになります。 いずれにせよ、まずは予防、できてしまったら早めに手を打つことが大切だ。
肌の老化を早める要因のひとつ「紫外線」について知っておきましょう。紫外線は、波長の違いによって、UVA、UVB、UVCの3つに分けられます。 目次 紫外線はほんとうに怖い! 紫外線によるシミはこうしてできる 紫外線によるシワはこうしてできる 紫外線はほんとうに怖い! 肌の大敵NO.1は、紫外線です。シミやシワの80%が紫外線によるものともいわれます。 農業や漁業にたずさわってきたお年寄りの首筋には深いシワがよく見られますが、これは長年にわたって紫外線を浴び続けてきたことによるものです。またシミやシワで皮膚科を訪れる人には、若い頃にスポーツなどで真っ黒に日焼けしていた人や、肌の保護に無頓着だった人が多いといいます。今は大丈夫でも、数年後に必ずしわ寄せがくるということです。 紫外線は、波長の違いによって、UVA、UVB、UVCの3つに分けられます。 UVA 生物に与える影響はUVBの100分の1~1000分の1だが、表皮を通り越して真皮にまで達し、シワをつくります。 窓ガラスを透過するので、室内にいても浴びます(量は1/2に減少)。 曇りの日でも、量は変わりません。 UVB 角化細胞に損傷を与え、急激な日焼け(炎症)や皮膚がんの主な原因となります。 窓ガラスにほとんど吸収されるので、室内には入ってきません。 曇りの日は、量が1/3程度に減ります。 UVC オゾン層で吸収されるので、地上にはほとんど届きません。 日本では、紫外線は3月頃から強さを増し、5月から8月にかけてもっとも強くなります。1日のうちでは正午頃がピークです。 夏はしっかり紫外線対策をするという人でも、秋冬は怠りがちですが、冬の紫外線の量だってあなどれません。特にスキー場は危険地帯です。 最近、老化や成人病の大きな原因として「活性酸素」が注目されていますが、紫外線は体内にこの活性酸素を発生させるもとになります。 紫外線によるシミはこうしてできる 1. 紫外線を浴びます。 2. それに対する防衛反応としてメラニン色素がたくさんつくられ、肌は黒くなります。 3. メラニン色素はふつう28日周期の表皮の角化にともなって抜け落ち、肌色も元に戻ります。 4. しかし、日焼けの程度がひどい場合、表皮が壊れてメラニン色素が真皮に落ち込み、色素沈着を起こしてシミになります。軽い日焼けでも、人によっては色素沈着を起こすこともあります。 紫外線によるシワはこうしてできる 1. 紫外線を浴びます。 2. 肌の弾力とハリを司るコラーゲンが断裂・変性します。コラーゲン産生量も低下します。 3. 真皮が萎縮し、深いシワができます。
初めて社会人として夏を迎えた新入社員。 学生時代のように長い夏休みがなくなって、夏の過ごし方にもだいぶ変化があったよう。 いったい初の社会人の夏、楽しかったのか、つらかったのか? T社勤務のKさん 大学卒業後、大手メーカーに就職。営業部に配置され、お得意先まわりの毎日。売り上げのノルマを課せられているが、不況のためなかなか結果が得られず悪戦苦闘。 湿度ばかり高い日が続き、慣れないスーツの意外な暑さにも辟易(へきえき)したが、それでも仕事をなんとかこなせていけたのは、週末に行くサーフィンのおかげだった。 海に行って体を動かせば、仕事のストレスも発散できた。 ところがそんな夏のある日、あるお得意さんから「君、不景気だ、不景気だ、仕事くれって言っているわりには楽しそうだね。本当は君のとこの会社、景気いいんじゃないの?」と嫌みを一言。 「結局、その人がおもしろくなかったのは、僕が日に焼けてるってことだったんです。チャラチャラ遊んでばっかりいるやつに仕事はやれないってわけですよ」 それ以来、Kさんは必ず日焼け止めを塗るようになったとか。 「別に僕は、仕事をさぼってサーフィンをしてるわけじゃない。プライベートの時間と仕事の時間はきっちりわけてるつもりです。正直いって、日焼けのことを言われた時には、余計なお世話だ!と思いました。でも、まだまだ実績のない新人ですからね。だまっているしかなかった。でも、いつかみてろよ!と思ってますよ」 外食店で接客係を担当のEさん Eさんは、都内の外食店で接客係を担当。 バイトで外食店の接客を経験したこともあり、仕事にはすぐ慣れることができた。 性格的にも人に接することが好きなEさんは、特に不安や不満を感じることもなく、社会人として快調なスタートをきった。 ところが、お盆休みを直前にして、バイトと社会人の大きな違いを実感するような出来事が発生した。 「毎年、夏は友達とキャンプに行くのが恒例だったんですが、今年はみんな就職したので、お盆休みに行こうということになったんです。私の会社は一般企業と違って、8月中であれば、都合の良い時に数日間夏休みをとっていいということになっていましたから、キャンプの日程に合わせてお盆に休みを申請したんです」 ところが、Eさんの申請は却下。 「その時期は、家庭を持った人を優先に休ませるというのが却下の理由。バイトの時はそんなこと関係なく自分の希望通りに休ませてもらっていました」 実際、Eさんが働く店でもバイトの休みは本人の希望が受け入れられているとか。 「つくづく組織の一員になったんだなぁと実感しました。会社に食べさせてもらっているということなんですね」
ヘアケアの基本はシャンプー! 太陽にさらされて、お疲れ気味の夏の髪。 そこで、夏の終わりに是非見直したいのが正しいシャンプー。 シャンプーはヘアケアの基本中の基本なのだ。 また髪の傷みが激しいときには、髪の表面をコートするリンスより、内部に浸透して栄養分を補給するトリートメントが効果的。 最初はシャンプーの度ごとに、改善されてきたら週に2~3回使い、ほかの日はリンスを。 男性も、髪を大事にしたければ、リンスやトリートメントは必要だ。 シャンプーの後、髪が濡れたままで寝てしまうと、傷みやイヤなニオイの原因になるので、8割くらい自然乾燥して、あとはドライヤーで一気に乾かしておこう。 正しいシャンプー&トリートメント 1. シャワーのお湯で髪全体をよくすすいで汚れを落とす。この前段階が意外に大切。 2. シャンプーは直接頭につけず、手のひらでよく泡立ててから髪にのせる。 3. 爪を立てて洗うのはタブー。指の腹を使い、マッサージするように全体を洗う。 4. 頭頂部から生え際に向かって、ジグザグに指を動かして洗う。 5. シャンプーのすすぎ残しは髪や頭皮を傷める原因に。念入りにすすぐこと。 6. 水気を切った髪全体にトリートメントをのばす。特に毛先にはたっぷりと。 7. トリートメントの浸透を高めるために、熱いタオルで頭をきちんと包み、3~4分。 8. すすいでも栄養分は逃げないので、きちんと洗い流しておこう。 9. タオルで髪をたたいて水気を取り、自然乾燥。ドライヤー。これでOK!
この数年、紫外線が有害視され日焼けは御法度ということになってきている。 しかしせっかくの夏、お日様に当たらず、真っ白の肌というのもつまらない。 「男らしくない!?」と思う向きも多いのではないだろうか。 またゴルフやテニスなどのスポーツや子供のプールのお付き合いなど、望まないのに日焼けしてしまう人がいるのも現実だ。 そこで、日焼け後のケアの仕方を紹介。 日焼けは軽い火傷と同じ 人の肌は紫外線に当たることによって、細胞を傷つけられる。 このため日焼けをすると赤くなったり、ひりひりしたり、ひどい場合には水泡ができたりする。 これは火傷と同じ症状。 日焼けしたらまず濡れタオルや冷水シャワーで火照りを鎮めることが大切だ。 日焼け後のケア商品をいきなり塗りたくる人がいるが、それより水で冷やす方が効果的。 ケア商品を使用するのはそれからでも十分なのだ。 ある程度ほてりが収まったら、かゆみや痛みの炎症を鎮める処置を。 非ステロイド性の代表的な鎮痛消炎分、ブフェキサマクが配合された軟膏を塗ればかゆみや痛みには有効だ。 また薬に頼らなくても、アロエやハーブの一種、ティートリやラベンダーを使用しても良い。 アロエはそのまま汁を塗ってかまわないし、ティートリやラベンダーは市販のエッセンスオイルを水で薄めて塗るだけで手間がかからない。 これらには炎症を抑えるはたらきがあり、特にアロエは一般のサンケア商品にも配合されていることも多い。 乾燥を防いできれいな日焼け肌 ここまでしたからと、安心してはいけない。 ここまでのケアはいわば傷の手当。 むしろきれいな日焼け肌になるためには、ここから先のケアが大切なのだ。 痛みやかゆみ、ほてりがひいたからといって、皮がボロボロむけてしまってはただの汚らしい人。 好感度の高い、カッコイイ男を演出するなら断じて皮などむけてはいけないのだ。 では、どうすればきれいに焼けた肌をキープすることができるのか? それは水分を補給すること。 日焼け後の肌は先ほども述べたように細胞が傷つき、水分をキープする能力が失われている。 従って、水分がどんどん体の表面から逃げてしまい、肌がカサカサになって皮がむけてしまうのだ。 だから水分を肌に与えることが大切だ。 風呂上がりに専用のサンケア商品をたっぷり塗るのが効果的。 ただし、日焼けを通り越し、水ぶくれになってしまった重度の日焼けには、このようなケアでは対応しきれない。 その場合は皮膚科で専門的な処置をしてもらうことが必要だ。
夏と言えば、夏休み。 どれだけ黒く日焼けするかを競った日々は今は昔。 紫外線の恐怖からなのか、白い肌の美しさに日本人が目覚めたからなのか…。 「日焼けなんてとんでもない」という風潮に反してやっぱり日焼けしたいあなた、さあ、どうする? それでもやっぱり日焼けする人たち 日本では美白がもてはやされているけど…、例えばイタリア。 ミラノ在住者に聞くと、「イタリア人は夏と言えば日焼け」なのだと言う。 もちろん紫外線がどうしたこうした、皮膚ガンがどうのこうの、そういった話も巷にない訳ではない。 でもやはり日焼けは「バカンスの象徴」であり、バカンスは「お金持ちのステータスシンボル」と決まっているらしい。 日本人がこれを聞くと、お金持ちのマダムたちが日焼けしても、アフターケアにエステティックサロン三昧できるから、シミのことなんて心配しないで思いっきり焼けると考える。 でも実際ミラノではそんなマダムはほとんどいない。 だいたい彼女たちは肌にできたものはシミではなくソバカスと思っているので、「できたからどうだっていうの?」という感じ。 「彼女たちは10年後の病気より、あさっての日に焼けてかっこいい自分を選ぶに違いない」というのが在ミラノ日本人の感想。 一方日射時間の少ない北欧となると、強烈に「日差しが恋しい!」という感覚になるらしい。 だから暖かくなり、日光が顔を出せば「少しでも太陽の恩恵に預かりたい」と、屋外に飛び出して行く。 冬に出張でノルウェーに行ったF社のMさんによれば「ずっと暗くて、気分は憂鬱になるし、太陽に会いたくなった」そうだ。 確かに梅雨の間、ほんの1週間でも雨模様だと太陽が恋しくなるもの…。 やっぱり人は太陽が恋しくなるように生まれついているのかも知れない! 日焼けの諸注意事項 紫外線は皮膚を赤く炎症させ、細胞を傷つけ老化を早めるらしい。 でもやっぱり思いきり太陽を感じたい、ミラネーゼ風になりたいのなら、多少肌をいたわりつつ肌を日に当ててはどうだろう? 日焼け用でも、日焼け止めでもクリームやオイルを必ず体に塗る。 特に沖縄やバリ、プーケットなどでは日焼け止めを塗っても焼けるほど日差しが強烈だ。 何も塗らずにプールサイドで寝ころんだら、アッと言う間に肌は火傷状態。それに水分が失われ、カサカサ肌になるのでそれだけは気をつけよう! 日焼けする時間は11時から2時の最も日差しの強い時間は避ける。 特にまだあまり日に当たっていない真っ白な肌をいきなりこの時間の太陽にさらせば、イッパツで肌がヒリヒリ痛むヤケド状態に。 日焼けのことばかりでなく、特に海系のバカンスでは暑さや太陽に徐々に体を慣らすためにも、初日からとばさないこと。 はじめは朝や夕方の暑くない時間に外に出て体を慣らす余裕を持てば、日焼けも穏やかに進み見栄えも良くなるし、疲れもかなり違うだろう。
サラリーマンにはなじみが薄いと思われがちなサングラス。お気に入りの一点を探すコツとは何なのだろうか。 服を替えるようにメガネもチェンジ サッカーの中田英寿選手は、薄いカラーレンズが私服姿のトレードマーク。 以前はメガネというとマイナスイメージが強く、サングラスも「夏の日差しを避けるため」という実用面ばかりが注目されていたが、最近ではファッションのひとつとして定着した様子である。 髪型や洋服を選ぶように、サングラスもおしゃれの小道具として考える…、そんな時代になっている。 サングラスの本来の目的である「紫外線カット」の効果は、家庭用品品質表示法で定めた基準をクリアしないと表示できないことになっている。 基準に満たないものは「ファッション用グラス」と表記されて分けられる。 色付きレンズはまぶしさは軽減するが、紫外線をカットする機能はないので注意したい。 「今年はひとつサングラスを買おう」と思っている人は、まず使用目的をはっきりさせることがサングラス選びの第一歩と言えるだろう。 目的によって使い分けるのが上級者 屋外で長時間使うなら、紫外線カット効果をなにより重視。 ドライブ用ならば、紫外線カット+信号の色がはっきり見えるものを選ぶことが大切。 黄色や青のレンズよりオーソドックスな黒がおすすめだ。 ファッション性を重視するなら、紫外線カット効果はなくても、薄い赤や青、黄色などのカラーレンズが入ったタイプがおすすめ。 形は大型の物より小ぶりのセルフレームが人気だが、自分の顔型や雰囲気に合わせることが肝心。 スクエアタイプ、メタル、コンビなどさまざまな色とデザインが揃う。 また大事なのが、フィッティング。メガネを鼻や目の形、位置にあわせて調整することで、かけ心地に大きな差が出る。 ズリ落ちてくる、鼻に当たって痛いなどのトラブルを招かないように、買うときには必ず店でフィッティングし、自分に合った調整をしてもらおう。 おしゃれの小道具、サングラス。 自分に似合う一品を手に入れて、この夏はいつもと違うおしゃれを楽しんでみてはどうだろうか?
コラーゲンに欠かせないビタミン 健康面だけでなく、美容の面でもさまざまなはたらきをしているのがビタミンCです。人体のたんぱく質の3分の1を占めるコラーゲンを作るのに欠かせないビタミンです。コラーゲンは、骨の強化や、細胞と細胞をつなぎ合わせるはたらきをしています。 また、シミやソバカスの原因になるメラニン色素の生成を抑える作用や、紫外線に対する皮膚の抵抗力を強めて日焼けを防ぎ、血色や肌のつやをよくする作用も持っています。 欠乏症は身体各部からの出血 欠乏の兆候として、歯ぐきからの出血、あざができやすくなる、肌荒れがひどく小ジワが増える、頭痛や肩こり、筋肉痛を起こしやすくなる、などがあげられます。さらに重いビタミンC欠乏症になると壊血症が発生します。 この病気は全身けん怠、疲労感、関節痛、身体各部からの出血をもたらします。ストレスや喫煙がビタミンC不足の原因になるので、注意が必要です。
カルシウムの吸収を促進 ビタミンDは、日光に当たって紫外線を浴びることによって皮膚内で合成される唯一のビタミンです。食品からも吸収されます。 ビタミンDはそのままでは生理作用はほとんどなく、腎臓と肝臓で酵素の作用を受けて活性型ビタミンDになることによって、体に有効なはたらきをします。 活性型ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、血中のリンを骨に沈着させるはたらきを持っています。 従って、不足すると血液中のカルシウムとリンの均衡が崩れて、骨の中のカルシウムが溶け、骨がもろくなり、くる病や骨そしょう症をもたらします。 妊婦や成長盛りの子供、更年期以降の女性には欠かせないビタミンです。 運動不足や、日光の当たらない生活をしていると不足してきます。妊娠も不足の誘因となります。 不足すると歯や骨が弱くなる 不足すると、体がだるく疲れやすくなる、肩こりや腰痛が起こりやすくなる、うつ的な状態が続く、歯や骨が弱くなるなどの兆候が表れます。 ビタミンD欠乏症のくる病は、小児に多発します。重症のくる病では、骨だけでなく、筋肉組織、結合組織、じん帯系まで侵されます。