こんなにある「クセになる」味 何度もくり返し食べるうちに、クセになる味があることは、誰でも覚えがあるはず。例えばラーメン。ファストフードのハンバーガーやフライドチキン。カレーライスや牛丼に寿司。マヨネーズが大好きでなんにでもマヨネーズをかけて食べる人は、マヨネーズがクセになっているからだ。 こうして並べると、高カロリー・高脂肪で濃い味付けがクセになる味という印象だが、実はヘルシーな食事のメニューにも、クセになる味がたくさんある。ご飯に味噌汁、漬物、佃煮、うどん。クセになる味だからこそ、多くの人に愛され、毎日食卓に並べられてきたのだ。 クセになる味にはワケがある。私たちの健康に大きな影響を与えるクセになる味。今回は味覚のメカニズムに迫ってみたい。 クセになる味、苦手な味 世の中にはたくさんの味があるけれど、基本の味は、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5種類。私たちは、この5つの味の組み合わせや、さらに香りや食感、温度、色、形などから得られるさまざまな情報から、脳で総合的に、「おいしい」「まずい」と判断している。基本の5つの味は、舌や軟口蓋(上あごの奥の柔らかい部分)の表面近くにある味蕾の中の味細胞で受容され、その刺激が味覚神経によって脳に伝えられることで味を感じる。 ほかに、基本の味に入っていないものとして、「渋味」と「辛味」があるが、これは味覚神経を通じて感じるものではない。「渋味」は触覚で、「辛味」は痛覚の一種。トウガラシを体に塗ると「熱い」とか「痛い」と感じるのはそのためだ。 基本5種類の味には、一般的にクセになりやすい味と嫌われやすい味がある。その理由が「クセになる味」の秘密に迫る手がかりとなる。 クセになる味 ●甘味 甘味は味のなかでも最も強い快感を感じさせる。甘味の刺激によって脳内に至福感や陶酔感を引き起こすβ-エンドルフィンなどが出て、食欲を増進させるドーパミンが分泌される。だから「甘いものは別腹」などと言って、つい食べ過ぎてしまうので要注意。長期間にわたり糖分を摂り過ぎると、体の組織のたんぱく質と化学反応を起こし、やがて血管の壁が柔軟性を失ってぼろぼろになる動脈硬化を起こしてしまう。 しかし、甘い味のもととなるブドウ糖は、ご飯やパンなど炭水化物を構成する成分でもあり、体を動かすエネルギー源となる。ブドウ糖が不足すると、人間はホメオスタシス(体内恒常性)を保てなくなり死んでしまう。まったく摂らないのも問題なのだ。 ●うま味 カツオ節に含まれるイノシン酸、昆布のグルタミン酸といったうま味成分はアミノ酸である。アミノ酸は筋肉を作る。肉や魚、トマト、ジャガイモ、白菜、大豆、チーズ、お茶、ノリ、イカ、キノコ類などさまざまな食品に含まれる、体になくてはならない栄養素だ。和食の昆布や鰹節、アジアの魚醤、ヨーロッパの牛や鶏のガラなど、どの民族の料理でも、うま味は味のベース作りに用いられ、食べなれたものをおいしく感じることが確かめられている。味噌汁や魚にも、フライドチキンやポタージュにも含まれている。内臓脂肪が気になる人は、できるだけ和食を食べるように心がけよう。その味がクセになり、脂っこいものが苦手になればダイエットへの近道となる。 ●塩味 味を決めるのは塩加減といわれるが、塩は人間の体になくてはならないものである。塩味の元になる塩化ナトリウムは、私たちの体を構成する数十兆の細胞の周囲を取り囲む細胞外液の主成分。体のホメオスタシスを保つために、自然に欲するようにできている。塩分を摂らなければ人間は死んでしまうからだ。しかし、摂り過ぎると高血圧や、胃壁に損傷を与えて胃がんを誘発する危険がある。外食などの味の濃い料理に慣れていないか、自分の食生活を再点検してみよう。できれば手作りの薄味料理を食べる習慣をつけたい。 苦手な味 ●酸味・苦味 新生児は、酸味や苦味を嫌う。食中毒を起こす腐敗物は酢っぱく未熟な果物も酢っぱい。また、多くの毒物は苦い味をしているので、動物は苦味を避ける。しかし、酸そのものは体に悪くないし、苦いものがすべて毒とは限らない。人間は、長い間の経験で、酢の物や梅干のような酸っぱい料理や、コーヒー・ビールなどの嗜好品やサンマのワタなどといった苦い料理も好む習慣ができた。本能的に避ける味を「おいしい」と思うのは、学習したからだ。苦味や酸味のおいしさを知り、食生活を豊かにするには、家庭の味などを通して学ぶ必要がある。 健康な味覚を作るためのマメ知識 偏食は味覚障害のモト 味の感じ方が鈍くなったり、口の中に何もないのに苦味や渋味を感じるといった、味覚障害。原因はさまざまだが、多いのが亜鉛欠乏症だ。亜鉛は、味覚の受容器である味蕾の味細胞を作るのに必要な微量栄養素。牡蠣・小魚・イカ・タコ・カニ・ホタテ、レバー、ソラマメ、大豆、グリンピース、ナッツ類、パルメザンチーズなどに多く含まれている。 ハンバーガーや牛丼などの単品料理を食べ続けたり、特定の食品だけを摂るダイエットをしていると、栄養バランスを崩すだけでなく、味が分からなくなる危険も秘めているのだ。外食に頼らざるを得ないときでも、上にあげた食品を含むものを積極的に摂ろう。 意外に密接な味と香りの関係 食べ物のニオイは、口に入れる直前に鼻腔に入るものより、口の中に入れてから鼻腔に上がるもののほうがずっと多い。さらに鼻から息を吐き出すときに、再び口中のニオイが鼻腔に到達して感じる。食べ物の味に、ニオイの果たす役割はそれだけ大きい。そのため、風邪などで鼻がつまるとおいしく感じなくなったりするのだ。嗅覚には味覚よりさらに敏感に味を分析する力がある。腐ったものか判断するのも、まず嗅覚なのだ。 「甘味は舌の先端で感じる」は嘘 甘味は舌先で、苦味は舌の奥で感じる「味覚地図」の話を聞いたことがないだろうか。実はこれ、科学的にきちんと実証されたものではない。味蕾は、味を感じる味細胞と基底細胞から成り立っていて、神経につながって味の情報を脳へ伝える。つまり味を判断するのは脳なのだ。脳はまた、これまで食べたものの「おいしさ」「まずさ」の記憶も持っていて、その記憶をもとに今食べた味を判断している。結局のところ、料理を味わい、おいしくものを食べるためには、さまざまな料理を食べて味の経験を積むことも大事なのである。 公開日:2007年1月15日
口の中がネバネバする、唇の端が切れて痛い…、口の中が乾く「ドライマウス」に悩んでいませんか?ドライマウスの症状、ドライマウスとなる要因、治療について紹介します。 目次 危険!ドライマウス増加中 ドライマウスの原因は何? 口の健康は、全身の健康 危険!ドライマウス増加中 食べる、飲む、おしゃべりをする。これら人間の基本的な生命活動を担うのは、「口」だけです。「口」の中が健康であることは、私たちの人生を考える上でもとても大切な要素となります。ところが最近、口の中が乾く「ドライマウス」の症状を呈する人が増えてきているといいます。 「口の中がネバネバする」「唇の端が切れて痛い」といった症状は、誰もが経験します。口の中が乾くのは、健康な人でも起こりうる症状です。ですが、ドライマウス状態が続くと、食事や会話などの能力をいちじるしく低下させる上、高齢者の場合には大きな健康被害をもたらすケースもあります。 欧米の疫学調査によると、ドライマウスに罹患している人は、人口の25%に相当するといいます。そこから換算すると、日本では約3,000万人がドライマウスに悩まされていることになります。 ドライマウスの原因は何? ドライマウスの原因としては、まずは加齢による、生理的な唾液量の低下が挙げられます。年を重ねると体の水分量が減ってくるのと同じように、口の中も自然と乾いてくるのです。それだけではなく、ドライマウスにはさまざまな病気なども関係しているといいます。 例えば女性の場合、更年期障害の症状のひとつとしてドライマウスを訴えることが多いようです。女性ホルモン・エストロゲンの減少が、涙腺や唾液腺に影響して分泌量を減らすからです。糖尿病やシェーグレン症候群、腎不全などの病気にかかっている場合も、ドライマウスの症状を来すことが多いようです。 ほかに、病気が原因で処方されている薬にも、ドライマウスを引き起こす可能性の高いものがあります。高血圧で処方される利尿剤や抗ヒスタミン剤、抗パーキンソン剤、鎮咳去痰剤などを飲んでいる患者さんには、薬の副作用としてドライマウスが現れる確率が高くなります。 口の健康は、全身の健康 唾液には口の中を潤すだけでなく、抗菌作用、粘膜保護作用、消化作用などもあります。口の中はつねに適度な温度・湿度があるためカンジダ菌などの格好な棲み家となっていますが、唾液はこれらの増殖を抑える役割を果たしているのです。 カンジダ菌などの菌、ウイルスが増えると、粘膜に感染して喉の痛みを引き起こすほか、うっかり食物を気管に取りこんだときに肺炎につながるケースもあります。歯周病や味覚障害の原因になるとも考えられています。 口は全身の健康の源ともいわれるように、口腔内の状態が悪いと体のあちこちに影響を及ぼします。高齢者の場合は体力や免疫力が低下していることもあり、重症化することもあるのでさらに注意が必要です。 もし糖尿病など、ドライマウスの原因となる病気がある場合は、積極的な治療を行います。ドライマウスを引き起こしやすい薬を処方されている場合は、ドクターや薬剤師と相談してみて、薬による治療のメリットと、口が乾いてしまう副作用のデメリットについて十分相談してみましょう。 生きる上での大きな楽しみは食べること、話すことという人が多いようです。これらの機能を高齢になっても維持するために、「ドライマウス」は重要なポイントです。
舌と爪は健康のバロメーター。普段からチェックをして、心身に異常が起きていないか確かめよう! 例えば、舌の色が白いときは貧血、紫色のときは血行障害の可能性が。分厚い舌苔が生えていたら、胃腸障害や水分代謝の不良の疑いが。黒っぽい爪は、肝硬変や腎臓病、悪性貧血、心臓病のほか、肺疾患のサイン。横すじは体調不良や栄養障害、ストレスなどが原因。 目次 心身の健康状態が反映されやすい舌 さっそく舌で健康チェック! 健康な爪とは? 舌や爪が発信するサイン 心身の健康状態が反映されやすい舌 舌は全身の鏡とも言われ、心身の健康状態が反映されやすい場所だ。とくに東洋医学では、舌を観察する「舌診」が重視されている。診察のポイントは2つ。 健康な舌 ポイント1:舌そのものの質 どんな色をしているか、形が萎縮したり腫れたりしていないか、周囲に歯痕がついていないかなどを診る。 ポイント2:「舌苔(ぜったい)」の状態 舌にできる白い苔のようなものが「舌苔」だ。 舌苔は色調や、厚さ、性状を診る。これだけで体調や病気の有無、精神的なストレス、血液や体液の状態までわかってしまうというのだから、驚きだ。 さっそく舌で健康チェック! まず、鏡で自分の舌を観察してみてほしい。健康な舌はピンク色でうっすらと白い舌苔に覆われているもの。もし以下のような状態なら、なんらかの疾患にかかっている可能性も。 舌そのものの質は? ■舌の色 白っぽい貧血 真っ赤血液中水分の減少・発熱による血管拡張 暗赤色・紫色・斑点血行障害 ■舌の形状 大きくてぶ厚い水分や脂肪が体内に溜まっている 薄い栄養不良・体液欠乏 歯形がある 胃腸障害 軟らかい抵抗力低下 溝がある 粘膜再生力低下・栄養不良 ■舌苔の様子は? 舌苔が厚い場合胃腸障害・水分代謝の不良 ※舌体が見えないほどびっしりと苔がはえているときは、なんらかの重い病気にかかっている可能性あり 黄色い舌苔発熱・胃炎 黒色の舌苔高熱・ひどい冷え 舌が痛いのはなぜ? とくに外傷がないのに舌の痛みを感じる場合は、次のような原因が考えられる。 ピリピリと舌先が痛いホルモンのアンバランスや亜鉛不足 しみるような感じがあるビタミンB12欠乏 激痛がある神経の異常 このほか腫瘍やがんの可能性もあるので、しばらく続く場合は専門医を受診しよう! 健康な爪とは? 爪の色や形は、顔色と同じくらい心身の状態をよく表している。健康な爪はピンク色で、表面もつるつるしている。 もし以下のような状態なら要注意だ! ■爪の色 白っぽい 黒っぽい・暗い赤色 赤い 貧血 肝硬変・腎臓病・悪性貧血・心臓病・肺疾患・膠原病 多血症・脳血栓・心筋梗塞 ■爪の形状 横すじ 体調不良・皮膚病・高熱・栄養障害、精神的ストレス ※不規則な生活・偏った食生活が原因のことも 縦すじ ダイエットによる影響・病気など ※加齢によることも多いのでさほど気にする必要はない 匙状爪(先がスプーン状に反り返っている爪) 鉄欠乏性貧血・甲状腺機能亢進症など 二枚爪 鉄欠乏性貧血・血行不良 ヒポクラテス爪(中央が盛り上がって、先端を包むように伸びている爪) 肺気腫・慢性気管支炎・肺がん 点状陥凹(表面に針で突いたような穴が無数にできている爪) 円形脱毛症・皮膚疾患 爪を見れば病気が分かる 舌や爪が発信するサイン 舌や爪が発信するサインを見逃さず、「おや?」と思ったときは迷わず病院へ。いきいきと健康な色・形をした舌や爪を保てるよう、規則正しくバランスのとれた食生活を心がけるようにしよう! 公開日:2003年12月15日
あなたのできやすい口内炎はアフタ性?それともカタル性?ひと口に口内炎といっても、種類はさまざま。その種類と、つくらないための予防策から、できてしまったときの対処法までご紹介します。 目次 口内炎の種類を知ろう! 他の病気の影響でできる口内炎もある!? こんな症状にはご用心! 口内炎の種類を知ろう! 思うようにしゃべれなくなったり、食べ物や飲み物がしみて痛かったり…。できてしまうと、口内炎はなかなか厄介なシロモノだ。 この口内炎の定義は、病院や医師によって多少違うが、「頬の内側や舌の縁、唇の裏側などに、1~数個できた炎症の総称」というのが一般的だろう。 また、ひと口に「口内炎」と言っても種類はさまざまだ。その中でも圧倒的に多いのが「アフタ性口内炎」と呼ばれるもの。多くの場合、できてから約10日~2週間ほどで完治するので、痛みがひどくなければ放置しておいても大丈夫だが再発しやすいのが難点。何度も繰り返しできるときは特に再発性アフタ性口内炎と言われている。 主な口内炎の種類と特徴 ●アフタ性口内炎 中央部が浅くくぼんだ白っぽい潰瘍ができる最も一般的な口内炎。約10日~2週間ほどで完治するが、再発する場合があり、何度も繰り返しできる場合は再発性アフタ性口内炎と呼ばれる。 ●カタル性口内炎 口の中の粘膜が赤く炎症を起こす口内炎。「カタル」とは「流れる」という意味で、アフタ性口内炎と違い境界がはっきりしない。虫歯や歯槽膿漏、義歯の不具合などでできる。ビタミン不足などが原因のこともある。 ●ウイルス性口内炎 ヘルペスなどに感染してできる口内炎。 ●カビによる口内炎 カンジダ症など、カビが原因となってできる口内炎。 ●アレルギーによる口内炎 刺激物や薬物にアレルギーを起こしてできる口内炎。 ●ニコチン性口内炎 ヘビースモーカーに多い口内炎。 他の病気の影響でできる口内炎もある!? 口内炎ができるのは、何も口中に原因がある場合ばかりではない。例えばはしかやしょう紅熱、手足口病などの病気によってできることもある。 また、数は多くはないようだが、潰瘍性大腸炎や尿毒症、白血病、ベーチェット病、クローン病といった他の大きな病気が口内炎という症状となって現れていることもある。単なる口内炎ではすまないこともあるので、注意が必要だ。 こんな症状にはご用心! 単なる口内炎なのか、他の病気による影響でできた口内炎なのかは、当然ながら自分で判断できるものではない。たかが口内炎、されど口内炎だ。安心のためにも、口内炎ができたら、一度、耳鼻咽喉科を受診しよう! また、痛みがひどい場合も受診がオススメ。病院で副腎皮質ホルモンの入った軟膏を塗ってもらったり、シールを貼るなどしてもらえば、痛みはかなり軽減されるはずだ。 もし我慢できる痛みで、なかなか病院へ行く時間が取れない人でも、アフタ性口内炎などなら約10日~2週間で治るのが一般的。それ以上たっても治らない場合は、病院へ行って原因を調べてもらうことが大切だ。 公開日:2003年4月21日
ひと口に「口内炎」と言っても種類はいろいろ。主なタイプを紹介するとともっとも一般的な口内炎は今だ原因がわからず、特効薬がないため、口内炎は予防するのが最善の策。そこで予防のためのポイントをピックアップ。また、できてしまった口内炎のための対処法もご紹介。 目次 一般に多い口内炎はいまだ原因不明 口内炎をこうして予防しよう! 口内炎になってしまったら 一般に多い口内炎はいまだ原因不明 虫歯や義歯の不具合が原因でできた口内炎なら、歯を治療することで再発は防ぐことができる。アレルギー性の場合でも、アレルギーが出る物質を特定することで再発は防げる。だが、残念ながら、できてしまった口内炎の特効薬は今のところ存在しない。 特に、最も多いとされるアフタ性口内炎は、原因そのものがわかっていない。遺伝的な素因やできやすい体質があるなどの説もあるが、解明には至っておらず、現在は痛みをやわらげる対処療法しかないのが現実だ。 つまり、口内炎に対しては、できないように予防することが最善の策。まずは口内炎ができたら、病院を受診して口内炎の種類を診断してもらおう!そうして予防策を練るのだ。 ちなみに、アフタ性であってもウイルス性であっても、口内炎ができやすい状況というのは、ある程度わかってきている。 口内炎ができやすい状況 ●暴飲暴食をしていたり、栄養のバランスが偏っているとき ●疲れやストレスがたまっているとき ●睡眠不足が続いているとき ●風邪などをひいて体調をくずしているとき ●ビタミン不足のとき ●女性の場合は月経前にもできやすいといわれている 口内炎をこうして予防しよう! 口内炎ができやすい状況がわかれば、それを避けて生活すれば予防できるというわけだ。その点を洗い出してみよう。また、口内炎は、例えば歯ブラシで歯ぐきを傷つけるなどの口中のケガによって炎症へと発展してしまうこともあるので、それらの対処法も含めてまとめてみよう。 口内炎予防のポイント ●ふだんから口の中を清潔に保つ ●正しいブラッシング法で歯磨きをする ●バランスの良い食事を摂る ●規則正しい生活を心がける ●ストレスや疲れをため込まない ●ビタミンが不足しないようにする 口内炎になってしまったら 口内炎ができてしまったときに、意外に効果的なのが「うがい」だ。1日5~6回うがいを続けるだけで、すんなり治るケースも少なくはないようだ。そのほかにも以下の点に注意すると、痛みが軽減されることが多い。 注意する点 ●香辛料を控える ●たばこやお酒を控える ●十分な睡眠をとり、体調を整える いずれも当たり前のことばかり。もしかすると「口内炎は生活を見直す体からのサイン」なのかもしれない。これからは、口内炎ができたら食事や睡眠、ストレスなど生活全体を微調整するキッカケにしていくことも心がけてみて。 治りにくい場合は、一度、耳鼻咽喉科を受診しよう。 公開日:2003年4月21日
何を食べても味がしない。「味覚障害」といわれる症状が増えているようだ。味覚障害となる原因のひとつは亜鉛不足と言われている。味覚のチェックは、病院で簡単に検査できる。 目次 味覚障害が増えている! 原因は亜鉛不足 あなたの味覚をチェック! 味覚障害が増えている! 「何を食べても味がしない」「食べ物の味が薄く感じられる」「作った料理が濃すぎると、家族に言われた」―こんな症状を訴える人が増えているようだ。 これは、味覚障害といわれる症状。食べている物の味がしないことほど気持ちの悪いことはない。味覚障害は、知らず知らずのうちに症状が進行し、気がついた時にはかなり症状が進んでいるケースも少なくない。 こんな症状が味覚障害 ●味覚減退・味覚消失…味の感じ方が鈍くなったり、味を感じなくなったりする ●異味症…本当は甘いのに、苦く感じるなど、違った味を感じる ●自発性異常味覚…口の中に何もないのに苦味や渋味などを感じる ●解離性味覚障害…甘みだけがわからない ●悪味症…何を食べてもいやな味になる 参考文献:「亜鉛パワーの秘密」冨田 寛 宙出版 原因は亜鉛不足 味覚障害に陥る原因は、いくつか考えられる。舌に異常がある場合や風邪をひいて嗅覚が鈍っているケースもあるが、主な原因は亜鉛不足と言われている。 ちなみに、味覚を感じるのは、舌や上あごにある味蕾(みらい)という器官。舌の表面を覆っている白いぶつぶつした突起物を糸状乳頭といい、その中にあるぽつぽつした赤い部分を茸状(じょうじょう)乳頭という。その中に味蕾はある。 また、味蕾は舌の奥のほうの10個くらい逆V字型に並んでいる大きないぼいぼ(有郭乳頭という)の中や、舌の両側のつけ根に赤く盛りあがって見える葉状乳頭と呼ばれる部分や、上あごの奥の口蓋垂(いわゆるのどちんこの上の部分)にもある。 実はこの味を感じる細胞は、短い周期で新しく生まれ変わっており、そのためにはたくさんの亜鉛を必要とする。つまり、亜鉛が不足すると細胞が生まれ変われなくなってしまい、味覚障害を引き起こしてしまうのだ。 あなたの味覚をチェック! 自分の味覚がおかしい、なんてなかなか気がつかないことがある。とくにひとりで食事をする機会が多い人は、知らないうちに症状が進行してしまうこともある。 病院での診断には電気味覚検査法と濾紙ディスク法がある。いずれも簡単にできる検査なので、検査設備が整っている病院で受けよう。なお、味覚障害と聞くと内科などの受診を思い浮かべがちだが、耳鼻咽喉科で検査設備が整っていることがあるので、出かける前に問い合わせてみよう。 味覚チェック法 ●電気味覚検査法 電気味覚計という器具を使い、弱いプラスの電気を流して刺激レベルを変化させ、味を感じ取れる度合いを調べる方法。 ●濾紙ディスク法 甘味、塩味、酸味、苦味の4種類の味をそれぞれ染み込ませた濾紙を舌の上にのせて味が感じられるかどうかをチェックする方法。濾紙に染み込ませた味が全部で5段階ある。 公開日:2001年3月26日