疾患・特集

乾癬と爪の水虫を区別しましょう

乾癬(かんせん)は皮膚や関節の疾患です。皮膚の症状に関しては、爪の水虫(爪白癬)とまちがっていたとのケースも聞かれます。帝京大学の多田弥生先生に、乾癬とほかの病気を見分けるコツなどについて解説していただきました。

乾癬の皮膚症状の特徴や鑑別が難しい皮膚症状を見分けるコツとは

湿疹や爪白癬と診断されていたのに、実は乾癬であったとのケースも。帝京大学皮膚科学講座主任教授の多田弥生先生に、乾癬の皮膚症状の特徴や鑑別が難しい皮膚症状を見分けるコツなどについて解説していただきました(第62回日本リウマチ学会学術集会の講演内容をもとに本記事を作成しました)。

皮膚を引っかくだけで乾癬そっくりの症状が起こるケブネル現象

皮膚を引っかく

乾癬にみられる有名な特徴のひとつに、ケブネル現象というものがあります。これは、皮膚の症状(皮疹ともいいます)がないところを引っかいたり、こすったりして外的刺激を加えると、おおよそ2週間くらいの経過で乾癬とそっくりの皮疹が刺激を受けたところに生じるという現象です。
乾癬の皮疹が出やすい部位はこのケブネル現象を反映して、外からの刺激を受けやすい手足や、頻繁に曲げ伸ばしをする肘や膝などであることが知られています。具体的には耳、髪の生え際、後頭部、手の爪、ひじ、膝、下腿、臀部(お尻、特に臀裂部)などです。

乾癬は爪の変形や爪のボロボロが特徴

紅斑(こうはん)や鱗屑(りんせつ)を伴う皮膚の病変は乾癬以外にもたくさんあります。
多田先生によると、乾癬の皮疹とその他の皮膚の病気との見分け方としては、「乾癬の皮疹の好発部位に乾癬がないかどうかをみる、特に爪と爪の周囲をよく見る」ことを挙げています。
乾癬では、半数近くの人に爪の変形が見られ、爪乾癬といわれています。
爪乾癬は、爪の付け根にある爪母(そうぼ)由来の病変と、爪がその下の皮膚に接触している部分の爪床(そうしょう)由来の病変に分かれます。
爪が少しはがれたように見える爪甲剥離、爪床の角質増殖、爪が点状にへこんだように見える点状陥凹、爪の白濁などは具体的な症状の例になります。
爪乾癬は、乾癬患者全体で20%~50%に認められます。特に、乾癬性関節炎では8割に爪乾癬が認められます。ただし、爪が変形していればすべて爪乾癬とは限りません。爪白癬(爪の水虫)でも爪の変形が見られます。簡単な検査で区別をつけることが可能ですので、皮膚科で鑑別してもらうようにしましょう。

以上から、乾癬の皮疹は出やすい部位がありますので、外からの刺激を受けやすい皮膚をチェックすることや爪の状態を見ることにより、より早期に病気を発見できる可能性があります。もし、乾癬かなと思ったら、皮膚科を受診しましょう。

公開日:2018/08/27
監修:帝京大学皮膚科学講座主任教授 多田弥生先生