疾患・特集

CKD(慢性腎臓病)に関するアンケート結果

昨今話題となったメタボリック・シンドローム同様、将来重い病気を引き起こす恐れのある「CKD(慢性腎臓病)」。healthクリックでは1月26日~2月22日にかけて、CKDに関する意識調査を行いました。719名の方から回答を頂きましたので、その結果を報告いたします。ご協力ありがとうございました。

■調査の概要
実施期間/2009年1月26日~2月22日
有効回答者数/719名
内訳/男性:307名、女性:406名、無回答:6名
年代/10代:8名、20代:81名、30代:215名、40代:194名、50代:136名、60代:68名、70代:13名、80代:2名、無回答:2名

CKDという病気を知っているのは、10人に1人

あなたはCKDという病気を知っていますか?

「あなたはCKDという病気を知っていますか?」の問いに対し、「知っている」と回答したのは719名中69名で、約10%という結果となった。男女別で差はみられず、各年代における認知率にも大きな開きはみられなかった。CKDの認知率の低さが浮き彫りになった形だ。

さらに、「CKD がメタボリック・シンドロームと同様に心疾患のリスクを高めることを知っているか」の問いに対しては「知らない」が85%と、認知率の低さを裏付ける結果となっている。

CKDの早期発見に重要な検査の現状

自宅で尿検査をしたことがありますか?

自覚症状に乏しいCKDを早期発見する1つの方法として、蛋白尿などの尿異常を発見する尿検査がある。
そこで「自宅で尿検査をしたことがありますか?」という質問をしてみたところ、「ある」とする回答は約9%に留まり、家庭における尿検査はまだ浸透していない現状であることが分かった。
医療機関での検査、健康診断での検査を活用していくことが望まれる。

CKDの進行防止につながる家庭血圧の測定状況

家庭に血圧計はありますか?家庭で血圧をはかりますか?

CKD患者は腎不全や透析に移行しやすいだけでなく、心血管系疾患も発症しやすい。そのため、日ごろから高血圧予防のために血圧を測定するなどの習慣が望ましいとされる。 そこで「家庭に血圧計はありますか?」と聞いたところ、半数が所有している結果となった。
一方、「家庭で血圧をはかりますか?」の問いに対し、「はかっている」は22%。所有している人の半数も活用できていないことから、医師はCKD治療にあたって血圧測定の重要性を患者にきちんと説明する必要があると考えられる。
なお、血圧測定を行っている人の詳細を見ると、20 代(11%)、30 代(16%)、40 代 (21%)、50 代(29%)、60 代(43%)、70 代(47%)、80 代(100%)と、年代とともに血圧を測定する習慣のある人が増加しているのが特徴的だ。

家庭でいつ血圧を測定しますか?(複数回答)

また、「はかっている」「過去にはかっていたがやめた」と回答した人に、家庭でいつ血圧を測定するかを質問したところ、「決まっていない」とする人がもっとも多かった。血圧は変動しやすいものであるため、日本高血圧学会も家庭内で測定する場合には朝・晩 2 回の実施を推奨している。こちらもあわせて啓発していく重要性が感じられた。

CKDと診断されたことがある人の現状

あなたはCKDにかかっていると言われたことがありますか?

「あなたはCKDにかかっていると言われたことがありますか?」の問いに対し、「ある」とする回答は719名中15名で、2%という結果となった。
詳細は男性8名、女性7名、年代別では20代2名、 30代2名、40代3名、50代5名、60代1名、70代1名、80代1名となっている。

定期的に通院していますか?食事指導を管理栄養士から受けていますか?

そのうち、かかりつけ医や腎臓専門医に定期的に通院している人は約80%。通院しない人の理由としては、「症状がない」「時間がない」となっている。また、CKDの治療の一環として重要とされる食事指導を管理栄養士から受けている人は53%。受けていない理由としては「症状がない」「必要がない」「何も言われていない」などが挙げられている。

CKDは初期の段階ではほとんど自覚症状が出ないため、定期的に尿の検査を行うことで、病気を早期発見することが大切だ。また、CKDにかかったとしても、腎臓機能が低下して透析を受ける段階にまで進行しないよう、定期的な通院を続け、適切な栄養・生活指導を受けることが重要とされている。

いまわが国における推定CKD患者数は約1,330万人を超え、500人に1人が透析患者とされている。われわれの健康を脅かすCKDという新しい疾患群について正しい知識を身につけ、適切な治療を受けることが重要と考えられる。