何を食べても味がしない。「味覚障害」といわれる症状が増えているようだ。味覚障害となる原因のひとつは亜鉛不足と言われている。味覚のチェックは、病院で簡単に検査できる。 目次 味覚障害が増えている! 原因は亜鉛不足 あなたの味覚をチェック! 味覚障害が増えている! 「何を食べても味がしない」「食べ物の味が薄く感じられる」「作った料理が濃すぎると、家族に言われた」―こんな症状を訴える人が増えているようだ。 これは、味覚障害といわれる症状。食べている物の味がしないことほど気持ちの悪いことはない。味覚障害は、知らず知らずのうちに症状が進行し、気がついた時にはかなり症状が進んでいるケースも少なくない。 こんな症状が味覚障害 ●味覚減退・味覚消失…味の感じ方が鈍くなったり、味を感じなくなったりする ●異味症…本当は甘いのに、苦く感じるなど、違った味を感じる ●自発性異常味覚…口の中に何もないのに苦味や渋味などを感じる ●解離性味覚障害…甘みだけがわからない ●悪味症…何を食べてもいやな味になる 参考文献:「亜鉛パワーの秘密」冨田 寛 宙出版 原因は亜鉛不足 味覚障害に陥る原因は、いくつか考えられる。舌に異常がある場合や風邪をひいて嗅覚が鈍っているケースもあるが、主な原因は亜鉛不足と言われている。 ちなみに、味覚を感じるのは、舌や上あごにある味蕾(みらい)という器官。舌の表面を覆っている白いぶつぶつした突起物を糸状乳頭といい、その中にあるぽつぽつした赤い部分を茸状(じょうじょう)乳頭という。その中に味蕾はある。 また、味蕾は舌の奥のほうの10個くらい逆V字型に並んでいる大きないぼいぼ(有郭乳頭という)の中や、舌の両側のつけ根に赤く盛りあがって見える葉状乳頭と呼ばれる部分や、上あごの奥の口蓋垂(いわゆるのどちんこの上の部分)にもある。 実はこの味を感じる細胞は、短い周期で新しく生まれ変わっており、そのためにはたくさんの亜鉛を必要とする。つまり、亜鉛が不足すると細胞が生まれ変われなくなってしまい、味覚障害を引き起こしてしまうのだ。 あなたの味覚をチェック! 自分の味覚がおかしい、なんてなかなか気がつかないことがある。とくにひとりで食事をする機会が多い人は、知らないうちに症状が進行してしまうこともある。 病院での診断には電気味覚検査法と濾紙ディスク法がある。いずれも簡単にできる検査なので、検査設備が整っている病院で受けよう。なお、味覚障害と聞くと内科などの受診を思い浮かべがちだが、耳鼻咽喉科で検査設備が整っていることがあるので、出かける前に問い合わせてみよう。 味覚チェック法 ●電気味覚検査法 電気味覚計という器具を使い、弱いプラスの電気を流して刺激レベルを変化させ、味を感じ取れる度合いを調べる方法。 ●濾紙ディスク法 甘味、塩味、酸味、苦味の4種類の味をそれぞれ染み込ませた濾紙を舌の上にのせて味が感じられるかどうかをチェックする方法。濾紙に染み込ませた味が全部で5段階ある。 公開日:2001年3月26日
「味付けが濃い」という家族の言葉で、味覚障害を発見! 同じ料理を食べても、味の感じ方は人それぞれ。どのように感じているかは、本人にしか分からない。そのため、「味を感じない」「おいしいと思えない」などの味覚の異常があれば、まずは自分が気づくのが自然だと思われる。しかし実際には、自分が味覚障害だと気づいていない人が多くいると考えられている。 家族など、身近な人からの言葉がきっかけとなって発見されるケースもある。例えば、料理を作ると「味付けが濃い」と言われることや、一緒に食事をしている人から「調味料や香辛料を使いすぎる」と指摘されることが多い場合は、味覚が鈍り味を感じにくくなっているため、必要以上に調味料を使っている可能性がある。以下の中に思い当たる項目がないか、チェックしてみよう。 味覚障害チェックリスト □ 家族から「料理の味付けが濃い」と言われる □ 味オンチだと言われる □ 食事の際、調味料や香辛料をたくさん使う □ 食べ物の味がしない □ 食べ物がおいしくない □ 甘い、辛い、すっぱい、苦い…どれかを感じない □ 口の中に何もなくても味がする □ 臭いを感じなくなった □ 舌がピリピリ痛い 味覚障害に潜む死の影…。舌がんが隠れていることも 味覚障害は冗談めかして「味オンチ」と表現されるように、それほど深刻ではない病気というイメージを一般的にもたれているかもしれない。しかし、思いもよらない、重篤な病気が隠れていることもある。例として挙げられるのは、脳梗塞や糖尿病、舌がん、うつ病など。ほかにも、亜鉛の不足や使用した薬の影響、放射線治療の影響など、味覚障害にはさまざまな原因が考えられる。味覚に異常を感じる、あるいはまわりの人からよく指摘される場合は、なるべく早く検査を受けるようにしたい。 ●末梢神経障害(中耳炎、顔面神経障害など) ●中枢神経障害(脳梗塞、脳出血など) ●腎障害 ●肝障害 ●糖尿病 ●消化器疾患 ●ビタミン欠乏症 ●甲状腺機能障害 ●口腔・唾液腺疾患(舌炎、舌がん、シェーグレン症候群など) ●精神疾患(うつ病、神経症など) ●風味障害(嗅覚の異常) …など 味覚について不安があれば、まずは検査へ! 味覚障害を専門とする口腔外科や耳鼻咽喉科などで行われる検査として、次のようなものがある。味覚障害は治療が可能な病気なので、原因を突き止め、症状の程度を確かめるために、まずは検査を受けることが重要だと言える。 味覚障害の主な検査 ●血液一般検査 採血し、白血球や赤血球、血液中に含まれる成分の量を確認する。 ●血清微量元素測定 採血して得られた血清中に含まれる鉄や銅、亜鉛などの量を確認する。 ●ろ紙ディスク法検査 酸味、塩味、甘味、苦味の味溶液に浸した直径5mmほどの円形のろ紙を、それぞれ舌に乗せて、感じた味を答える。 ●食塩味覚閾値判定ろ紙(ソルセイブ)検査 濃度の異なる、塩味のするスプーン型のろ紙を段階的になめて、感じた味を答える。 ●全口腔法検査 酸味、塩味、甘味、苦味の味溶液を口に含み、感じた味を答える。 …など
味覚障害~ドクターインタビュー 検査と治療法 ■お話を伺った先生 日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 教授 日本大学医学部附属板橋病院耳鼻咽喉科 部長 池田 稔 先生 味覚障害になる人は増えている ―― 味覚障害の患者さんは多いのですか? 2003年に行われた日本口腔・咽頭科学会アンケート調査によると、味覚障害で耳鼻科を受診している患者数は全国に24万人で、約10年間で1.7倍も増えていました。当院の専門外来でも味覚障害の患者さんを週1~2回診察していますが、1ヵ月先まで予約待ちが続くほど患者さんは増えています。 耳鼻科以外に内科や歯科を受診している味覚障害の患者さんまであわせると、おそらく全国で35~40万人にのぼると考えられますが、数日で症状がおさまったり、忙しかったりして受診まで至らない人も含めると、実際にはもっと大勢の方が味覚障害になっていると予想されます。 味覚障害の診断に必要な検査 ―― 味覚障害かもしれないと思ったとき、どのような診療科を受診すればいいですか? 味覚に異常を感じると、多くの人は近医の内科や耳鼻科、または歯科を受診します。そして、症状や血液検査の亜鉛値などから味覚障害と診断されると、亜鉛製剤などによる治療を開始します。しかし、症状がなかなか改善しない場合には、専門の病院で味覚機能検査を受ける必要があります。 ―― 味覚機能検査とは、どのような検査ですか? 当院で行う味覚機能検査は、ごく微量の電流で舌を刺激する電気味覚検査と、味の溶液を付けた小さな紙を舌にのせるろ紙ディスク法検査で、いずれも苦痛などはなく簡単に味覚機能を調べることができる検査です。また、アリナミンテストなどの嗅覚機能検査で、においの感覚異常も調べます。 味覚障害の治療法~経験にもとづく治療から原因に対する治療へ~ ―― 味覚障害を治療する薬はありますか? 現在の日本では、味覚障害の治療薬として認可されている薬剤はありません。しかし、多くの経験や研究から、亜鉛を3ヵ月~6ヵ月飲み続けると味覚障害の患者さんの約70%に有効であることがわかっているため、亜鉛製剤による内服治療が一般的に行われています。また、必要に応じてビタミン剤や漢方薬など飲み薬を追加したり、サプリメントで亜鉛を補充することもあります。 ―― 今後、味覚障害の治療はどのようになると思われますか? これまで経験的観点による治療を続けてきましたが、最近では「味覚障害の多くは亜鉛欠乏が関与する」ことが解明されつつあり、この原因に対する治療薬が現在開発中です。今後は、味覚障害に対する有効性や副作用などの安全性が確認された薬剤による一歩進んだ治療が期待されます。
■お話を伺った先生 日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 教授 日本大学医学部附属板橋病院耳鼻咽喉科 部長 池田 稔 先生 味覚障害の原因 ―― 味覚障害になりやすい人はいますか? 現在、味覚障害になる人が増えている理由の一つに、この病気が高齢者に多く生じてくるという背景があります。味覚機能は年齢とともにゆっくり低下し、70歳あたりの高齢になると急激に低下します。そして、この条件に味覚障害をひきおこす原因(薬の副作用、全身の病気、血液中の亜鉛不足など)が加わると、味覚障害が起きやすくなります。 味覚障害の予防 ―― 味覚障害にならないためにできることはありますか? 将来的に味覚障害にならないためには、次のことを心がけ、舌にある味細胞(みさいぼう)が正確に味覚を感知できるようにしておくことが大切です。 また、味覚に異常を感じるようになっても適度なアルコールや香辛料を口にすることは問題ないですが、喫煙は絶対に控えたほうがよいでしょう。 亜鉛を含む食品を食べるなど、栄養バランスのとれた規則正しい食事をする 唾液が出るようによく噛んで食べる 食後の歯磨きなどで、口の中を清潔にする 喫煙を控える ―― 最後に、ユーザーの方へのメッセージをお願いします。 味覚障害は直接命にかかわる病気ではありませんが、病的な濃い味付けを年余にわたり続けていると高血圧など二次的な病気になったりすることも否定できません。 味覚障害は高齢の方でも比較的若い方でも、きちんと治療すれば同じように改善しますので、専門の検査で味覚機能を評価しながら治療を行うことが重要です。
味覚障害の専門医である池田稔先生(日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 教授)に、味覚障害の基礎知識や最新の治療方法についてお話を伺いました。 ■お話を伺った先生 日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 教授 日本大学医学部附属板橋病院耳鼻咽喉科 部長 池田 稔 先生 ■ご経歴 医学博士 日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、日本気管食道科学会認定専門医。 日本口腔・咽頭科学会理事、日本微量元素学会理事、日本耳鼻咽喉科学会評議員、日本気管食道科学会評議員、日本耳科学会評議員、日本鼻科学会評議員など要職多数。ご専門領域 「慢性中耳炎を主体とした耳科手術」、「味覚障害」、「顔面神経障害」など。 最も多い自覚症状は“味覚低下” ―― 味覚障害の症状にはどのようなものがありますか? 味覚障害でもっとも多い症状は、味がわからなくなる味覚低下あるいは味覚消失・脱失で、70~75%の患者さんに現われます。次に多い症状は「何も食べていないのに口の中が苦い」などと訴える自発性異常味覚で、味覚低下とともに現われる場合もあります。そのほかに本来の味と違った味を感じる錯味(さくみ)症・異味(いみ)症、何を食べてもおいしくないと感じる悪味(あくみ)症などがあります。 さらに、このような症状から食欲がなくなったり、食事ができず体重が減ったりする人もいます。また、塩味がわからず塩辛い食事を続けていけば、高血圧につながるなど、二次的な症状が現れることも考えられます。 ―― 「けっこう塩辛いものが好き」という場合、味覚障害でしょうか? それは、その人の「嗜好」だと考えていいでしょう。しかし、「塩辛くしなければ味を感じない」というようになり、過剰に醤油や塩などの調味料を使うような状態が続く場合は、味覚障害の可能性があるかもしれません。 味覚障害の症状 ●味覚低下 何を食べても味が薄いと感じる。 ●味覚消失・脱失 何を食べても全く味がしない。 ●自発性異常味覚 口の中に何も入っていないのに苦いと感じ続けることが多い。他にも甘い、塩辛い、酸っぱい、渋い、金属の味などを感じることもある。 ●錯味症・異味症 本来は甘いはずのものを食べても苦く感じるなど、味を取り違える。 ●悪味症 何を食べてもいつも変な味がする。 体内の“亜鉛欠乏”が味覚障害の引き金に! ―― 味覚障害はどうして起こるのですか? 味覚障害のおもな原因は、薬の副作用や血液中の亜鉛不足、全身の病気(肝障害、腎障害、消化器障害、糖尿病など)、食品添加物の影響などです。また、原因がわからない場合を特発性(とくはつせい)味覚障害といいます。 このように原因はいろいろありますが、共通することは、からだの組織、細胞に必要な亜鉛の欠乏が考えられます。 体内で必要な量の亜鉛が不足すると、舌の奥にある味蕾(みらい)という部分の味細胞(みさいぼう)の生まれ変わりが遅くなり、味細胞の構造や機能に影響を与えることが動物実験などの結果からわかってきました。 味覚障害のおもな原因 血中の亜鉛不足 偏った食生活などが原因で、味覚機能を維持するために必要な血液中の亜鉛の量が正常よりも少ない。 二次的な亜鉛不足 薬や食品添加物の影響 一部の薬や食品添加物が、消化管内で亜鉛と結合して体内への亜鉛の取り込みを低下させたり、体内から亜鉛の排泄を促進させたりする。 全身性の病気の影響 糖尿病や肝障害・腎障害は体内での亜鉛の利用を妨げ、消化器障害は体内への亜鉛の取り込みを低下させる。 特発性の味覚障害 血液中の亜鉛の量は正常であり、原因が不明であるが、亜鉛を内服すると症状が改善する。
亜鉛は新陳代謝に欠かせないミネラル。お肌や髪を健やかに保つ、傷を早く治すなど大事なはたらきをしてくれるのです。他にも免疫力をアップさせたり、脳のはたらきを高めてキレやすい精神状態を穏やかにする作用も。見逃せない亜鉛効果がいっぱいです! 目次 はたらき1:イライラ&落ち込みを解消 はたらき2:免疫力アップ! はたらき3:女性ホルモンの分泌を促す はたらき4:お肌の健康を保つ はたらき5:味覚を正常に保つ はたらき6:悪酔い回避 亜鉛コラム:味蕾(みらい)って? はたらき1:イライラ&落ち込みを解消 感情のコントロールや記憶力の維持には、神経細胞の伝達がスムーズに行われる必要がある。 亜鉛は神経細胞間の刺激伝達物質を合成する成分で、脳の機能を高め、精神を安定させるために不可欠なのだ。亜鉛不足が続くとイライラしたり落ち込みやすくなったり、記憶力の低下、うつを招く原因になってしまう。子どもたちが突然「キレる」原因のひとつにも亜鉛不足があげられている。 はたらき2:免疫力アップ! 亜鉛には免疫細胞のはたらきを活性化させる作用がある。また、活性酸素を除去する酵素のはたらきを助けるため、生活習慣病などから体を守る効果も。粘膜の健康を保つビタミンAを体内にとどめるはたらきもあり、喉の痛み・鼻水・鼻づまりなど風邪の症状の改善が期待できる。風邪をひいたかな?と思ったらビタミンCとともに亜鉛を摂ることをおすすめ。 はたらき3:女性ホルモンの分泌を促す 亜鉛は女性ホルモンが正しく機能するためにも欠かせない栄養素。亜鉛の摂取量が不足すると女性ホルモンのはたらきの低下や月経周期の乱れが大きくなるなどの問題が生じるともいわれている。特に更年期に差しかかった場合、亜鉛不足がホルモンバランスの乱れに一層拍車をかけてしまうことをお忘れなく。更年期の女性ばかりではなく、若い女性にも亜鉛は不可欠。卵子の発育や妊娠の継続にも欠かせないことから、妊娠を望む人や妊娠中の人は亜鉛が不足しないように気をつけて! もちろん男性にも亜鉛は重要。前立腺に多く存在し、性ホルモンの合成を助けて精子を作ったり、精子の運動を活発にしてくれる作用があるのだ。 はたらき4:お肌の健康を保つ 亜鉛は新しい皮膚の生成に欠かせない。ビタミンCとともに肌のハリを保つコラーゲンを作ったり、傷んだ細胞の新陳代謝を活発にし、再生を促してくれる。もちろん、毛髪などの新陳代謝も活発にするので、薄毛を気にしている場合も積極的に亜鉛を摂ろう! はたらき5:味覚を正常に保つ 舌には味蕾(みらい)という器官があり、細胞の新陳代謝を繰り返すことで味覚を正常に保っている。亜鉛が不足すると細胞の新陳代謝が滞るため、味覚が鈍くなって濃い味しかわからなくなったり、甘さを苦く感じたり、味を感じられないなどの「味覚障害」がおこる。若い年代を中心に味覚障害が年々増加傾向にあるという。 体内の「亜鉛欠乏」が味覚障害の引き金に! 「料理ベタ」の原因は、まさかの…味覚障害!? はたらき6:悪酔い回避 体内に入ったアルコールは肝臓で分解される。その過程で酔いがさめるとともに、アセトアルデヒド(二日酔の原因)が代謝物として産生される。肝臓でのアルコール分解には、アルコール脱水酵素という酵素が関与しているが、亜鉛はこの酵素のはたらきを助け、悪酔いを防止する効果がある。 亜鉛コラム:味蕾(みらい)って? 舌の表面に見える小さなプチプチの中にある味覚の受容器のこと。味孔という穴から味の化学分子が入り込み味覚細胞で味覚信号をキャッチ、味覚神経→延髄→間脳を経由して「大脳」の「側頭葉味覚中枢」に信号が受信されて私たちは"味"を感じているのだ。味をよく感じるために基底細胞の分化によって絶えず新しい味覚細胞が作られており、味覚細胞の寿命はほ乳類で約10日といわれている。味蕾は舌以外にも咽頭、喉頭などに分布、成人でその数1万個前後といわれている。味蕾の数は5~7ヵ月の胎児に一番多く、40代半ばからだんだん減少してしまう。「おいしい」をキャッチする味蕾。大事にしたいものだ。 公開日:2002年7月22日
インスタント食品や加工食品を摂る機会の多い現代日本人。亜鉛摂取量がどんどん不足しています。毎日の食事から上手に亜鉛を摂ることを心がけましょう。また、食品の組み合わせ次第で亜鉛の吸収量が断然アップします。知っておくと得する食べ合わせもご紹介します。 目次 亜鉛不足を招く原因 +ビタミンC・クエン酸で最強メニューに! 食べ合わせを工夫してみよう サプリメントも活用しよう! 亜鉛不足を招く原因 偏った食生活は、亜鉛の摂取量を減少させる。また近ごろよく使われている合成保存料の食品添加物の中には、亜鉛の吸収を妨げるものがたくさんある。そのため、亜鉛不足にますます拍車がかかってしまうのだ。以下に亜鉛を多く含む食品をまとめたので、積極的に摂ることを心がけよう。 亜鉛を多く含む食品(1食分) 牡蠣(かき)(3~4個・可食部70g)9.24mg 和牛もも肉(90g)3.60mg 豚レバー(50g)3.45mg うなぎ(かば焼き1串100g)2.70mg ほたて貝(70g)1.89mg 鶏レバー(50g)1.65mg カシューナッツ(30g)1.62mg アーモンド(30g)1.32mg プロセスチーズ(2枚40g)1.30mg そば(茹)(240g)1.00mg 納豆(1個50g)1.00mg 木綿豆腐(1/2丁150g)0.9mg 出典:科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」 +ビタミンC・クエン酸で最強メニューに! 亜鉛は吸収されにくい栄養素だが、ビタミンCやクエン酸は亜鉛の吸収を助けてくれるお役立ちアイテム。ビタミンCとクエン酸、両方を含む代表的な食品がレモンで、生牡蠣+レモンは亜鉛を効率よく摂るための最強メニューといえる。ビタミンCは緑黄色野菜や果物に、またクエン酸は酢や梅干などに多く含まれているので、亜鉛を含む食品と一緒に摂ることを心がけよう。 食べ合わせを工夫してみよう 牡蠣(かき)以外にももちろん亜鉛を含む食品は多くある。以下に生活習慣病などさまざまな不調に効果を発揮する食べ合わせをまとめてみた。バランスよく食べて、健康になろう! ●牡蠣(かき)+かぶ、クレソン、セロリ、トマト、ほうれん草、牛乳 → 肝機能障害の改善、二日酔い防止 ●牡蠣(かき)+じゃがいも、ほうれん草、えび、牛肉、栗 → 背を伸ばす、知能を高める ●豆腐+たまねぎ、ほうれん草、なす、ねぎ、うるめいわし、ホタテ貝 → 糖尿病・動脈硬化・高血圧の予防と改善 ●カシューナッツ+春菊、ゆり根、梅、栗、なつめ、びわ、ごま → 長引く乾燥性の咳を緩和 サプリメントも活用しよう! 好き嫌いが多い人や、外食がちでどうしても食事のバランスがとりにくい人はサプリメントで補うのも手。各種出ているサプリメントは亜鉛の他に、そのはたらきを高めるセレンやクロムなどのミネラルを配合しているものが多い。サプリメントを利用する際には、1日の摂取目安量を守ることをくれぐれもお忘れなく! 公開日:2002年7月22日
ほとんどの食品に含まれる 亜鉛は、微量元素のなかでは鉄に次いで多い元素です。 亜鉛は各種の酵素の構成成分であり、細胞膜の安定化にも重要な役割をしています。また、インシュリンの合成、核酸などの合成にも深く関係しています。 ほとんどの食品に金属酵素の成分として存在しますが、穀粒中のフィチンやカルシウム、食物繊維の過剰摂取によって吸収が阻害されます。 欠乏症には、成長の遅延、食欲低下、皮膚などの障害、骨・軟骨の異常、生殖機能の障害、味覚・嗅覚・視覚の障害、中枢神経の障害、免疫系の障害、傷の治りが悪いなどがあります。