脂質異常症にはいくつか種類があり、それぞれ治療法が異なる。きちんと治すためには、自分がどのタイプかを知っておくことが大切だ。
あなたも心当たりはないだろうか?
「甘いものが好きで間食が多い」「脂っこいものばかり食べている」「食事時間が不規則だ」「お酒を飲み過ぎる」「運動不足である」
偏った食生活、運動不足による肥満、アルコールの飲み過ぎが脂質異常症の代表的な原因である。
肝臓機能が衰えてLDL(悪玉)コレステロール受容体の動きが低下、コレステロールや中性脂肪などの血清脂質が血液中に増えてくるケースがある。男性の場合、30歳くらいから急に血清脂質の値が上昇してくる。
また女性の場合、閉経後に急に血清コレステロール値が高くなってくる。これは女性ホルモンのはたらきが低下するため。女性ホルモンにはLDL受容体を増やすはたらきがあるのだ。
脂質異常症や動脈硬化の中には遺伝的な要因が大きいケースもある(原発性脂質異常症)。ただし、これは「なりやすい体質」ということ。食事&運動など、生活習慣を見直すことで改善できるようだ。
脂質異常症はいくつかのタイプに分類できる。代表的なものを紹介しよう。
食生活の変化やライフスタイルの欧米化によって、日本でも高コレステロール血症の人が急増中。国民の5人に1人は高コレステロール血症の疑いがあるとさえ言われている。
日本人男性の脂質異常症に多いタイプ。アルコールと肥満の影響が大きいと考えられる。
早発性の冠動脈硬化症を合併する恐れがある。
中性脂肪によってHDLコレステロールが減らされるという説がある。動脈硬化にかかる危険性が高まる。
同じ脂質異常症でも、中性脂肪値が高いタイプかコレステロール値が高いタイプかで、治療法も異なるのだ。自分がどのタイプか知っておくことが大切である!
脂質異常症自体は、自覚症状がなく「SILENT DISEASE(沈黙の病気)」といわれている。しかし、脂質異常症を放っておくと、動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳血栓・脳梗塞、足などの閉塞性動脈硬化症などの原因になっていくのだ。
脂質異常症→動脈硬化→虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
→脳卒中(脳出血、脳硬塞)
→腎臓病
→閉塞性動脈硬化 etc…
命に関わる大問題につながりかねない!
脂質異常症の治療(服薬)をしているかどうかで献血できるかどうかが決まる。服薬を必要としない程度の脂質異常症であれば献血はでき、その血液は他に異常がなければ有効に活用される。服薬をしている場合は「薬剤を服用中との申告があれば、その目的、薬品名を確認し、疾病の内容、献血者本人の疾病に注意して、採血の適否を判断する」ことになる。
参考:新潟県赤十字血液センター資料