単に普段の生活の中で体をよく動かすだけでも、運動量にかなりの違いが出るようです。では、普段の何気ない生活の中で、運動量を増やすコツは何でしょうか。運動量をステップアップさせるアイデアは?気負わず実践できる毎日の運動のポイントと続けるヒントをご紹介します。
あなたのまわりには、特に運動しているわけでもないのに太らない人はいないだろうか!?そんな人を見て「あの人は体質だから」と別扱いにしてしまうのは早計。「肥満の原因は遺伝3割、環境7割」と言われる。体質だけでは割り切れないのだ。試しに、そんな人の毎日をよく観察してみよう。コマメによく動いていないだろうか。実は、ここに答えがある。
ある研究報告がある。これは、男女16人を集め、毎日食べている量より1,000kcal多い食事を2ヵ月間摂取。その間、生活は平常通りとし、ジョギングや水泳などの特別な運動は一切禁止した。2ヵ月後の結果を見ると、なんと普段からコマメに体を動かす人は肥満せず、あまり動かない人は肥満になったというのだ。しかも、日常生活での消費エネルギー量を比較したところ、コマメに動く人とそうでない人では最大7倍もの差があったとか(「SCIENCE」January,1999/「日常ながら運動のすすめ フィットネスクラブ無用論」長野茂著 講談社+α新書)。
対象者が少ないので断定することはできないが、単に普段の生活の中で体をよく動かすだけでも、運動量にかなりの違いが出るようだ。つまり、日頃コマメに動けば、特にフィットネスジムに通ったりジョギングをしなくても、健康な体重が維持できるのだ。「塵も積もれば山となる」の見本のようなもの。早速、体をコマメに動かして、普段の運動量を増やしていこう。
体をコマメに動かすのに慣れてきたら、ステップアップ。もう少し運動量を増やそう。ちょっとした待ち時間や空き時間、通勤途中と、意識すれば意外と運動できる時間はあるものなのだ。
こんなときに | こんな運動 |
---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
あまり気持ちに負担がなく、毎日の運動量が増やせるコツを紹介してきたが、いかがだろう。すぐに実行できるアイデアやメニューは見つかっただろうか。
目指すのは「できるだけ意識せずに運動量を増やすこと、コマメに動く習慣を身につけること」だ。それでも、今日から全部を実行しようと思えば嫌気が差すもの。運動は、ひとつでも長く続けたほうが良いわけだから、最後に3日坊主にならない工夫を伝授しよう。
ポイントは自分を飽きさせないこと。そして、できる目標を立てること。このためには、10項目ほどのテーマをあらかじめ決めて、毎週テーマの違う運動にトライするのが良い。
あまり大きなテーマを設けずに、できることから。また、運動量の多い週の後は簡単なテーマにするなど、テーマの順番も実行しやすく強弱をつけたい。こうして10項目のテーマを設定すれば、一年間でひとつのテーマが約5回は回ってくる。そうしている間に、きっと毎日の運動が習慣化していくはずだ。
もし休みがしっかり取れるなら、休日は別のテーマを決めて少し運動量を増やす工夫をしてみるのもおすすめだ。特に男性は、休日なら家事や庭の手入れなどで、家庭サービスと運動量アップの一石二鳥を実践してみてはいかがだろうか。
■関連記事