疾患・特集

夏の瞳にダメージ!紫外線にご注意を

紫外線、その正体は!?

7~9月にかけては、気持ちよく晴れた空の下、山や海へと外出することが多くなる季節。しかし、気になるのが紫外線だ。その正体は、可視光線よりも波長の短い光線のこと。そして、紫外線(Ultra Violet Ray 略してUV)は波長の長さによって、さらにUV-A波、UV-B波、UV-C波の3種類にわけられる。
地上に届く紫外線で、特に人体に有害といわれているのがUV-B。近年は、フロンガスによりオゾン層が崩壊していることから、地表に到達するUV-Bの量が増加している。そのため、紫外線による健康への影響が心配されているのだ。

曇りの日だから、安心?

1年のうち、紫外線量が最も増えるのは4月から9月。1日のうちなら、時間は午前11時から午後2時ごろが最も多くなる。もちろん、よく晴れた日ほど、紫外線は多く地表に届くのだが、曇りの日だからといって、紫外線対策をしなくても大丈夫というわけではない。量に変化はあっても、太陽が出ている間は紫外線にさらされているため、常に紫外線対策をする必要がある。

肌だけじゃない、目への悪影響

紫外線対策といえば、日焼けによるシミ、ソバカスなど、紫外線が皮膚に与える影響に意識がいきがちで、意外と目への影響はあまり知られていない。しかし、通常、紫外線の多くは角膜で吸収されるが、波長によっては水晶体や網膜にまで達する。こうして、蓄積されたダメージが、光誘発性角膜炎や、白内障などの眼病をひきおこしたり、目の老化を促進するといわれているのである。
またWHO(世界保健機関)の報告では、白内障の約20%* は紫外線によるものだという。症状が進むと失明することもある病気だけに、紫外線の目への影響を軽くみてはいけないのだ。
* WHO Press Release WHO/60 23 July 2002

紫外線が目に与えるさまざまな影響

紫外線が目に与えるさまざまな影響

光誘発角膜炎 強い紫外線が角膜の上皮細胞に壊死を起こす、いわゆる「雪目」。海水浴でも海面に反射した大量の紫外線を浴びるため、起こりやすい。
翼状片 結膜の一部が異常増殖するもの。
白内障 水晶体がにごる病気。目の老化現象のひとつ。
加齢性黄班変性症 網膜組織の萎縮や血管新生など組織の変性をともなう。