血液中の脂質のうち、コレステロール(LDLまたはHDL)、中性脂肪(TG)、リン脂質などのいずれかが標準値より高い値であれば、高脂血症と診断されます。高脂血症には、高コレステロール血症、高中性脂肪血症、高HDL血症などがあります。
遺伝性、もしくは不適切な食事や運動不足が原因で、血中の脂質が過剰となり、動脈硬化を引き起こして虚血性心疾患などのさまざまな成人病をもたらします。
診断基準については、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患の発生率と血漿(けっしょう)脂質の値の相関についての疫学調査から検討されています。
日本動脈硬化学会の診断基準では、コレステロール値220mg/dl、中性脂肪150mg/dlが採用されています。いずれかがこの値以上なら高脂血症と診断されます。
治療には食事療法・運動療法の他、薬物療法があります。食事療法・運動療法の効果が期待できるのは、不適切な食事や運動不足を原因とする高脂血症の軽度から中等度のものといわれています。また動脈硬化の危険因子(たばこ、ストレスなど)や合併症などがあれば、薬物療法が行われます。
正常域 | 高脂血症 | |
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総コレステロール | 120~219 | 220以上 |
LDLコレステロール | 70~139 | 140以上 |
HDLコレステロール | 40以上 | 39以下 |
中性脂肪(トリグリセリド) | 50~149 | 150以上 |