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がんの骨転移による麻痺の予兆をチェック!がんロコモ対策(4)

がんの骨転移がおこると、骨折や麻痺になることがありますので注意しましょう。麻痺が進行すると下半身不随になる可能性があるので、麻痺の予兆を見逃さないことです。大阪国際がんセンターの田平芳子さんに麻痺の予兆チェックなどについて教えてもらいました。

麻痺の予兆とは

麻痺の予兆

麻痺に関しては、歩行困難になってから適切な治療を受けても動けなくなる可能性もあり、約4割のかたは歩けるまでは回復できないといわれています。大阪国際がんセンター緩和ケア認定看護師の田平芳子さんは、麻痺の予兆チェックポイントを3点あげています。

麻痺の予兆チェックポイント

  • 背骨や腰まわりに痛みがある
    ■ポイント:初期症状はほとんどの場合は痛みです。わき腹や肩まわりの痛みにも注意しましょう。
  • 足のしびれがある
    ■ポイント:足先からはじまり、全体に広がっていくことが多いのですが、個人差があります。
  • 足のふらつき、歩きにくさが出てきた
    ■ポイント:救急車を呼ぶ必要はありませんが、麻痺のリスクが高まっています。一両日中に受診しましょう。

自分のバランス能力知っておくべき、チェックシートを活用しよう

田平さんは「バランス能力の低下、足のふらつき、歩きにくさがあれば、一両日中に受診、歩けない場合は緊急事態なので医療機関に連絡しましょう」と注意を促しています。
大阪国際がんセンターでは、バランス能力チェックシートで対処しています(図)。若い人から年配の方までチェックできるものです。

図:麻痺のリスクを把握するためのバランス能力チェックシート

麻痺のリスクを把握するためのバランス能力チェックシート

提供:大阪国際がんセンター

田平さんは「日ごろからの注意点としては、麻痺の予兆が出たときの対処を主治医と相談しておくことと、自分のバランス能力を知っておくことです」としています。
骨転移で体が痛くて寝返りも打てなかった人が、がんロコモ対策や早期に治療に取り組むことで、座って口から食事をできるようになる、あるいは自分の足で歩いて好きなところへ行けるようになることもあります。がんロコモ対策として、自分の状態をチェックしてみましょう。

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公開日:2018/11/07
監修:大阪国際がんセンター緩和ケア認定看護師 田平芳子さん