ダイエットの基本は摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やすこと。まずは基礎代謝量を上げて、同じ生活環境でもカロリーを消費しやすい=太りにくい体になることを目指しましょう。
「断食」と聞くと、おそらく多くの人がイスラム教やヒンドゥー教など宗教上のものが頭に浮かぶかもしれません。しかし「プチ断食」は、体の機能を休ませて、本来のチカラを取り戻すという健康のために行います。健康的な食生活を送るためにも、「プチ断食」であなたの体をリセットし、体がどんな食材を摂り入れたいのか体に聞いてみましょう。 目次 「プチ断食」とは? 代表的な「プチ断食」の方法 「プチ断食」は食べることへの執着から抜け出す手段 「プチ断食」とは? 「断食」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか。おそらく多くの人が、イスラム教やヒンドゥー教など宗教上のものが頭に浮かぶでしょう。しかしここ数年、さまざまなテレビや雑誌で紹介され話題となっているのが、健康づくりのために行う「プチ断食」です。 これは、生活習慣病や肥満の原因である食べ過ぎが「健康を害している」と気づきはじめた人に支持されているダイエット方法のひとつであり、健康的な体づくりに役立つとされています。溜まったものを出して、体の中をカラにするという至ってシンプルな方法がわかりやすく共感を呼んだのも人気の理由でしょう。 「プチ断食」の考え方とは… ●食べ過ぎによって健康を害している ●溜まったものを出し、体の中をカラにする(体内に蓄えられたエネルギーを使いきり、最後に残った体脂肪を燃焼させることによるダイエット効果で注目) ●使い過ぎの消化器官を休ませ、自己免疫機能を高める ●腸内に溜まった不要なものを排出することで、肌もキレイに 「プチ断食」は、体を内側からキレイにし、使い過ぎている体の機能を休ませて、本来のチカラを取り戻すというものです。デトックスという言葉が流行りましたが、「プチ断食」もこのひとつと考えていいでしょう。 代表的な「プチ断食」の方法 一般的に「プチ断食」と呼ばれてはいるものの、その方法には諸説あります。代表的なものを紹介します。 週末(金~日曜)に行う「プチ断食」 金曜の昼から徐々に食事を減らし、土曜日は絶食します。日曜の昼、夜は食事量を半分にまで戻します。水分はきちんと摂りながら、食事はおかゆにします。 にんじんジュース(フルーツジュース)を飲む 朝食をにんじんジュースまたはしょうが紅茶に代え、昼は軽く、夜は普通の食事を摂るというものです。この食生活に慣れたら週末プチ断食を実行するという人もいます。至ってシンプルな考え方なので、取り入れている人も多いのではないでしょうか。 ○こんな施設も… 週末を利用して行う「プチ断食」。やはりひとりで行うのは不安という方のために最近増えているのが施設で行う断食道場です。健康を考えた食材を使ったスープやサラダ、水を摂りながら行うため、初心者を中心に人気となっています。申し込むときには、事前に詳しく話を聞いて、納得した上で参加しましょう。 ただし、「プチ」とは言え、食事を抜くこともあるため、病気療養中の人には適していません。また、上で紹介した週末の「プチ断食」は3日間のうち、断食を行うのは1日だけです。それ以上やる場合には、きちんと専門家の指導を受けなくてはいけません。自宅で行う際には体調とよく相談し、決して無理をしないことも大切です。 「プチ断食」は食べることへの執着から抜け出す手段 ダイエットを目的として行う人が多い「プチ断食」。しかし、せっかく行うのであれば、ただ単に痩せるという目的を達するための手段として行うのはもったいありません。これまで食に無頓着だった人ほど、「食事とは何か」「健康とは何か」を考えるいい機会なのではないでしょうか。たとえ週末という短い間であっても、本当に体に必要なものを体から教えてもらうためのアンテナを研ぎ澄ますことはできます。またそれが「プチ断食」を行う真の目的と言ってもいいでしょう。 とかく食べ過ぎといわれる現代人。「食事の時間だから食べなくては」という執着から抜け出す手段として実行してみてはいかがでしょうか。 公開日:2008/04/28
お正月は、おせちやお雑煮、甘いお菓子など、太りたくない人にとっては誘惑のオンパレード。たとえ食べ過ぎたわけではなくても、年末年始を過ぎてみればなぜか太ってしまっていた、という方も結構いるのでは?そんなあなたは「モナリザ症候群」に陥っている可能性が高いかもしれない。お正月だけに限らず、日ごろから不活発な生活を続けている人は、とくに要注意だ! 目次 モナリザ症候群とは 体脂肪を減らすには「交感神経」がカギ アクティブライフがダイエットの秘訣! モナリザ症候群とは モナリザ症候群とは、"Most obesity known are low in sympathetic activity."(肥満者の大多数は交感神経のはたらきが低下している)という文章からとった言葉。1991年、アメリカのブレイ教授が提唱した説である。 私たちの体は、自律神経というスイッチのようなもので緊張したり、リラックスしたりしている。緊張させるスイッチは、自律神経のひとつである交感神経。リラックスさせるスイッチは、もうひとつの自律神経、副交感神経だ。 交感神経は、動き回る昼間に活発になる。また、副交感神経は休んだり、眠ったりする夜間によくはたらく。こうしてエネルギーを効率的に使ったり、節約したりすることが可能となるのだ。 ところが、長年、昼間に不活発な生活を送っている人は、徐々に交感神経のはたらきが鈍ってゆく。そうなると、体はエネルギーを十分に使うことができない。結局、消費エネルギーが低下し、余った分が体脂肪として蓄えられるようになる。やがて、さほど大食していないにもかかわらず、すぐ肥る体へと変わってしまう…これが「モナリザ症候群」というわけだ。 体脂肪を減らすには「交感神経」がカギ 交換神経と体脂肪との関係を、もう少し詳しく見てみよう。交感神経のはたらきが活発になると、アドレナリンというホルモンが分泌される。このアドレナリンは、αとβという2系統の受容体と結合することで、体に「活発に動け」という信号を送る。α系統は血管系に、β系統の受容体は心臓や気管支にはたらきかける。 実は、これらのホルモン受容体の中に、スリムな体を保つはたらきをするものがある。それが、β系統のβ3アドレナリン受容体。脂肪細胞の表面にあり、アドレナリンと結合すると、体内で熱を発生させて消費エネルギーを増加させたり、細胞内の中性脂肪の分解を進めたりする。つまり、交感神経をよくはたらかせれば、このβ3アドレナリン受容体によって、体脂肪をためにくい体を作ることができる、というわけだ。 ただし、最近の研究によれば、β3アドレナリン受容体に遺伝子変異を持つ人がいることがわかってきた。こうした人々は、アドレナリンが分泌されても、熱が発生されにくく、体脂肪がなかなか分解されない。白人では10人にひとりの割合で発見されているが、日本人では、なんと3人にひとりはいるという。 もちろん、こうしたタイプが即、太ってしまうわけではない。ほかにもいくつかの変異が重なって、肥満体になるものと考えられる。いずれにしてもβ3アドレナリン受容体の遺伝子変異は、肥満と深いかかわりがあるとして、目下、研究されているところだ。 アクティブライフがダイエットの秘訣! それでは、モナリザ症候群にならないためには、どんなことに気をつければよいのだろう?それはズバリ、活動的に過ごすこと!とくに昼間の生活をアクティブにすることがおすすめだ。 仕事や勉強に精を出せば、その分、交感神経は活発になる。脳だけでなく、体を使うことも大切。日ごろ、デスクワークが多い人は、習慣的にスポーツを楽しむようにするとよい。たとえば、バレーボール、ゴルフ、サッカーといった、瞬発力を要するスポーツなどだ。 多忙のあまり、ストレスや疲労をためこむのはもちろんよくないが、極端に不活発な生活は、肥満を招き、結局は健康を害することにつながりかねない。年末年始、生活のリズムをくずしてダラダラとした毎日を送ってしまった人は、そんな不規則な生活をあらためて、まずは交感神経を適度に刺激するよう心がけたい。 公開日:2005年1月11日
低血糖症を引き起こさないためには、数ある糖質の中でも、吸収が速く、血糖値を急激に上昇させてしまうタイプに注意する必要がある。しかし、低血糖症を恐れるあまり、糖質を敬遠してはカラダがもたない。糖質のことを知って、上手に甘い食べ物を楽しもう。 目次 「糖質=砂糖」ではない 一日に必要な糖質量を知っておこう 運動前と月経前の甘いモノは要注意 甘いものは楽しみとして 「糖質=砂糖」ではない 糖質というと、甘いもの=砂糖と勘違いしそうだが、実際にはさまざまな食べ物に糖質は含まれている。米飯やパン、麺類には「でんぷん」、果物には「果糖」や「ブドウ糖」、砂糖には「ショ糖」、牛乳には「乳糖」と、すべて糖質だ。 低血糖症を引き起こさないためには、この数ある糖質の中でも、吸収が速く、血糖値を急激に上昇させてしまうタイプに注意する必要がある。特に意識しない間に摂り過ぎてしまいがちなのが、飲み物による糖分。暑いこの時期は、なおさら意識して気をつけたい。 吸収が速い糖質 代表的な糖質:ブドウ糖、果糖、ショ糖 多く含まれる食品:甘いお菓子、炭酸飲料、果物、砂糖 ゆっくり吸収される糖質 代表的な糖質:でんぷん 多く含まれる食品:ご飯、パン麺類、芋類 一日に必要な糖質量を知っておこう さて、そもそも糖質とは、一体どんなものなのだろう。糖質という文字面からは、どうもダイエットの大敵のように感じられるが、糖質は、たんぱく質、脂肪(脂質)と並ぶ、カラダのエネルギー源となる3大栄養素のひとつだ。 しかも糖質は非常に重要なエネルギー源で、一日に必要なエネルギー量の少なくとも50%以上は糖質で摂るのがよいとされている。つまり20代の男性の一日のエネルギー所要量2,000kcalの場合、1,000kcal以上は糖質で摂るのが理想的ということだ。具体的な一日の食事に換算するなら、ご飯3膳、芋類2個、果物1個、おやつに甘いものを1個、といったところだろうか。 低血糖症を恐れるあまり、糖質を敬遠してはカラダがもたない。また、お菓子や炭酸飲料といった種類を除けば、糖質を多く含む食品は一般的に血糖値を急激に上昇させることはない。むしろゆっくりと血糖値を上昇させていき、ゆっくり下降するので、食べたばかりだというのにすぐまた何かを食べたくなる、といったことが少ないカラダにやさしい食べ物なのだ。 主な糖質食品の100g当たりのエネルギー量と糖質量 食品名 エネルギー量 糖質 ご飯(精白米)148kcal31.7g そうめん128kcal25.4g じゃがいも(蒸し)84kcal18.6g 桃37kcal9.2g スイカ31kcal7.9g ショートケーキ340kcal48.3g 出典:四訂日本食品標準成分表 運動前と月経前の甘いモノは要注意 吸収の速い糖質は、食べるタイミングにも少し注意したい。例えばスポーツをする1時間くらい前に、ケーキやおまんじゅうといったおやつを食べるのは禁物。糖質によって急激に上昇した血糖値が、インスリンのはたらきで急激に低下し、ちょうど体内では低血糖状態になる。このため脳へのブドウ糖の供給が不足して、吐き気をもよおすなどのトラブルを起こしかねないのだ。 また、女性の場合は、ホルモンの影響で月経前は低血糖になりやすいのでご用心。月経が近づいたら、ふだん以上にお菓子など吸収の速い糖質の摂り過ぎに気をつけよう。 甘いものは楽しみとして 冷た~いアイスクリーム、シュッとさわやかにノドをうるおす炭酸飲料、甘くておいしいチョコ菓子や和菓子…。甘味は、太古の昔から私たち人間をとりこにして止まない味覚だ。 それだけの効果もある。吸収の速いチョコやケーキなどの甘い食べ物は、ハードな仕事やスポーツで疲れたカラダにすばやくエネルギー補給ができ、疲労回復に役立つ。また、イライラしているときには心を落ち着かせてくれる効果もある。 こうした食べ物たちの、よい面だけを活かして、低血糖症といった弊害は取り除く。そのためにも、毎日の食生活では、朝・昼・晩の3食ばかりでなく、おやつや飲み物にも気をくばり、それらも含めたトータルな食生活を意識しよう。そして、堂々と、甘いおやつを楽しもう。 公開日:2003年7月14日
1日の総消費エネルギー量の約7割も占めている基礎代謝量ですが、加齢とともに急下降してしまう。筋トレで「下げ止まり」を狙い、ダイエットに利用しよう。 目次 ダイエット成功の鍵は『基礎代謝』にあり! 基礎代謝を高めて太りにくい体に 基礎代謝量は筋肉量で決まる あなたの「基礎代謝」チェック ダイエット成功の鍵は『基礎代謝』にあり! これまでダイエットは「体重」や「体脂肪」に注目して語られることが多かった。もちろん、両者ともダイエットには欠かせないキーワードだが、さらに注目したいのが「基礎代謝」という言葉。 基礎代謝とは、「生きていくために最低限必要なエネルギー」のこと。 1日の総消費エネルギー量は、この基礎代謝のほかに生活活動代謝量(日常生活や運動で使われるエネルギーのこと)とDIT(=食事誘導性体熱産生。食物を食べる際、咀嚼や吸収、消化などで使われるエネルギーのこと)に分かれる。このうち約6~7割を占めているのが基礎代謝量である。 基礎代謝を高めて太りにくい体に ダイエットのために消費エネルギーを上げようとする場合、運動などで生活活動代謝量を増やしていくわけだが、まずは基礎代謝量を上げて、同じ生活環境でもカロリーを消費しやすい=太りにくい体になることを目指すほうが効率的だ。 ところでこの基礎代謝、年齢と性別によって大きく違う。20歳前の成長期にピークを迎えた後、徐々に減っていき、一般的に40歳前後で一気に下降してしまう。その結果、食べる量が同じなのに太ってしまうことに。やっぱり中年以降は太りやすい体に変わっていくのだ。 年齢別基礎代謝量とエネルギー所要量 年齢 基礎代謝量kcal/日(男/女) エネルギー所要量kcal/日(男/女) 18~291,550/1,2102,000/1,550 30~491,500/1,1701,950/1,500 50~691,350/1,1101,750/1,450 70以上1,220/1,0101,600/1,300 出典:「第6次改訂日本人の栄養所要量について」厚生労働省、「2002新食品成分表 FOODS」一橋出版 基礎代謝量は筋肉量で決まる 基礎代謝量を決めるのは筋肉量。同じ身長・体重でも、脂肪が少なく筋肉量が多い人のほうが基礎代謝量が高くなり、消費エネルギー量も多くなる。 しかし残念なことに、筋肉量や筋力は成長ホルモンの低下やたんばく質合成の低下によって30代をピークに徐々に落ちていくもの。こうして基礎代謝は歳とともに減り続けるわけだ。一度下降した基礎代謝は、もう二度と増えることはないのだろうか? だが、安心して欲しい。加齢に伴い落ちていく基礎代謝を思春期レベルにまで戻すことはできないが、筋肉は30代、40代でもトレーニングすることで十分つくものだ。 要は、「いかに基礎代謝を下げないか」が大切なのである。 あなたの「基礎代謝」チェック さて、あなたの基礎代謝は低下していないだろうか?以下の項目で多くチェックが入った人はご用心! 基礎代謝チェック 体温が低い(35℃台) 冷え性である 食べる量が変わらないのに太ってしまう 疲れやすく、疲労回復しにくい 普段、ほとんど体を動かさない 二日酔いが抜けるのが遅くなってきた 肩こりや腰痛がある 血圧が低い あまり汗をかかない 二の腕がたるんできた
実際に基礎代謝をキープするためにおすすめなのがダンベル体操。効果をあげるちょっとしたコツを紹介する。 目次 「レジスタンス運動」で基礎代謝量をキープしよう Q. 基礎代謝量って、どうやって測るの? Q. 基礎代謝量って、どれくらいあればいいの?目安になる数値を教えて! Q. 夏と冬で基礎代謝量は変わるの? Q. 基礎代謝量をアップさせるために運動の他に気をつけることがありますか? 「レジスタンス運動」で基礎代謝量をキープしよう 年齢とともに下降していく基礎代謝量。食い止めるためには、運動で筋肉を付けることが一番の近道。筋肉に抵抗をかける「レジスタンス運動」と呼ばれるバーベルやダンベル、マシンを使うエクササイズがよい。 「バーベルやダンベル~?」と二の足を踏む人も多いかもしれないが、格闘技家のように筋肉隆々の体をつくることが目的ではないのでご安心を。白筋、赤筋とある筋肉のうち、脂肪燃焼効果が高い赤筋を鍛えることが狙い。赤筋がつけば基礎代謝も高まるといわれているのだ。 さて、実際にトレーニングを始めるにあたって、手軽に始められるダンベル体操をオススメしたい。 いよいよダンベル・エクササイズを始めます(基本コース) ポイントは「筋肉に力を入れるときには息を吐く」こと。重みに対して力が入っている筋肉に意識を集中できればなおOK。 10回くらい上げ下げしてみて疲れるようならダンベルが重すぎる状態。手首を傷める原因にもなるので、注意しよう。20回くらい反復運動できる負荷であれば、赤筋が優先的に使われるのでダンベル体操には丁度よい。 また、スポーツクラブに通ってマシンエクササイズに挑戦する場合は、ケガの危険性の少ないものから徐々に慣らしていこう。腹筋、背筋、胸、上腕、腿など大きな筋肉から鍛えていくとよい。ほかにも、音楽に合わせて軽めのバーベルで運動できるプログラムもある。 Q. 基礎代謝量って、どうやって測るの? 基礎代謝を病院などで本格的に測定する場合、「早朝空腹時(食後12~14時間経過していること)」「禁煙」「夕食に高たんぱくのものを摂らない」「快適な温度環境(20~25度)」「正常体温」「心身ともに安静な状態であお向け」など細かい条件のもとで行った安静換気からの酸素摂取量を元に測定するなどの方法で検査している。家庭で手軽に測定できる基礎代謝チェック機能つきの体重計もあるので、利用してみよう。 Q. 基礎代謝量って、どれくらいあればいいの?目安になる数値を教えて! 体重をもとに、自分の基礎代謝量(kcal)を計算する方法もある。 基礎代謝量計算式 年齢 男性 女性 15~1727.0×体重25.3×体重 18~2924.0×体重23.6×体重 30~4922.3×体重21.7×体重 50~6921.5×体重20.7×体重 体重=kg 出典:「2002新食品成分表FOODS」一橋出版 例えば、35歳で75kgの男性なら22.3×75=1672.5kcalとなる。 ただし、これはあくまで目安。同じ体重でも筋肉量で基礎代謝量は変わってくるのだ。 Q. 夏と冬で基礎代謝量は変わるの? 変わる。一般的に体温を燃やす必要のある冬の方が基礎代謝量が増える。 Q. 基礎代謝量をアップさせるために運動の他に気をつけることがありますか? ダイエット成功のポイントは「運動」と「食事」の両面から考えること。基礎代謝アップについても同じことだ。せっかく運動を続けても、栄養のバランスが悪かったり、節食していては筋肉そのものが作られない。毎日の食生活をもう一度見直すことも大切だ。
とうがらしに含まれる辛味成分「カプサイシン」に、体内の中性脂肪を直接エネルギーになる脂肪酸に変化させる力があることがわかりました。そのため、カプサイシンを摂れば摂るほど燃やす「マイナスカロリー効果」があるようです。寝ていても痩せられるとも言われますが、果たして本当なのでしょうか?そのメカニズムを解説します。 目次 とうがらしで脂肪が燃えるメカニズム。中性脂肪を強制的に脂肪酸に変える? とうがらしはマイナスカロリーって本当? とうがらしで脂肪が燃えるメカニズム。中性脂肪を強制的に脂肪酸に変える? 脂肪が燃えるメカニズムを紹介する前に、体に貯まっている脂肪とは一体どんなものなのか簡単にまとめてみましょう。 脂肪は、体を動かすのに必要なエネルギーのひとつで、大きく脂肪酸と中性脂肪に分けられます。 ●脂肪酸 血液中に存在し、すぐにエネルギーに変えることができるもの ●中性脂肪 脂肪細胞の中に貯えられる。脂肪酸が3つとグリセロールがくっついたもの 中性脂肪は基本的に、血液中にある脂肪酸などが少なくなると分解され、新たな脂肪酸として活動のエネルギーになります。 このことからこれまで、やせるためには以下の2つの方法しかないと言われてきました。 エネルギー源となる食べ物の摂取量をおさえて、中性脂肪を脂肪酸に分解させる ウォーキングなどをたくさんして、中性脂肪を脂肪酸に分解させる ところが、カプサイシンに中性脂肪を脂肪酸に変えてしまうはたらきがあることが、京都大学の研究グループにより発表されました(1998年4月 日本栄養・食糧学会)。そのメカニズムをまとめると以下のようになります。 カプサイシンが血液中に吸収される → 脳に運ばれ、内臓感覚神経を刺激する → 脳からの指令で、体に興奮作用を引き起こすホルモン「アドレナリン」が分泌される → アドレナリンによって体内にたまった脂肪が、エネルギーになりやすい脂肪酸に変わる この実験はマウスによって行われたものですが、すぐに使えるエネルギー源となる「脂肪酸」が増えたせいか、マウスの持久運動能力も向上したそうです。つまり、とうがらしを食べた後に運動すれば、これまでよりも効率的にダイエットできるというわけです。 とうがらしはマイナスカロリーって本当? 次に、「とうがらしマイナスカロリー説」を検証してみましょう。 とうがらしを食べると、体内で熱が生み出される効果があります。これは食後6時間くらい続くようです。体温も少し上がった状態(0.1度くらい)になり、そのぶん消費されるカロリーが増えることになり、これが「マイナスカロリー」ということになります。 では、具体的にどのくらいのカロリーが消費されるのでしょうか?食べた物の10~20%や、カプサイシン入りの健康ドリンクを飲んだら90分でマイナス10kcal(あめ玉約1個分)など、諸説あるようですが、まだきちんとした研究結果は出ていないのが現状です。 「マイとうがらし」を持ち歩き、何にでもかけている人もいるかもしれませんが、とうがらしをたくさん食べた方がやせるというわけでもないようです(もしそうなら、食べれば食べるほど熱が上がってフラフラになっているはず)。 「食べるだけで寝ていてもやせる」というのは本当のようですが、ほんのちょっとだけ、と考えたほうがいいでしょう。やっぱり運動は必要なのです。
基礎代謝量とは、生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量 基礎代謝量とは、目覚めている状態で生命を維持する(心臓、呼吸、腎臓のはたらき、体温や筋緊張の維持など)ために必要な最小限のエネルギー消費量のことをいいます。 このうち約1/3は心臓などの諸臓器の活動に、2/3が筋肉そのほかの組織の生活および体温維持などに使われます。 基礎代謝量は、風土、人種、性別、年齢、体格などによって異なり、食事や運動などの日常生活の状態によっても違ってきます。 しかし、同性・同年齢ならば、その体表面積に比例することが知られています。 女性は男性より低く、また妊婦では妊娠後期に20%位高くなります。 エネルギー所要量とは、1日の総エネルギー量 一方、エネルギー所要量とは、1日に消費するエネルギー量を補給するために摂取すべき1日の総エネルギー量のことで、 1. 生命維持に必要な基礎代謝 2. 生活活動に必要な活動代謝 SDA(specific dynamic action) 上記の値の総和であると考えられています。 SDAとは、食物の特異動的作用のことです。食事の際、特に動物性の食品を多く食べると、食後安静にしていても代謝量は増加します。その分は、1日のエネルギー所要量の1/10と考えられています。 従って、以下の計算式により求められます。 A=B+Bx +0.1 A A=1日のエネルギー所要量 B=1日の基礎代謝量、 x=生活活動指数 0.1 A=SDA 年代別・性別による1日の基礎代謝量とエネルギー所要量 年齢 性別 基礎代謝量(kcal/日) エネルギー消費量(kcal/日) 20歳代 男 1533 2550 女 1209 2000 30歳代 男 1499 2500 女 1188 2000 40歳代 男 1447 2400 女 1162 1950 50歳代 男 1364 2250 女 1122 1850 (厚生労働省:日本人の栄養所要量、第四次改定(平成元年)より抜粋)
アルコールの飲み過ぎも要注意 エネルギーの取り過ぎとは、体が消費する必要以上のエネルギーを取ることです。余分のエネルギーは、グリコーゲンや脂肪に変わって、体脂肪として蓄えられます。 アルコール飲料を飲み過ぎてもエネルギーの取り過ぎとなります。アルコールは体の中でエネルギーに変わる時に脂肪酸などを使うのを節約するため、そのまま肝臓で中性脂肪になってしまいます。 エネルギーを取り過ぎるとこんなに危険! エネルギーを取り過ぎて、体脂肪が蓄積されれば、肥満になります。肥満は心臓血管障害や骨関節炎を悪化させます。 また、特に生活習慣病を起こす大きな誘因になって、糖尿病や高血圧などにかかりやすくなります。胆石にもなりやすくなります。痛風も発症してきます。 妊娠中の女性がエネルギーを取り過ぎると、妊娠中毒を起こしやすくなります。高血圧になり、難産や死産の危険率が高くなります。