魅せ足ポイントは爪、かかとのケアにあり! 顔や体はマメにケアするのに、足はボロボロ…なんてことはないだろうか?よく見てみると、かかとはガサガサ、タコやウオノメができている、巻き爪が痛むなど、足にはトラブルがいっぱいだ。 実はこうしたものの多くは、靴の選び方 に問題があると言われている。足の一部に強い負担がかかるとそこが角質化しやすく、そのままにしておくとタコやウオノメ、巻き爪の原因にもなる。また、足に合わない靴を履き続けることで、骨格がゆがんでしまうなんてことも。 これからの季節はサンダルやミュールでおしゃれを楽しみたいという人も多いだろう。しかし、せっかくのおしゃれも、そこから覗く爪やかかとの手入れがおろそかでは台無しだ。人がうらやむような魅せ足には、キレイな爪とツルツルなかかとが欠かせない。正しいケアで本物の美脚を目指そう! 気になる足のトラブル対処法 ●爪:あま皮、ささくれ 足浴などでやわらかくしてから、綿棒などでよく汚れを落とし、専用のリムーバーを塗る。専用のニッパーであま皮やささくれなどを取り除く。傷をつけてしまうと、そこからバイ菌が入るのでやさしくていねいに。 ●爪:巻き爪 爪の切り方と、足に合わない靴を履いていることが原因となって起こる。爪は丸く切ったり、深爪をしないことが大切。横にまっすぐ切る(スクエアオフ)ことで、指の肉に爪が埋もれるのを防ぐことができる。爪切りではうまく切れないという人は、ヤスリで削るとよい。 ●かかと 足浴などでよく温めてから、尿素入りのクリームやワセリンを軽くマッサージしながらかかとに塗ることでやわらかくなり、乾燥を防ぐことができる。 硬くて痛い!タコ・ウオノメはこう対処する とくにヒールの高い靴やミュールなどを履いていると、足の指の背、指と指の間や、指のつけ根(とくに人差し指と中指の間)にタコやウオノメができやすくなる。また先の細いものでは、小指の外側にタコやウオノメができやすく、小指の変形にも注意が必要になる。 タコ、ウオノメの違い ●タコ 足の裏や指が靴にあたることで角質化した状態のこと。慢性化すると白くカサカサになる。 ●ウオノメ 角質化したところの中央に硬い芯ができてしまい、皮膚の真皮へと入り込んでしまった状態。神経を刺激してしまうので、痛みが出てくる。 タコ、ウオノメの原因「開張足」とは? 足に合わない靴を履きつづけていると、足のアーチを支えるじん帯が伸びたり緩んだりしてしまい、アーチが崩れてしまう。とくに親指のつけ根から小指のつけ根にかけてのアーチが崩れる「開張足」になってしまうと、タコやウオノメができやすくなる。 ●自宅でできる簡単セルフケア 1. 床に置いたタオルを足の指でつかんで拾ったり、手の指を 1本1本足の指の間に入れ、指をそらせて足底筋を伸ばす 2. 床に置いたタオルを足の指でつかんで拾う 3. 足指でジャンケンする フットケアの基本は「足浴」から フットケアは毎日続けてこそトラブルの予防になる。ベストは入浴時に足の間をよく洗うこと、そして爪の周りをよく泡立てた爪ブラシで洗い、汚れや古い角質、あま皮を取り除くことだ。しかし夏場は毎日シャワーで過ごしてしまうという人も多いだろう。そんな人におすすめなのは、乾燥したかかとにうるおいを与えたり、靴があたっている場所が赤くなったり硬くなりかけているようなタコやウオノメの初期症状の改善に有効な「足浴」だ。足を清潔に保つこともできるので、最近若い女性に増えているという水虫の治療薬をつける前にもぜひ取り入れたい。 とくに女性の場合は、夏場でも冷えがある人が多いといわれている。冷えがあると血行が悪くなり、皮膚が角質化しやすくなるので、暑い時期こそ足浴でしっかり温まろう。 足浴をした後はタオルでよく水分をふき取って、足全体を尿素入りのクリームやアロマオイルなどをたっぷり塗ってマッサージしよう。とくにタコやウオノメが気になるところや、かかとは入念に。足浴で温まったところにマッサージが加われば、血行はさらに促進され、冷房によって水分が奪われることによる乾燥も防ぐことができる。就寝前に行えば、マッサージによるリラックス効果で、寝苦しい夏場でも安眠できるので、一石二鳥だ。 公開日:2007年6月25日
フットケアというと、アロマオイルを使ったマッサージやペディキュアを想像する人が多いかもしれない。だが医療現場ではいま、足は全身の健康状態をも左右する大事な部位として、ケアの大切さが認識されはじめている。今回は、ふだん意識する機会の少ない「足」に注目してみた。 目次 足は、全身の健康状態をあらわす鏡 寝たきりをもひき起こす、足のトラブル マスターしたい!自分でできるフットケア タコ・ウオノメ、水虫、ひびわれ…症状にあわせたフットケア 足は、全身の健康状態をあらわす鏡 あなたにとって足とはどのような存在か、考えたことがあるだろうか。移動のための手段?それともペディキュアなどオシャレを表現する場所?―おそらく体の中でも足は、あまり深く考えることのない部位だろう。しかし、一度でも足を怪我したり、骨折したりした経験のある人はその大切さを知っているはず。 事故で一時足の機能を奪われた人は、その不自由さから笑顔を失い、快活さまで消えてしまうことがあるという。「足で歩く」この何気ない動作が、人間にとって生きる活力の源となっているのだ。 また、足は全身の健康状態をあらわす鏡とも言われている。というのも心臓から最も離れた位置にあるため、末端の血管や血流の状態が顕著にあらわれるからだ。内臓や骨格といった各器官の状態があらわれる「反射区」も集まっているため、ふだんから足を観察し、適度な刺激を加えることで、全身の健康維持・増進につながる。 「反射区」とは? 寝たきりをもひき起こす、足のトラブル 医療の現場では、以前からフットケアの重要性が叫ばれていた。 例えば糖尿病になると、合併症として神経障害が進み、末端にある足の感覚が鈍くなるため、小さなケガなどに気づきにくくなる。抵抗力が低下して感染しやすくなっていることもあり、やけど、タコ、小さなケガなどが原因で入院治療が必要なほど悪化する。進行すると壊疽(えそ)になって足を切断することも。 一方、高齢者においては、足のトラブルは寝たきりにもつながる問題だ。高齢者に多いつま先やかかとの変形、腱膜症※などは、足のバランス機能を低下させ、転倒の原因となる。 転倒のせいで骨折をすると、いちどの転倒が恐怖心を呼び、外出や家の中の移動さえ控えるようになる高齢者がいる。行動を制限することで、全身の筋肉が低下してしまう。また骨折の痛みから動けなくなったり、治療のために安静を余儀なくされ、気づいたときには日常生活に必要な動作さえままならない「廃用症候群」をひき起こしてしまう。 たかが足とあなどってはいけない。足の裏を日常的に観察し、小さなキズや皮膚の変化を早い段階でキャッチして、症状に見合ったフットケアを実践しよう。 ※外反母趾で親指が他の指の方へ曲がってしまい、足の親指つけ根の関節が肥大した状態。歩くとかなりの激痛が走る。 マスターしたい!自分でできるフットケア フットケアの基本は、(1)清潔、(2)水分のふき取り、(3)保湿、(4)正しい爪きり、(5)足に合った靴、(6)よく歩く。 日常的にはどのようなケアをすればよいのか、足のトラブル別のケアもあわせて紹介しよう。 ●まず、足を観察 〈足全体〉カサカサ度/足全体の形/皮膚の色 〈爪〉爪の形/色/表面の状態 〈病気チェック〉水虫/タコ・ウオノメ/傷/できもの ●入浴、または足湯で足を清潔にして、皮膚をやわらかくする ●ヤスリやスクラブを使って角質を除去 ●乾燥を防ぐクリームをつける ●クリームをのばしながら、血行促進のマッサージをする ●爪を切る 爪の先は、水平になるように切るのがポイント。深爪にも注意を タコ・ウオノメ、水虫、ひびわれ…症状にあわせたフットケア タコ・ウオノメ どちらも、足に合わない靴が原因。足に負担のかからない靴を選ぼう。 タコは、入浴後にスクラブなどでのマッサージを何日か続けながら、タコ取り用の軟膏をつける。 ウオノメは再発しやすいのが特徴。つぶさないようにし、患部を清潔にした後ヤスリでこすり、パットを当てて保護する。よく似ている「イボ」はウイルス性なので、わからない場合は皮膚科に相談を。 水虫 基本は清潔に保つこと。白癬菌などが足に定着するには、およそ1日かかるといわれている。石けんを使ってぬるま湯で毎日すみずみまで洗うこと。靴下は裏返して洗濯を。また、家族に水虫の人がいる場合は、マットやスリッパを共用しないこともポイント。症状がある場合は、市販薬に頼る前に皮膚科の診断を受けることが大切。 ひびわれ かかとの固くなっている部分は、傷にならないように、かかと専用のヤスリ(薬局などで手に入る)で削る。ローションで皮膚をやわらかくし、尿素配合のクリームなどをすり込み、しばらく靴下などをはいておく。皮膚の生まれ変わりサイクルは28日なので、およそ1ヵ月、ケアをきちんとくり返すことでなめらかになる。 公開日:2005年12月12日
新しい季節。あなたも気分を一新して靴を見直しては?靴は職種や仕事の内容によってもふさわしいものが違ってくる。それぞれの職種に合った、健康によい靴選びを考えてみよう。 目次 職種によって合う靴が違う!? 「開張足」「外反母趾」の原因は靴にあり 用途に合った靴選びが健康のカギ! 職種によって合う靴が違う!? ういういしいフレッシュマンが街にあふれる季節がやってきた。この時期、気分を一新して、何か始めたくなるという人は結構いるのではないだろうか。転勤や異動で仕事が変わるという人も多いかもしれない。今年は、仕事で履く靴をぜひ見直してみよう。 実を言うと、TPOという面だけでなく、健康面から考えても靴選びは重要だ。職種によってふさわしい靴を選ばなければ、足の健康そのものに悪影響を及ぼすだけでなく、合わない靴を履いているストレスや疲労が仕事に影響することもある。 「開張足」「外反母趾」の原因は靴にあり サイズの合わない靴を履き続けると、さまざまな足のトラブルが発生しやすくなる。疲労の蓄積や加齢などにより、足のアーチを支えるじん帯が伸びたり緩んだりしてアーチが崩れ、「開張足」になってしまうことがある。 こうなると、体重を支えるうえで重要な役割を果たす親指に力が入らなくなるため、スムーズな体重移動が難しくなって正しい歩行ができなくなる。その結果として、タコやウオノメができやすくなったり、やがては親指が小指のほうへ大きく傾いた「外反母趾」になってしまう場合もある。ちなみに、これらのトラブルを抱えやすいのは、筋力が弱く、靴選びでデザイン性を重視する女性に多い。 外反母趾になってしまった人は、パットなどで覆い、また足の指が靴先にずれ込まないよう、土踏まずのアーチを下から支えたり、ベルトやゴムで上から押さえるような靴を選んで履こう。足の変形が激しい場合は、手術が必要になることも。 用途に合った靴選びが健康のカギ! 靴を履く歴史が長い欧米では、海外旅行の際にも靴を持っていく人が多い。例えば女性なら、観光で歩き回る日中は歩きやすい靴を履き、パーティなどで夜にドレスアップするときには、オシャレで脚が美しく見えるハイヒールを履く。車に用途がいろいろあるように、靴も目的に合ったものが必要なのだ。そこで、職種と靴の関係から、健康によい靴選びを考えてみよう。 職種1:営業~歩き回る仕事 ●紐やベルトがついた靴 靴の側面にサポートが入っている靴 側面にサポートが入っているものは、押してみるとわかりやすい。 紐靴 アスファルトの道路を一日中歩き回ると、相当の衝撃が足にかかる。また、足の土踏まず部分のアーチを支えるじん帯が疲労すると、足の形が平べったくなりやすい。そうなると、体重移動がスムーズにいかず、歩きにくくなることもある。 少しでも疲労を減らすため、この衝撃を吸収する素材を使ったものや、ひもやベルトで足の甲を押さえたり、靴の側面にサポートが入っているものなど、足の形を正常な状態に保つ靴が望ましい。 職種2:販売~立ち仕事 ●女性:ローヒール●男性:アーチのサポートが入った靴 ヒールは地面と接する面積が小さいため、体重を支える足の負担が大きくなる。また、立ったりしゃがんだりもしにくい。女性なら体重を支える底の面積が大きいローヒールがおすすめ。男性の靴は、アーチのサポートで足にかかる力を分散し、足を正しい形に導くことで、疲れにくくするものが望ましい。 職種3:事務~座り仕事 ●好みの靴でOK 座り仕事は、足にかかる負担は少ない。ただし、女性でミュールやサンダルを選ぶ場合は、ある程度大きな面積で足の甲を覆うものや、ベルトつきのものがおすすめ。 歩くことは健康の一歩。いくらデザインがかっこよくても、足に合わない靴を履いていれば、すぐに疲れたり痛くなったりしてしまう。やがては出かけるのも億劫になるなど、仕事に対しても消極的になってしまう。職種に合った靴を履いて足に負担をかけないことは、健康とやる気継続のためにも必要なのだ。 お話をうかがったシアンシューズインターナショナル稲葉洋二さん 取材協力:シアンシューズ株式会社 公開日:2004年4月12日
両膝がOの字のように外側に湾曲したO脚。実は生まれたときは誰でもO脚だが、成長するとともにほとんどの人が改善される。しかし、成長してもO脚のままだったり、膝を傷めやすい生活習慣を行っていると、高齢になってから「変形膝関節症」を引き起こすことも。膝の痛みに苦しむ前に、O脚は早めに改善しておこう。 目次 3~4歳まではほとんどがO脚 扁平足や外反母趾もO脚・膝のゆがみにつながりやすい O脚や膝のゆがみを放っておくと「変形膝関節症」になることも 3~4歳まではほとんどがO脚 膝痛を引き起こす膝の湾曲には、O脚とX脚がある。 (A)正常な膝の状態。関節がまっすぐになっている (B)関節の軟骨の内側がすり減り、O脚になっている (C)関節の軟骨の外側がすり減り、X脚になっている 正常な膝は、(A)の図のように、脚の骨がまっすぐになっているが、(B)のように、膝をまっすぐ伸ばして直立したときに両膝の間に隙間ができてしまうのがO脚である。また、(C)のように膝が内側に入り、膝下と太ももが外側に湾曲した状態をX脚と呼ぶが、日本人にはほとんどいないといわれている。 人間は生まれたときには自然にO脚となっている。3~4歳頃になると次第にX脚となり、その後成長するにしたがってまっすぐになっていく。しかし、乳幼児期に早く歩かせようとすると膝の内側の骨の発育が鈍り、O脚になったまま成長してしまう例も多い。3~4歳になってもO脚のままの場合は、整形外科で治療をし、悪化する前に改善しておこう。7歳以上になると、手術をしなければ治らない場合もある。 扁平足や外反母趾もO脚・膝のゆがみにつながりやすい 扁平足はこうして起こる 足裏には前後、左右の方向に立体的なアーチがつくられている。このアーチがあることで体重が支えられ、地面を蹴ったり着地するときに、衝撃を和らげることができる。長時間歩いたあとには、足の骨と骨を結ぶ靭帯が伸び、誰でも扁平足気味になるが、安静にしていれば回復する。 しかし、合わない靴を長い期間履いていたり、立ち仕事を続けているとこの靭帯が伸びて戻らなくなってしまい、足裏のアーチが消えて扁平足となり、かかとをまっすぐに支えられなくなる。その結果、次第にかかとの骨が外向きにずれてしまい、O脚を引き起こしやすくなってしまう。 特に、太っている人は靭帯に与える力も大きいため、より扁平足になりやすい傾向がある。また、生まれつき足首からかかとにかけて骨が外側に脱臼している人や、かかとの骨を骨折した人も扁平足になってしまうこともある。 外反母趾・ハンマートゥはこうして起こる 足先のとがったハイヒールなどを履くことで、足の親指のつけ根が外側に曲がってしまう外反母趾。親指の関節が炎症を起こしてしまうため、ひどくなると歩くたびに痛みを感じる。 外反母趾は足裏の筋力が弱って、足の5本の指のつけ根を横に結んでいる靭帯が伸び、親指のつけ根が外側に張り出してしまった状態。痛みを避けるために、外側に重心をおいて歩くようになり、O脚・膝のゆがみを引き起こしやすくなる。 また、同じくハイヒールなどの影響で足の指先が直角に曲がってしまうハンマートゥも膝のゆがみにつながる。この状態のままでいると、足指のつけ根とかかとに負担がかかり、地面に足をついたときの衝撃をこの部分だけで受けることになる。その結果、膝にも大きな衝撃が伝わり、膝がゆがみやすくなってしまうのだ。 O脚や膝のゆがみを放っておくと「変形膝関節症」になることも 膝の関節の軟骨がすり減って、関節が変形することを「変形膝関節症」という。この軟骨がすり減ると、関節が変形し、膝の関節に炎症が起こって痛みを感じる。 変形膝関節症の前期・初期 レントゲンで見ても変化が見られないが、関節軟骨の表面に小さな傷ができている状態が前期。さらに進行し、レントゲンで関節の骨と骨の隙間が狭くなっていることを確認できるころを初期と言う。この時期には、激しい痛みを感じることはほとんどないため、病気の進行に気づかない人が多い。 主な症状 ●前期では、起きたときや歩き始めたときに、膝が重く、鈍痛を感じることがあるが、しばらくすると消える。 ●初期には、正座や階段の昇り降り、しゃがむ姿勢をするときなどでも、前期と同様な違和感や鈍い痛みを感じるようになる。痛みは日を重ねるうちにだんだん強くなり、長引くようになる。 ●膝をまっすぐに伸ばしきれない、完全に曲げきれない症状が起こる。 ●関節の組織や太ももの筋肉の柔軟性がなくなり、可動域が狭くなる。その結果、歩幅が狭くなり、膝を曲げて歩くことが多くなる。 この段階では、痛みを感じても湿布を貼ったり、安静にすることにより、数日で回復する。また、筋力トレーニングなどの運動療法を行うことで、進行を食い止めることができる。 変形膝関節症の中期 中期このころになると、膝の軟骨が磨耗してしまう。そのため膝に痛みを感じ、熱をもったり、腫れたりする。また、もともとまっすぐな膝の人でも、この段階では内側の軟骨がすり減ってO脚に変形してしまう。 主な症状 ●初期のときに感じていた痛みは強くなり、正座やしゃがむ動作ができなくなる。階段の昇り降りのときはさらに痛みが激しく、特に降りるときのほうが痛みが強い。 ●膝が炎症を起こし、特に膝の内側から前側にかけて熱や腫れを感じる。関節液の分泌が促進されて膝に水がたまると、膝が重く、だるく感じられる。 ●関節を包む「関節包」が引っ張られて痛みを感じるため、膝をまっすぐに伸ばすことができなくなる。 ●軟骨が磨耗しているため摩擦が大きくなり、膝を動かしたときにガリガリ、ギシギシと音がする。 中期には、膝の痛みを訴えて受診する人が多くなる。日常生活の動作も苦痛になるほど痛みが強くなることがあるが、運動療法によって改善していく。 変形膝関節症の末期 さらに症状が進むと、軟骨がほとんどなくなるまですり減ってしまい、骨と骨が接するようになる。こうなると、負担を少なくするために大腿骨と軟骨にトゲや土手のようなものがつくられて変形してしまう。日常の動作をすることも困難になり、次第に外出するのがおっくうになる。 主な症状 ●膝が完全に変形してしまい、歩くだけで膝が痛むようになる。スポーツや旅行などに限らず、買い物や散歩などの日常生活の動きも苦痛になる。 ●しだいに家に引きこもりがちになり、気持ちがふさぎ、なかにはうつ状態になる人も。 ●運動が制限されることやうつ状態が長く続くことで、認知症につながることもある。 公開日:2003年4月14日
デザインや価格で選んでしまいがちな靴。でも、本当に履きやすい、自分の足に合ったものを選びたいものですね。靴を選ぶときのポイントをご紹介します。 目次 靴を買う時は、このサイズをはかろう 足に合わない靴はパッドで調整 家に帰ったら足の体操で、外反母趾や変形の予防 靴を買う時は、このサイズをはかろう デザインや価格で選んでしまいがちな靴。でも、本当に履きやすい、自分の足に合ったものを選びたいものだ。そのためのポイントを挙げてみた。 靴選びのポイント ●足は縦幅(足の長さ)と横幅(足の回り)をはかる。縦幅は靴のサイズ、横幅はE、EEなどのアルファベットで表されるサイズのこと。日本と外国では、同じ表示でも大きさが違うことがあるので要注意。 ●履いた時、つま先にゆとりがある。ただし、大きすぎるものは歩くとかかとが脱げてしまい、足の先に力が入りすぎて親指の爪が皮膚に入り込んでしまうこともあるので、大きすぎないようにすること。 ●靴底に適当なクッションがあること ●土踏まずのくぼみが合っていること 靴屋に行く前に、素足を紙の上にのせて型をとり、それを切り取って靴に入れてみてフィットするものを選ぶ、という手もある。 「そこまでするのは、ちょっと恥ずかしい…」という方は、靴の専門店や大きな百貨店の靴売り場には「シューフィッター」という靴選びの専門家がいるはずなので、相談してみよう。 足に合わない靴はパッドで調整 せっかく気に入って買ったのに、足に合わなくなってしまった靴はない? 魚の目やタコなどができたり、外反母趾になったりするのは靴が合っていない証拠だ。かといって、買い直すのももったいない…、というときには中敷やパッドを使って調整しよう。 靴の履き心地をアップさせるだけでなく、靴の欠陥部分を改良し、足の痛みや魚の目、タコなどの病変部を減圧することができるのだ。 パッドにはかなり種類があり、間違ったものを選ぶと足や体の部位を痛める原因になるので、医師やシューフィッターなどの専門家に相談すること。 家に帰ったら足の体操で、外反母趾や変形の予防 軽度の外反母趾の痛みを和らげたり、足の変形を予防するために、家に帰ったら足の体操をしよう。 もちろん、入浴後のリラックスした時でもOK。自分で足の指がほぐれたと感じるまでやってみよう。 ●足の指でものをつかむ タオルやハンカチなどの柔らかいものを足の指でつかみ、拾っては離す。これを左右繰り返す。 ●足ジャンケン ぎゅっと握ってグー、親指と人差し指を開いてチョキ、全部の指を開いてパー。この足ジャンケンを最初はゆっくり、慣れてきたらパッパッとリズミカルに繰り返そう。 ●つま先立ちやかかと立ち まっすぐに立ち、まずつま先立ちをする。足の指の腹で立つようにすると、指がぐっと曲がる。次に、つま先を上げてかかとで立つ。ふらつくようなら壁や椅子につかまって行うこと。足の筋を鍛えれば、健康促進になる。 公開日:2002年1月21日
自分に合わない靴を履きつづけ、その結果、足だけでなく、腰痛や体のいろいろなところの健康を損ねてしまっている人は少なくありません。間違った靴選びは、外反母趾や原因不明の腰痛や頭痛を招くことがあります。靴について見直してみましょう。 目次 足は「第二の心臓」 外反母趾に要注意 靴の裏を見てみよう 足は「第二の心臓」 ほとんどの人が人生で一度は経験すると言われている、腰痛。この原因の多くは、足や靴などにあるそうだ。 人が直立二足歩行をするようになってから、足は人の体を支える重要なはたらきがある。また、足は「第二の心臓」とも言われるように、人は歩くことで足の筋肉血管の収縮を活発化し、血行をよくしている。 これほど足は重要な役割があるのに、意外と足に対する関心が低く、自分に合わない靴を履きつづけ、その結果、足だけでなく、腰痛や体のいろいろなところの健康を損ねてしまっている人も少なくない。 「歩くこと」は健康維持に欠かせないことであり、その「歩くこと」と関係の深い足や靴。一度、目を向けてみよう。 外反母趾に要注意 足にあっていない靴を履いていると、足にさまざまな障害が出てくる。「たいしたことないや」と軽視していては命取り。とくに、外反母趾は相当痛みださないと病院になかなか行かない。しかし、放っておくと頭痛や腰痛など日常生活に支障をきたしてしまうのだ。 外反母趾の症状は? 足の親指のつけ根が飛び出し、親指が小指側に曲がってくる疾患。正常な状態でも足の親指は内側に5~10度ほど曲がっているが、外反母趾は軽度で15~20度、重度だと20度以上も曲がっている。 外側に飛び出した親指のつけ根が靴に当たって赤く腫れ、激痛を起こすこともある。 本来、人の足の裏は縦・横にアーチ(カーブ)があるが、外反母趾がすすむと第一中足骨(親指の骨)が内側に開くため、必然的に横のアーチが平らになり(開帳足という)、さらに縦のアーチも崩れ土踏まずがなくなる。すると、立っていてもバランスがとりにくく、足の踏ん張りが効かなくて疲れやすく、日常生活にも支障が生じることもある。 外反母趾の原因は? 主な原因は靴にある。女性のハイヒールのようにつま先が細く、かかとが高い靴を履きつづけていると、足の親指が圧迫されて変形してくる。 また、足の靭帯や筋力が弱い人も親指のつけ根の関節が飛び出すため、変形しやすい。 外反母趾の治療は? 足裏にアーチを人工的に作ってあげる中敷のようなものを靴の中に入れたり、指を圧迫しないような履物を利用するなどの方法が主流。軽症のうちは、親指と人差し指の間に足指を広げるパッドをはさむか、足袋や草履など親指と人差し指を広げるようなものを履くようにすれば、痛みは軽減することもある。 ただ、予防のためにも先の細い靴やかかとの高い靴を履かないようにしよう。さらに、足裏の筋を鍛える運動をすると効果的。 靴の裏を見てみよう 間違った靴選びが招くのは、なにも外反母趾だけではない。原因不明の腰痛や頭痛も、足や靴に原因があった、ということもなくはないからだ。 足に合った靴を履き、自然な姿勢で歩いていれば、全身の筋を使って力をうまくうけるので、どこかが痛くなることはない。しかし、足に合わない靴を履き、不自然な姿勢で歩いていると、どこか一部に負担をかけてしまい、その部位に痛みを発生させてしまう。 そこで、普段履いている靴の裏を見てみよう。どこか一部が極端に減っているようなら、それは足に合っていない靴を履き、不自然な姿勢で歩いている可能性大。さらに、擦り減ったままの靴のわずかな傾きは、さらに腰や膝を痛める原因になり、悪循環に陥る。あなたの靴底はどう? 公開日:2002年1月21日