お酢やヨーグルトが体にいいのは知っていても、どうして体にいいのかご存知ですか?また、とうがらしには体脂肪を減らす効果があると言われますが、本当でしょうか?今回は、これら気になる食材の健康パワーについてご紹介します。 目次 お酢が体にいいのは知っているけど、実際に体にどう効くの? ヨーグルトは体に良いといわれるけど、どのように良いの? とうがらしに体脂肪を減らす効果があるというのは本当? お酢が体にいいのは知っているけど、実際に体にどう効くの? 酢の主な成分は酢酸。ほかにグルコン酸、クエン酸などの各種有機酸が含まれている。食酢の起源は古く、古代からアルコールの副産物として製造され、主に薬用として使用されていた。酢の種類はアルコールとも深い関係があり、イタリア・スペイン・フランスなどのワイン生産国ではワインビネガー、イギリスではウイスキーモルトからモルトビネガーが作られる。また、アメリカではアップルビネガーが一般的。日本では米などの穀物や果汁から作られている。 お酢の健康パワー 食欲増進、消化促進、殺菌効果、疲労回復 酢の物やマリネなどいわゆる前菜には、酢を使ったものが多いが、これは酢のきいた料理を最初に食べることで唾液がたくさん分泌されることや、酢の酸味が味覚や嗅覚を刺激し、脳の摂食中枢(食欲をコントロールしているところ)にはたらきかけて食欲が増すためと考えられている。同時に胃液の分泌も盛んになり、消化吸収を助ける作用もある。 また、酢には殺菌効果と細菌の増殖を抑える効果もあるのでまな板やスポンジなどの除菌に利用してみるのもいいだろう。 さらに酢に含まれる「クエン酸」には疲労回復の効果も期待できる。人間の体にはクエン酸などを中心とする物質代謝の機能があり、たんぱく質・炭水化物・脂質が燃えてカロリーになる際に、クエン酸がはたらく。このクエン酸による物質代謝のサイクルが活発なほど脂肪や乳酸が分解され、エネルギーに変換されることがわかっている。 クエン酸の健康パワーとは?黒酢・もろみ酢の効果いろいろ ヨーグルトは体に良いといわれるけど、どのように良いの? ヨーグルトは牛乳を原材料とし、乳酸菌で発酵させたもの。乳酸菌にはビフィズス菌、ブルガリア菌、サーモフィルス菌、アシドフィルス菌などがある。ヨーグルトの容器には「はっこう乳」と表記がしてあるが、これは厚生労働省が定めたヨーグルトの呼び名。無脂固形分の割合で発酵乳と乳酸菌飲料に分けられるが、ヨーグルトは無脂固形分8%以上であることが条件。 ヨーグルトには甘味料などが含まれていない「プレーン」、プレーンタイプをかき混ぜて滑らかにして甘味料やフルーツなどを混ぜた「ソフト」、ゼラチンや寒天でプレーンを固めた「ハード」、プレーンタイプをかき混ぜてジュース状にした「ドリンク」、アイスクリーム状にした「フローズン」の5つのタイプがある。 ヨーグルトの健康パワー 腸内環境を整える、便通改善 ヨーグルトに含まれる乳酸菌のはたらきで腸内の善玉菌が殖え、乳酸菌が作り出す乳酸が悪玉菌の増殖を抑えてくれる。また乳酸などの有機酸は腸を活発に動かして便通の改善に一役買ってくれる。年齢とともに腸が老化すると、ビフィズス菌などの善玉菌が減り、悪玉菌が増えることが知られているが、ヨーグルトを毎日食べることで腸内の環境の悪化を防ぐ効果があるといわれている。また、ヨーグルトに含まれる様々な乳酸菌には、腸の免疫細胞や腸や胃の細菌にはたらきかけ、免疫力を高めたりアレルギーや潰瘍を抑える効果があり、研究が進められている。 最近のヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌といった菌の名前だけではなく、株の名前も記載されている。それぞれの乳酸菌や株の特徴を知って、目的別に選んでみては? ヨーグルトの主な乳酸菌と株 乳酸菌 ブルガリア菌・サーモフィルス菌ふたつ一緒にはたらいておいしいヨーグルトを作る乳酸菌。腸内には定着しない ビフィズス菌大腸にすむ善玉菌。ビフィズス菌、ブレーベ菌、ロンガム菌などを含むビフィドバクテリウム属の通称 アシドフィルス菌・ガセリ菌小腸に多くすむ乳酸菌。プロバイオティクス効果が高い ロイテリ菌母乳にも多く含まれる乳酸菌のため、赤ちゃんのお腹にも多い。抗生物質を作って免疫向上に寄与する 株 LGGアトピーや免疫を改善する効果があるとされる乳酸菌の株 LC1生きたまま腸に届き、腸に付着しやすい乳酸菌の株 BE80生きたまま腸に届き、腸に付着しやすいビフィズス菌の株 LG21胃潰瘍の原因菌・ピロリ菌を減らす効果が高い乳酸菌(ガセリ菌)の株 とうがらしに体脂肪を減らす効果があるというのは本当? とうがらしはナス科トウガラシ属で、ピーマンやししとうがらしの仲間。原産国は南アメリカ。日本への渡来については諸説あるが、江戸時代にはすでに盛んに栽培されていたことがわかっている。辛味種と甘味種の2種類があり、辛味種の一種、鷹の爪を粉末にしたものが一味とうがらしで、ほかの香辛料と合わせたものが七味とうがらし。 とうがらしの健康パワー 抵抗力を高める、エネルギー代謝を活発にする とうがらしの辛さはとうがらしに含まれるカプサイシンによって生じるもの。カプサイシンには体内の白血球の中の細胞のひとつ、好中球を活発にはたらかせる作用があるといわれている。好中球は体内に侵入してくる病原菌などを食べてくれる役割を持っている。つまり、とうがらしには体の抵抗力を高める効果を期待できるのだ。 またカプサイシンには脂肪をエネルギー源として燃やすのを手助けする作用もある。そのためとうがらしを定期的に食べることで体にたまっている脂肪が使われ、その結果、内臓脂肪を減少させることも期待できる。 ただし、内臓脂肪を燃やす反面、食欲増進効果もあるので、ダイエット目的でとうがらしばかりを食べるのは考えもの。とうがらしを大量に食べると辛い刺激で胃腸を痛めることもある。くれぐれもご注意を。 公開日:2002年12月2日
中華料理の辛味調味料は、皆さんお馴染みのものが多いはず。ただ、ラーメンやギョウザ、マーボー豆腐など、決まったもの以外にはなかなか使わず、いつしか賞味期限が切れていたという経験のある人もいるのでは?今回は、いろんな料理に応用できるコツをご紹介します。 目次 いろんな料理に合うラー油 豆板醤(とうばんじゃん)を使いこなすレシピ いろんな料理に合うラー油 ラー油は調理に使うより、食卓で好みに応じてふりかけることが多いようです。しかし、ラーメン、ギョウザだけではもったいないです。次のような料理にも合うので、七味とうがらし、一味とうがらしと使い分けて、自分好みの味を見つけてみましょう。 和風や中華風のドレッシングをかけたサラダ(マヨネーズにも合うという声も) 冷奴(わさびやしょうがとは合わないけど) 洋風のスープ カレーの辛味が足りないとき(コクも出ておいしい) 筑前煮やきんぴらごぼう、切干大根煮など、油で炒めてから煮る日本料理 炒め物 豆板醤(とうばんじゃん)を使いこなすレシピ 豆板醤の材料は、とうがらし、そら豆、食塩、酒精。中国四川省の名産です。炒め物に使うときは、油の次に豆板醤を炒め、それから材料を入れるのがコツです。また、ほかの調味料と混ぜてタレとして使われることも多く、このほか、豆腐やごはんなど淡白なものなら、豆板醤+しょうゆだけでもおいしくいただけます。 手間なし・エビのチリソース風 ■材料(2人分) えび150g(冷凍のものは解凍して)、しょうが1/2かけ、にんにく1かけ、ねぎ1/4本、サラダ菜適宜、豆板醤小さじ1弱、中華スープカップ1/2、A{ケチャップ大さじ2、塩少々、酒大さじ1/2、砂糖小さじ2、水ときかたくり粉少々} ■作り方 小さじ1/4、酒小さじ2、こしょう少々で、えびに下味をつけます(気になる人は背ワタをとってから)。 しょうが、にんにく、ねぎはみじん切りにします。 サラダ油で、しょうが、にんにく、豆板醤を炒め、香りが出たらえびを入れます。 えびの色が変わったらスープを加え、3分ほど煮たらAで調味してねぎを加えます。 サラダ菜を敷いた皿に、盛りつけます。 ※小さいエビのほうが背ワタが気にならないので、手間だけを考えるのならおすすめです。エビのほかにイカやホタテの入ったシーフードミックスを使ってもいいでしょう。薄く切った白身魚でもおいしいです。 豆板醤のせるだけ冷奴サラダ ■材料(2人分) 豆腐、ほうれんそう、豆板醤、しょうゆをそれぞれ、お好みの量で ■作り方 豆腐は水を切り、ひとくち大に切ります(切らなくてもOK)。 ほうれんそうはゆでて水にさらし、しぼって食べやすい大きさに切ります。 いろどりよく皿に盛り、豆板醤としょうゆをかけていただきます。 ※豆腐に添える野菜は、お好みで。
お昼ごはんの人気メニュー、パスタやドリアも辛さが合う料理です。最初からとうがらしを使って中から辛くする料理と、仕上げにタバスコで辛くする簡単人気料理を作ってみましょう。 目次 中から辛いパスタレシピ 辛くて簡単ドリア&ピラフ 中から辛いパスタレシピ ペペロンチーノ ■材料(2人分) スパゲッテイ150g、にんにく1~2かけ、赤とうがらし2~4本、パセリみじん切り大さじ1、塩小さじ1 ■作り方 スパゲッテイをゆでます。にんにくは皮をむき薄切りにします。赤とうがらしは種をとって輪切り(小口切り)にします。 フライパンに油とにんにく、とうがらしを入れ、にんにくが薄いきつね色になるように炒め、パセリを加え軽く塩をふります。 スパゲッテイのゆで汁を大さじ3(45cc)ほど加えて分量の塩を溶かします。 スパゲッテイがゆであがったら、お湯を切ってフライパンに入れ、ソースをからめます。 1 ※炒め油にオリーブオイルを使うと風味が出ます。ピーマンなどを加えてもいいでしょう。 ペンネ(マカロニ)のピリカラトマト風味 ■材料(2人分) ペンネ(マカロニ)150g、赤とうがらし2~4本、にんにく1かけ、トマト(水煮 缶詰)200g、塩小さじ1/2~1 ■作り方 ペンネをゆでます。とうがらしは種を除き、にんにくはみじん切りにします。 フライパンに油大さじ1程度とにんにく、赤とうがらしを入れて炒めます。 香りがたったら、トマトを丸ごとと塩を入れ、木じゃくしでつぶします。 ゆで上がったペンネを水をきって加え、油を大さじ1杯程度加えて手早くからめます。 ※油はオリーブオイルを使うと風味が出ます。 辛くて簡単ドリア&ピラフ ミートソースドリア ■材料(2人分) ご飯適宜、ミートソース缶詰(大)1/2缶、卵2個、ピザ用チーズ適宜、 パセリのみじん切り適宜、タバスコ小さじ1~2 ■作り方 ご飯は炊き立てか、温めたものを使います。ご飯にミートソースとタバスコを混ぜ合わせます。 1をグラタン皿に入れ、真ん中にくぼみを作って卵を割りいれ、上からチーズとパセリをのせます。 オーブントースターで、7~8分焼きます。 ※手早く作りたければ、レンジで4~5分で。ただし、焦げ目はつきません。 メキシコ風ピラフ(チャーハン) ■材料(2人分) 玉ねぎ1/4個、赤ピーマン・ピーマン各1/2個、ソーセージ4本、パセリのみじん切り適宜 バター大さじ1、むきエビ(冷凍でもよい)適宜、ご飯2カップ、ケチャップ、大さじ2~3、タバスコ小さじ1~2、塩・こしょう少々、卵(卵黄)4個分 ■作り方 玉ねぎはみじん切り、赤ピーマン、ピーマン、ソーセージは1cm角に切ります。 フライパンにバターを溶かし、1とむきエビをよく炒めます。火が通ったらエビだけ出しましょう。 フライパンにご飯を加え、トマトケチャップとタバスコ、塩、こしょうを加えてよく炒めます。 むきえびを再び加え、さっと炒め合わせます。 皿に盛り、中央に卵黄を落として、できあがりです。
インド料理やタイ料理は、とうがらしを始めさまざまなスパイスを利用しているのが特徴です。しかもこのスパイスたち、それぞれ美容と健康に一役かっています。料理も思ったより簡単にできるものが多いので、ぜひ作ってみましょう。 目次 インド、タイ料理の特徴は、さまざまなスパイス! ヘルシースパイス大集合のインド料理 不思議な酸味が魅力のタイ風レシピ インド、タイ料理の特徴は、さまざまなスパイス! インド、タイ料理の特徴は、とうがらしを始め、さまざまなスパイスを利用しているところ。スパイスのハーモニーが辛いだけじゃない複雑な旨みを演出して、やみつきになりそうなおいしさです。作り方も意外と簡単。日本のメーカーも、インド風カレーやトムヤンクンが簡単にできるレトルト調味料を販売しています。ちょっと大きなスーパーならスパイスもそろっているので、ぜひ作ってみましょう。 ヘルシースパイス大集合のインド料理 とうがらし以外にも、健康に効くといわれるスパイスを多用しているインド料理。次のレシピに使われるスパイスだけでも、いろいろなはたらきがあります。このほか、しょうがやにんにくなど日本でもお馴染みの素材もよく使われています。 ●ターメリック 日本では「うこん」で知られます。カレーの黄色のもとです。コレステロール減少、肝臓を強くするなどの効用があり、がんを予防するという説もあります。肌の殺菌、浄化作用もあり、インドではパックとしても使われます。 ●コリアンダー 体を温め体内の新陳代謝を盛んにします。 ●クミン 便秘を解消し、おなかの調子を整えます。 大豆のカレー ■材料(2人分) 大豆(ゆでたもの)1カップ、玉ねぎ1/2個、しょうが1かけ(1cmくらい)、トマト1個、塩小さじ1/4強、ターメリック小さじ1/2、レッドペッパー(粉末とうがらし)小さじ1/4、コリアンダー小さじ1、クミン小さじ1/4、ガラムマサラ小さじ1/4 ■作り方 水2カップに、大豆、ターメリック、レッドペッパー、塩を入れて10分ほど煮ます。 玉ねぎ、しょうが、にんにくはみじん切り、トマトは粗くきざんでおきます。 鍋に油を熱し、玉ねぎ、しょうが、にんにくをきつね色になるまで炒めます。 残りのスパイス全部と、トマトを入れて炒めます。 汁気がなくなったら、1の煮汁だけを加えて10分程煮ます。 1の豆を加えて火を通します。 ※多めに作って冷凍保存もできます。 インド風鶏肉の煮込み ■材料(2人分) 鶏もも肉(ひとくち大に切ったもの)200g、玉ねぎ1個、にんじん1/2本、にんにく1かけ、しょうが2かけ(2cmくらい)トマト1個、プレーンヨーグルト大さじ3、塩大さじ1/2、ターメリック小さじ 1/2、ガラムマサラ小さじ1と少々、ローリエ2枚、赤とうがらし2本、クミン小さじ1、コリアンダー小さじ1 ■作り方 鶏肉は、分量の半分の塩、ターメリックをまぶしておきます。 玉ねぎとにんにくは薄切り、にんじん、トマトは乱切り。しょうがはすりおろします。 鍋に油を熱し、ローリエとレッドペッパーを入れて香りを出します。 玉ねぎ、にんにく、ガラムマサラを入れて透き通るまで炒めます。4鶏肉を加えて炒め、色が変わったら、スパイス、トマト、しょうが、よくかきまぜたヨーグルトを加えます。 材料の汁気がなくなるまで強火で炒めます。 水2カップと残りの塩を入れて、ふたをして30分ほど煮込みます。火を止めて、仕上げにガラムマサラを少々入れます。 ※6で味見し、塩味が足りないようなら、しょうゆを少々入れてもいいでしょう。 不思議な酸味が魅力のタイ風レシピ 豚とインゲンの簡単炒め ■材料(2人分) 豚肉(生姜焼き用などの薄切り肉)150g~200g、インゲン100g、砂糖少々、ナムプラー(しょうゆでもよい)少々、グリーンカレーペースト大さじ1/2 ■作り方 豚肉は1口大に切ります。インゲンはさっとゆでて、3cmくらいに切ります。 フライパンに油を熱し、豚肉に火が通るまで炒め、インゲンを加えてさっと炒め合わせます。 鍋のはしでグリーンカレーペーストを炒めながら全体にからめます(カレーペーストがこげつきそうなときは、大さじ2杯くらいの水を加えます)。 砂糖としょうゆで味を整えてできあがりです。 ※グリーンカレーペーストは、とうがらしとそのほかの調味料を混ぜあわせた、タイ風カレールー。大きなスーパーなどの調味料売り場で見つけることができます。 エビのグリーンカレー ■材料(2人分) エビ4尾、ナス1本、ココナツミルク1/2缶(牛乳200ccでもよい)、砂糖大さじ1/2、ナムプラー(しょうゆ)大さじ1、グリーンカレーペースト大さじ1 ■作り方 エビは尾を残して皮をむき、背わたをとっておきます。なすはひとくち大にきり、水にさらします。 鍋に油を入れて、グリーンカレーペーストを炒め、ココナツミルクの沈殿したクリーム状のところを加えてさらに炒めます(牛乳の場合は半量ほど入れます)。 油が浮いてくるようになったら、エビ、ナス、残りのココナツミルクを加え、水を少しずつ加えて濃度を調節します。 具に火が通るまで煮込み、砂糖とナンプラーで味を整えます。
とうがらしを食べると口の中がピリピリヒリヒリします。この感覚は「辛み」ではなく「痛み」。だから、「とうがらしが体にいいのはわかったけど、辛いのは苦手で…」という人がいてもおかしくありません。でも、工夫すればこの感覚を少しはやわらげることができます。できるだけ辛さを感じないで済む食べ方や、辛さをやわらげる食品を紹介します。 目次 冷たくして食べる 緑茶を飲みながら食べる 牛乳を飲みながら食べる もっと効率よくカプサイシンだけ摂りたい 冷たくして食べる 一般的に、温度が上がると化学反応が進み、下がると遅くなります。辛味も、とうがらしの辛味成分カプサイシンが舌の細胞に反応するものなので、温度が低い方が感じにくくなります。 だから、辛いのが苦手な人は、なるべく冷えた状態で食べるといいでしょう。 緑茶を飲みながら食べる カテキンには、皮膚や粘膜を保護する作用があり、舌の細胞にカテキンが接触すると、細胞が痺れようになって辛味をあまり感じなくなります。 お茶の中でも、煎茶にカテキンは多く含まれています。ウーロン茶や紅茶にも含まれてはいますが、辛味対策には、日本茶のほうがいいでしょう。ただし、麦茶にはカテキンは含まれていません。 牛乳を飲みながら食べる ヨーグルトや牛乳などのタンパク質が、舌の細胞をカバーしたような状態になり、辛味が和らぎます。 例えばタイ料理には、ココナッツミルクが使われているため、とうがらしが大量に入っていてもなんとなくマイルドな感じがします。インドカレーにもヨーグルトがたっぷり入っているものがあります。 もっと効率よくカプサイシンだけ摂りたい 上に挙げた方法でも「やっぱりダメ」という人、もっと効率よくカプサイシンだけ摂りたいという人は、カプサイシンを含んだ「とうがらし健康食品」を試してみるのもひとつの手です。これは、ドリンクまたは錠剤であることが多いようですが、最近では種類も豊富になりました。カプサイシンだけでなく、ほかのスパイスなどの有効成分を含んでいるものも多いようです。 ただし、このような健康食品が、ダイエットなどにすぐ効くということはありません。試すにしても、長期間続けてみないと意味がないので、経済的なことも考え無理のないものを選ぶようにしましょう。
とうがらしの刺激で、だ液や胃液の分泌が促進され、食欲増進につながります。ひとりぐらしでも簡単に利用できるとうがらし元気食品もご紹介します。 目次 とうがらし料理で食欲が出てくるわけ 最初は暑く、そのうち涼しいとうがらし 常備しておきたい、食欲不振対策食品 とうがらし料理で食欲が出てくるわけ 暑さのせいで夏バテ気味、ビールの飲み過ぎで二日酔いなど、食欲がなく体がだるくて思うように動けない方へ、夏バテや二日酔いの食欲不振には辛いとうがらしがおすすめです。そのメカニズムを簡単にご紹介します。また、ひとり暮らしでも簡単に利用できるとうがらし食品も探しました。冷蔵庫に常備して、元気回復に役立てましょう。 ●とうがらし料理を食べます。 →刺激成分(辛味成分)が口や胃など消化器の粘膜を刺激します。 →中枢神経のはたらきが高まります。 →だ液や胃液の分泌が増え、食欲がわいてきます。 →刺激によって、腸の運動も促進され、栄養が吸収されやすくなります。 最初は暑く、そのうち涼しいとうがらし とうがらしの入った辛い料理を食べると、体がカーッと熱くなって汗をかきます。でもしばらくすると汗がひき、なんとなくさわやかな気分になってきます。インドや東南アジア、中南米など暑い地方に辛い料理が多いのも、この感覚を味わうためとか。このメカニズムも科学的に解明されています。 ●とうがらしの辛味成分が吸収され、血液によって脳に運ばれます。 →辛味成分が脳にある交感神経を刺激します。 →皮膚表面の血管が拡がり、汗をかきます。 →汗が蒸発し、皮膚表面から体熱が奪われ、さわやかに感じます。 とうがらしは冷え性にもおすすめ! 冷え性は手足の抹消にある血管を広げたり縮めたりする神経の調節ができなくなっておこります。とうがらし料理を習慣的に食べると、皮膚表面の血流が増え、血管を広げるたり縮めたりする訓練ができるのです。これによって冷え性がよくなっていくわけです。 常備しておきたい、食欲不振対策食品 食欲がないときは体もだるいもの。「食べなきゃダメとはわかっていても、料理なんてとても…」という気持ちでいっぱいになります。そこで、そんなとき簡単に利用できる常備品をご紹介します。といってもいきなり無理せず、様子をみながら少しずつ食べるようにしましょう。 ●トマトジュース(缶)・タバスコ・こしょう トマトジュースにタバスコ、こしょうを好みで入れましょう。そう、アルコール抜きのブラッディマリーです。 最低でもこのドリンクにパンとヨーグルトは必ず摂りたいものです。 ●キムチ・おかゆ キムチはどんな素材とも合う万能選手です。豆腐にのせても、卵焼きに添えても、納豆と一緒にごはんにのせても、食パンにのせてチーズと一緒に焼いてもおいしいです。ごはんを炊くのが面倒な人は、レトルトのおかゆやごはんも常備しておきましょう。 ●インスタントみそ汁・一味とうがらし みそ汁やスープに好みでとうがらしを入れてみましょう。手作りにこしたことはありませんが、インスタントものも常備しておくと楽です。塩分が気になる人は、スープの粉などを少し残すようにしましょう。 ●作りおきピリ辛ピクルス 冷蔵庫に入れておけば1週間はもつピクルス。朝食の付け合わせなどにおすすめです。 きゅうり1本、にんじん、セロリを半分くらいひとくち大に切ります。漬け汁は、酢1カップ、水1/2カップ、砂糖大さじ2、塩大さじ1/2弱、ローリエ1枚、小口に切ったとうがらし1本~2本(好みで増やしても)をレンジで2分ほど加熱します。こしょうをふってかきまわし、砂糖をとかします。冷めた付け汁と野菜を密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。
とうがらしに含まれる辛味成分「カプサイシン」に、体内の中性脂肪を直接エネルギーになる脂肪酸に変化させる力があることがわかりました。そのため、カプサイシンを摂れば摂るほど燃やす「マイナスカロリー効果」があるようです。寝ていても痩せられるとも言われますが、果たして本当なのでしょうか?そのメカニズムを解説します。 目次 とうがらしで脂肪が燃えるメカニズム。中性脂肪を強制的に脂肪酸に変える? とうがらしはマイナスカロリーって本当? とうがらしで脂肪が燃えるメカニズム。中性脂肪を強制的に脂肪酸に変える? 脂肪が燃えるメカニズムを紹介する前に、体に貯まっている脂肪とは一体どんなものなのか簡単にまとめてみましょう。 脂肪は、体を動かすのに必要なエネルギーのひとつで、大きく脂肪酸と中性脂肪に分けられます。 ●脂肪酸 血液中に存在し、すぐにエネルギーに変えることができるもの ●中性脂肪 脂肪細胞の中に貯えられる。脂肪酸が3つとグリセロールがくっついたもの 中性脂肪は基本的に、血液中にある脂肪酸などが少なくなると分解され、新たな脂肪酸として活動のエネルギーになります。 このことからこれまで、やせるためには以下の2つの方法しかないと言われてきました。 エネルギー源となる食べ物の摂取量をおさえて、中性脂肪を脂肪酸に分解させる ウォーキングなどをたくさんして、中性脂肪を脂肪酸に分解させる ところが、カプサイシンに中性脂肪を脂肪酸に変えてしまうはたらきがあることが、京都大学の研究グループにより発表されました(1998年4月 日本栄養・食糧学会)。そのメカニズムをまとめると以下のようになります。 カプサイシンが血液中に吸収される → 脳に運ばれ、内臓感覚神経を刺激する → 脳からの指令で、体に興奮作用を引き起こすホルモン「アドレナリン」が分泌される → アドレナリンによって体内にたまった脂肪が、エネルギーになりやすい脂肪酸に変わる この実験はマウスによって行われたものですが、すぐに使えるエネルギー源となる「脂肪酸」が増えたせいか、マウスの持久運動能力も向上したそうです。つまり、とうがらしを食べた後に運動すれば、これまでよりも効率的にダイエットできるというわけです。 とうがらしはマイナスカロリーって本当? 次に、「とうがらしマイナスカロリー説」を検証してみましょう。 とうがらしを食べると、体内で熱が生み出される効果があります。これは食後6時間くらい続くようです。体温も少し上がった状態(0.1度くらい)になり、そのぶん消費されるカロリーが増えることになり、これが「マイナスカロリー」ということになります。 では、具体的にどのくらいのカロリーが消費されるのでしょうか?食べた物の10~20%や、カプサイシン入りの健康ドリンクを飲んだら90分でマイナス10kcal(あめ玉約1個分)など、諸説あるようですが、まだきちんとした研究結果は出ていないのが現状です。 「マイとうがらし」を持ち歩き、何にでもかけている人もいるかもしれませんが、とうがらしをたくさん食べた方がやせるというわけでもないようです(もしそうなら、食べれば食べるほど熱が上がってフラフラになっているはず)。 「食べるだけで寝ていてもやせる」というのは本当のようですが、ほんのちょっとだけ、と考えたほうがいいでしょう。やっぱり運動は必要なのです。
とうがらしにはビタミンAやCが含まれています。女性の大敵である日焼けや老化によるシミやシワの防止にも一役かっています。 目次 ビタミンCの発見はパプリカから とうがらしの仲間が含むビタミンC・ビタミンA とうがらし栽培にも挑戦! ビタミンCの発見はパプリカから とうがらしは、日焼けによるシミ、しわや皮膚の老化などを防ぐビタミンCを大量に含む植物です。 ビタミンCを発見したことにより、1932年度にノーベル賞を受賞したのがハンガリーの医学者アルベルト・セント=ジェルジ博士です。彼の発見は、とうがらしの仲間パプリカによってもたらされました。 柑橘類の果実などでは量が少なくなかなか抽出できなかったのですが、偶然調べてみたパプリカに大量に含まれていることがわかったのです。 とうがらしの仲間が含むビタミンC・ビタミンA 次の表は、とうがらしの仲間たちが含むビタミンC、ビタミンAの量をほかの食物と比べたものです。 さすがにとうがらし100gは食べられませんが、ピーマンなどなら調理も簡単。たくさん食べられるのではないでしょうか。ピーマン+とうがらしで、強い日差しにさらされるお肌を内側から防衛しましょう。 ビタミンA(IU) ビタミンC(mg) とうがらし(乾燥)11,000100 一味とうがらし1,60075 ししとうがらし16090 ピーマン15080 赤ピーマン520170 ※ビタミンA・Cは食品100g中の量 ほかの食品と比較してみると、 ビタミンA(IU) ビタミンC(mg) みかん6535 キウイ3680 トマト22020 にんじん4,1006 キャベツ1044 ※ビタミンA・Cは食品100g中の量 1日に必要なビタミンAの量は男性2,000IU、女性1,800IU。ビタミンCの量は50mgです。ビタミンAは、にんじんやほうれんそうには到底かないませんが、ビタミンCの方は1日の所要量と比較しても十分な量です。 料理などの材料として無理なく食べられる量は、ピーマンで1個、ししとうがらしは7~8本くらい(約30g)です。 どちらかを毎日このくらい食べれば、1日に必要なビタミンCの半分近く補給できます。冷蔵庫にぜひとも常備しておきたい1品です。 とうがらし栽培にも挑戦! 花屋さんの店先でとうがらしの苗をよく見かけるようになりました。植木鉢やプランターで手軽に栽培でき、赤い実と緑の葉っぱのコントラストが見た目もなかなかきれい、さらに料理にも使いやすいということで、人気を集めているようです。 4月~5月頃に苗を植え、夏~秋が収穫の季節となります。ただ、純粋に観賞用の品種(五色、旭光、ブラックプリンスなど)もあるので、購入するときは食べられる品種(鷹の爪、八房など)かどうか確かめましょう。
昔、おばあちゃんから「風邪には辛いものが効く」と言われたことはありませんか?この効果を科学的に検証しました。風邪に効く特性スープのレシピもご紹介します。 目次 痰を除くはたらきがある 免疫力を高めるはたらきもあるとうがらし 風邪に効く!? 特製とうがらしスープ 痰を除くはたらきがある 昔、風邪をひいたときにおばあちゃんから「風邪には辛いものが効くのよ」と言われたことはありませんか?日本では、とうがらしよりもねぎやしょうがなどがよく用いられたようですが、とうがらし大国のひとつ、インドの医学書では、とうがらし入りのお湯でうがいをすることなどが勧められていました。 そんなとうがらしの薬用効果を、科学的に解明しようとする研究者が増えています。それらの研究からわかってきたことは… ●風邪をひくと咳が出る。どうして? 鼻の中から気管支、肺まで、すべて粘液に覆われています。粘液には肺の奥で作られるものがあり、気管支、鼻や口へと登って蒸発しています。重力に反して粘液が上っていけるのは、粘液がサラサラの液体だからです。 ところが風邪などの呼吸器系の病気になると… 粘液が濃く、ねばねばしてきます。 健康なときのシステムで、粘液を鼻や口まで運べなくなります。 咳が出ます。咳をして粘液を鼻や口に運ぼうとします。 また、粘液がベッタリはりつくことで、気管内に炎症を引き起こします。 ●咳止め薬の役割は? 咳止めの飲み薬は、まず胃粘膜の細胞を刺激して、脳の「粘膜運動中枢」に信号を送ります。この信号を受けて脳は気管支の分泌腺に「水分を出して粘液を薄めろ!」という命令を送ります。 実は、とうがらしの辛味成分カプサイシンにも、これと同じようなはたらきがあります。 免疫力を高めるはたらきもあるとうがらし とうがらしを食べると白血球の一部が活発に動くようになるという報告もされています。とうがらしを食べた12時間後に、その動きが3倍も良くなったといいます。白血球にはウィルスから体を守るはたらきがあります。その動きが良くなるのだから、ウイルスなどの外敵への抵抗力も強くなると考えられています。 風邪に効く!? 特製とうがらしスープ 風邪に効く食べ物はとうがらしだけではありません。しょうが、にんにく、ねぎなど、日本でよく使われる香味野菜には、殺菌、抗菌力など風邪を治す成分が含まれています。「風邪ひいたかな?」というときに、これらをたっぷり使ったスープを飲んでみましょう。いろいろな作り方がありますが、もっとも簡単にできる方法をご紹介します。材料は、好みに応じて増減してください。 特製とうがらしスープ ■材料(1人分) しょうが、にんにくを1/2かけ、ねぎのみじん切り大さじ1杯、とうがらしのみじん切り(小口切りでもいい)を小さじ1杯、インスタントスープ(お吸い物、中華スープ、コンソメスープなど) ■作り方 しょうが、にんにくは、みじん切りにする(おろしてもいい)。 にんにく、しょうが、ねぎ、とうがらしを少量の油でいためる。 香りが出たらスープの分量の水を入れ、煮立ったらスープの素を入れてとかしてできあがり。
とうがらし食を健康に活かすにはどうしたらいいのでしょうか?とうがらし食の心得をご紹介します。とても刺激的なとうがらしなので、気を付けて摂りましょう。 目次 最初は、1食0.5gくらいを目安にしよう とうがらし料理を楽しもう とうがらし料理を食べ、1時間後に運動を 規則的な食事習慣、生活習慣は基本 最初は、1食0.5gくらいを目安にしよう 最近、一味とうがらしのボトルを持ち歩いて、何にでもふりかけている人がいます。とうがらしをたくさんとれば、それだけ痩せると考えているようです。でも、何でも過ぎたるはおよばざるがごとし。とうがらしを摂りすぎると、味の感覚がマヒしてしまったり、胃かいようの原因になるという説もあります。特に、ストレスがたまりやすい人は要注意です。 とうがらし食を健康に活かすにはどうしたらいいのでしょうか?とうがらし食の心得を頭に入れてから始めましょう。 世界で一番とうがらしを食べているのはタイ人と韓国人のようです。彼らの平均的な摂取量はだいたい5gといわれており、この写真ぐらいの量です。 一味とうがらしで大さじ1杯弱というところでしょうか。 これだけの量を急に摂るのはかなり大変です。とうがらしを食事に取り入れるなら、最初は無理のない量で様子をみながら少しずつ増やしていくことをおすすめします。 1食にとうがらし0.5g(小さじ1/4程度)くらいでも、脂肪が燃えやすくなるという研究もあるので、この量を目安にするといいでしょう。また、3食のうち1食は辛くないメニューにするなど、「休辛食」を設けてメリハリを付けるのも大切です。 とうがらし料理を楽しもう 量をかせごうと何にでもとうがらしをかけまくるのは考えものです。食べ物本来の味を消して食事の楽しさが半減し、結局長続きしません。 一方、インドやタイ、韓国など激辛料理の多い国では、とうがらしのほかにも、にんにく、しょうがなど、多くのスパイスを使って、辛いだけでなく複雑な旨みも演出しています。しかも、ほかのスパイスたちだって、とうがらしに負けず劣らず体にいいものです。とうがらしだけにふりまわされず、これらのエスニック料理自体を楽しむつもりで取り組みましょう。 最近は、簡単にエスニック料理ができる調味料などのアイテムも簡単に手に入ります。さっそくスーパーにGO! とうがらし料理を食べ、1時間後に運動を とうがらしを食べると、体に貯まった中性脂肪がエネルギーになりやすい脂肪酸に変化します。さらにウォーキングなどの有酸素運動を行えば、脂肪酸はエネルギーとしてどんどん消費され、中性脂肪→脂肪酸の変化も進むといいます。同じ運動するなら、とうがらしを食べてからのほうがダイエットに効率的というわけです。 具体的には、食後1時間後から早足で20~30分歩く、歩いた後1時間くらいは何も食べないようにする(水は別、ちゃんと飲むこと!)といいようです。 規則的な食事習慣、生活習慣は基本 「栄養バランスのとれた食事(特に野菜をきちんと摂る)」「脂肪やたんぱく質の摂りすぎに注意」「塩分は控えめに」など、健康を維持するための基本的な食事習慣があります。とうがらし食のいいところは、この食事習慣が守りやすくなる点です。 エスニック料理は、野菜を豊富に使ったものが多いですし、とうがらしやスパイスを多く使う分食塩の摂取も減ります。なお、「1日3食ちゃんととる」「夜食は控える」などの生活習慣も大切です。 とうがらし食品とインスタントでバランスのとれた超簡単メニューもできますので、朝食抜いてしまいがちな人はぜひ試してみましょう。
「暑さ」には「辛さ」で対抗! 暑くなると何となく食べたくなるカレーなどのからい料理。 そういえば、インドやタイなどの暑い地方の料理は、どれも辛いモノばかりだ。 「暑さ」と「辛さ」というのは相性がいいのだろうか? その秘密は辛い料理の発汗作用。 辛いモノを食べると汗をかくが、コレは辛味成分が人間の味覚、嗅覚、痛覚などさまざまな感覚神経や内臓神経を刺激することによって起こる生理現象。 汗を出すことによって、体の表面温度は一時的に下がり、涼しく感じるのである。 暑い地方の料理が辛いのは、少しでも涼しくなろうとする人間の本能が生んだものなのかも知れない。 世界各地で利用されている香辛料はおよそ350種類。 その中で辛みのあるモノは約20種類で、唐辛子、コショウ、山椒、しょうがなど、日本でもお馴染みのモノも含まれている。 暑さをやわらげて涼しさを感じるためにも、夏の食卓にはスパイス料理が良いようだ。 ピリッとした刺激は、夏バテ撃退効果も抜群 辛味成分の効用のひとつには、胃液を分泌させて食欲を増進させるという効果がある。 辛いエスニック料理は「食欲がなくて」という夏バテ気味の人にはもってこい。 タイ、インド、パキスタン、中国(四川)など、エスニック料理にもさまざまなものがあり、その辛さの度合いもそれぞれ異なる。 カンボジアやインドネシア料理などはあまり辛くなく、スパイス初心者にはオススメだ。ただし、香辛料の成分は胃や小腸で吸収されやすいので、とり過ぎると胃腸を痛める原因になりかねない。 どんなに好きでも程々を守ることが大切だ。 エスニック料理は苦手と言う人は、料理にしょうがや唐辛子を使ってみるのもいいかも。 しょうがと長ねぎをみじん切りにし、しょうゆ、酢、砂糖を合わせたものに加えればローカロリーの和風ドレッシングに。 味噌汁に唐辛子をかけたり、炒め物に加えてもおいしい。 パスタなら鷹の爪とオリーブオイルでペペロンチーノにしても食欲増進間違いなし。 もちろん辛いカレーも効果てきめん。 ピリッと刺激的な香辛料と上手につきあって、元気に涼しく夏を乗り切ろう。
歴史は古く神武天皇の時代から 香辛料とは料理の味を引き立てる材料のことで、いわゆるスパイスと呼ばれているものです。 日本でのスパイスの歴史は古く、神武天皇の時代にすでにショウガが使われていたことが分かっています。その後、乾姜(ジンジャー)、丁字(グローブ)、肉経(カシア)、唐辛子(レッドペパー)、胡椒(ペパー)などが漢方薬として、山しょう、シソ、ゴマ、三つ葉などが和風スパイスとして利用されていました。 明治時代になり、西洋スパイスも徐々に使われるようになりましたが、日本人が本格的なスパイス料理を楽しむようになったのは1970年代以降のことです。 スパイスの効用は幅広い スパイスには防腐・静菌効果、酸化防止効果、防カビ効果など、食物を保存するためのさまざまな効果がある外、だ液や胃液中に存在するアミラーゼやジアスターゼのような消化酵素機能を強め、活性化するはたらきがあることも分かっています。 また、古代よりスパイスの薬理作用は知られており、近代医学が発達するまで薬草として盛んに使われていました。 例えば唐辛子は頭痛、健胃、整腸、下痢止めに、ガーリックは強壮剤、駆虫、脱毛防止に、ショウガは頭痛、鼻づまり、吐き気、せきなどの症状を改善するために活用されていました。最近では、このようなスパイスの薬効が見直されつつあり、健康を増進させる食品として注目されています。