肥満になる原因は、食べ過ぎと運動不足にあります。仕事に忙しく、付き合いで飲む機会が多い大人ならいざ知らず、これまで無縁と思われていた子供社会にも過食と運動不足は深刻な問題です。
9~11歳くらいの子供の場合は1日に約1,800~2,000kcalのエネルギーが必要だと言われている。これは、食事だけでなく、おやつや飲み物も含まれている。ところが、太っている子供の食生活を見てみると、3回の食事は揚げ物などの高カロリーなもので、さらにスナック菓子やジュースなどを口にしているため、1日のエネルギーがオーバーしてしまっているのだ。
仮に1日に50kcalずつ余分にとる食生活をしていると、1年で2kgの体重増加になると言われているほど。
また、食生活の内容が欧米化してきて、脂質をとる量が増えてきたことも過食の原因のひとつである。
子供の運動時間は年々減ってきているといわれている。テレビの見すぎや学習塾や習い事などに時間がとられ、外で身体を動かしたり、家での手伝いをする時間が少なくなっていることが原因のようだ。ちなみに、次のグラフを見ると、肥満度が高いほどテレビを見る時間が多くなっていることが分かる。あんまりテレビばかり見ていると、運動不足になって肥満街道をまっしぐらかも!?
資料:日本小児科学会 「子どもの生活環境改善委員会報告」
太っている子供の両親は、たいていどちらか(または両方)が、肥満傾向にある。それは、太りやすい体質であったり、太りやすい遺伝子を持っているから、ということもあるが、それだけが原因という場合は少ない。太っている両親と一緒に生活していると、食事や生活パターンが似てしまい、子供も過食傾向にあったり運動不足になったりするため、肥満を招くのだ。
こういう生活を子供にさせていないだろうか。これらは子供に自由を与える愛情表現のようでいて、実は子供を肥満・生活習慣病へと進行させている可能性が高い。とくに、両親が気を使っていても、おじいちゃん・おばあちゃんが甘やかしてお菓子などを与えているケースも少なくない。子供のためを思うなら、ときには心を鬼にすることも大切だ。