疾患・特集

家庭のストレッサー

家庭のストレッサー、ワースト3は

名人位を獲得したある棋士は、タイトル戦の準備として子供たちに妻を褒めることから始めたといいます。
その褒め言葉は妻の耳に入り、妻の機嫌の良い家庭環境は、タイトル戦という過度の緊張状態にいる本人を支えてくれる、という理由からです。
家庭の雰囲気が良ければ仕事上のストレスが緩和され、不快ストレスを快ストレスに変換できることを知っている人の必勝の得意手というわけです。
夫婦間のいざこざはそれ自身大きな不快ストレスであり、さらに職務ストレスを家庭で増幅することになってしまいます。
不眠も大きなストレッサーですが、これも家庭の雰囲気によって左右されるデリケートなものです。
また、最近では家族バラバラの食事という光景がテレビなどでもしばしば見かけられますが、家族との夕食のひと時は職務ストレスを緩和するので、この回数が少ないのも好ましくありません。

家族と一緒の夕飯の意義

労働ストレスと高血圧や糖尿病の発症の関連を調べた調査では、家族と一緒に夕食を食べる回数が週1回以下という人は肥満度が高く、高血圧も発症しやすい、という結果が出ています(日本の産業労働者のストレスと健康総合調査報告)。
仕事を家庭に持ち込まない、一家団らんを楽しみたいという姿勢は職務ストレスを慢性的に継続させないためには必要ですが、そのために残業時間が増えて一家そろっての食事が犠牲になるようでは、ストレス軽減のためには歓迎されないものなのです。