疾患・特集

リウマチのツラさを擬似体験 チーム・リウマチの診療現場(4)最終回

関節リウマチ患者さんの治療効果が不十分で手足の動きが困難になると、ふだんの生活で歩くことや、家事、仕事、歩くことなど日常生活に支障が起こりやすくなります。そこで、世田谷リウマチ膠原病クリニック/東信よしだ内科・リウマチ科は、医師、看護師などからなる「チーム・リウマチ」のスタッフは、患者さんが生活上で困難に感じていることを理解するために擬似体験をしています。

患者さんの体のツラさや大変さを疑似体験で実感

世田谷リウマチ膠原病クリニック/東信よしだ内科・リウマチ科のチーム・リウマチは患者さんの気持ちがわかるように、看護師や事務職などの女性スタッフが患者さんとコミュニケーションを深めていますし、問診表を工夫しています(関連記事:患者が主役のリウマチ治療最前線リウマチ治療のキーは「情報」)。
治療に関しては、患者さんがリウマチの治療薬を服用するときや、サプリを摂るときなどに副作用などの注意点をチェックシートで理解できるようにしています。
妊娠を控えた患者さんには風疹や麻疹のワクチン接種の有無を聞きとりして、安全かつ安心な医療を提供するようにしています(関連記事:リウマチ治療で注意すべき薬剤の飲み合わせ)。
また、クリニックでは患者さんに親身に対応できるよう、スタッフが関節リウマチ患者さんの身体状況を体験できるグローブ、肘、膝などの装具を実際に着用して患者さんの体の様子を実感する体験をしてから患者さんに対応するようにしています。

写真:患者さんの体の様子を実感する1 写真:患者さんの体の様子を実感する2 写真:患者さんの体の様子を実感する3

提供:世田谷リウマチ膠原病クリニック/東信よしだ内科・リウマチ科

疑似体験をした医師、看護師、理学療法士、医療事務スタッフ、臨床検査技師、放射線技師、栄養士などは、関節リウマチ患者さんの体のツラさ、大変さを知ることができます。
椅子からのしゃがみ立ち、お会計のときのお財布の開け閉め、衣服の脱ぎ着やトイレの動作、クリニック内の歩行など、患者さんの生活上の困難さをスタッフ全員がわかることができれば、「患者さんに寄り添う治療」を提供できるようになるのです。
「チーム・リウマチ」は、クリニックのすべてのスタッフが患者さんに最も有益な医療を提供するための情報を共有し、他職種の役割を理解したうえで、患者さん一人ひとりに合ったベストの医療を提供するために日々奮闘しています。

監修:吉田智彦先生

吉田智彦先生

所属学会
日本内科学会、日本リウマチ学会、日本臨床リウマチ学会、日本リウマチ学会 リウマチ指導医、日本アレルギー学会、日本糖尿病学会 など
略歴

芝学園(東京都港区)卒業
聖マリアンナ医科大学大学院卒

聖マリアンナ医科大学病院リウマチ膠原病アレルギー内科に入局し同大学病院でリウマチ膠原病の診療にあたりながら、難病治療研究センターに所属して研究に従事しました。
平成10年12月から長野県埴科郡坂城町の父のクリニックで診療をはじめ、
平成12年4月~平成14年3月:日産厚生会玉川病院で診療。
平成17年4月~平成18年5月:児玉経堂病院リウマチ内科で診療。
平成18年6月に世田谷区に日本で初めてのリウマチ膠原病の専門クリニックとして世田谷リウマチ膠原病クリニックを開業いたしました。
現在は、世田谷リウマチ膠原病クリニックと長野県埴科郡坂城町の東信よしだ内科の2施設でリウマチ膠原病診療にあたりながら、全国で講演、学会発表、論文発表、市民公開講座などを行っています。

世田谷リウマチ膠原病クリニック
URL:http://www.setagayariumachi.com/

東信よしだ内科・リウマチ科
URL:http://nagano-riumachi.com/

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公開日:2018/12/26