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ふるえには病名があった!!~あなたのふるえはどのタイプ?

ふるえを「本態性振戦」「パーキンソン病」「書痙(しょけい)」「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」「アルコール依存症」の5つの症例にわけて紹介。自分に似たふるえをチェックしてみよう。

体のトラブルによって引き起こされるふるえもある

そばやラーメンを食べるとき、麺を箸でつかんで持ち上げ、そのまま数秒間手を止めてみよう。誰でも微妙な手のふるえを感じるのではないだろうか?また、寒いときや、ひどく緊張したときなどにも体がふるえることがある。このようなふるえは、ごく自然な生理的現象として現われるものだ。

しかし、なかには体のトラブルによって引き起こされるふるえもある。日頃からふるえで悩んでいる人や、家族や知り合いのふるえが気になる人は、どのタイプに当てはまるのか、さっそくチェックしてみよう!

人に物を渡しすときに、手がふるえる

物を持って人に渡したりするときに、手がふるえるのでちょっと恥ずかしいです。手紙を書くときに、手がふるえてしまい字が泳いでしまうので、楽しみだった年賀状書きも、最近は妻に代筆してもらうようになってしまいました。また、手がふるえて飲み物をこぼしてしまうことが何度もあったので、最近では熱いお茶は飲まないようにしています。(Aさん男性)

字を書くときや一定の姿勢をとるときにふるえがある場合、「本態性振戦」の疑いがあります。じっとしているときにはふるえはないことが多い。手のほか、頭や声などがふるえることがあります。

何もしないでじっとしているときに、手足がふるえる

じっとしていてもふるえる

何もしないでじっとしているときに、手足がふるえます。家族は私のふるえを見て「指先でなにかを丸めているように見える」と言います。字を書いているときにふるえることはありませんが、次第に文字が小さくなっていってしまいます。
また、「最近動きが鈍くなった」と言われます。正直、歩くのも一苦労なので、家でじっとしていることのほうが多くなってきました。(Bさん女性)

「パーキンソン病」の疑いがあります。このふるえはじっとしているときに起こるのが特徴です。しかし、何か動作をしているときには起こりません。ふるえは、まず、左右どちらかの手にみられ、その後、同じ側の足にもふるえが現われるのが一般的です。

字を書いていると、手がふるえてしまう

字を書くとふるえる

仕事上、字を書くことが多いのですが、書いているうちに筋肉がけいれんし、手がふるえてしまいます。しかも単なるふるえだけではなく、筋肉がこわばり、文字を書き続けることができなくなることもしばしばです。他のときは何もないのに、文字を書こうとするときだけ、必ずふるえが起きてしまいます。(Cさん男性)

文字を書くときだけ手がふるえる「書痙(しょけい)」の疑いがあります。文字を書く以外の動作では、ふるえが起こらないのが特徴です。

指先が小刻みにふるえる

指先が小刻みにふるえます。また、膝がガクガクふるえることもあります。汗をかきやすくなり、寒い日にブラウス1枚で過ごしても平気なので、自分でも不思議です。

心臓がドキドキして、ちょっと走ったりすると、すぐに息切れをしてしまいます。イライラしたり、集中力がなく、人からも「最近顔つきがきつくなったね」とよく言われます。また、首のつけ根がいつも腫れているのが気になっています。(Dさん女性)

手足が小刻みにふるえ、首のつけ根が腫れている場合、「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」の疑いがあります。男性よりも女性に多くみられます。

アルコールが途切れると、手足のふるえが治まらない…

アルコールが途切れると、手足のふるえが治まらなくなる。そして、汗が止まらなくなったり、イライラするので、常にアルコールを飲んでしまいます。飲むとふるえはとまり気分は落ちつきますが、歯止めが効かず、ついつい酔いつぶれるまで飲んでしまうのです。また、最近、飲むアルコールの度数も高くなり、酒量が多くないと眠れなくなってきました。(Eさん男性)

「アルコール依存症」の疑いがあります。Aさんの場合の「本態性振戦」でもアルコールを飲むと症状が治まることがあります。しかし、本態性振戦の患者さんが、お酒を飲み過ぎると、二日酔いでふるえの症状がよりひどくなることがありますので、気を付けましょう。

ふるえにはさまざまな種類があり、それぞれに対策が異なる。そこで、「さまざまなふるえ、その病態を探る!」で、ふるえを伴う病気について詳しくみていこう。

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