疾患・特集

新型コロナで運動不足と肥満・メタボに注意しよう!

新型コロナウイルス感染症対策のための外出自粛、学校の休校、テレワークによる通勤減少などにより、自宅にいることが多くなりました。そうすると、運動不足が生活習慣に影響して肥満やメタボリックシンドローム、病気になりやすくなることが危惧されます。ロコモティブシンドロームを啓発するロコモチャレンジ!推進協議会のアンケート結果でも如実に表れています。感染症の対策とともに運動不足や食生活の乱れへの対策も重要です。

自宅で運動不足の解消のために工夫しよう!

自宅で運動不足の解消のために工夫しよう!

新型コロナウイルス感染症の影響で自宅に長くいると、体を動かさなくなりがちです。運動不足とロコモーティブシンドローム(以下、ロコモ)に注意しましょう。
骨や関節、筋肉などの運動器に障害が起こりやすくなり、立つことや歩くことなど体を動かす機能が低下してロコモ状態が続くことになるのでよくありません。
そこで、ロコモチャレンジ!推進協議会サイトに掲載されているロコチェック、ロコモ度のテスト〔立ち上がりテスト、2ステップテスト、ロコモ25(25の質問)、ロコトレ(片脚立ち、スクワットなど)などが有用です。
また、運動不足による肥満やメタボリックシンドロームにも注意して、BMIチェックなど自分の状態を把握しましょう。

「自宅で座っている時間や寝転がっている時間が増えた」人が多い

ロコモチャレンジ!推進協議会は2020年3月11~12日に、新型コロナウイルス感染症による運動への意識変化を把握するアンケート(インターネット調査)を実施しました。全国の20~60歳以上の男女5000人に聞いた結果を見ると、運動不足が明白でした。
2月上旬以降の1ヵ月間における外出の機会について、昨年同時期に比べて聞くと、「かなり減った」と「やや減った」の回答が50%超で、60才以上の女性では6割でした。
外出を控えていることについては、「外食」が最も多く6割以上、習いごとやスポーツジムに関しては約2割でした。「自宅で動かないでいる時間が増えた」は約3割(「やや増えた」と「かなり増えたの合計)でした。
子どもの運動機会(座っている時間や寝ころがっている時間) が減っていると回答した方の割合は全体の約4割で、40代女性においては約半数がご自身のあるいは、周囲の子どもの運動機会減少を感じています。
また、外出が減った回答者の7割以上が「自宅での運動方法に興味がある」と回答しました。

自宅で座りっぱなしが続くとエコノミークラス症候群になる可能性も

アンケートは、3月11~12日に実施したものです。アンケート実施時期よりも1カ月ほど経っている現状では、外出自粛が強く要請されており、運動不足の状況は深刻化していると考えられています。
一方で、運動不足は肥満やメタボリックシンドローム、生活習慣病を招いてしまいます。
また、自宅で座りっぱなしの時間が長くなると、足の血流が悪くなって静脈に血のかたまり(血栓といいます)ができてしまい、さまざまな症状が現れるエコノミークラス症候群も起こりうる可能性があります。

運動不足による基礎体力・免疫力低下に注意

自宅でじっとしていると、ストレスがたまってしまいますし、うつ状態になってしまうことなど精神的にもよくないことが考えられます。
現状では、身体活動量の不足により、子どもから高齢者まで全ての年代において健康を損なう恐れが高まっています。
それに加えて、運動不足(身体活動量の不足)は、基礎体力を低下させ、免疫力を低下させてしまいます。免疫力の低下により、新型コロナウイルス感染症の発症・重症化を引き起こしやすくなります。
いまを乗り切りながら、運動不足の状態や肥満・メタボリックシンドロームなどをチェックして、自宅でできる運動など、いろいろ工夫して実践していきましょう。

公開日:2020/04/15
監修:スリーワンクリニック名誉院長 板倉弘重先生