中性脂肪を減らす方法としては食事が最も重要ですが、食事以外にも、中性脂肪を減らす方法があります。それは習慣的に運動をおこなうことです。ジョギングや水泳などのような有酸素運動で脂肪燃焼酵素が活性化し、中性脂肪の燃焼を促進します。 目次 中性脂肪を減らすには? 有酸素運動で中性脂肪を燃やせ! 中性脂肪に効く!ウォーキング・ルール 中性脂肪を減らすには? 食事以外にも、中性脂肪を減らす方法はあります。習慣的に運動をおこなうことです。中性脂肪を貯めこんでいる人には、運動習慣のない人が多いのだそうです。 中性脂肪を減らすには、前述したような脂肪の消化・吸収をうながすリパーゼのほかに、すでに貯まってしまった脂肪を燃やす、脂肪燃焼酵素があります。この脂肪燃焼酵素は、筋肉を使わないでいると減ってしまうため、運動をすると良いというわけです。 習慣的な運動は脂肪燃焼酵素を活性化させ、中性脂肪を減らすことができるといえます。 有酸素運動で中性脂肪を燃やせ! では、脂肪燃焼酵素を増やすためには、どんな運動をすればよいのでしょうか?おすすめは有酸素運動です。酸素を体内にとり入れながら長時間続けられるスポーツです。例えば、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどがあります。なぜ有酸素運動がよいかといえば、酸素が血液中に多く取り込まれれば、より多くの脂肪と結合し燃焼させることが可能だからです。なかでも、おすすめはウォーキング。誰でも気軽にはじめることができ、毎日の習慣にするにはぴったりです。中性脂肪が気になる人はすぐにでも始めましょう! 中性脂肪に効く!ウォーキング・ルール ●1日30分前後歩こう 何時間も歩く必要はなく、軽い疲労感を覚えるくらいでOK。毎日、おこなうのが理想です。ただし、食前・食後、早朝や体調がすぐれないときの運動は避けましょう。 ●息がはずむ程度の速度で ふだんの歩行よりほんの少しピッチを上げましょう。おしゃべりすると息切れする程度がベスト! ●大股で歩こう やや大股で歩きましょう。姿勢は背筋を伸ばしてあごを引き、腕を大きく振るとよいです。 ●できれば歩数計を持とう 目的があれば、ウォーキングがもっと楽しくなります。1日1万歩以上をめざしてレッツゴー!
貯めすぎた中性脂肪を放置すると、さまざまな病気に発展しかねません。早い段階で減らす努力が必要です。そのためにはまず、食事内容を見直すのが一番!中性脂肪を減らすために控えた方がいい食べ物は?食べた方がいい食べ物は? 目次 大きい中性脂肪を狙え! 食事内容を工夫すれば中性脂肪の減少に効果倍増 中性脂肪を減らすために控えた方がよい食材 中性脂肪を減らすため食べた方がよい食材 中性脂肪にはたらく「グロビンタンパク分解物」 大きい中性脂肪を狙え! 貯めすぎた中性脂肪を放置すると、さまざまな病気に発展しかねません。早い段階で減らす努力が必要です。そのためにはまず、食事内容を見直すのが一番!というのも、中性脂肪には、粒子の大きなものと小さなものの2種類があり、大きい方は食事で変化するからです。 つまり、食事の内容次第で大きい中性脂肪を減らすことができる、ということになります。 粒子の大きい中性脂肪 粒子の小さい中性脂肪 食事由来のものが血液中を流れている 肝臓で作られたもの 食事内容を工夫すれば中性脂肪の減少に効果倍増 食事で中性脂肪を減らすといっても、やみくもに食べる量を減らせばよいというわけではありません。きちんと食べるべきもの、ある程度減らしたほうがよいものを把握し、食生活を改善することが大切です。 中性脂肪を減らすために控えた方がよい食材 ●砂糖 お菓子砂糖の主成分、ショ糖は中性脂肪の材料になります。お菓子はもちろん、甘いジュースなどはなるべく控えるようにしたいもの。 ●果物 果物に含まれる果糖が中性脂肪増加の原因です。ただし、ビタミンCやミネラル・食物繊維が豊富なので適量は摂るようにしましょう。 ●アルコール アルコール自体は中性脂肪に変わるわけではありませんが、お酒をよく飲む人は高脂血症になりやすいようです。これは、アルコールが分解される際、脂肪の合成を進める酵素を発生させてしまうからです。また、肝臓に負担をかけると、小さい中性脂肪が増加してしまいます。その結果、大きい中性脂肪の分解も阻害され、中性脂肪値をさらに上げてしまうのです。 中性脂肪を減らすため食べた方がよい食材 ●魚介類 イワシやサバ、サンマなど背の青い魚に含まれる、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、肝臓での中性脂肪の合成を抑え、血中の中性脂肪を減らします。とくに眼の部分に多く含まれているので、尾頭つきで食べるとよいでしょう。 ●リンゴ 果物は中性脂肪を増やすとされますが、リンゴは例外!農業技術研究機構果樹研究所の調査により、血液中の中性脂肪を減らす効果が明らかに。「1日1個のリンゴで医者要らず」は真実です。 中性脂肪にはたらく「グロビンタンパク分解物」 中性脂肪に悩む人に適した成分があります。それは、グロビンタンパク分解物(GD)。オリゴペプチドの混合物で、動物性タンパクを酵素分解して得ることができます。ちなみに、オリゴペプチドとはタンパク質の構成成分であるアミノ酸が2~9個つながったものです。グロビンタンパク分解物の効果は次の3つ。 (1)「脂肪」の吸収を抑える (2)「脂肪」の代謝を高める (3)「脂肪」を貯まりにくくする とくに中性脂肪の吸収を抑えて分解を促す作用に注目が集まっています。食後の中性脂肪やレムナント様リポ蛋白の増加・持続を抑えたりすることから、特定保健用食品などに活用されるようになりました。脂肪分の多い食事が気になる人は、積極的にこうした食品を摂るとよいでしょう。
体についたぶよぶよ贅肉は、誰もが気になるもの。こうしたぜい肉の大部分は「中性脂肪」と呼ばれる脂肪で、別名トリグリセリド。脂肪組織を総称する「体脂肪」のもとです。ぜい肉の原因である中性脂肪がどのように作られ、溜まってしまうのか解説します。 目次 贅肉の正体は中性脂肪だった! 中性脂肪の脅威が日本に上陸!? 隠れ中性脂肪にご注意! 中性脂肪を測ってみよう 贅肉の正体は中性脂肪だった! 体についたぶよぶよ贅肉は、誰もが気になるものです。こうした贅肉の大部分は「中性脂肪」と呼ばれる脂肪です。別名、トリグリセリドといいます。脂肪組織を総称する「体脂肪」のもとで、3つの脂肪酸とグリセロールという物質が結びついてできています。 中性脂肪の産生には、2つのルートがあります。ひとつは脂肪分から作られるルート。もうひとつは炭水化物から作られるルートです。 脂肪分がリパーゼによって小腸で消化(分解)・吸収され、中性脂肪として体の中に 炭水化物(糖質)がエネルギーとして消費され、残ったものが肝臓で中性脂肪に変換されて体の中に 何かと目の仇にされる中性脂肪ですが、じつは人間が生きていくのになくてはならない役目を果たしています。 まず、「エネルギー貯蔵庫」としての役割があります。体を動かすエネルギー源として、通常、血液中に含まれる糖分が使われていますが、この糖分が枯渇したときは、中性脂肪がそのかわりとなります。次に、「断熱材」としての役目があります。寒い冬なども外気から体を守り、体温を一定に保つには不可欠の存在です。さらに、衝撃を受けたときには「クッション材」としてもはたらきます。骨や内臓など、体のさまざまな組織を守るには、皮膚だけでは十分ではないのです。 ただし、必要以上に貯めこむのは大問題!肥満症になるばかりではありません。いったん、中性脂肪値が跳ね上がると、今度はなかなか分解できなくなってしまいます。エネルギーに変換されない中性脂肪は、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やしてしまいます。その結果、血管にコレステロールが付着したり、血液がどろどろになったりして高脂血症に発展。このほか動脈硬化や虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、肥満症による糖尿病などを発症することもあります。研究では、食後の中性脂肪の増加・持続が、循環器系疾患に最も影響する因子であることがわかっています。 中性脂肪の脅威が日本に上陸!? ところが、食生活が欧米型となりつつある日本では、脂肪摂取量がぐんと増えています。1日に必要な脂肪摂取量は約50gですが、最近ではなんと約40%の人が80g以上の脂肪を摂取しています。また、食事のエネルギーに占める脂肪エネルギー比率も増えており、適正比率である25%を超えています。平成12年国民栄養調査「中性脂肪値の分布」では、40歳以上の平均値は男女ともに、「高脂血症一歩手前」となっていることが明らかになりました。とくに男性の危険度は高いようです。 隠れ中性脂肪にご注意! 「私はそんなに太っていないから大丈夫」と安心するのはまだ早いようです。それは、体重が少ないからといって、中性脂肪が低いとは限らないから。中性脂肪が貯め込まれるのは「脂肪細胞」という細胞で、成人で250億~300億個あり、その大きさを3~4倍にまで膨張させることができます。脂肪細胞が膨張すると中に蓄積された中性脂肪も増えるため、危険度が高くなります。 また脂肪細胞は妊娠末期の胎児期、乳児期、思春期と3つの時期に増えることがわかっており、基本的に減りません。したがって、これらの時期に太っていた人は、中性脂肪を貯め込みやすい体質といえます。 また、脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類がありますが、中性脂肪を蓄えるのは白色脂肪細胞のほうです。白色脂肪細胞は、皮下脂肪だけでなく肝臓や内臓にもあります。つまり、見た目が太っていなくても肝臓や内臓に脂肪がついていれば、生活習慣病を引き起こす可能性が高いのです。 中性脂肪を測ってみよう 血液中の中性脂肪の値は、病院や健康診断、人間ドックなどで血液検査をすればすぐわかります。次の注意事項を守って血液検査をしてみましょう。 ●検査前日の夜8時以降には食事はしない ●検査前日の食事で、脂っこいものをたくさん食べたり、お酒を多量に飲んだりしない ●検査当日は、朝食を摂らない
高脂血症は日頃の生活習慣を見直していくことで、予防・改善できるのだ。まずは何かひとつ、変えてみては? 目次 脂質異常を予防する食事は? 脂質異常症のタイプ別食事療法のポイント 脂質異常症の運動のポイント 薬に頼ってもいい? 生活習慣を見直そう 脂質異常を予防する食事は? 積極的に摂りたいもの 穀類(米や麦など) 食物繊維(海藻類、豆腐や納豆などの大豆加工品、キノコなど) 緑黄色野菜(にんじん、ピーマン、ブロッコリー、トマトなど) 魚の脂 EPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)はコレステロール値を下げ、中性脂肪を減少させる ジアシルグリセロール(植物油に含まれる成分。普通の食用油に比べて体に脂肪がつきにくい) 調理法もひと工夫 ゆでる、蒸す、焼くといった方法で、なるべく油を使わない 味付けを薄めにして塩分を摂りすぎないようにする 脂質異常症のタイプ別食事療法のポイント ●トリグリセライド値が高い時…糖質を制限する 砂糖類、菓子類、果物類などやアルコールは制限する ●コレステロール値が高い時…コレステロールの摂取量を抑える 食物繊維を多く摂り、コレステロールの吸収抑制をはかる 脂質異常症の運動のポイント 自分のペースで行える有酸素運動が適している。無理なく気長に続けよう。 ●ウォーキング 歩くことは手軽な全身運動。まずは普段自分が歩いているペースで2~3キロ歩くことから始めよう。次第に慣れてきたらペースを速め、距離を延ばしていく。 ●ジョギング 心肺機能を高める効果も。ウォーキングで体を慣らしてから行うこと。まずは5分くらい走ることを目安に始める。足の筋肉や関節を痛めないように、適したシューズで走ること。 ●水泳 水圧の作用で内臓のはたらきを高める効果も。1分間30~40mのペースで5分間泳ぐことから始める。疲れたら無理せずに休むこと。慣れてきたら、10分、20分と時間を延ばしていく。 ほかにも、なわとび、サイクリング、エアロビクスなどがおすすめ。 激しすぎる運動はかえって危険。頑張り過ぎず、気持ちよく汗ばむ程度で行おう! 薬に頼ってもいい? 血清脂質の値が高すぎる場合、食事や運動療法を続けても効果が現れないなら、薬に頼ることもある。しかし、食事や運動療法も同時に続けないと、薬の効果が十分に発揮されないことも。必ず医師と相談しながら、自分自身で治すという姿勢が大切だと言えるだろう。 生活習慣を見直そう ●まず禁煙! 喫煙はLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らしてしまう。 また、喫煙によってLDLコレステロールの変性が促進されると、変性したLDLが血管壁のマクロファージ細胞に取り込まれ、動脈硬化を引き起こす原因にもなる。とりあえず、本数を減らすことから始めてみよう。 ●アルコールを控えめに アルコールを飲みすぎると、肝臓での中性脂肪の合成が促進され、VDLD、LDLコレステロールを増やしてしまい、脂質異常症や動脈硬化の原因に。「アルコール+つまみ=カロリー摂取過剰」で肥満を呼び、さらには脂質異常症へ…。「酒のつきあい」が多い人は、つまみに酢の物を選ぶ、夜12時以降は飲まない、週に3日は休肝日を設ける、などを心がけたい。 ●ストレスを溜めない 食欲をコントロールする機能は脳の視床下部にあるとされる。感情の揺れがあまりに激しいと、 視床下部の食欲調節中枢機能が影響を受けてしまう。そのため、つらい、悲しいという刺激が加わると一層食欲に拍車がかかってしまうという説もある。脂質異常症対策の運動や食事がストレスにならないよう、自分のペースで気長に取り組もう。 公開日:2014年7月7日
高脂血症は健康診断などの血液検査で発見することができる。基準値をまとめてみたので、健康診断などの血液検査の結果から自分でチェックしてみよう! 目次 血液検査の仕方 基準値を知ろう 検査を受ける際に心掛けること 血液検査の仕方 脂質異常症の疑いがあるかどうかは、血清の中の脂肪成分がどれくらいあるかを調べればわかる。 健康診断や人間ドックの血液検査では、「コレステロール値」、「中性脂肪値」、「HDLコレステロール値」を測定する。この3つの数値があれば、大抵の脂質異常症の診断はできるのである。 基準値を知ろう 脂質異常症は血液中の中性脂肪(トリグリセライド)値、コレステロール値を、基準値に照らし合わせて診断される。 血清コレステロール 基準値以上になると「高コレステロール血症」 血清総コレステロール(mg/dl) LDL-コレステロール(mg/dl) 適正域200未満120未満 境界域200~219120~139 高コレステロール血症220以上140以上 血清トリグリセライド 基準値以上になると「高トリグリセライド血症」 空腹時トリグリセライド(mg/dl) 高トリグリセライド血症150以上 HDLコレステロール 基準値未満だと「低HDLコレステロール血症」 HDL-コレステロール(mg/dl) 低コレステロール血症40未満 参考:日本動脈硬化学会高脂血症診療ガイドライン1997年 LDLコレステロール値 コレステロール値・中性脂肪値・HDLコレステロール値から求めることができる。130(mg/dL)以下であれば正常。 LDLコレステロール値 =総コレステロール値-HDLコレステロール値-(中性脂肪値×1/5) 参考:「気になる検査値食事で治そう1 肥満度・コレステロール値・中性脂肪値・血圧」中村丁次監修 NHK出版協会発行 検査を受ける際に心掛けること 血液検査は空腹時、一般的には朝食を抜いた午前中に行う。正確な診断を受けるためにも、以下のことを心掛けよう。 ●12時間以上、空腹にしてから検査を受ける 食事は、トリグリセライドやHDLコレステロールに影響を与えるため。検査前日の午後9時以降は食事を摂らないこと。脂っこいものをたくさん食べるのもNG。 ●前日の飲酒を避ける 飲酒のために高トリグリセライド血症を来すことがあるため。 公開日:2002年4月1日
ひとつ間違えば命に関わる動脈硬化。どこの血管が詰まるかによって症状が違うのだ。違いについて、わかりやすく表にまとめてみた。 目次 動脈硬化とは? 粥状(じゃくじょう)動脈硬化の過程は? 動脈硬化が原因の主な病気と症状 脂質異常症って若い人でもなるの? 動脈硬化とは? 動脈硬化とは動脈の壁が硬く、もろくなること。種類は3つある。 ●粥状(じゃくじょう)動脈硬化=アテローム動脈硬化 脂質異常症で起こる「動脈硬化」といえばこれ。心筋梗塞、脳硬塞を招く。大動脈、脳動脈など太くて重要なはたらきをする動脈ほど起こりやすい。 ●細動脈硬化 脳やじん臓の動脈に見られる。高血圧との関係が強い。 ●中膜硬化 糖尿病患者に見られる動脈硬化。 粥状(じゃくじょう)動脈硬化の過程は? 血中のコレステロールが増えると、血管の内皮細胞の傷付いた部分から、LDLが内膜に入り込む。 LDLは活性酸素によって酸化され、マクロファージ(* 異物や老廃物を食べる細胞)にどんどん取り込まれ、泡沫細胞(* 細胞の中に脂の成分が白く泡状に見える)になる。 さらに、血管の中膜の平滑筋細胞も増え、内膜に侵入して泡沫細胞になる。 泡沫細胞はやがてパンクして、コレステロールの結晶が死んだ細胞のかすがたまってコブを作る。 コブの中はどろどろの粥状となっている。 動脈硬化が原因の主な病気と症状 心臓に栄養や酸素を運んでいる血管に動脈硬化が起こり血流が悪くなって起こる障害を「虚血性心疾患」といい、狭心症・心筋梗塞が代表的な病気である。 狭心症と心筋梗塞の見分け方 ■痛み 状態 狭心症 心筋梗塞 どんなときに起こりやすいか ・階段を昇るときなど何かしているとき ・明け方トイレに起きたとき ・アルコールを飲んだときの早朝 安静時・動作時に関係なく起こる 発作の感じ、痛さ ・締めつけられている感じ ・重い痛み とても激しい痛み 持続時間 5~15分程度 30分以上 安静にすると 治る 治らない ニトログリセリンの錠剤で(舌下錠) 治る(1分から数分) 治らない ■その他の症状 状態 狭心症 心筋梗塞 嘔吐・冷や汗 なし あり 顔色 蒼白にはならない 蒼白になる 血圧 上昇する 降下する 参考:「専門医がやさしく教える中性脂肪(トリグリセライド)」西崎統著 PHP研究所発行 また、脳の血管が破れたり詰まったりして起こる病気の総称を「脳卒中」という。 このうち動脈硬化が原因のものが「脳硬塞」。「脳出血」は動脈硬化と全く関係がないわけではないが、主たる原因は高血圧。脳の血管が破れて、脳の中に血液が流れ出した状態のことである。 脳硬塞には「脳血栓(血管そのものが動脈硬化等で閉塞する。大半はこちら)」と「脳栓塞(ほかの部位から、異物(栓子)が飛んできて血管が閉塞する)」がある。 脳硬塞の識別症状 脳血栓 脳栓塞 発生 徐々に進行する 突然起こる 進行過程 一過性の頭痛、めまい、言語障害、手足のしびれなど 半身のマヒ、昏睡 活動中、または起床直後に急に発作。手足のマヒ、けいれんなど 頭痛はあっても軽い 意識障害 比較的軽い あまりない 顔色 蒼白になることが多い 蒼白になる 参考:「専門医がやさしく教える中性脂肪(トリグリセライド)」西崎統著 PHP研究所発行 脂質異常症って若い人でもなるの? 「脂質異常症なんて、若者がなる病気じゃないよ!?」なんて思っている人もいるかもしれない。しかし、コンビニやファーストフード店が発達して、コレステロールが多い食事を口にしやすくなっている昨今、若者の脂質異常症が増えている。スナック菓子・インスタント食品類も、摂り過ぎるのは要注意!また、体を動かす機会が極端に減ったことも大きな原因となっている。 公開日:2002年4月1日
脂質異常症にはいくつか種類があり、それぞれ治療法が異なる。きちんと治すためには、自分がどのタイプかを知っておくことが大切だ。 目次 こんな人が危ない!脂質異常症になる原因について 脂質異常症の種類 脂質異常症を放っておくとどうなる? 脂質異常症の人は献血できるの? こんな人が危ない!脂質異常症になる原因について あなたも心当たりはないだろうか? 「甘いものが好きで間食が多い」「脂っこいものばかり食べている」「食事時間が不規則だ」「お酒を飲み過ぎる」「運動不足である」 偏った食生活、運動不足による肥満、アルコールの飲み過ぎが脂質異常症の代表的な原因である。 加齢によって血清脂質も上昇するってホント? 肝臓機能が衰えてLDL(悪玉)コレステロール受容体の動きが低下、コレステロールや中性脂肪などの血清脂質が血液中に増えてくるケースがある。男性の場合、30歳くらいから急に血清脂質の値が上昇してくる。 また女性の場合、閉経後に急に血清コレステロール値が高くなってくる。これは女性ホルモンのはたらきが低下するため。女性ホルモンにはLDL受容体を増やすはたらきがあるのだ。 体質(遺伝的素因)が原因の時もある? 脂質異常症や動脈硬化の中には遺伝的な要因が大きいケースもある(原発性脂質異常症)。ただし、これは「なりやすい体質」ということ。食事&運動など、生活習慣を見直すことで改善できるようだ。 脂質異常症の種類 脂質異常症はいくつかのタイプに分類できる。代表的なものを紹介しよう。 ●LDL(悪玉)コレステロール値が高い場合:「高コレステロール血症」 食生活の変化やライフスタイルの欧米化によって、日本でも高コレステロール血症の人が急増中。国民の5人に1人は高コレステロール血症の疑いがあるとさえ言われている。 ●中性脂肪(トリグリセライド)値が高い場合:「高トリグリセライド血症」 日本人男性の脂質異常症に多いタイプ。アルコールと肥満の影響が大きいと考えられる。 ●LDL(悪玉)コレステロール値と中性脂肪(トリグリセライド)値、両方が高い場合:「複合型脂質異常症」 早発性の冠動脈硬化症を合併する恐れがある。 ●HDL(善玉)コレステロール値が低い場合:「低HDLコレステロール血症」 中性脂肪によってHDLコレステロールが減らされるという説がある。動脈硬化にかかる危険性が高まる。 同じ脂質異常症でも、中性脂肪値が高いタイプかコレステロール値が高いタイプかで、治療法も異なるのだ。自分がどのタイプか知っておくことが大切である! 脂質異常症を放っておくとどうなる? 脂質異常症自体は、自覚症状がなく「SILENT DISEASE(沈黙の病気)」といわれている。しかし、脂質異常症を放っておくと、動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳血栓・脳梗塞、足などの閉塞性動脈硬化症などの原因になっていくのだ。 脂質異常症→動脈硬化→虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞) →脳卒中(脳出血、脳硬塞) →腎臓病 →閉塞性動脈硬化 etc… 命に関わる大問題につながりかねない! 脂質異常症の人は献血できるの? 脂質異常症の治療(服薬)をしているかどうかで献血できるかどうかが決まる。服薬を必要としない程度の脂質異常症であれば献血はでき、その血液は他に異常がなければ有効に活用される。服薬をしている場合は「薬剤を服用中との申告があれば、その目的、薬品名を確認し、疾病の内容、献血者本人の疾病に注意して、採血の適否を判断する」ことになる。 参考:新潟県赤十字血液センター資料 公開日:2002年4月1日
脂質異常症とおおいに関係あるのが、おなじみ善玉&悪玉コレステロール。でも悪玉コレステロールは、本当に「悪」なのだろうか?その実態をもう一度確認しておこう。 目次 脂質異常症とは? コレステロール 中性脂肪(トリグリセライド) リン脂質 遊離脂肪酸 脂質異常症とは? 「脂質異常症」は血液の中に溶けている脂質(血清脂質という)が異常に多い状態のこと。血清脂質にはコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)、リン脂質、遊離脂肪酸などがある。特に自覚症状もなく、日常生活に不都合なこともないため見過ごされがちで、健康診断などの血液検査で発見されることが多いようだ。 コレステロール 悪玉と思われるコレステロール、実は体の中ではとても重要なはたらきをしている。でも過剰になると体に蓄積されて困った存在になるのだ。 ■コレステロールのはたらき 細胞膜をつくる ホルモン(副腎皮質ホルモンや性ホルモン)の原材料となる 胆汁酸の原材料となり、消化作用を助ける 「善」か「悪」か、それが大問題だ! 一般的に「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」の2つの名前で呼ばれることが多いため、コレステロールには「善玉」と「悪玉」の2種類あると思われがちだが、実はコレステロール自体には善も悪もない。血液中での「コレステロール+中性脂質+アポたんぱく質+リン脂質」の結合の割合により、「善玉」と「悪玉」に振り分けられているのだ。 では、水が主成分の血液にどのようにして脂質が混ざっているのか? 脂質は脂肪なので、そのままでは水が主体である血液の中を移動できない。そこで「アポたんぱく」と呼ばれるたんぱく質が、リン脂質といっしょにコレステロールや中性脂肪を包んで「リポたんぱく(質)」となり、血液中でコレステロールや中性脂肪を運んでいるのだ。 リポたんぱく質は大きく4つにわけられる。 リポたんぱくの種類とはたらき 種類 合成臓器 おもな脂質 はたらき 善玉 or 悪玉 カイロミクロン 小腸 約85%が中性脂肪 ●食物から吸収した脂質を肝臓に運ぶ ●コレステロールの合成を調節する ●脂溶性ビタミンを運ぶ 悪玉 超低比重リポたんぱく(VLDL) 肝臓 約55%が中性脂肪 ●肝臓で合成された脂質を末梢組織に運ぶ ●コレステロールを調節する 悪玉 低比重リポたんぱく(LDL) 血液中 約45%がコレステロール ●コレステロールを末梢組織に運ぶ 悪玉 高比重リポたんぱく(HDL) 肝臓・血液中 約50%がコレステロール ●末梢組織から余分なコレステロールを肝臓に回収する ●中性脂肪を分解する 善玉 参考:「専門医がやさしく教える中性脂肪(トリグリセライド)」 西崎統著 PHP研究所発行 「中性脂肪が高い人が読む本」 中條やえ子著 主婦と生活社発行 ■善玉コレステロール、悪玉コレステロールのそれぞれのはたらき 善玉コレステロール 体の中の余ったコレステロールを回収し、肝臓へ戻す。「回収屋」 悪玉コレステロール 肝臓からコレステロールを運んで各組織の細胞に届ける。「配達屋」 イメージのよくない「悪玉コレステロール」にも、体にとって大切な役割があるのだ! ただ、コレステロールの量が多すぎると血管の中にたまり、「悪」となってしまう。 善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスに気をつけることが大切なのだ。 中性脂肪(トリグリセライド) グリセロールに3つの脂肪酸が結合した物質。 体の中の脂質のひとつで、食物を通して体内に取り入れるものと、体内(肝臓)で合成されるものとがある。 ■中性脂肪のはたらき 体温を一定に保つ 皮下に貯えて外部から受ける衝撃から内臓を守る 体を動かすエネルギー源となる 中性脂肪はエネルギー源 中性脂肪が体内で完全燃焼すると、1g当たり約9kcalのエネルギーになる。一方、たんぱく質と糖質はともに1g当たり約4kcal。つまり中性脂肪は単位量当たりのエネルギー生産量が高いということになる。 ちなみに体重60kgの人の体内には平均9kgの中性脂肪がある。仮にこれがすべて完全燃焼しエネルギーに変わるとしたら単純計算で81,000kcal。50日分の食事に匹敵するカロリーである。 リン脂質 細胞膜の構成成分。 リン脂質のはたらき…体内の脂質などの水に溶けない性質の物質を水になじませる。 遊離脂肪酸 そのまま体内で使えるエネルギーになる。 公開日:2002年4月1日
脂質異常症を防ぐ第1歩は、食生活の改善です。面倒なくできるコツをご紹介します。最初のうちは、食事のたびにチェックするようにしましょう。そのうち、それぞれの数字が頭に入ってメニュー選びも楽になるはずです。 目次 1日に食べるものの割り振りを簡単に決める 外食のカロリー表 1日に食べるものの割り振りを簡単に決める 下に示す表は、4つの食品群をもとに作成した朝・昼・夕の献立の献立の目安です。総カロリーは約2,000~2,200kcal(女性約1,600~1,800kcal)です。普段あまり体を動かさない人は少なめ、体を動かす人は多めに、自分に合った量を設定しましょう。 「昼食・夕食」は、外食がちの人のために総量を示しています。昼・夜の総量が、この範囲内におさまるように意識しましょう。家庭料理が多い人は、自分の生活に合わせて、昼の分・夜の分を振り分けておくと便利です。 ※男女で摂取量が違う食品は( )内を女性の摂取量としました。 食品群 朝食 昼食 夕食 間食 乳製品 牛乳1杯(150g) - チーズ約20g 卵・魚介肉・豆類 卵 1個 肉または魚 120g(100g)、納豆40gまたは豆腐100g - 野菜・果物 120g(2口分×4種類を目安に) 例:トマト・きゅうり1/4切れ、ブロッコリー30g(3房ぐらい)、玉ねぎ約1/4個ぐらい 180g(5種類以上を目安に) 根菜類や乾物など食物繊維の多い野菜を使うおかずを一品 例:きんぴらごぼう、切り干し大根、ヒジキの煮物、筑前煮など 果物200g程度 芋類 100g分をどこかで。 穀類 6枚切食パン1~2枚(1枚) ごはんのみの場合茶わん4杯程度=約540~約590g(2~3杯=約320~約430g) ごはん+めん類の場合茶わん2杯程度=約300~350g(0.5杯~1杯程度=約80~190g)+めん類1食分 - 砂糖(おやつ) 1日20gが目安。 右の間食を摂る場合は15g。 ※15gの目安は大さじ1.5杯 クッキー2枚程度(16g) コーヒー(砂糖2g入) 油脂 バターまたはマーガリン小さじ1杯=5g 20g(10g)、間食を摂る場合は15g(5g) ※15gの目安は大さじ1杯+小さじ0.5杯 ポテトチップス10枚程度(14g) この表の振り分けは、あくまでもひとつの例です。朝は忙しくて野菜が摂りにくい人は、昼食や夕食の量を増やしてもかまいません。また、朝食にごはんと魚の干物、昼食にパンと卵というように、日によって入れ替えてバリエーションをつけてもいいでしょう。 野菜のうち1/3は、緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん、かぼちゃなど)にします。 1日1食、少なくとも2日に1食は魚を摂るようにします。 カロリーの調整は、穀類と油脂を中心に行います。魚・肉は激しい労働をする男性でも1日150g摂れば十分です(油脂の上限は男性40g、女性30g)。 外食のカロリー表 昼食が外食になりがちの人ために、人気外食メニューのカロリーなどをまとめました。昼食にボリュームのある食事をしたら、夕食は軽くするなど総量が多くなりすぎないように心がけましょう。 ※表中のカロリー表示はひとつの例です。同じメニューでもお店によって異なることがあります。 ファーストフード バーガー類は400~500kcal台が多いようです。比較的カロリーが低いのは、ライスバーガー類、鶏の照焼きをそのままはさんだチキンバーガー、シンプルなハンバーガー、チーズバーガーなど。サラダは、グリーンサラダなどドレッシングの量を自分で調節できるものがいいでしょう。 メニュー カロリー てりやきバーガー480kcal てりやきチキンバーガー320kcal ポテトSサイズ270kcal チキンナゲット5個260kcal ポテトサラダ232kcal コールスロー139kcal お弁当・定食類 お弁当や定食は、付け合わせとして野菜類が摂れるのが魅力です。しかし、から揚げやコロッケなど揚げ物中心のメニューはカロリーも脂質も大。揚げ物メニューは週に2回くらいなど、自分で制限量を決めておきましょう。 メニュー カロリー 幕の内弁当771kcal からあげ弁当1034kcal ロースかつ定食1016kcal 和風ハンバーグ定食949kcal さしみ定食713kcal さわらの味噌煮定食759kcal ホイコーローセット729kcal 酢豚セット850kcal 一品メニュー 1品メニューは、揚げ物が入らない限りそれほどカロリーは高くありませんが、野菜類が足りないのが問題です。「600kcalくらいまでのもの」+「野菜サラダ」など、摂り方を考えましょう。サラダはドレッシングを別にしてもらい、自分でかけましょう。 メニュー カロリー スパゲティミートソース599kcal 和風ツナおろしスパゲティ493kcal チキンドリア1016kcal ミックスピザ758kcal ビーフカレー約650kcal オムライス896kcal チャーハン490kcal とんこつラーメン552kcal 天丼808kcal うな丼790kcal まぐろのたたき丼616kcal 中華丼512kcal 牛丼528kcal きつねうどん382kcal
体を動かすのに必要なエネルギー(カロリー)以上のカロリーを食べてしまうと、余った分はすべて中性脂肪に変わってしまいます。特に注意しないといけない食品をまとめました。逆に、中性脂肪を減らす効果のある食品もあります。前者を減らし、後者を積極的に摂るようにすることが食生活改善の第1歩です。 目次 中性脂肪を増やす食べ物 中性脂肪を減らす食べ物 中性脂肪を増やす食べ物 ●油脂・脂肪を含む食品 小腸で、脂肪酸とグリセロールに分解、吸収された後に脂肪酸が3つとグリセロールがくっついた中性脂肪に変わります。血液中を全身にある脂肪細胞に運ばれ、細胞の中に貯えられます。 1日の摂取量の目安 油脂:男性25g・女性20g(サラダ油大さじ1杯、約13g) 魚介・肉:男性120g・女性100g ●甘いもの(糖質を含む食品) 小腸などでブドウ糖に分解、吸収された後、血液によって体中に運ばれ、脳などで活動を行うエネルギーになります。しかし、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)があがると「インスリン」という酵素がはたらいて、ブドウ糖を中性脂肪に変えます。 1日の摂取量の目安 男女とも砂糖20g ●アルコール アルコールは肝臓で分解され、最終的には水と二酸化炭素になって排出されますが、その過程で脂肪の合成を進める酵素を発生させてしまいます。このため、肝臓で中性脂肪の合成が進んでしまいます。 1日の摂取量の目安 日本酒: 2合 ビール: 大ビン2本 ただし、カロリーのことも考えるのならこれより減らした方がよいでしょう。 中性脂肪を減らす食べ物 ●食物繊維 食物繊維は人の消化酵素では消化できず、そのまま排泄されてしまいます。しかし、腸の中でコレステロールや糖質を吸着しその排泄を高めると考えられています。 ●とうがらし とうがらしの辛味成分「カプサイシン」が脳にある内臓感覚神経を刺激し、体に興奮作用を引き起こすホルモン「アドレナリン」が分泌されます。これによって体内の中性脂肪が、エネルギーになりやすい脂肪酸に変わります。 ●ウーロン茶(ポリフェノール) ウーロン茶(特にプーアル茶)を毎日飲み続けると、コレステロール値、中性脂肪値ともに下がるという実験報告が多くされています。科学的な根拠ははっきりしませんが、食物繊維と同様、腸内での脂肪の排泄を促進するのではないかと考えられています。 ●青魚(イワシ・サバ・サンマなど) 青魚の脂肪分に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)などは肝臓で脂肪の合成を抑えて、血液中の中性脂肪の増加を抑えるはたらきがあります。 ●大豆 肝臓で糖質が脂肪に変わるのを妨げるはたらきがあります。 ●ジアシルグリセロールを多く含む調理油 ジアシルグリセロールは一般の油(トリアシルグリセロール)から脂肪酸をひとつとった形になっているため、腸で分解、吸収された後、中性脂肪(トリグリセライド)に再構成されにくいです。 ■関連記事 体重2~3kg減で生活習慣病のリスクが改善!知っておきたい「肥満症」とは? 糖尿病を放置しないで!セルフチェックのコツ あなたの動脈硬化のリスクをチェックしよう!
脂質異常症は血液中の中性脂肪(トリグリセライド)値、コレステロール値が下の基準を超えているかどうかで診断されます。診断基準をご紹介します。 目次 脂質異常症の診断基準 脂質異常症のタイプを知ろう 1. 中性脂肪値が特に高いタイプ 2. 中性脂肪値と悪玉コレステロール(LDL)値が高いタイプ 3. 善玉コレステロール(HDL)が少ないタイプ 脂質異常症の診断基準 脂質異常症は血液中の中性脂肪(トリグリセライド)値、コレステロール値が下の基準を超えているかどうかで診断されます。これは統計的に、この値を超えると動脈硬化や心筋梗塞などになる人が多いということで定められました。 総コレステロール220mg/dL以上 LDL(悪玉)コレステロール140mg/dL以上 中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dL以上 HDL(善玉)コレステロール40mg/dL未満 HDLには余分なコレステロールを肝臓に戻すはたらきがあり、HDLが減ってしまうとコレステロールが血管にたまって、動脈硬化の危険が増すと考えられています。 なお、これは日本の基準であり、総コレステロール200mg/dL以上という厳しい基準を適用している国もあります。動脈硬化などは実際に、200mg/dLを境に急上昇するという統計もあります。 脂質異常症は肥満や高血圧と同様、ほかの深刻な病気を引き起こすことがあります。基準値ギリギリで「症」がつかなくても、「脂質異常」の状態であることにに変わりはありません。特に、普通より動脈硬化になりやすい生活習慣がある人(ストレスを感じることが多い、喫煙習慣があるなど)は、生活を改善することが望ましいといえます。 脂質異常症のタイプを知ろう 脂質異常症はいくつかのタイプに分類できる。代表的なものを紹介しましょう。 1. 中性脂肪値が特に高いタイプ 脂質異常症の中でもっとも出現頻度が高いタイプです。甘い物やアルコールの摂りすぎなど生活習慣が原因になることが多いようです。 ■併発する恐れのある病気 膵炎(アルコール多飲者に多い)、脂肪肝、胆石症。また、動脈硬化の原因になるという説も多いです。 ■治療法 原因となる食習慣の改善。運動療法。それでも効果がない場合、薬物療法を行うこともあります。 2. 中性脂肪値と悪玉コレステロール(LDL)値が高いタイプ 日本人の脂質異常症のうち約20%を占めています。肉類やスナック菓子に含まれる脂肪(飽和脂肪酸)やコレステロールを摂りすぎ、食物繊維を含む食品を摂らないと起こることがあります。 ■併発する恐れのある病気 動脈硬化や心筋梗塞、狭心症など虚血性心疾患を起こす率が高いです。 ■治療法 原因となる食習慣の改善。全体的な食事のカロリー制限。運動療法。それでも効果がない場合、薬物療法を行うこともあります。 3. 善玉コレステロール(HDL)が少ないタイプ 糖質、脂肪、アルコールを摂りすぎると、中性脂肪やLDLが増え、HDLが少なくなることがわかっています。運動不足、喫煙も同様。また、極端なダイエットでたんぱく質を極端に減らした場合も善玉コレステロールは減ってしまいます。 ■併発する恐れのある病気 HDLは動脈硬化を防ぐはたらきをするため、減ってしまうことにより動脈硬化の危険度が増すとされています。 ■治療法 原因となる生活習慣の改善。 「原因」については、生活習慣的なもののみ紹介しましたが、このほかに遺伝的なもの、病気が原因になるケースもあります。基準値より高い場合はもちろん、基準値ギリギリの場合も医師に相談してみることが大切です。 公開日:2014年7月7日
とうがらしに含まれる辛味成分「カプサイシン」に、体内の中性脂肪を直接エネルギーになる脂肪酸に変化させる力があることがわかりました。そのため、カプサイシンを摂れば摂るほど燃やす「マイナスカロリー効果」があるようです。寝ていても痩せられるとも言われますが、果たして本当なのでしょうか?そのメカニズムを解説します。 目次 とうがらしで脂肪が燃えるメカニズム。中性脂肪を強制的に脂肪酸に変える? とうがらしはマイナスカロリーって本当? とうがらしで脂肪が燃えるメカニズム。中性脂肪を強制的に脂肪酸に変える? 脂肪が燃えるメカニズムを紹介する前に、体に貯まっている脂肪とは一体どんなものなのか簡単にまとめてみましょう。 脂肪は、体を動かすのに必要なエネルギーのひとつで、大きく脂肪酸と中性脂肪に分けられます。 ●脂肪酸 血液中に存在し、すぐにエネルギーに変えることができるもの ●中性脂肪 脂肪細胞の中に貯えられる。脂肪酸が3つとグリセロールがくっついたもの 中性脂肪は基本的に、血液中にある脂肪酸などが少なくなると分解され、新たな脂肪酸として活動のエネルギーになります。 このことからこれまで、やせるためには以下の2つの方法しかないと言われてきました。 エネルギー源となる食べ物の摂取量をおさえて、中性脂肪を脂肪酸に分解させる ウォーキングなどをたくさんして、中性脂肪を脂肪酸に分解させる ところが、カプサイシンに中性脂肪を脂肪酸に変えてしまうはたらきがあることが、京都大学の研究グループにより発表されました(1998年4月 日本栄養・食糧学会)。そのメカニズムをまとめると以下のようになります。 カプサイシンが血液中に吸収される → 脳に運ばれ、内臓感覚神経を刺激する → 脳からの指令で、体に興奮作用を引き起こすホルモン「アドレナリン」が分泌される → アドレナリンによって体内にたまった脂肪が、エネルギーになりやすい脂肪酸に変わる この実験はマウスによって行われたものですが、すぐに使えるエネルギー源となる「脂肪酸」が増えたせいか、マウスの持久運動能力も向上したそうです。つまり、とうがらしを食べた後に運動すれば、これまでよりも効率的にダイエットできるというわけです。 とうがらしはマイナスカロリーって本当? 次に、「とうがらしマイナスカロリー説」を検証してみましょう。 とうがらしを食べると、体内で熱が生み出される効果があります。これは食後6時間くらい続くようです。体温も少し上がった状態(0.1度くらい)になり、そのぶん消費されるカロリーが増えることになり、これが「マイナスカロリー」ということになります。 では、具体的にどのくらいのカロリーが消費されるのでしょうか?食べた物の10~20%や、カプサイシン入りの健康ドリンクを飲んだら90分でマイナス10kcal(あめ玉約1個分)など、諸説あるようですが、まだきちんとした研究結果は出ていないのが現状です。 「マイとうがらし」を持ち歩き、何にでもかけている人もいるかもしれませんが、とうがらしをたくさん食べた方がやせるというわけでもないようです(もしそうなら、食べれば食べるほど熱が上がってフラフラになっているはず)。 「食べるだけで寝ていてもやせる」というのは本当のようですが、ほんのちょっとだけ、と考えたほうがいいでしょう。やっぱり運動は必要なのです。
中性脂肪を健康的に減らすためには、食事制限だけでは無理。適度な運動も必要です。毎日ジョギングしたりジムに通ったり、そうすれば効果はテキメン…。でも、そんな余裕なんてなかなかないのが現状ですよね。そこで、運動についても、まずはできるところから始めましょう。 目次 中性脂肪を燃やすには「歩く」のが効果的 歩くときには「有酸素運動」を心がけよう 余裕のある人はスイミングに挑戦してみよう 中性脂肪を燃やすには「歩く」のが効果的 中性脂肪を燃やすため、簡単にできる運動は、ずばり「歩く」こと。通勤や買い物のときに、意識的に「速歩き」するようにしましょう。1駅分遠くまで歩いてみる、少し離れた店まで買い物に行くなどそれなりの頑張りは必要です。最初から毎日行うのがきつい人は、1週間に2回くらいまとめ歩きをし、普段はなるべくまめに動くよう心がける…というところから始めるといいでしょう。 歩くときには「有酸素運動」を心がけよう 運動には、運動中に呼吸を止めて、一気にその運動を行う「無酸素運動」と、息を吸ったり吐いたりして呼吸を整えながら、ゆっくりと時間をかけて行う「有酸素運動」があります。中性脂肪が効果的に燃えるのは後者の「有酸素運動」の方になります。 その意味でも、長時間続けられる「歩くこと(ウォーキング)」がおすすめです。歩くときは、両腕をしっかりふって、歩幅も普段より大きくするよう心がけるとよいでしょう。 余裕のある人はスイミングに挑戦してみよう このほか、おすすめのスポーツはスイミングやサイクリングです。スイミングは自分のペースでできる全身スポーツです。腰痛や変形性ひざ関節症などで、歩くのが大変な人でも楽しめます。サイクリングはゆっくりでもある程度の距離を走るようにしましょう。
中性脂肪を減らすのに最も有効なのは「食生活の改善」です。しかし、食生活に気を配らなくちゃいけないと思っていても、忙しいとなかなか思い通りにいかないですよね。 基礎知識編に続き、実践的な献立、メニューとして、1日の摂取カロリー内での、朝、昼、夕食の献立パターンをご紹介します。あまりきっちり考え過ぎず気楽に始めてみてください。 目次 毎食の目安量を決めてしまおう 中性脂肪を減らす朝食メニュー 中性脂肪を減らす昼食メニュー 中性脂肪を減らす夕食メニュー 毎食の目安量を決めてしまおう 1日の摂取量1,800~1,900kcalと考えた、毎食ごとの献立パターンを紹介します。ただし、これはあくまでも一つの例。この献立パターンを参考に自分に合ったパターンを作ってみましょう。 中性脂肪を減らす朝食メニュー 朝食(約500kcal) メニュー例 オニオンオムレツ・ブロッコリー添え・トマトときゅうりのサラダ・トースト・牛乳 献立のコツ ●たんぱく質は卵1個ぐらいが目安 ●朝の野菜は2口×4種類を目安に 昼食を外食にする場合、朝食で120gぐらい野菜をとりたいところです。例えば、トマト1/4切れ、 きゅうり1/4切れ、ブロッコリー20g(2房ぐらい)、玉ねぎ約1/4個ぐらいになります。男性ならそれぞれ2口ぐらいで食べられそうな量ですので、「朝の野菜は2口×4種類」を目安にします。そのうち1種類以上は、緑黄色野菜からとるとよいでしょう。忙しい朝は、生食か、レンジですぐに調理できる固まり野菜をおすすめします。かぼちゃ、にんじん、大根などもすぐに使える食材です。 ●朝の主食はトースト1枚、飲み物は牛乳1杯 ごはんの場合は、お茶わんに軽く1杯(約110g)程度です。 ●マーガリン・ドレッシングは全部で大さじ半分程度 油脂類は1日大さじ2杯(大さじ1杯で大体80kcal)までが目安です。昼食外食の場合、朝の油はなるべく控えた方がいいでしょう。上のメニューなら、オムレツにバター(マーガリン)大さじ1/4、サラダのドレッシング大さじ1/4ぐらいとなります。味気ないぶんは、塩やしょうゆでプラス。とはいえ、使い過ぎには十分注意して。 中性脂肪を減らす昼食メニュー 昼食(約800kcal前後) 昼食は外食の方が多いため、外食人気メニューのカロリーをチェックしておくことが大事です。しかし、毎日毎日、低カロリーを考えていては気がめいって長続きしません。そこで、週3回は好きな食事、4回は低カロリーと決めてみては?ただ、好きな食事をとるときも、野菜の煮物やおひたしなどをプラスアルファで注文するよう心がけるとよいでしょう。 ●チキンカレー(814kcal) カツカレーの場合は、約1200kcalになります。カレー+サラダのセットメニューが多いですが、サラダのドレッシングには気をつけてください。あらかじめ少なめにしてもらうか、ノンドレッシングで食べるようにしましょう。 ●チャーハン(490kcal) 意外とカロリーが低いチャーハン。サラダやシューマイ、餃子などプラスしてもOKです。ただし、お店によって量が随分違うのでその点は注意が必要。ラーメン類なら五目麺(680kcal)がおすすめです。 ●ちゃんこうどん(652kcal) 天ぷらうどんなど揚げ物がつくと約900kcalになります。 ●ハンバーグ定食(850kcal) 785kcalのひれかつ定食の方がカロリーが低いのは驚きです。 中性脂肪を減らす夕食メニュー 夕食(500~600kcal) メニュー例 焼き魚・根菜類の煮物・ほうれん草のお浸しと冷やっこ・ごはんみそ汁 献立のコツ ●夕食は1汁3菜を目安にする 栄養バランスのとれた献立の基本は1汁3菜です。おかずも、1.焼き物・炒め物、2.煮物、3.おひたし・酢の物・サラダなど、と大体の構成を決めておくとメニューを考えやすいでしょう。コンビニ弁当の場合も、このメニューを考えつつ、カロリー表示を見ながら選ぶとGood。 ●肉類、魚類など動物性たんぱく質は50g~60g 1日にとった方がいい動物性たんぱく質食品の目安は、男性120g、女性100g。昼食が外食の場合、それだけで1日分とってしまっている可能性が高くなります。昼食に食べたものを考えながら夕食の量を決めましょう。野菜と一緒に炒めたり煮たりして、見た目ボリュームが出る工夫を。 ●野菜は、120g~150g。根菜類など食物繊維の多いものも多くとる 野菜は、朝食の4種類より少し多めに。「2口×5~6種類」ぐらいを目安にしましょう。きんぴらごぼう、切り干し大根、ヒジキの煮物、筑前煮など、昔ながらのお惣菜は食物繊維がたくさんできるおすすめメニューです。 ●調理油やドレッシングなどは、1人大さじ半分~1杯以内で 朝食メニューで述べた通り、調理や調味で使う油の量はなるべく控えめにしましょう。 ●豆製品や芋類も上手にとろう 豆腐や油揚げなどの大豆製品は良質なたんぱく質食品。おみそ汁に使ったり、納豆をプラスすることで、ボリューム感もアップします。芋類もビタミン類、食物繊維などを含んでいます。野菜と一緒に煮たり、サラダに使うなどして上手にとりましょう。 ■関連記事 体重2~3kg減で生活習慣病のリスクが改善!知っておきたい「肥満症」とは? 糖尿病を放置しないで!セルフチェックのコツ あなたの動脈硬化のリスクをチェックしよう!
中性脂肪を減らすのに最も有効なのは「食生活の改善」です。しかし、食生活に気を配らなくちゃいけないと思っていても、忙しいとなかなか思い通りにいかないですよね。 まずは、気をつけるべきポイントを押え、毎日の摂取カロリーと毎食の献立パターンをイメージできるようにしましょう。 目次 中性脂肪を減らすには、1日の摂取カロリーの目安量を決めるのが効果的 中性脂肪を減らす食生活改善 高カロリー食品はなるべく避ける 高カロリー食品といえば油! 野菜、特に食物繊維の多い食品をたくさんとる 1週に3~4回は魚類のメニューにする 中性脂肪を減らすには、1日の摂取カロリーの目安量を決めるのが効果的 減量を頭に入れた場合の1日の摂取カロリーの目安は、以下の通りです。 1日の摂取カロリーの目安= 標準体重{(身長-100)×0.9}× 25 ~ 30kcal 例えば、身長170cmの場合、 {(170-100)×0.9}×25~30kcal=1,575~1,890kcal つまり、約1,600kcal~1,900kcal になります。 身長150cm以下の人は0.9をかけなくてもよいため、 (150-100)×25~30kcal=1,250~1,500kcal となります。 1,600kcalをとるか1,900kcalをとるかは、日頃どのくらい体を動かしているかで決めるのが一般的。デスクワーク中心で通勤時間も短いという人なら低い方の値になります。ただし、突然大幅な食事制限に挑戦すると挫折してしまう場合が多いため、最初は無理のないところから少しずつトライしましょう。 中性脂肪を減らす食生活改善 高カロリー食品はなるべく避ける 摂取エネルギーを減らすためにまず見直さなくてはならないのは、肉類、糖類(ごはんなどの穀類やお菓子ジュースなど)の取りすぎです。食べる量を少なくするのはもちろん、同じ肉類でも赤身の部分を多く食べるようにするなど、質の改善も必要です。糖類については、中性脂肪を減らす食生活の献立パターンを参考に1日の総量を決めること。特に間食やジュースなど、決めた以上にとらないことが大切です。 高カロリー食品といえば油! でも、炒め物や揚げ物などに大活躍の油を控えるのは、なかなか難しいもの。そこで、まずはバター、マーガリンドレッシング、マヨネーズなど調味料を控えることを考えましょう。また、いまは「体脂肪がつきにくい油」など、健康を配慮したものも多く発売されているので、それらを活用するのも一つの手です。 野菜、特に食物繊維の多い食品をたくさんとる 野菜に含まれるビタミンやミネラルは、体の代謝を活発にするなどの重要な役目を担っています。また、血管の老化を防ぐなど、動脈硬化の予防にもつながる栄養素でもあります。海藻類やきのこ、乾物などに多く含まれる食物繊維は、生活習慣予防のために注目されている物質。腸内で中性脂肪や糖質を吸着して一緒に排泄させてしまうはたらきもあります。1日に食べたい野菜の量は300g。淡色野菜・緑黄色野菜・食物繊維が多い野菜…とバランスよく食べるようにしましょう。 1週に3~4回は魚類のメニューにする 同じ脂肪でも、魚類に含まれる脂肪は善玉(HDL)コレステロールを多く含んでいます。このコレステロールが血液中に増えると、中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールのたまり過ぎがまねく動脈硬化を防いでくれるのです。このほか、オリーブオイルなどに含まれているオレイン酸に、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やすはたらきがあるとして注目されています。
ご存じの通り、コレステロールというのも脂肪の一種。中性脂肪と同じように、体に貯まりすぎると害になると言われているモノです。それでは、コレステロールと中性脂肪、どこが同じでどう違うのか、お互い何か関係あるのか、簡単にまとめてみましょう。 目次 体内には4種類の脂肪が存在する -脂肪酸・中性脂肪・コレステロール・リン脂質- コレステロールには善玉コレステロールと悪玉コレステロールがある 中性脂肪が増えると善玉コレステロールを減らしてしまう 体内には4種類の脂肪が存在する-脂肪酸・中性脂肪・コレステロール・リン脂質- 人間の体内には下の表のように、4種類の脂肪が存在します。中性脂肪は3つの脂肪酸とグリセロールという物質が結びついたものです。つまり、脂肪酸はすぐに使えるエネルギー、中性脂肪は貯蔵用のエネルギーということになります。一方、同じ脂肪でもコレステロールは体内の細胞膜やホルモンの材料なのです。 脂肪酸 生きていくために、また、活動するために必要なエネルギーとして利用されます 中性脂肪 別名、トリグリセライド。脂肪細胞の中に貯えられています。必要に応じて脂肪酸になり、エネルギーとして使われます コレステロール 細胞膜の構成成分。ステロイドホルモンの材料、胆汁酸の材料にもなります リン脂質 細胞膜の構成成分。疎水性物質の親和性を保たせます コレステロールには善玉コレステロールと悪玉コレステロールがある コレステロールには善玉といわれるHDLと、悪玉といわれるLDLがあります。 LDLは食物から取り入れられたり肝臓で合成され、血液中を通って全身に運ばれて細胞膜やホルモンの合成に使われます。 ところが、血液中のLDLが増えすぎると血管壁の傷ついたところなどに付着し、結果的に血管を細くして、動脈硬化の原因になってしまいます。 一方、HDLは血管に付着したLDLを取り去って肝臓に運ぶはたらきをします。だから、体内に多ければ多いほどいいのですが、現代の日本人は逆パターンの人が多いようです。 コレステロールを増やす食品としては肉類が代表的。現代の肉中心の食生活で、LDLは増える一方のようです。 中性脂肪が増えると善玉コレステロールを減らしてしまう 最近、血液中の中性脂肪が増えると、善玉であるHDLコレステロールを減らし、悪玉コレステロール(LDL)が増えてしまうことがわかってきました。つまり、中性脂肪の増加によって動脈硬化を促進させてしまう可能性があります。 これが「脂質異常症(高脂血症)」といわれる病気。血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが基準値を超えてしまった状態のことです。 高脂血症には中性脂肪値が高い「高トリグリセライド症」とコレステロール値が高い「高コレステロール症」があります。いずれも、この時点では自覚症状はほとんどなく、動脈硬化が起こって初めてわかるケースも多いようです。
中性脂肪のたまり過ぎは見た目だけではわからないのが難点。自他共に認めるスリムな女の子が脂質異常症(高脂血症)だったりなんてケースも珍しくありません。ここでは、中性脂肪が貯まりそうな生活態度をチェック。半分以上○がついちゃった人は中性脂肪ブヨブヨ予備軍。生活改善を真剣に検討しましょう。 目次 半分以上あてはまる人はブヨブヨ予備軍だ 脂肪はもちろん、糖分、アルコールも中性脂肪の素である 食べないから大丈夫というワケではない 運動は脂肪を燃やし、ストレスを解消させる 半分以上あてはまる人はブヨブヨ予備軍だ 1. 仕事が忙しく、外食が多い 2. 毎日、ジュースを1缶(350ml)以上飲んでいる。または、おやつに甘いものは欠かせないタイプ 3. 毎日、日本酒2合以上(ビールなら大ビン1本以上)飲んでいる 4. 朝食を抜きにすることが多い 5. 夜のおやつ、または夜食をとるのが習慣になっている 6.「最近ストレスがたまっているなあ」と感じる 7. 1日1時間以上歩かない。自分でも運動不足だと思っている 8. タバコを吸う 脂肪はもちろん、糖分、アルコールも中性脂肪の素である 外食は脂肪を多く含む高カロリーのものが多いため、バランスを考えないと脂肪の取りすぎになってしまいます。特に、ハンバーガー類、揚げ物などに注意しましょう。 また、糖分やアルコールも取りすぎると体内で中性脂肪に変わってしまいます。砂糖は1日20gぐらいまでが適当とされていますが、缶ジュースによっては、1缶でそれ以上というものもあります。甘いお菓子なども同様に注意しましょう。 アルコールは、チェック欄にある通り、1日日本酒で2合ぐらいまでが健康な飲酒の限界。さらに、週に1度はノンアルコールデーを作るよう心がけるとよいでしょう。 食べないから大丈夫というワケではない 「脂肪を増やさないためには食べなければいいだろう」なんて、朝食を抜いたりするのは厳禁。まず、朝食べ物をとらないと脳にとって大切な糖分の補給ができません。午前中の仕事や活動に支障が出てしまいます。また、朝食を抜いたからといって脂肪が減るということもないようです。 一方、夜食として食べた甘いものは寝ているうちに中性脂肪に変わってしまいます。これは実験などでも証明されています。甘い物を食べるのは、日中、特に体を動かす前にするとよいそうです。 運動は脂肪を燃やし、ストレスを解消させる 「ストレスが貯まると中性脂肪も貯まって肥満になるのか」というと、正確にはそうではありません。ストレスに関係あるのは血液中の中性脂肪の量。 普段は脂肪細胞内に貯えられている中性脂肪は、ストレスを感じて心拍数が上がることによって、血液中に放出されます。この繰り返しによって血液中の中性脂肪の量が増え、動脈硬化などを引き起こす可能性があるということ。 中性脂肪を燃やし、筋肉を作るためだけでなく、ストレス解消のためにも適度な運動が大事なのです。 最後に、中性脂肪とたばこの関係。たばこも動脈硬化などを引き起こす危険因子なので、血液中に中性脂肪が多い人が喫煙すると、さらに危険が増すのではないかと言われています。
人間が生きていくためになくてはならない。けれど増えすぎると万病の素になる中性脂肪。どのくらいになると危険ラインなのでしょうか?近年ではBMIが簡単に判定できる方法として最も使われています。あなたも自分の中性脂肪がたまり過ぎていないか測ってみましょう。 目次 中性脂肪がたまり過ぎた状態を「肥満」という 簡単にできる肥満度チェック(BMI方式) もっと正確にわかるのが「体脂肪率」 リンゴ型肥満と洋ナシ型肥満 リンゴ型肥満は内臓に脂肪ビッシリの恐れあり 中性脂肪がたまり過ぎた状態を「肥満」という 皆さんご存知の通り、「肥満」は中性脂肪がたまり過ぎた状態のことです。そこで、一番簡単な目安になるのが自分の肥満度を計算してみる方法になります。最近よく使われているのがこれから紹介する「BMI(Body Mass Index)方式」です。 簡単にできる肥満度チェック(BMI方式) 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)=肥満度指数 BMIチェックはこちら 肥満度の判定基準 BMI 肥満度判定 18.5未満低体重(やせ) 18.5~25未満普通体重 25~30未満肥満(1度) 30~35未満肥満(2度) 35~40未満肥満(3度) 40以上肥満(4度) もっと正確にわかるのが「体脂肪率」 肥満度のチェックはいかがでしたか?ただ、このチェックでは筋肉モリモリの運動選手が肥満になってしまったりする欠点があります。その一方で、見た目はやせていても筋肉の代わりに脂肪がいっぱいという 「隠れ肥満」も増えているようです。そこで、もっと正確を期したい人は「体脂肪率」をチェックするとよいでしょう。 体脂肪率による肥満度の判定基準は次のようになっています。 体脂肪率による肥満度の判定基準 男性 女性 軽度肥満 20%以上 30%以上 中等度肥満 25%以上 35%以上 重度肥満 30%以上 40%以上 リンゴ型肥満と洋ナシ型肥満 中性脂肪は体のどの部分に貯まっていくのでしょうか。人によって個人差がありますが、大きく以下の2つのタイプに分けられます。 ●リンゴ型肥満 腹部を中心に脂肪が蓄積するタイプ(男性型肥満ともいわれます) ●洋ナシ型肥満 お腹から下半身にかけて脂肪が蓄積するタイプ(女性型肥満ともいわれます) どっちもどっちであまり嬉しくないスタイルですが、生活習慣病に近いのはリンゴ型。あなたはどちらのタイプか「ウエスト÷ヒップ」で計算してみましょう。男性は1.0以上、女性は0.9以上だとリンゴ型肥満だと考えられます。 リンゴ型肥満は内臓に脂肪ビッシリの恐れあり リンゴ型肥満はさらに「お腹の皮の下に脂肪が蓄積するタイプ」と「内臓の周囲に脂肪が蓄積するタイプ」に分けられます。危険なのは後者の方。これは、「内臓脂肪型肥満」とも言いますが、インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM)や高脂血症などの脂質異常、高血圧症との関連が深い肥満なのです。 また、肥満度が低く、 肥満と判定されなくても脂肪蓄積の仕方により、内臓脂肪が多い「かくれ肥満」の人もいます。内蔵脂肪型肥満かどうかは、腹部CTスキャンによって判定されます。
「中性脂肪を減らすためには、脂っぽい食べ物を控えればいい?」 実は、体内で中性脂肪に変わるのは、油脂類や脂肪を多く含む食べ物ということではなく、「エネルギー源」を含む食べ物が中性脂肪に変わります。では「エネルギー源」は中性脂肪に変わるのでしょうか? 体内に中性脂肪がたまるメカニズム 「中性脂肪を減らすためには、からあげとかドレッシングなどを控えればいいのかしら?」 これは、半分マル、半分バツ。体内で中性脂肪に変わるのは、油脂類や脂肪を多く含む食べ物だけではありません。我々の食物は、こんにゃくなどノンカロリーといわれるもの以外はすべて「エネルギー源」を含んでいます。中性脂肪に変わるのは、この「エネルギー源」です。 事務職の男性(30代)が1日の活動に必要とするエネルギーは2,200kcal 程度、女性(30代)1,800kcal 程度と言われますが、それ以上に食べてしまった分のエネルギーが中性脂肪として体内に貯えられてしまいます。特に注意しなくてはいけないのが、炭水化物(糖分)、脂肪、アルコールなどエネルギーを多く含む食物。これらが体内でどのように中性脂肪に変わるのか、簡単にまとめてみましょう。 からあげに使われた油 口に入った食べ物は からあげに使われた油 サラダ油大さじ3 360kcal ※実際はもっと多く使います 小腸などから吸収される 脂肪酸とグリセロールに分解して吸収 血液を通ってエネルギー源として使われる 脂肪酸はすぐに使えるエネルギー。アルブミンというたんぱく質と一緒になって血液中を運ばれます。心臓など重要な器官を動かすエネルギー源です。 余った分は… 血液中を全身にある脂肪細胞に運ばれ、細胞の中に貯えられます。 あんまんに含まれる糖分 口に入った食べ物は あんまんに含まれる糖分 1個 約240kcal 小腸などから吸収される ブドウ糖に分解、吸収 血液を通ってエネルギー源として使われる ブドウ糖(血糖ともいう)は血液によって体中に運ばれ、脳などで活動を行うためのエネルギーとして使われます。 余った分は… 血液中のブドウ糖濃度(血糖値)があがると、「インスリン」という酵素がはたらいて、ブドウ糖を中性脂肪に変えます。中性脂肪は脂肪細胞に貯えられます。 ビールに含まれるアルコール 口に入った食べ物は ビールに含まれるアルコール 大ビン1本 約250kcal 小腸などから吸収される アルコールのまま吸収 血液を通ってエネルギー源として使われる アルコールは肝臓で分解され、最終的には水と二酸化炭素になって排出されます。お酒は結構カロリーが高いのですが、エネルギーとなるのはアルコール以外の成分です。 余った分は… アルコール自体は中性脂肪に変わるわけではありません。しかし、アルコールが分解される際に、脂肪の合成を進める酵素を発生させてしまいます。このため、肝臓で中性脂肪の合成が進んでしまいます。そして、肝臓の中にある脂肪細胞に貯えられていきます。
中性脂肪とは一体何のことなのか、体の中でどのような役割をしているのか、そして、中性脂肪がたまりすぎるとどうなるのかについて簡単にまとめてみました。 目次 必要以上に食べた分は中性脂肪に変身する 生き延びていくために不可欠な中性脂肪 たまり過ぎの中性脂肪は命を縮める火薬庫 必要以上に食べた分は中性脂肪に変身する 小学校の理科の時間に習ったこと、皆さん覚えていますか。 「人間の体に吸収された炭水化物や脂肪は、人間がいろいろな活動をするときのエネルギー源となります。そして、余ったエネルギー源は脂肪として体内に貯えられます」 中性脂肪とは、この「脂肪」のこと。つまり、日々余分にとってしまった炭水化物や糖分、脂肪分は中性脂肪になって、どんどん体にためられています。 生き延びていくために不可欠な中性脂肪 中性脂肪には以下のような役割があります。人間が生きていくためにとっても大切なはたらきですが、「はたらきだった」というべきかもしれません。人類の進化の過程においては、飢餓や寒さに耐え忍んだりしなくではいけないシーンが多く、余分なエネルギーを貯めこむというはたらきは、そういった時代を生き抜くためのシステムでした。 1.食物が足りないときのエネルギー源 人体の活動に必要なエネルギー源が、食事などを通して供給されないときのエネルギーとなります。エネルギー不足になると、中性脂肪は遊離脂肪酸という物質に分解されて血液中に放出され、全身に運ばれて体内各部分の細胞が正常に活動するためのエネルギー源になります。 2.体温を保つ機能 アザラシやオットセイなどは、体の分厚い皮の下に皮下脂肪をいっぱい貯えています。その脂肪のおかげで、冷たい氷の海でも体温を保てます。人間の中性脂肪にも同じようなはたらきがあります。「人間は服を着るから大丈夫」ということはありません。体内の中性脂肪の量が極端に減れば、体温の調節などに障害が出てきます。 3.外からの衝撃を吸収する 多少何かにぶつかっても、「痛い」だけで済むのは中性脂肪のおかげ。内臓など体内の重要な器官を衝撃から守るはたらきもしています。 たまり過ぎの中性脂肪は命を縮める火薬庫 人間が生きていくのに必要不可欠な中性脂肪。しかし、飽食&運動不足の時代、多くの人にとって、たまりすぎた中性脂肪は命を縮める火薬庫になりかねません。「中性脂肪のたまり過ぎ=肥満」は、生活習慣病の原因になります。
糖尿病などで高くなる総コレステロール 脂肪酸と結びついたエステル型、別々に離れた遊離型の2つがあり、合わせて総コレステロールといいます。コレステロールは血管の強化・維持に大切な役割を果たしています。副腎皮質ホルモンや性ホルモン、消化液の胆汁酸を作る材料でもあり、人体には欠かせないものです。 総コレステロールの正常値は120~220mg/dlで、平均は190mg/dlです。動脈硬化、糖尿病、甲状せん機能低下症、ネフローゼなどで高値を示し、肝硬変、甲状せん機能亢進症では低値になります。 肥満でも高くなる中性脂肪 体内のエネルギーのうち使われなかったものは皮下脂肪として蓄えられます。そのほとんどが中性脂肪です。血液の中ではエネルギー源の運搬や貯蔵、臓器や組織の維持に機能しています。 正常値は50~140mg/dlです。糖尿病、甲状せん機能低下症、アルコール性肝障害などのほか肥満でも高値になります。食事の影響も大きいので、検査は1回だけでなく、数回の測定で判定します。
糖尿病によって動脈硬化は急速なスピードで進む 高脂血症と診断された場合、別の病気があって二次性か、ほかに病気のない原発性かを調べる必要があります。 糖尿病、腎臓病、内分泌疾患が原因で、血液中の中性脂肪やコレステロールの値に異常が出る場合があるからです。 特に二次性では動脈硬化が加速したり、病気が急激に悪くなるため注意が必要です。 糖尿病があると、動脈硬化は急速なスピードで進みます。血糖が増えるとLDLが変性しやすくなるなど、脂質代謝異常が引き起こされます。 インシュリンの作用の低下(インシュリン抵抗性)があると、すい臓はインシュリンが不足していると考えて、インシュリンを分泌します。このために生じる高インシュリン血症は血圧を上げたり、血管壁にコレステロールが蓄積されやすい状態をつくったりします。 慢性腎不全に陥る可能性がある高脂血症 慢性腎炎の経過中に起きるネフローゼ症候群では、尿中に排出されたたんぱく質の代わりに血液中のコレステロールが上昇し、動脈硬化を促進します。 また、糖尿病や高血圧を合併した高脂血症は動脈硬化を促進し、慢性腎不全に陥る可能性があります。 内分泌疾患の甲状せん機能低下症になると、脂質の代謝に影響します。甲状せんホルモンは、血液中のコレステロールを低下させるはたらきがあるからです。 甲状せん機能が低下すると動脈硬化を促進します。
動脈硬化を引き起こし、さまざまな生活習慣病をもたらす 血液中の脂質のうち、コレステロール(LDLまたはHDL)、中性脂肪(TG)、リン脂質などのいずれかが標準値より高い値であれば、高脂血症と診断されます。高脂血症には、高コレステロール血症、高中性脂肪血症、高HDL血症などがあります。 遺伝性、もしくは不適切な食事や運動不足が原因で、血中の脂質が過剰となり、動脈硬化を引き起こして虚血性心疾患などのさまざまな成人病をもたらします。 診断基準については、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患の発生率と血漿(けっしょう)脂質の値の相関についての疫学調査から検討されています。 日本動脈硬化学会の診断基準では、コレステロール値220mg/dl、中性脂肪150mg/dlが採用されています。いずれかがこの値以上なら高脂血症と診断されます。 食事、運動、薬物などの治療法 治療には食事療法・運動療法の他、薬物療法があります。食事療法・運動療法の効果が期待できるのは、不適切な食事や運動不足を原因とする高脂血症の軽度から中等度のものといわれています。また動脈硬化の危険因子(たばこ、ストレスなど)や合併症などがあれば、薬物療法が行われます。 コレステロール値・中性脂肪値と高脂血症(単位:mg/dl) 正常域 高脂血症 総コレステロール 120~219 220以上 LDLコレステロール 70~139 140以上 HDLコレステロール 40以上 39以下 中性脂肪(トリグリセリド) 50~149 150以上
生命維持に重要なコレステロール 両方とも体の中の脂質の一種ですが、コレステロールは体内の構造脂質、中性脂肪は貯蔵脂質です。 コレステロールは細胞膜の成分として、あるいはステロイドホルモン、性ホルモン、胆汁酸、ビタミンDの材料として生命維持に重要な役割を果たしています。 コレステロールは血液中では高比重リポタンパク(HDL)や低比重リポタンパク(LDL)に包まれて存在します。 体内のコレステロールのうち、食べ物から摂取されたものは約3割に過ぎません。残りの7割は糖質や脂肪酸を材料に、主として肝臓のほか皮膚、腸粘膜、副腎、腎臓、卵巣、精巣などで合成されます。 エネルギー源として活用される中性脂肪 一方、中性脂肪は、摂取した糖質、たんぱく質、脂質のうち、余分なものが貯蔵脂質として皮下の脂肪組織や肝臓に蓄えられたものです。 血液中では、カイロミクロンや超低比重リポタンパク(VLDL)と呼ばれるリポタンパクが運搬役を果たしています。 食物が不足すると、中性脂肪は脂肪酸とグリセロールとに分解され、脂肪酸は各臓器でエネルギー源として、グリセロールは肝臓のエネルギー源として活用されます。
エネルギーの過剰摂取や運動不足で起きる高脂血症 高脂血症は遺伝もしくはエネルギー摂取の過剰や運動不足が原因で、血液中のコレステロールや中性脂肪が過剰となった状態です。総コレステロールが220mg/dl以上、中性脂肪が150mg/dl以上の場合、高脂血症と診断されます。 コレステロールは血液の中で低比重リポタンパク(LDL)と高比重リポタンパク(HDL)に含まれて存在しています。LDLは肝臓から末しょう組織へコレステロールを運びます。HDLは末しょう組織で余ったコレステロールを抜き取って肝臓へ運びます。 コレステロールを蓄積させ、動脈硬化の原因に 高脂血症になると、末しょう組織にコレステロールを運ぶLDLが増加します。過剰になったLDLは血管壁に取り込まれ、コレステロールを蓄積させます。 変性したLDLが白血球の一種であるマクロファージに取り込まれ、そのマクロファージが血管壁内に入り込んでコレステロールを沈着させるのです。 その結果、動脈硬化が起こり血管は狭くなったり詰まったりします。 動脈硬化は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳高速などの脳血管障害、大動脈りゅうや末梢動脈硬化症など生活習慣病の原因となります。