目のトラブルは、浴びる紫外線の量に関係します。目を守るためにも、毎日の外出では、自分の顔にフィットするサングラスを着用しましょう。
夏に近付くと紫外線量が劇的に増え、人体に有害な悪影響が引き起こされます。
そのひとつとしてよく知られるのが、サンバーン、しみ・しわ、皮膚ガンなどの皮膚のトラブルです。しかし、それだけではありません。実は紫外線は「目」に対しても、さまざまなトラブルを引き起こすことがわかっています。
目のトラブルは、浴びる紫外線の量に関係するということが、近年のアイスランド人に対する研究から注目されています。高緯度地域であるアイスランドは、太陽の高度が低く、日光が目の高さから射し込んできます。しかし、直接目に光を浴びているにもかかわらず、目の病気になる人は少ないとのこと。その理由のひとつとして、アイスランド人はサングラスを常用する習慣があり、目が紫外線から常に守られているためではないかと考えられています。
紫外線が引き起こす目の急性のトラブルとして多いのが、いわゆる「雪目」と言われる「雪眼炎」です。雪山などで目を防護せずに超時間過ごすと、一時的に角膜の炎症が引き起こされ、後になって目を開けられないほどの痛みを感じることがあります。これが雪目の症状です。
一方で、慢性のトラブルもあります。それが、「翼状片」と「皮質白内障」です。翼状片とは、白目の結膜の一部が黒目に三角形状に被さり、目の充血や異物感を感じる病気です。また、皮質白内障とは、目の水晶体がにごって視力が低下してしまう病気です。紫外線のB波(UVB)はタンパク質を破壊します。そのため、紫外線が目に入ると水晶体の線維が破壊されてしまい、皮質白内障の原因となってしまいます。
こうしたトラブルを防ぐためにも、紫外線量の多い夏には、サングラスで目を保護することが大事です。
ポイントのひとつは、色選びにあります。通常、サングラスと言うと、目が透けて見えないほど真っ黒なレンズを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、これが紫外線を防ぐ意味では逆効果となります。色の濃いレンズで光線の透過率を低下させると目の瞳孔が広がり、隙間から多くの紫外線を受け止めてしまう危険性があるからです。
もうひとつのポイントは、サングラスの形状です。面積の狭すぎるレンズ、またレンズと顔の間の隙間が空きすぎる形状は、光の防御効果が低く、紫外線が目に侵入しやすくなります。したがって、目の全体が覆われるよう幅の広いもの、顔の形にフィットするサングラスを選びましょう。
さらに身を守るためには、まず外出前に紫外線の量を確認し、次のようなポイントもチェックしたいところです。毎日の習慣にできるよう、ぜひ覚えておくといいでしょう。
参考:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
沖縄・金沢・アイスランドにおける太陽高度と「眼に入る紫外線量調査」結果から