多くの人が「年より若く見られたい、年より若くありたい」と願っています。年を取るにつれて老化の個人差が大きくなってしまうことも事実で、それも見かけだけでとどまっているのであれば化粧や服装でカバーできるかもしれませんが、同じ年齢の人よりも老けている、健康状態が悪いとなるとこれは問題です。では、どうすればいいのでしょうか。李昌一先生は、「年相応以上に若くあるためには口の中に気を遣うことが重要です。体が老化のサインを出す前の若い世代から気をつけてください」と述べられています。 監修:李昌一先生(神奈川歯科大学歯学部歯学科 健康科学講座 災害歯科学 分野長/教授) 目次 老け方に個人差があるのはなぜ? 「フレイル」の段階であれば健康な状態に戻せる オーラルフレイルの兆候 唾液からオーラルフレイルの状態を知る オーラルフレイルを改善するには 3ヵ月を目安にチェックしよう 老け方に個人差があるのはなぜ? 人は誰でも年を取り、老化していきます。老化は外見にも健康にも現れますが、その程度の個人差は年を取るほど大きくなっていきます。では、どうして個人差が出てきてしまうのでしょうか。その大きな原因が「活性酸素」と「抗酸化システム」のバランスの乱れの差です。 活性酸素は、ウイルスや細菌などの外敵から体を守るために白血球などの免疫細胞が備えている重要な武器ですが、同時に正常な細胞まで攻撃してしまい、その結果、全身の筋肉や血管の細胞がダメージを受けることになります。そのため、人の体には活性酸素が過剰にならないようにする抗酸化システムというものが用意されています。 若いうちはこの2つのバランスがうまく取られていますが、年を取るにつれて抗酸化システムがはたらきづらくなり、活性酸素をうまく処理できなくなります。このような変化は生理的なものであり誰にも起こりますが、バランスの乱れの程度には個人差があり、高齢になるほどそれが大きくなります。逆に言えば、活性酸素と抗酸化システムのバランスの乱れを小さくすれば、生理的な範囲内に老化をとどめることができるということになります。 「フレイル」の段階であれば健康な状態に戻せる 人は誰でも年を取ればさまざまな病気にかかりやすくなり、体の機能が衰え、サルコペニア*1やロコモティブシンドローム*2などを発症し、やがて要介護状態になる可能性も高まります。できるだけそうならないようにするための対策のひとつが「フレイル」という考え方です。 「フレイル(虚弱)」は身体的機能や認知機能の低下がみられる状態のことですが、「生活習慣の改善などで年相応の機能を取り戻せるかどうかの境目」を意味している点で重要です。フレイルは年齢の高い方が注意をしていただくことはもちろん重要ですが、昨今の新型コロナウィルス感染予防対策で外出を控えることにより、活動量の低下や人との交流が減り若い世代もフレイルのリスクがあることが問題視されています。 年相応の機能を取り戻すうえで重要な対策のひとつが「食事で十分な栄養を摂る」ことです。十分な栄養を摂るときに問題となるのが、食事にとって欠かせない「口」です。実は、フレイルの最初の兆候が現れるのが口の機能の低下になります。そこで「オーラルフレイル(口の虚弱)」という考え方が提案されました。 つまり、口の健康が衰えているのを発見し、早くから対策することで、要介護状態になるのを防止しようということです。 *1:サルコペニア:加齢に伴い、筋力や筋肉量が低下していく現象。 *2:ロコモティブシンドローム:骨や関節、筋肉などの運動器の障害によって、自力での歩行などが難しくなり、要支援・要介護の状態になっている、あるいはそうなる危険性が高い状態 オーラルフレイルの兆候 口には、食べ物を咀嚼する、咀嚼したものを飲み込むという食事に関係する機能のほかに、言葉を発する、これらを行うときに唾液を分泌するという機能があります。 ところが、オーラルフレイルの状態になるとこれらの機能が衰えて、食べこぼす、うまく飲み込めずむせる、滑舌が悪くなる、口の中が乾く、やわらかい食べ物を好むといった兆候が現れます。 次のような兆候を頻繁に自覚するようであれば、オーラルフレイルの状態を疑ってみましょう。 オーラルフレイルの兆候 ・ 食べこぼす ・ うまく呑み込めずむせる ・ 活舌が悪くなる ・ 口の中が乾く ・ 流動食を好む 唾液からオーラルフレイルの状態を知る オーラルフレイルの程度は唾液で簡単に調べることができます。 唾液には強力な抗菌作用があり、虫歯や歯周病の発症を防いでいます。同時に、抗酸化作用もあることから、口の中の過剰な活性酸素から正常な細胞を守る役割も果たしています。 健康な人であれば、1日に1.0~1.5Lの唾液が分泌されていますが、何かの原因により唾液の量が減るとたちまち口の中の活性酸素が過剰になり、正常な細胞がダメージを受けてしまいます。困ったことに、唾液を分泌する唾液腺の細胞は活性酸素に対してもとても弱いので、唾液量の減少は悪循環を起こしてしまいます。 また、活性酸素は筋肉の細胞にもダメージを与えますので、口の中で増えれば咀嚼や食物を飲み込む力が衰え、オーラルフレイルの兆候が現れます。さらに、口の中の血管も活性酸素によりダメージを受け、歯や周りの組織に栄養が行き渡らなくなるため、菌の増殖とは別のメカニズムで歯周病が悪化してしまいます。 唾液の量と唾液に含まれる活性酸素の割合を調べることで、オーラルフレイルの程度や自身の今の状態を知ることができます。 例えば、唾液の量が正常よりも少なくなっていれば、オーラルフレイルの可能性が考えられます。 また、唾液中の活性酸素の状態は、歯周病や生活習慣の乱れによる全身への影響を知る手がかりになります。唾液に含まれるスーパーオキシドとヒドロキシルラジカルの割合によって、活性酸素の状態を知ることができるのです。 スーパーオキシドは活性酸素の一種で、健康であればSOD(スーパーオキシド不均化酵素)と呼ばれる酵素の働き(抗酸化作用)によって消去されるので唾液中に多く含まれる割合は低くなります。それに対して、唾液中のスーパーオキシドの割合が高ければ抗酸化作用が弱まっていることを意味しますので、オーラルフレイルの状態にあると考えられます。そして、唾液中のスーパーオキシドの割合が高くなるほど歯周病や生活習慣病が進んでいる可能性があると考えられます。 もうひとつのヒドロキシルラジカルは、スーパーオキシドが還元されてできる活性酸素の一種です。残念ながら、人の体内にはヒドロキシルラジカルを消し去る酵素がありませんので、唾液中のヒドロキシルラジカルの割合が高いということは、口の中にとどまらず全身の筋肉や血管の細胞がダメージを受けて歯周病や生活習慣病が進行している可能性を意味します。 ●唾液量が少ない …オーラルフレイルの可能性 ●唾液中の活性酸素の状態: ・スーパーオキシドの割合が高い …歯周病や生活習慣病が潜んでいる可能性 ・ヒドロキシルラジカルの割合が高い …口の中にとどまらず全身の筋肉や血管の細胞がダメージを受けて歯周病や生活習慣病が進行している可能性 このように、唾液の量とその中に含まれる活性酸素の割合を測ることで、オーラルフレイルの状態と歯周病や生活習慣病の進み具合を知ることができます。検査キットもありますので、調べてみるといいでしょう。 オーラルフレイルを改善するには オーラルフレイルの段階であれば、健康な状態に戻すことができます。では、それを実現するにはどのようにすればよいのでしょうか。 唾液の分泌を促す 唾液は過剰なストレスがかかることで出づらくなります。十分な栄養と睡眠や休息を取って、できるだけストレスのかからない生活を送るようにするとともに、楽しい時間を増やすようにします。親しい人たちと会う機会を増やし、楽しい食事で咀嚼することや、会話を楽しむのは唾液の分泌を促す上でよい方法です。 また、唾液が出づらくなる原因のひとつに薬の副作用が挙げられます。副作用についても検討しながら、服用薬について主治医と相談してみましょう。 日常の適度な運動を心がけ、バランスのよい食事を摂る 適度な運動は活性酸素を減らす、抗酸化効果がありますが、激しすぎるとかえって活性酸素が増えてしまいますので注意しましょう。最も望ましいのは、普段の生活の中で体を動かすことです。掃除や洗濯などの家事をする、通勤で歩く、なるべく階段を使う、散歩をするなどの活動を習慣づけるとよいと思います。 食事は、筋肉を落とさないために栄養を摂ることや唾液の分泌を促すことも含めて、フレイル対策において最も重要です。一般に、体の中では合成できない抗酸化物質にはポリフェノールとカロテノイドが挙げられ、ポリフェノールはブルーベリー、大豆、ごま、そば、緑茶などに、カロテノイドは食黄色野菜、果物、エビやカニ、鮭や鱒などに含まれるとされています(厚生労働省 e-ヘルスネット)。 もちろん、このような食材に拘るものいいのですが、これらの多くは日本の伝統食に使われてきたものばかりです。仮に、西洋的な食事ばかりしているとか、偏ったものばかり食べているということであれば、それを日本の伝統的な食事に戻すということでよいと思います。例えば、高齢になると若い頃は食べなかった山菜を好むようになるというのは、年を取って抗酸化システムの機能が低下してきた体が自然に欲しているからだと考えられます。 なお、加工食品はそれ自体が活性酸素を増やす原因にもなりますので、可能な範囲で天然の食材を選ぶようにしましょう。スイーツは一般によくありませんが、チョコレートはカカオが材料ですので、高い抗酸化作用があるので、例外的によい加工食材と言えます。できるだけ高カカオと呼ばれるカカオポリフェノールの配分量が多いものを選ぶとよいでしょう。 口の中に気を遣う おそらく、歯医者に行くのが好きだという方は多くないと思います。理由は明白で、痛い思いをした経験があるからです。口の健康は全身の健康に大きくかかわっています。痛くならないうちに、全身の健康増進、健康寿命を延ばすためにも口腔ケア、歯医者を定期的に受診し健康を維持するよう意識しましょう。 歯医者は痛い治療を受けるところではなく、そうなる前に定期的に通って診てもらうところです。現在、全国民に毎年の歯科健診を受けてもらう「国民皆歯科健診」の導入検討が進んでいます。虫歯や歯周病にならないように予防診療をし、オーラルフレイルを未然に防ぎ、発見した場合は健康な状態に戻すためのサポートをするというのがこれからの歯科診療だと思います。このような診療を実現するには、診てもらう側も歯医者の側も考え方を変えなくてはなりません。他の診療科にはない歯医者のいいところは、子どもの頃から年を取るまでずっと診続けることができる点ですので、これを活かさない手はないと思います。 3ヵ月を目安にチェックしよう さて、老化の始まりはオーラルフレイルであること、オーラルフレイルを見つけて対策を行えば、体を年相応に健康な状態に戻すことができる可能性のあることをご理解いただけたと思います。まずは検査キットなどを使い自分の唾液の状態を知りましょう。もしオーラルフレイルの可能性があれば、年相応に健康な状態に戻せるように、対策を実行していただきたいです。大事なことは対策を続け、チェックすることです。そのためにも大体3ヵ月を目安に検査を行い、それまでに行ってきた対策の成果を実感することをおすすめします。 その際、改善が見られることを期待するのはもちろんですが、現状維持にとどまっていたとしても及第点をあげましょう。悪くならないことが続くことも、とても大事なことです。体にとって活性酸素を消す、抗酸化となる良い習慣の継続こそが、健康寿命を延ばす秘訣です。 公開日:2022/09/14 監修:李昌一先生(神奈川歯科大学歯学部歯学科 健康科学講座 災害歯科学 分野長/教授)
空気が乾燥する冬は、肌にとっても厳しい季節。手軽に摂れるサプリメントやおいしく食べる沖縄料理など、コラーゲンを食べて冬でも美肌を保とう! 目次 コラーゲンは体全体を支える重要なたんぱく質 皮膚そのものを構成するコラーゲン コラーゲンで肌のトラブルを改善!? コラーゲンたっぷり!沖縄料理に学ぶ コラーゲンなら鶏肉料理もオススメ コラーゲンは体全体を支える重要なたんぱく質 空気が乾燥する冬は、肌にとっても厳しい季節。頬のかさつき、手あれ、体のあちこちがかゆくなる。そんなトラブルを改善したい、あるいはシワや肌のハリが気になる、という人にぜひおすすめしたいのが、食事に取り入れることで体の中から肌を丈夫にしてくれるコラーゲン。 コラーゲンは、皮膚や骨、心臓など体のあらゆる臓器を構成しているたんぱく質。また、体内の臓器や組織を支えたり結びつけたりする接着剤のような役割も果たしている。とくにコラーゲンの多い皮膚では、水分を除いた重量の70%をも占める。何しろ人間の体を構成する物質で、水分の次に多いといわれるたんぱく質の3分の1がコラーゲンというのだから、体内で果たす役割の重要性は大きい。 皮膚そのものを構成するコラーゲン 皮膚は外側から皮脂膜、角質層、表皮、真皮の四層構造になっている。コラーゲンは繊維の状態で、絶えず合成と分解を繰り返し、バランスを保っている。コラーゲンが、老化やそのほかの原因で損傷を受けたり傷つけられたりすると、肌がハリを失ったり、シワができたりと、トラブルの原因になる。 美肌によい栄養素といえば、ビタミンCが有名だが、コラーゲンの生成に欠かせない栄養分がビタミンCなのだ。また、肌荒れを防ぐには亜鉛やビタミンB群、ビタミンE、レチノールなどが必要。緑黄色野菜や魚介類を積極的に摂ることが、乾燥に負けない肌を作る。 とはいえ、ダメージを受けたり、老化が進んでくると、これらの食品だけでは肌を回復させにくくなってくる。そこで、注目を浴びているのが、皮膚を構成するコラーゲンそのものを食品で摂ってしまおうという考え方だ。 コラーゲンで肌のトラブルを改善!? サプリメントなどでも利用されているコラーゲン食品の原料は、牛や豚由来のコラーゲン。そのまま人間の体の一部になるわけではないが、コラーゲンを食べ続けた人の肌荒れやアトピー性皮膚炎が改善した、肌につやが出てきた、髪の毛が太くなった、関節の痛みが軽くなった、といった事例も。その仕組みはまだ明らかになっていないものの、コラーゲンの常食は、確かにコラーゲンのはたらきが弱くなった人の体内で、本来の役割を回復させるのに役立っているようだ。 ちなみに、化粧品に含まれているコラーゲンは、肌へのなじみがよく、保湿剤としての役割を果たすもの。冬の乾燥から肌を守るために、コラーゲン入りの化粧水やクリームを塗ることは、女性だけでなく男性にもオススメ。ただし、これでコラーゲンが肌に補給できるわけではない。 コラーゲンたっぷり!沖縄料理に学ぶ 長寿で知られる沖縄の食生活。紫外線のきつい南国に住んでいる沖縄の人たちは、「鳴き声以外は全部食べる」といわれるほど、豚を丸ごと食べることで知られている。沖縄料理の定番メニューには、コラーゲンが豊富な豚皮や豚足が活躍している。自宅でチャレンジしてもよし、もちろん、近くの沖縄料理店に行ってもOK。ただし、豚足や三枚肉はじっくり数時間煮込んだものなので、自宅でチャレンジするにはやや難易度が高いかも。 ラフテー 沖縄風角煮とも言われるラフテーは、皮付きの豚三枚肉を使ったもの。 ソーキ ソーキそばに使われるソーキも、骨付き肉。 ミミガー 豚の耳の部分を細く切ったミミガーはこりこりして、きくらげのような食感。例えば野菜炒めに入れてしまうなど、手軽に使える素材としてオススメ。ミミガーは、沖縄物産店などで手に入れられる。 コラーゲンなら鶏肉料理もオススメ 鶏肉の場合も皮や骨、軟骨などにコラーゲンが多い。焼き鳥の皮、軟骨などがすぐ思い浮かぶが、ほかにも手羽はコラーゲンたっぷりの部位といえる。 家庭で作るなら、手羽をジャガイモや大根、にんじんなどと一緒に煮込めばポトフの出来上がりだ。ジャガイモや大根にはビタミンCも豊富だから、肌の健康維持にはオススメ。手羽は焼いてもよいし、野菜炒めにしてもよい。軟骨の野菜炒めというのも手軽に作れる一品。 公開日:2004年2月9日
これが「老けて見える」原因だ 久々の同窓会…。学生時代とまったく変わっていない人もいれば、ちょっと老けちゃったなーと感じさせる人もいて、年齢のとり方は人によってずいぶん違うことがわかる。 「実年齢よりも若く見える」「老けて見える」の差は、どんなところに現れるのだろうか。アンチエイジングをテーマに取り上げるにあたり、healthクリック編集部一同、自分のことを棚にあげつつ、また自戒も込めつつ、「老けて見える条件」について考えてみた。 男女ともに…目の下のクマ、手のシワ、首のシワ、法令線 男性の場合…やっぱり薄毛、顔全体の黒ずみ、耳毛 女性の場合…開いた毛穴、しわがれた声 お腹周りの肉、腰の位置がどーんと落ちている、歩き方が重たそう、猫背 説教が多い、「最近の若い子はいいわね~」などと言う、噂話が大好き、ページをなめてめくる、 洋服の色味がくすんでいる、演歌が好きになる、他人の年齢にこだわる、自分の年齢のサバを読む 実年齢よりホントに若いの?加齢度をチェックしよう 井口征士・大阪大名誉教授(感性情報学)と長田典子・関西学院大助教授(同)らの研究によると、私たちは自分自身の評価については結構甘く、平均的に実年齢より2歳くらい若く認識しているという。だが、実際はどうだろう?案外、自分だけが「若いつもり」でいるのかもしれない。 「若さ」は、外見のイメージだけでなく、体内の内臓や血管、筋肉、骨などが健康であってこそ保たれるもの。日々の生活習慣や思考によって、未来の若々しさがかなり左右されるが、果たして今のあなたはどれくらい老けているのだろうか?さっそく加齢度をチェックしてみよう! もし思わしくない結果となった場合、過去の生活習慣がよくなかったということ。今日から改善させるべき点を気をつけていけば、加齢のスピードをゆるやかにすることもできる。 加齢度チェック 質問 YES 点数 疲れを頻繁に感じますか?+1 普段、気分がいい時が多いですか?-2 気分が変わりやすいですか?+2 怒りっぽいですか?+2 気分が落ち込みやすいですか?+1 よく不安やストレス疲れを感じますか?+1 自分が働きすぎていると感じますか?+2 何もしないですむという意味で引退を楽しみにしていますか?+2 友人とは連絡をとりあっていますか?-1 寝付けないとか、熟眠できないことが頻繁にありますか?+2 寝た後は、充分休息したと感じますか?-2 物忘れが多くなりましたか?+2 最近、思考力が低下しましたか?+2 物忘れ防止のために何かをしていますか?(例:リスト作成)+2 集中力がおちてきましたか?+2 体調が良くありませんか?+2 理想体重を20%以上オーバーしていますか?+2 減量するのは非常に難しいですか?+1 腰や胴に贅肉がついてきましたか?+1 筋肉隆々で若々しくみえますか?-2 全体的に健康だとかんじていますか?-2 頻繁に風邪をひいたり、気分が悪くなったりしますか?+2 身体の節々が頻繁に痛くなりますか?+2 血中コレステロール値が200以上ありますか?+1 血中コレステロール値が240以上ありますか?+2 男性の方:HDL値は45以下ですか? 女性の方:HDL値は55以下ですか?+2 血圧は正常ですか?-2 視力がとみに衰えてきましたか?+1 頻繁に尿意をもよおしますか?+1 消化器系統に問題がありますか?+1 顔、首、上腕、腹部などの皮膚が垂れ下がっていますか?+2 同年齢の人より老けて見えると思いますか?+1 大腿に脂肪のかたまりができていますか?+1 ヘアーカットの回数が以前より少なくてすむようになりましたか?+1 あざや傷の治りに以前より時間がかかるようになりましたか?+1 運動することが以前よりつらくなってきましたか?+2 物をつかんだり、持ち上げたりする力が弱くなったようですか?+2 持久力が衰えましたか?+2 激しい運動をした後、息切れが以前よりひどいですか?+3 長生きをすればするほど、よい人生だとおもいますか?-2 セックスには依然として興味がありますか?-1 性生活に衰えを感じますか?+2 あなたの年齢は45~54歳ですか?+1 あなたの年齢は55~64歳ですか?+2 あなたの年齢は65歳以上ですか?+3 判定 当てはまる項目の得点を足してください。 ■14点以下 健康状態は良好です。あなたの不満も日常生活によくあるものです。禁煙やプラス思考などのよりよい生活習慣はあなたを更に若返らせることでしょう。 ■15~30点 なんらかの方法で成長ホルモンレベルを改善すれば、老化問題を早期解決できます。運動療法を特に重点的に行い、成長ホルモンの分泌を促進させましょう。 ■31点以上 至急、抗加齢医学の専門医を訪ねるべきです。あなたの成長ホルモンレベル(他のホルモンレベル)は、ひどく低下しています。 作成:田中消化器科クリニック 田中 孝 先生
おさらい! CoQ10の2大パワー マスコミなどで取り上げられ、「老化防止にいいらしい」とのイメージで一時は商品が品切れになったほど人気のCoQ10(コエンザイムQ10)。体内ではどんなふうにはたらいてくれるのだろうか。 CoQ10は体内でエネルギーを産生する酵素を助ける物質として、50年ほど前に発見された。体内のあらゆる細胞に存在しているが、特にエネルギー消費量の多い心臓、腎臓、肝臓、筋肉などに多く存在している。ちなみにコエンザイムにはQ6からQ10まであり、人間の場合はほとんどがQ10だが、生物の種類によって生体内に含まれる構成比が異なっている。 体内のCoQ10量は、食事による補給や、体内で生産されることによって維持されているが、体内での産生能力は残念ながら20歳代をピークに加齢とともに急速に減ってしまい、例えば心臓での含有量は40代で30%以上、80代では50%以上も失われてしまうといわれている。 CoQ10のはたらきは、大きく2つに分けられる。 ●CoQ10のはたらき1 体内でのエネルギー生産に貢献 体内でのエネルギー生産に貢献 CoQ10は約60兆あるといわれる体内のすべての細胞に含まれ、糖や脂質などの栄養素から生命維持に不可欠なエネルギーを生産するために、貢献している。CoQ10が不足すると細胞内がエネルギー不足になり、その結果、全身の各臓器の機能に影響が出るという説もある。 ●CoQ10のはたらき2 強力な抗酸化作用 強力な抗酸化作用 がん、心臓病、脳卒中など、生活習慣病との関わりが指摘され、シワやシミなど肌の老化の大きな原因と考えられている活性酸素。CoQ10には、ポリフェノールやビタミン類などと並んで強力な抗酸化作用があり、体内の細胞を活性酸素から守るはたらきがあるといわれている。 CoQ10に期待できること 日本では1974年からうっ血性心不全の医薬品として疲れてきたCoQ10。2001年には食品への添加が認められ、サプリメントとして登場した。加齢とともに減ってしまうCoQ10を補給すれば、病気の予防や健康維持、若さを保つのにも効果を発揮すると考えられている。 アルツハイマー、パーキンソン病などの予防・改善 脳と関連した疾患の多くは、活性酸素が神経組織にダメージを与えるためと考えられているが、CoQ10は脳細胞内のミトコンドリアを保護するはたらきがあることから、脳疾患の予防・改善にはたらきかけるのではと考えられている。 免疫系の強化 CoQ10が免疫細胞を強化させることと、強い抗酸化作用で細胞を守ってくれることから、免疫力の低下を抑える効果が注目されている。 疲労回復を助ける 体内のエネルギー産生に欠かせないCoQ10。CoQ10が十分あれば、心拍数が上がりにくく、スタミナが持続したり、筋肉の疲労回復が早まったりするといわれている。そもそもCoQ10は人体で生成されている物質なので、服用しても副作用がなく、ドーピング検査の対象にもならないことから、現在多くのアスリートがCoQ10を使用している。 肌を元気に! CoQ10を摂取することで、肌細胞の接着剤であるコラーゲンの分解を阻止し、肌の弾力成分を増やしたり、肌のターンオーバーを促すといわれている。さらにCoQ10には抗酸化作用があり、紫外線などによる酸化から肌細胞を守ってくれるはたらきも。 冷えやむくみの改善 手足の末端に血液が行き届かなくなって生じる、冷えや足などのむくみ。もともと心臓病の薬として使われてきたCoQ10には心臓のポンプ機能を高める作用があり、全身の血行がよくなることから、冷え症やむくみも改善されるといわれている。 そのほか 肝臓の新陳代謝を促進させて二日酔いを和らげたり、心臓の機能を高めて動悸・息切れなどを改善したり、抗酸化作用が歯肉の炎症を鎮めるとして歯周病の症状を改善させるなどの効果が期待されている。
「1日どれくらい摂ればいいの?」「一緒に摂ると効果的なサプリメントは?」などなど、知ってトクする飲み方のコツや、マメ知識をご紹介しよう。 1まずは1日30~60mgから CoQ10はもともと体内で生産されている物質で、過剰に摂取による副作用は今のところ報告されていない。1日の適量については諸説あり、「健康な人でも100mg程度は必要」とする説や、「病気や過労などがある場合には300mgの摂取が望ましい」とする説もあるが、健康維持や老化防止のための一般的な目安としては、30~60mgが推奨されている。CoQ10初心者は、このあたりの量からはじめてみるといいだろう。 2食事中か食事の直後に飲む 案外知られていないが、CoQ10は水に溶けず、油に溶けやすいという特徴がある。吸収力をアップさせるためには、油分が十分にある食事中か、食事の直後にとるのがベスト。 3毎日、続けて飲む CoQ10の摂取を止めると、1週間くらいで血中濃度が元に戻ってしまう。このため、毎日続けて飲むことが肝心。CoQ10を補給し続けることによる副作用や、体内でのCoQ10生産量が低下するようなことも、いまのところ認められていない。 4【+ビタミンE、C】で、さらに抗酸化力アップ! 抗酸化作用を持つビタミンEは、CoQ10と同様、脂溶性。酸化されたビタミンEを還元し、再び活性酸素と闘えるようにしてくれる。CoQ10にはもともと抗酸化作用がある上、ビタミンEのはたらきも助けてくれるというわけ。また、同じく抗酸化作用を持つビタミンCも、一緒にとれば、さらなる抗酸化作用を期待できる。 5吸収率には個人差がある 摂取したCoQ10はすべて吸収されるわけではなく、また、吸収率にも個人差がある。また、サプリメントの種類によっては溶けにくいものや、含有量の表示のないもの、純度の低いCoQ10を使用しているものも。これを受けて、日本コエンザイムQ協会では、一定の品質を満たしている製品に品質推奨マークをつける準備を進めている。 6実感できるのは1週間後くらい 血液中のCoQ10濃度がピークになるのは、1週間後といわれている。即効性を期待するより、ある程度の期間飲み続けることが必要。 7妊産婦や子どもは、専門医に相談してから CoQ10は栄養補助食品として認可されてから日が浅く、妊産婦や子どもの安全性に関しては現在研究が進められているところ。もしサプリメントを摂取するなら、専門医にひとこと相談してみよう。もちろん、病気療養中の人も担当の医師に確認してから。 8コスメ成分としても大人気 欧米ではCoQ10入りの化粧品が販売されてからおよそ10年経つが、これまで目立った副作用報告はないという。日本でも2004年に薬事法が改正され、現在では多くの会社からCoQ10入りコスメが発売されている。 9食材にも含まれているが、必要量はカバーできない イワシやサバ、牛肉、豚肉など、肉・魚類や、ブロッコリー、大豆、ピーナツなどに含まれている。ただし、目安の30mg以上をとろうとすると、例えばステーキで3kgほどにもなり、サプリメントなどを利用するのが近道。 10CoQ10は「魔法のサプリ」にあらず CoQ10にはさまざまなはたらきが期待されているが、若さをキープするためには毎日の食生活や、運動習慣の積み重ねが肝心。「CoQ10を飲んでいるから大丈夫」ではなく、自分の体の弱点を知り、ケアすることをお忘れなく。
コエンザイムQ10(CoQ10)には、老化防止、体力向上、美容などの効果が期待できる。また、コエンザイムQ10を補給すると心臓ポンプのはたらきがよくなり、心疾患の改善にも効果が期待できたという。そのほか、アルツハイマーやパーキンソン病、がんなどの予防・改善にも期待大。 目次 コエンザイムQ10で老化を防止! 抗酸化作用にも頼もしい存在 まだある!コエンザイムQ10のメリット 世界で初めてコエンザイムQ10の原料供給に成功したのは日本の会社だった! コエンザイムQ10で老化を防止! 心臓は血液を全身に送るポンプのようなはたらきを持っており、1日24時間休みなくはたらき続けている。コエンザイムQ10は特に心臓で必要とされる補酵素であり、コエンザイムQ10が不足すると心臓の機能が低下してしまう。その結果、足のむくみ、動悸、息切れ、疲労感、低血圧、心疾患の悪化などさまざまな疾病を引き起こすと考えられている。 心臓を強くすることは老化防止にもつながる。これから日本が迎える高齢化社会に対応するためにもしっかりコエンザイムQ10を摂取しよう。 抗酸化作用にも頼もしい存在 ■ビタミンEの酸化を防ぐCoQ10 資料提供:日清ファルマ株式会社 「活性酸素」が体にダメージを与える存在であることはご存知の方も多いだろう。 ストレスや喫煙、過度の飲酒などによって体内で生成される活性酸素は不安定で攻撃的。これが体内で適切に処理されないと、それが引き金となって心筋梗塞や脳卒中、がんなどの生活習慣病を引き起こしてしまう。この活性酸素によって体が傷つけられるのを防ぐ作用を抗酸化作用と呼ぶ。 抗酸化作用のある物質としてはビタミンEやビタミンCなどが有名だが、実は、コエンザイムQ10も強力な抗酸化物質。ちなみに、体のサビの原因でもある脂質過酸化物の生成が、コエンザイムQ10が存在する間は抑えられるという研究結果も報告されている。病気の予防や老化防止にも役に立つとの期待大である。 まだある!コエンザイムQ10のメリット エネルギーを作り出すのに必要なコエンザイムQ10。ほかにもまだまだメリットがたくさん! 肌の老化をストップ コエンザイムQ10は特に女性には嬉しい美容効果がある。 皮脂などの皮膚のオイル成分が老化や紫外線などの影響により酸化すると「過酸化脂質」になり、シミやシワ、乾燥肌などの皮膚の老化現象が起こる。コエンザイムQ10には、この過酸化脂質をもとの物質に還元し、さらにビタミンEとともに過酸化脂質の発生を抑えてくれるはたらきがあるのだ。 また、アメリカでは脚のむくみの解消や脚の部分やせができるとして、女性に非常に人気がある。コエンザイムQ10は脚の動脈を広げて血流をよくすることで、脚の水分代謝をよくしむくみを解消し、下半身の脂肪を燃焼させると言われている。 コエンザイムQ10はお肌がきれいになってさらにダイエットもできる、スグレモノなのだ。 体力向上!疲れ知らずになれる 前述の通り、コエンザイムQ10は、体内でエネルギー産生に大きく関わっている。と言うことは、コエンザイムQ10が不足すれば、当然エネルギーも減り、疲れやすい体になってしまう。また、摂取した食物はきちんと代謝し、エネルギーに変換することが必要なのだ。 慢性的な疲労でお悩みなら、コエンザイムQ10を摂取してみてはどうだろうか。 病気の改善・予防に期待 もとは心疾患患者のための医薬品でもあったコエンザイムQ10。補給すると、心臓ポンプのはたらきが高まり、心不全や高血圧、脚のむくみなどの症状が予防・改善すると考えられている。 また、パーキンソン病やアルツハイマーなど脳と関連した疾患は、活性酸素が神経組織にダメージを与えることが原因と考えられるため、コエンザイムQ10の補給で脳疾患を予防するとも考えられている。 そのほか、がんの予防や改善、肥満の改善、免疫系の強化など、さまざまな疾病の予防や改善に期待されている。 世界で初めてコエンザイムQ10の原料供給に成功したのは日本の会社だった! 1957年にアメリカの研究者たちによってコエンザイムQ10がはじめて発見され、翌年から本格的な研究が始まった。その研究のために、大量のコエンザイムQ10が必要となり、その要望にこたえて世界初の量産化に成功したのは日本の会社だ。それが、日清製粉株式会社の医薬部門(現在の日清ファルマ)だった。製粉会社と医療品原料、ちょっと遠いようだが、実は同社の創業者が健康増進に強い関心を持ち、ビタミンの研究を続けていたのだとか。またエーザイ株式会社との共同研究を重ねた結果、世界初のうっ血性心不全の医療用医薬品を発売。 このように、コエンザイムQ10の研究と開発には日本の企業が深く関わっていたのだ。 公開日:2003年3月3日
体のさまざまな部分で起こる老化現象ですが、ある程度の年齢になると必ず起こるものもあれば、努力次第で防ぐことができるものもあります。老化の原因として外的な要因が大きく、努力すれば防ぐことができるものをご紹介します。 目次 皮膚のシミ・しわを防ぐには 体力・筋力の衰えを防ぐには 歯のぐらつき・抜けを防ぐには 皮膚のシミ・しわを防ぐには お肌の曲がり角は○歳などとよく言われますが、皮膚の老化には個人差と部位による違いがあります。なぜなら、皮膚の老化の80%以上が日光によるものといわれ、日光のあたりやすい皮膚ほど早く老化するからです。 日光の影響下で起こる老化現象には、皮膚の乾燥、発汗の減少、毛の成長速度の低下、しわの出現などがあります。このなかで皮膚の乾燥、しわの出現などは主に40歳ごろから目立つようになります。しかし、日焼け止めや帽子の使用などで日光にさらされないようにすることで、老化を遅らせることは可能です。 また、洗顔方法にも注意をしましょう。スポンジやたわしなどでこすって皮脂を落としすぎると、皮膚が乾燥しやすくなってしまいます。石けんを使ってなで洗いするだけでも十分です。体についても同様ですので、手の届く範囲は赤すりタオルなどを使わずに手と石けんだけで洗うようにしましょう。 体力・筋力の衰えを防ぐには 体を支える元となる筋肉や骨の力は、20歳くらいまでの間に発達し、それ以後はゆるやかに衰えていきます。筋肉などを作る成長ホルモンの分泌がこの年齢を境に激減するからです。しかし、歳をとってもそれなりに運動をしていれば、体力、筋力ともに衰えを遅らせることができます。 逆に、日常最低限しか体を動かしていないと、体力・筋力ともに衰える速度が進んでしまいます。30代後半なのに、50歳代の平均以下しか筋力がないという人も、最近では珍しくありません。 歯のぐらつき・抜けを防ぐには 30代くらいではまだ現実的ではないかもしれませんが、「歯がぐらつき、抜けてしまう」のも老化現象のひとつです。これは歯周病などの病気が直接の原因です。ケア次第で80歳まで入れ歯のお世話にならずにいることもできます。 歯周病とは、歯みがきによって落としきれなかった食べ物のカスや細菌の固まり(歯垢)が歯と歯ぐきの間にたまり、毒素を出して歯ぐきなど歯の土台を弱くしてしまう病気です。そのうち、歯と歯ぐきの間に膿がたまり(歯槽膿漏)、最終的には歯がぐらついて抜けてしまいます。 15歳以上になると、歯の異常の大部分が歯周病によるものとなります。今は異常がなくても、歯を守る生活を怠ると、10年後には入れ歯や差し歯のお世話になる可能性が高くなります。 歯周病を防ぐためには、きちんとした歯みがき(デンタルフロスなどで歯と歯の間もしっかり落とす)を行うのが一番ですが、体そのものの防御力を保つことも大切です。例えば、唾液には殺菌作用のある酵素が含まれています。物をよく噛んで食べ、しっかり唾液を分泌させる習慣も意外と大事なのです。そのほか、お茶にふくまれるフッ素やカテキンも抗菌作用があるので、食後に飲む習慣を心がけたいものです。
老化のメカニズムを知るために、まずは「肌」について知っておきましょう。あわせて、あなたの肌の老化度もチェック! 目次 老化は10代後半から始まっている!? 健康な肌は28日周期で新しく生まれ変わる 肌の老化度をチェック! 老化は10代後半から始まっている!? 個人差こそあれ、誰でも若い時は生き生きした肌をもっていた(いる)はずです。しかし、年齢とともに肌は衰え、みずみずしさを失い始めます。ある程度仕方のないことです。 昔から「25歳はお肌の曲がり角」といわれてきました。しかし実際には成長期を過ぎた頃、つまり10代後半から肌の老化は始まっているともいわれています。 実際の年齢とは別に、見かけの年齢を表す「肌年齢」という言葉を聞いたことがあるでしょう。若いうちならこの2つにあまり差はありません。しかし年をとるにしたがって、この差は次第に広がります。つまり、同じ年齢でも若く見える人と老けて見える人の差がはっきりしてくるのです。確かに、40代なのにシワもほとんどなく肌がつやつやしている人もいれば、20代でも肌にハリがなく老けて見える人もいます。この差はいったいどこから生まれるのでしょうか? 健康な肌は28日周期で新しく生まれ変わる 老化のメカニズムを知るために、まずは皮膚の構造を理解しましょう。 人間の皮膚は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層に分かれます。 ●表皮 皮膚の一番外側にあり、皮膚の内部を守っています。厚さは平均0.1mm。 表皮はさらに「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層から成っています。ふつう「肌」というと一番外側の角質層を指すことが多いようです。 ●真皮 肌に弾力・ハリがあるかどうかはこの真皮の状態によります。いわば、肌の心臓部です。 ●皮下組織 体温を維持したり、エネルギーを貯蓄したりするところです。 肌にはターンオーバーという「生まれ変わる力」があります。まず表皮の基底層で新しい細胞が作られ、それが皮膚表面に向かって少しずつ変化しながら押し上げられ、最後にはフケや垢となってはがれ落ちます。こうして新しい細胞と古くなった細胞がいれかわる新陳代謝が絶えず行なわれています。 健康な肌なら約28日周期でこの新陳代謝が繰り返されています。しかし、年齢とともに新陳代謝は鈍くなり、周期も長くなります。さらに紫外線・乾燥・ストレスなどさまざまな要因によっても周期は崩れ、うまい具合に新しい皮膚が再生されなくなるのです。 肌の老化度をチェック! あなたの肌年齢はいくつでしょうか。次の項目のうち、あてはまるものが多いほど、肌の老化が進んでいるといえます。かっこよく年をとりたいなら、本気で対策を考えましょう。 頬を指で押さえても弾力がない 目や口のまわりに小ジワが目立つ 鼻や口のまわりの毛穴が横長に広がっている シミができてきた 肌が生き生きしている感じがない 日焼け後の回復が遅くなった 数年前と今の写真を見比べると肌のハリがなくなっていることに気づく 洗顔後30分たっても肌がつっぱる
肌の老化を早める要因のひとつ「紫外線」について知っておきましょう。紫外線は、波長の違いによって、UVA、UVB、UVCの3つに分けられます。 目次 紫外線はほんとうに怖い! 紫外線によるシミはこうしてできる 紫外線によるシワはこうしてできる 紫外線はほんとうに怖い! 肌の大敵NO.1は、紫外線です。シミやシワの80%が紫外線によるものともいわれます。 農業や漁業にたずさわってきたお年寄りの首筋には深いシワがよく見られますが、これは長年にわたって紫外線を浴び続けてきたことによるものです。またシミやシワで皮膚科を訪れる人には、若い頃にスポーツなどで真っ黒に日焼けしていた人や、肌の保護に無頓着だった人が多いといいます。今は大丈夫でも、数年後に必ずしわ寄せがくるということです。 紫外線は、波長の違いによって、UVA、UVB、UVCの3つに分けられます。 UVA 生物に与える影響はUVBの100分の1~1000分の1だが、表皮を通り越して真皮にまで達し、シワをつくります。 窓ガラスを透過するので、室内にいても浴びます(量は1/2に減少)。 曇りの日でも、量は変わりません。 UVB 角化細胞に損傷を与え、急激な日焼け(炎症)や皮膚がんの主な原因となります。 窓ガラスにほとんど吸収されるので、室内には入ってきません。 曇りの日は、量が1/3程度に減ります。 UVC オゾン層で吸収されるので、地上にはほとんど届きません。 日本では、紫外線は3月頃から強さを増し、5月から8月にかけてもっとも強くなります。1日のうちでは正午頃がピークです。 夏はしっかり紫外線対策をするという人でも、秋冬は怠りがちですが、冬の紫外線の量だってあなどれません。特にスキー場は危険地帯です。 最近、老化や成人病の大きな原因として「活性酸素」が注目されていますが、紫外線は体内にこの活性酸素を発生させるもとになります。 紫外線によるシミはこうしてできる 1. 紫外線を浴びます。 2. それに対する防衛反応としてメラニン色素がたくさんつくられ、肌は黒くなります。 3. メラニン色素はふつう28日周期の表皮の角化にともなって抜け落ち、肌色も元に戻ります。 4. しかし、日焼けの程度がひどい場合、表皮が壊れてメラニン色素が真皮に落ち込み、色素沈着を起こしてシミになります。軽い日焼けでも、人によっては色素沈着を起こすこともあります。 紫外線によるシワはこうしてできる 1. 紫外線を浴びます。 2. 肌の弾力とハリを司るコラーゲンが断裂・変性します。コラーゲン産生量も低下します。 3. 真皮が萎縮し、深いシワができます。
肌の老化を早める要因のうち、「乾燥」「強い刺激」「食生活」について考えます。 目次 あなたの肌、水分を欲しがっている? 偏った食生活も老化を促進する シミやシワは、一度できたら治らないの? あなたの肌、水分を欲しがっている? 紫外線の恐ろしさについては、老化を急ピッチに進める肌の敵「紫外線」で紹介したとおりですが、同様に 乾燥も肌の大敵です。例えば洗顔剤で顔を洗うと、肌がつっぱった感じがするでしょう。これは、洗顔によって皮脂が取られ、角質層の水分を保つ物質(天然保湿因子=NMF、細胞間脂質)も溶け出して、肌の水分が蒸散される状態になるため。このまま放置すると小じわのもとになります。 また、スクラブ洗顔・パック・美顔マッサージのやりすぎ、フェイスブラシの使いすぎなど、強い刺激も肌には迷惑となります。角質層(一番外側にあって皮膚を守っている)を傷め、水分が蒸散してシワができやすくなるうえ、炎症を起こしやすくなりシミや黒ずみの原因にもなります。角質層はセロテープで簡単にはがれてしまうような、デリケートなものなのです。 偏った食生活も老化を促進する 肌の新陳代謝、そして紫外線から体を守ろうとする物質の原料になるのは、各種の栄養素です。バランスの悪い食生活でこうした栄養素が不足すると、紫外線に対する抵抗力が低下し、シミやシワができやすくなります。肌のハリや弾力、みずみずしさも失われてしまいます。糖分や脂肪(特にリノール酸)の摂りすぎも問題です。 シミやシワは、一度できたら治らないの? シミができたら? シミができて慌てて美白化粧品を使い始める人も多いことでしょう。美白化粧品などには確かにシミに効く有効成分が入っています。ただし、シミの種類によって効くもの効かないものがありますし、そもそも化粧品というのは「治す」ものではありません。過度の期待はせず、「少しでも予防・改善できれば」ぐらいに考えたほうがいいようです。 エステも肌を活性化させるにはいいでしょう。結果的にシミが目立たなくなることもあるようです。ただしこれも、根本的に治すという「治療」ではありません。 きちんと治したいなら、皮膚科、美容整形外科などに相談してみるとよいでしょう。飲み薬(ビタミンC・E剤や抗プラスミン剤など)や塗り薬(ビタミンA誘導体など)、レーザー治療など、方法はいろいろあります(飲み薬や塗り薬は限界があります)。 シワができたら? 小ジワ(浅いシワ)ならスキンケアで元に戻すことは可能です。コラーゲンやフルーツ酸入りの美容液・化粧水で試してみるといいでしょう。皮膚科では塗り薬を処方してもらえます。 一方、深いシワとなるとスキンケアやエステでは無理です。どうしても治したい場合は、レーザー治療やシワ取り美容手術に頼ることになります。 いずれにせよ、まずは予防、できてしまったら早めに手を打つことが大切だ。
老化の原因といわれる活性酸素とは?活性酸素の正体や影響、発生源を紹介します。 目次 活発にはたらくよい酸素のこと? 活性酸素は「体内公害」だ! 活性酸素の発生源はこんなにある! 体内には活性酸素を追い出す勇士もいるのだが… 活発にはたらくよい酸素のこと? 私たちは呼吸によって空気中から酸素を取り入れています。酸素は私たちが生きていくために欠かせない大切なものです。 ところがこの酸素、ちょっとしたキッカケで「活性酸素」というものに変身します。そして、この活性酸素こそが、さまざまな老化現象を起こす真犯人ではないかと考えられています。 「活性」という言葉の響きからは、何やら私たちの体のために活発にはたらいてくれる賢い酸素のようなイメージがあるかもしれませんが、その正体はとても攻撃的で毒性の強い曲者ですなのです。 ふつうの酸素と4つの活性酸素 酸素原子2コから成る。両側の不対電子同士がペアをつくって安定。 一番ポピュラーな活性酸素。片側だけが不対電子になり、不安定に。 紫外線によって皮下組織でよく発生するのがコレ。片側の電子がもう一方の軌道に入り、軌道が一つガラ空き状態に。非常に反応性に富む。 酸素原子2コと水素原子2コから成る。不対電子はないがとても不安定。殺菌剤の成分にも使われており、体に侵入した細菌も殺してくれる。 最も反応性に富んだ活性酸素。酸素原子1コと水素原子1コから成る。過酸化水素が金属イオンと反応した時などにできる。 活性酸素は「体内公害」だ! 原子核のまわりの電子が2個でペアになっているのが、いわゆる安定した状態です。そこで、不対電子をもった不安定な活性酸素は、何とかして自分は安定しようと悪さを考え、あたりかまわず近くの分子から電子を奪い取ってきてしまいます。これが「酸化させる」(サビさせる)ということです。 こんな具合に体内の細胞を酸化させ、細胞の正常なはたらきを失わせ、その結果、老化やいろいろな病気を引き起こします。シミやシワなどのほか、がん・動脈硬化・糖尿病・老人性認知症・白内障といった大変な病気の引き金にもなるといわれています。 活性酸素の発生源はこんなにある! 活性酸素は私たちの日常の生体活動の中で発生するほか、紫外線や大気汚染などさまざまな条件のもとでも発生します。活性酸素の発生源として考えられているものには例えば、紫外線、たばこ、激しいスポーツ、医薬品、ストレスなどがあります。 そのほか、排気ガス、加工食品、殺虫剤、レントゲンなども、活性酸素発生の原因になります。 体内には活性酸素を追い出すものもいるが… 身の回りにこんなに活性酸素の発生源があったのでは、まったく遠ざけろというほうが無理です。では、体の酸化はどうすることもできないのでしょうか? それが、人間の体というものは実によくできたもので、「酸化防止システム」もちゃんと備わっています。酵素、たんぱく質、ビタミンなどさまざまな「サビ止め」が待機していて、活性酸素が発生したらたちまちこれを消してしまうという仕組みです。 しかしこのありがたいシステムにも限界はあり、大量の活性酸素が発生した時はカバーしきれません。さらに40歳を過ぎるとシステムもだんだん老朽化し、活性酸素に抵抗できなくなってきます。 老化を防ぐためには、できるだけ活性酸素を発生させないような生活の工夫と、酸化防止システムの強化(サビ止め=抗酸化物質が体内でたくさんつくられるような食生活をする)ことが大切です。
肌の老化をできるだけ防ぐための対策をまとめました。 目次 毎日のスキンケアと食生活を見直そう 若い肌を保つための生活8ヵ条 毎日のスキンケアと食生活を見直そう 肌はあなたにとって、一生涯たった1枚の「着物」です。それくらい大切なものだと認識し、肌にやさしい生活を心がけてあげましょう。あなたが肌にやさしくなればなるほど、肌はそれに応えていつまでも若々しくいてくれるかもしれません。 若い肌を保つための生活8ヵ条 その1:栄養バランスのよい食事がやっぱり一番! 「栄養バランスなんて言葉、聞き飽きた!」という人もいるかもしれませんが、やはりこれは基本中の基本です。新しい肌細胞のもとになるのは各種栄養素となります。いいかげんな食生活で肌のコンディションが乱れた状態が続くと、間違いなく老化は早まります。 肌にいい食べ物・悪い食べ物 その2:肌に合わせた正しいスキンケアをしよう あなたは毎日、肌のために何をしているでしょうか。しっかりスキンケアをしているという人、それはあなたの肌にとって正しいやり方でしょうか。肌に合った適切なケアをしない限り、老化は進む一方です(全くやらないのは論外)。間違ったケアは逆に老化を早めてしまいます。 肌タイプ別アドバイス その3:紫外線対策はしっかりしよう シミ・シワをつくらないためには、紫外線対策を怠らないこと。長時間紫外線を浴びつづけないのはもちろん、ちょっと外に出る時でも帽子をかぶる、日焼け止めクリームやファンデーションを塗るなど、肌の保護につとめましょう。スキー場や海といった、とくに紫外線が強いところへは、何の対策もなしに絶対に行かないことです。 日焼けしてしまった後の手入れ法 アスピリンなどの消炎剤を飲む 冷水に浸したタオルや氷で、肌を冷やす 化粧水をたっぷり与えて、水分を補給する 乳液などを塗って、水分の蒸散を防ぐ ビタミンCを摂る(メラニンの生成を抑えてくれる) 表面化させない、濃くしない、シミ対策 その4:たばこはやめる!無理ならせめて本数は減らそう 愛煙家の人にとっては、またもや耳の痛い話ですが、肌のためにもたばこは絶対によくありません。たばこを吸うと血管が縮んで血行が悪くなるため、栄養が末梢まで行き渡らなくなり、皮膚の表面温度が下がります。その結果、皮膚のくすみや乾燥など悪い影響を与える可能性があります。また、たばこは体内に大量の活性酸素を発生させます。体内のビタミンCも急速に失われます。どうしてもやめられないなら、せめて本数を減らしましょう。 たばこをやめるテクニック その5:睡眠は十分とろう 夜は、副交感神経が優位にはたらき、成長ホルモンも多く分泌される時間帯です。この時間にしっかり睡眠をとると、皮膚は血液を酸素をたくさんもらって新しい細胞をつくり、老廃物をいろいろな臓器から出してくれます。逆に睡眠が足りないと、皮膚の新陳代謝はうまい具合にはかどりません。「美肌は夜つくられる」といわれるのは、こういうわけです。 だって12時までに寝られないもん!というなら… その6:いきなり激しい運動をしない 運動をすれば酸素の消費量も増え、それに比例して、老化の原因となる活性酸素も多く発生します。体のほうも、運動で生じた活性酸素を消去する能力を備えているので、その能力の範囲内(つまり適度な運動)なら問題ありませんが、消去能力の範囲を超えた運動となると対処しきれないのです。 なお、運動をする前にはビタミンE・C・B2・βカロチンなどを摂っておくと、酸化防止に役立つようです。 その7:パソコンを使う時は1時間ごとに休憩しよう 「電磁波」にも活性酸素を発生させるのではという疑いが持たれています。とはいえ、私たちの身の回りには、パソコン、コピー機、電子レンジ、赤外線電気こたつ、テレビ、レントゲンなど、電磁波を発する機器だらけで、これを避けようというのも無理な話です。ただ、長時間電磁波を浴びつづけないようにするくらいの気配りは大切。目にもいいでしょう。 その8:ストレス解消法を身につけよう ストレスも肌には悪いようです(活性酸素も発生させる)。たまに感じるくらいならいいのですが、四六時中ストレス漬けとなると困りもの。肌の老化が進むだけでなく、ストレスはいろいろな心身の病気の原因にもなります。自分のストレス解消(発散)法をぜひ見つけましょう。 ストレス解消のためのリラックス法