最近、新聞などで在宅治験やバーチャル治験の報道がされていますが、そもそも治験とはどういうものなのでしょうか。臨床試験、治験など言葉がわかりにくいですが、正確にはその違いは何でしょうか。治験には、新薬が誕生して患者さんに届けられるために欠かせない社会貢献の意義があります。治験に関して、最近の新しい試みも含めて概説します。 目次 新薬の候補を国に承認してもらうための治験 治験にはメリット、デメリットがあるので理解することが重要 通院せずに自宅で治験を受けられるバーチャル治験、In home(在宅)治験 板倉先生のワンポイントアドバイス 新薬の候補を国に承認してもらうための治験 保険診療で処方される「新薬」が誕生するまで、新薬は長い年月をかけて検証されます。まず、新しい薬の候補となる物質は、動物実験や細胞実験などの非臨床試験で、効果や安全性、体内でどのように吸収されてどのように働くのか、その後はどのようにして体の外に排泄されるのかなどに関して検証されます。 非臨床試験で効果や安全性などが確認されると、新しい薬の候補になり、人で実際に確認する臨床試験に進むことになります。健康な人や患者さんが薬の候補(治験薬といいます)を服用した際の効果や安全性などが検証されます。 最終的には、臨床試験のなかの1つ、「治験」が行われて科学的な検証データが集められ、それらのデータをもとに厚労省で薬として保険承認するかどうか審査されます。薬として承認されると、はじめて患者さんに処方されることになります。 人を対象とした臨床試験の範疇に、保険承認の審査に関わる治験のカテゴリーがあると捉えると、臨床試験と治験との違いが分かりやすくなります。 治験には、おもに3つのステップがあります。 1:臨床第Ⅰ相試験 少人数の健康な人や患者さんを対象に、治験薬の服用量ごとの安全性や、体内動態(吸収や排泄)などを調べます。 2:臨床第Ⅱ相試験 患者さんを対象に、効果や副作用(安全性)、服用方法(用量や間隔、期間)などが服用量ごとにグループ分けして比較・検討されます。プラセボ(治験薬の成分がなく、見た目や味などで区別がつかない偽薬です)のグループもあります。 3:臨床第Ⅲ相試験 多くの患者さんを対象に、第Ⅱ相試験から得られた有効性や安全性、服用方法が検証されます。治験薬を服用するグループ、現在の標準的治療法の薬を服用するグループ、プラセボを服用するグループで比較されるケースがあります。 上記の3ステップを経て問題がなければ、製薬会社などが治験のデータを厚生労働省に提出して承認申請をします。厚生労働省が新薬として承認すると、医療機関で患者さんに治療として届けられることになるのです。 治験にはメリット、デメリットがあるので理解することが重要 治験にはメリット、デメリットがあります。メリットは、現在の治療法にプラスして治験薬を服用して病気に対する治療効果がよくなる可能性がある治験や、効果が高い可能性がある新しい治療法を受けられる治験などを受けられることなどが挙げられます。 一方、デメリットとしてはプラセボを服用する可能性があること、副作用が発現する可能性があることなどがあります。 また、治験は効能(効き目)や副作用をできるだけ正確に評価するために、現在の病気の症状の程度や検査値、年齢、過去の病歴や合併症、服用している薬などに一定の参加基準があります。治験への参加を希望していても、基準を満たさないと参加できません。 治験のメリット、デメリット、参加できるかどうかなどについては、治験のコーディネーターなどから詳しく説明を受け、十分に理解することが重要です(参考記事:もっと知ろう!治験に参加する意味、デメリット、リスク)。 通院せずに自宅で治験を受けられるバーチャル治験、In home(在宅)治験 また、治験に参加すると、治験薬の効果や安全性を確認するために採血や検査を受けることが多くなります。そのため、来院回数が増える場合があります。 そこで最近、患者さんの自宅に医療関係者が訪問して検査などをしてくれる在宅治験(In home治験ともいいいます)や、オンライン診療やデジタル技術を組み合わせて通院せずに自宅で治験に参加し検査データ送信ができるバーチャル治験が導入されつつあります。 新薬の開発にはこれまで長い年月を要していましたが、通院しない治験が導入されることにより開発期間が短縮され、新薬が患者さんにより早く届けられることが期待されます。 自宅での参加になりますので、どのような内容の治験なのかをよく理解することが大切ですし、前述のメリット、デメリットなどについて理解することがより重要になります。 治験は、よりよい薬の開発に欠かせないもので、健康な人や患者さんが参加してもらってはじめて成り立つのです。新薬が誕生することで、病気でつらい思いをしている患者さんを救える可能性があるという社会貢献の意義があります。治験に関する情報を収集して十分に理解を深めたうえで参加してほしいと思います。 ■参考 日本製薬工業協会 厚生労働省:治験 ■関連記事 もっと知ろう!治験に参加する意味、デメリット、リスク 治験への理解が必要。先進諸外国の5倍もかかる日本の新薬開発 治験Q&A 治験の不安や悩みにすべて回答します 治験用語辞典 疾患特集:治験 公開日:2019/11/27
治験や市販後臨床試験への参加の具体的な流れや、厚生労働省や日本製薬工業協会がまとめている治験参加にあたっての注意事項をご紹介します。 目次 治験参加の流れ 治験参加にあたっての注意 治験参加の流れ 【1】治験内容の確認 治験参加者募集情報のご案内の内容についてあなたのご希望に合っているか、症状などが当てはまるか、通院できるかなど、よく確認してください。 【2】治験参加の意思決定 治験がご希望に合っており、治験への参加を検討している、参加してもよいと思われる方は、そのご案内にあるコールセンターまでお電話ください。 【3】病院、診療所などの治験実施医療機関のご案内 コールセンターでは治験の実施概要のご説明と、参加に関わることについていくつか質問をさせていただきます。 コールセンターにて質問をさせていただいた後、紹介させていただけることになりましたら、お近くの病院や診療所などの治験実施医療機関をご案内いたします。 治験での募集内容と合わない事がわかった場合は、治験にご紹介させていただくことはできませんのでご了承ください。 【4】その後の流れ ご紹介した病院、診療所などの治験実施医療機関での治験の大まかな流れをご紹介しておきます。 ●治験の説明と診察 …コールセンターで紹介された治験実施医療機関にて担当医師が診察し、治験参加について判断をします。 ●参加同意(署名) …医師からの治験の説明に納得され、治験参加に同意する場合には、参加同意書に署名します。 ●治験開始 …治験が開始されます。参加中に不明な点や不安を感じたら、担当医師や治験コーディネーターに相談しましょう。 治験参加にあたっての注意 治験参加にあたってはさまざまな機関が提供している情報を収集した上で判断していただくようお願いします。 ■厚生労働省 「治験」ホームページ 治験に参加されるときに患者さんに守っていただくこと ■日本製薬工業協会 開発中の新薬 ■治験について(healthクリック) 治験への理解が必要。先進諸外国の5倍もかかる日本の新薬開発 治験から先も続く。新薬が誕生するまでの長い道のり もっと知ろう!治験に参加する意味、デメリット、リスク
新薬の開発においてとても重要な役割を果たしている治験。でも、実際に治験ボランティアに参加しようと思ってもやはり不安というのが正直な感想だと思います。そんなみなさまの不安をQ&A形式でまとめて回答しました。ぜひじっくりご覧になってください。 目次 Q. 治験に参加するとどんなメリットがありますか? Q. 治験に参加することで何かデメリットやリスクはありますか? Q. 治験に参加するには自己負担費用がかかりますか? Q. 治験に参加すると必ず「開発中の薬」を投与してもらえるのですか? Q. 比較する試験の場合、なぜ担当医師にも参加される方にも服薬する薬がわからない方法が用いられるのですか? Q. なぜ治験には、有効成分を含まない薬(プラセボ)を使用して比較する試験があるのですか? Q. 有効成分が含まれていないプラセボを服用して症状や具合が悪くなったらどうするのでしょう? Q. 治験は安全なのでしょうか? Q. 体に不調が現れたらどうすればよいですか? Q. 治験は何ヵ月くらいかかるのですか?途中で止めることはできますか? Q. 現在違う病気で治療中ですが、治験に参加できますか? Q. 治験に参加している間に生活で気をつけることはありますか? Q. 治験終了後も、引き続きその薬をもらえますか? Q. コールセンターに電話したら必ず治験に参加しなければいけないのですか? Q. 治験に参加するとどんなメリットがありますか? A.新しい治療方法を受けるチャンスとなり、経験豊富な専門医師による丁寧な診察や詳細な検査を受けることができ病気の状態を正確に知ることができます。また、治験に関連する薬代と検査代が無料になり、通院のための自己負担(診察費や交通費など)を軽減するための負担軽減費が支払われる場合が多いようです。 治験薬を服用する際は、その薬が自分に合っているか診てもらえ、治験終了後は治療に対しての薬のアドバイスをもらえることもあります。そして、同じ病気を持つ人や次世代を担う人たちのために、効果的で安心な薬を残すなど社会貢献できます。 ページトップへ Q. 治験に参加することで何かデメリットやリスクはありますか? A.指示された通りの服薬や定期的な通院が求められ、日誌や記録を付ける場合があり、丁寧な診察や詳しい検査のため、通常の診察より時間がかかる傾向があります。治験は特定の病院でしか実施していないため、現在通院している場合、その病院以外に通院する必要があり、通院に時間がかかる場合もあります。効果と副作用が確立されていない薬を服用することになり、未知の副作用が生じる可能性もあります。また、開発中の薬とそれ以外の薬を比較する治験の場合、必ずしも開発中の薬を試せるわけではなく、有効成分が入っていない薬(プラセボ)を服用することもあります。 ページトップへ Q. 治験に参加するには自己負担費用がかかりますか? A.初診料や再診料は、通常の診療と同じように自己負担になります(健康保険証がある場合、通常の保険診療扱い)。通院のための交通費などは自己負担になります。こうした自己負担を軽減するために「負担軽減費」が支払われる場合が多く、同一医療機関での一般診療と比べて自己負担が少なくなります。 治験に参加する意思を示す同意文書にサインした時点から治験薬代や治験に関する検査代は基本的に無料(製薬会社負担)になります。くわしいことは担当医師や治験コーディネーターなどに尋ねてみるとよいでしょう。 ページトップへ Q. 治験に参加すると必ず「開発中の薬」を投与してもらえるのですか? A.治験の方法としては、開発中の薬をそのまま投与する単純な方法もありますが、多くの場合は以下のように「比較」することで効果と副作用を確認します。 (1) 既存の薬との比較(開発中の薬と効果・成分が似ている既存の薬とで比較する) (2) プラセボとの比較(開発中の薬とプラセボ「偽薬:有効成分が含まれていない薬」とで比較する) (3) 用量間での比較(開発中の薬の用量を変えて違いを比較する) 比較を行わない場合や(3)の場合には、全員に開発中の薬が投与されます。対して(1)や(2)の場合には公平な比較を行うために、担当医師にも参加される方にも、渡される薬の区別がつかないようにしたうえで、第三者の作成した割り付け表にしたがってどちらの薬を服用するかを決める方法(二重盲検法といいます)が用いられます。 このように「必ずしも開発中の薬が投与されるとは限らない」ことをあらかじめ理解しておきましょう。 ページトップへ Q. 比較する試験の場合、なぜ担当医師にも参加される方にも服薬する薬がわからない方法が用いられるのですか? A.もしも、渡された薬がどちらかわかってしまうと、参加される方は「新しい薬だから効果がある」と思い込んでしまいます。また、治験の担当医師においても「新しい効果のある薬を使っている」とわかってしまうと、必要以上に「その薬の効果だ」などと考えてしまったり、医師や参加される方の感情などが入ることも考えられます。 第三者の作成した割り付け表にしたがって、どちらかの薬を服用するかを決める二重盲検法はそうした可能性を取り除くことで、公正で客観的なデータを得るためのものです。 ページトップへ Q. なぜ治験には、有効成分を含まない薬(プラセボ)を使用して比較する試験があるのですか? A.昔から「病は気から」といわれるように、人の体にはとても不思議な一面があります。乳糖やでんぷんなど有効成分が含まれていないもの(プラセボ)を「新薬ですよ」と参加される方に服用してもらうと、「新しい効果がある薬だ」という思い込みや「薬を飲んだから大丈夫だ」という安心感から、実際には効果のない薬でも、数値で表せない痛みや症状の軽減など、かなりの割合の人の病状が改善されることがわかっています(反対に症状が悪化したり、副作用が出てしまう場合もあり、この点においても人の体は不思議としかいえません)。 またプラセボではなく既存の薬と比較する試験の場合、「既存の薬本来が持つ効果+新薬を飲んでいるかも?という思い込み(一種のプラセボ効果)」か、「新薬本来が持つ効果」なのかがわかりづらくなる可能性を否定できません。 治験薬は、プラセボと比較してはっきりと上回る効果が認められて、初めて「薬」として認められるのです。 現在のところ、「プラセボを使用した二重盲検法」が薬の有効性と安全性を科学的に比較する方法として唯一世界的に認められている方法です。 ページトップへ Q. 有効成分が含まれていないプラセボを服用して症状や具合が悪くなったらどうするのでしょう? A.プラセボを用いた治験では、担当する医師にも参加される方にも、新薬あるいはプラセボのいずれかわからない「二重盲検法」で行なわれていますが、担当医師は、「もしかしたら、プラセボを使用しているかもしれない」と常に念頭に置き、「患者にとって好ましくない兆候」が認められた場合は、速やかに治験を中止し、もっとも適切な治療方法に切り替えます(切り替えることが義務付けられています)。 ページトップへ Q. 治験は安全なのでしょうか? A.開発中の薬は、すでに販売されている薬と同様、副作用がないとはいえませんが、海外ではすでに広く使われているものが多く、日本でも第1相臨床試験(薬によっては第2相も)をクリアして安全性については確認されています。 また、治験中は通常よりもこまめで綿密な診察・検査が行われるとともに、患者はいつでも担当医師や治験コーディネーターなどに相談できるようになっており、副作用が発生した場合でもすぐさま対処できる体制が整っています。また治験が行える病院は「医療設備が十分に整っている」「緊急の場合には直ちに必要な治療・処置が行える」などの要件を満たした病院に限定されているので、万が一の場合でも安心といえるでしょう。 このように治験においては、多くの人が不安を抱く「安全性」に対して最も注意が払われています。 ページトップへ Q. 体に不調が現れたらどうすればよいですか? A.治験中の診察や検査では、副作用について特に注意深くチェックしますが、自分自身で治験開始前と比べて少しでも「おかしい」と感じた場合は、すぐに担当医師に連絡しましょう。担当医師が診察をし、治験を続けるべきかどうかを判断します。また自分から治験の参加の継続を検討し、取りやめたい旨伝えても構いません。その場合患者にとってもっとも適切な処置(治療)を行います(担当医師に義務付けられています)。 なお、副作用と思われる症状により治療や追加検査が必要になった場合の費用は、製薬会社が負担します。担当医師が副作用とみなさなかった場合、これらの費用は自己負担が原則ですが、製薬会社と治験実施医療機関の間の事前の取り決めにより製薬会社が負担することがほとんどです。また場合によっては補償を請求することもできます。 ページトップへ Q. 治験は何ヵ月くらいかかるのですか?途中で止めることはできますか? A.治験によってその期間は異なりますので、参加する際に担当医師などに尋ねてみましょう。一般的には、糖尿病や高血圧などの慢性疾患で3ヵ月程度が多く、病気の種類によっては半年~1年のものもあるようです。通院間隔は、1週間に1回のものもあれば、1ヵ月に1回の場合もあります。 また、治験では何よりも本人の自由意思が尊重されるので、何らかの理由で治験を続けることが難しいと思われた場合には、担当医師に申し出ればいつでも止めることができます。勝手に治験薬の使用を止めると悪い影響が出ることもありますので、必ず担当医師に相談してからにしましょう。 ページトップへ Q. 現在違う病気で治療中ですが、治験に参加できますか? A.治験は、治験ごとにあらかじめ定められた実施要件をもとに行なわれています。これは一定条件のもと治験を行ない、有効性と安全性を確認するためと、参加される方の安全性の配慮からです。 現在治療中の病気の種類や症状の程度などによって、参加できるかどうかが決まってきます。例えば、他の薬と治験薬とを組み合わせて使用した場合に、それぞれの作用を弱めたり逆に強めたりするなど予期せぬことが起こることもあるからです。 具体的にどの病気が治験に参加できないかは治験薬ごとに異なってきますので、まずは今かかっている病院の医師に相談してみてください。また、治験を行う病院の担当医師にも、他の病院に通院していることを必ず伝えましょう。 ページトップへ Q. 治験に参加している間に生活で気をつけることはありますか? A.治験薬の服薬方法や回数などを正確に守ること、使わなかった治験薬は必ず返却すること、治験以外で薬を飲んだり治療を受けたりする場合は必ず担当医師に伝えることなどを守る必要があります。風邪薬ひとつとっても、有効性と安全性の判定に影響を与えることがあるため、飲む前に担当医師に相談しましょう。 このほか治験薬によっては、アルコールやたばこの制限、運動や食事に関する注意事項などがある場合もあります。 ページトップへ Q. 治験終了後も、引き続きその薬をもらえますか? A.治験期間が終了した後は治験薬はもらえない場合がほとんどです。まれに、進行性の病気や生命に関わる病気などの治験の場合、倫理的配慮から治験の期間延長の意味合いで継続使用できる場合もあります。 また、治験終了後も引き続きその病院に通院するか、以前通院していた病院に戻るかについても、担当医師にご相談ください。 ページトップへ Q. コールセンターに電話したら必ず治験に参加しなければいけないのですか? A.参加するかどうかはあくまでも本人の自由意思によるもので強制されるものでは決してありません。くわしい説明を聞いたり不明点などを確認してから参加を検討してみてはいかがでしょうか。 ページトップへ 治験ボランティアのご紹介
治験に関する用語は専門用語が多く、それが治験について不安を感じさせている一つの要因のように感じます。皆様から寄せられた治験に関する難解な用語をまとめてみました。少しでも治験に対する理解を深められるよう、こちらの用語辞典を参考にしてください。 目次 インフォームド・コンセント(治験・臨床試験における) 観察期間 休薬期間 市販後調査・市販後臨床試験 自由意思 説明文書 治験 治験外来 治験依頼者 治験実施医療機関 治験実施計画書 治験審査委員会 治験責任医師・治験分担医師 治験コーディネーター 適応拡大(適応追加) 同意文書 特定療養費制度 独立倫理委員会 二重盲検比較対照試験 プラセボ ヘルシンキ宣言 薬事法(やくじほう) 有害事象 (ゆうがいじしょう) 臨床試験 CRC(Clinical Research Coordinator) EBM(Evidence Based Medicine) GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施の基準) SMO(Site Management Organizaionの略) 【あ】 インフォームド・コンセント(治験・臨床試験における) 治験の担当医師などから、治験の目的や方法、治験に参加しない場合の治療法、治験薬の特徴(期待される効果と予想される副作用)などについて説明文書を用いて詳しく説明を受けます。それに対して、わからないことや不明な点などを質問し、治験参加によるメリットとリスクを十分理解し、納得した上で、自由意思により治験参加に文書で同意すること。 その場で参加するかどうか決められない場合は、家に帰ってよく考えてからでも構いません。治験は、参加される人の人権と安全を最優先して行なわれるため、このような方法で行なわれます。 ページトップへ 【か】 観察期間 インフォームド・コンセントにより治験参加を同意した後に、担当医師による容体の経過観察や以前服用していた薬の効果がなくなるように定められた期間です。 投薬終了後においては、同じく担当医師により経過観察をはじめ、薬の効果や副作用を確かめる期間です。 休薬期間 治験に参加するに当たって、それまで使っていた治療薬による影響を取り除くために設けられる、薬を何も投与しない期間です。治験薬の効果を正確にはかるほか、それまでに使っていた薬と治験薬との相互作用による副作用を予防する目的もあります。 ページトップへ 【さ】 市販後調査・市販後臨床試験 薬が国(厚生労働省)に承認され市販された後の薬の安全性(副作用)について主に調査することです。薬が市販されると多くの人が服用するため、さまざまな条件から治験ではわからなかったその薬の効果や副作用が発生する場合があります。そのため、製薬会社は薬が市販された後も継続的な調査を実施することが義務づけられています。 市販後調査の中で、新薬が条件付きで承認された場合、必要な追加試験を「市販後臨床試験」といい、4相試験とも呼ばれています。 自由意思 治験への参加は誰に強制されるものでもなく、「本人の自由意思」によることが絶対条件です。治験への参加前、参加中を問わず、いつでも参加を止めることができます。 ※治験薬によっては、途中で服薬を止めると悪影響を及ぼすものもありますので、治験医師の指示に従ってください。 説明文書 治験の目的や方法、治験に参加しない場合の治療法、治験薬の特徴(期待される効果と予想される副作用)などが書かれた文書で、インフォームド・コンセントの際に医師から手渡されます。わからないことは質問して十分に理解した上で、治験に参加するか、しないかを決めることができます。 ページトップへ 【た】 治験 人における試験を一般に「臨床試験」といいますが、国(厚生労働省)から薬としての承認をもらうための臨床試験を特に「治験」といいます。実際にその病気にかかっている人などに協力していただき、新薬の有効性(効果)・安全性(副作用)を確認する試験です。 治験外来 治験に参加した場合、一般の人とは別に「専用の診療時間や場所」が設けられていることも多く、このことを「治験外来」と呼ぶことがあります。治験外来の場合、一般に待ち時間は短く、より詳しい内容の検査や診察が行われることが多く、治験参加のメリットと考えられています。 治験依頼者 治験を計画し治験実施医療機関に委託して治験を実施する者のこと。通常は製薬会社または医療機器会社です。 治験実施医療機関 治験が行われる医療機関のことです。十分な医療設備、専門の医師をはじめ看護師・薬剤師などがそろっていて、緊急の場合には直ちに必要な治療・処置が行えることが必要です。 また参加される方の人権と安全を審査する倫理委員会の設置が義務付けられています。 治験実施計画書 治験依頼者(製薬会社など)が治験を行う場合に、試験の内容(目的、方法、期間、組織等)を定めた計画書のこと。作成された治験実施計画書は、あらかじめ厚生労働省に届けを出し、治験依頼者および治験実施医療機関はその計画書を厳守して治験を行います。 治験審査委員会 臨床研究を実施する際に、治験計画および治験中の安全性と倫理性、科学性を審査する、試験実施施設内に設置された倫理委員会。CRC(治験コーディネーター)ほか、学識経験者、外部一般社会人などの参加により、治験実施の可否についてを事前に検討。治験開始後にも定期的な審査を継続する。例えば治験中に予想外の副作用が発生した場合などには、治験審査委員会が続行の妥当性を検討する。 治験責任医師・治験分担医師 治験を行うために必要な技術・経験・知識をもつ医師が指名されます。これら以外の医師は、治験を実施することができません。 治験コーディネーター 治験に参加される方と医師、必要に応じて治験に関係する薬剤師や臨床検査技師、治験依頼者(製薬会社)とのパイプ役となり、治験がスムーズに進むようにサポートするスタッフです。主に看護師資格者や薬剤師資格者が従事し、治験参加前の同意説明の補助や参加後の通院スケジュール管理や服薬指導、参加される方からの相談を受けるなどの業務があります。治験に参加する場合、参加される方と一番接点のある担当者かもしれません。 適応拡大(適応追加) 医薬品の適応症として承認されていない対象疾患や承認されていない用法・用量による処方を「適応外使用」と呼ぶ場合があります。「適応外使用」の医薬品を保険適用できるようにすることを「適応拡大(適応追加)」といいます。「適応拡大」のためには、治験を実施して、その有効性と安全性を確かめる必要があります。 同意文書 治験についての適切な説明を受け、参加することに同意したら、「同意文書」に本人と治験を担当する医師がサインします。あくまでも本人の意思が優先されるので、もちろん強制されることはなく、サインした後でも参加を止めることができます。 特定療養費制度 昭和59(1984)年の健康保険法の改正により導入された、自由診療の一部を保険で給付する制度。「特定承認保健医療機関」で保険の適用外となる高度先進医療や追加的な医療サービス(選択医療)を受けた時に限り、全療養にかかる費用のうち、診察料・薬剤料・入院料などの基礎的部分について「特定療養費」としての給付を受けられる。平成18(2006)年10月より内容はそのままで「保険外併用療養費制度」と名称変更になった。 独立倫理委員会 治験実施にあたり、被験者から取得したインフォームド・コンセントや治験経過の記録方法、資料などを検討し、被験者を中心とする人権や安全の妥当性を審査する組織。医学・化学といった専門分野外の委員によって構成されるもので、実施機関から独立していることで、治験および治験者に対する公的な保証が与えられることになる。 ページトップへ 【な】 二重盲検比較対照試験 「被検薬」の治療効果を確認・証明するために、治療効果のない「プラセボ(偽薬)」を投与する治験方法のひとつ。患者にも担当医にも、被検薬とプラセボの区別がつかないよう進められる。被験者を被検薬群と対照薬群(プラセボ投与群)に無作為に分け、同時並行的に試験を進め比較評価する「群間比較試験」と、二つのグループに被検薬とプラセボを時期をずらして両方投与し、比較評価を行う「クロスオーバー比較試験」がある。 ページトップへ 【は】 プラセボ 日本語では「偽薬」と訳されます。治験薬の有効性や安全性などのデータを比較するために用いられるもので、治験薬と色や形は似ていながらも、有効成分は含まれていません。 有効成分を含まないにもかかわらず、「薬を飲んだ」という意識から治療効果が出ることもあり、これをプラセボ効果といいます。疾患にもよりますがプラセボ効果は全体の3分の1程度あるといわれています。プラセボの成分としては乳糖やでんぷんが用いられることが多いようです。 なぜ治験には、有効成分を含まない薬(プラセボ)を使用して比較する試験があるのですか? ヘルシンキ宣言 正式には「ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則」。1964年にフィンランドのヘルシンキで採択されたもので、医学の進歩のためにはヒトを対象とした試験に一部依存しなければならない(必要である)ことを認めた上で、「被験者(患者)の利益は科学と社会への寄与よりも優先されるべき」という原則を打ち出しているものです。 ページトップへ 【や】 薬事法(やくじほう) 保健衛生の向上を目的に、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療用具などに関して、その品質・有効性・安全性の確保のための薬事に関する基本の法律。同時に、医療上必要性が高いとされる医薬品等の研究開発を促進するため、必要な措置についても規定されている。治験に関しては、治験依頼者が医療機関に治験の依頼をする際の手続として必要な提出文書が、薬事法第80条の2(治験の取り扱いに関する規定)によって定められている。 有害事象 (ゆうがいじしょう) 薬物を投与された患者に起こる、あらゆる好ましくない出来事のこと。投与された薬物との因果関係の有無に関係なく発現した医学的事象で、患者にとって不利益で意図しないすべての症状をさす。たとえば、降圧剤を服用している患者に肋骨骨折が生じても薬物との因果関係はないが、これが薬物投与にともなう有害事象とされる。多くの有害事象データを蓄積・解析することで、未知で重篤な副作用が発見されることもある。 ページトップへ 【ら】 臨床試験 ヒトにおける試験のこと。治験は以下の3つのステップに分けて進められます。 第1ステップ(第1相臨床試験) 少人数の健康な大人が対象。薬の量を徐々に増やし、安全かどうか、また、体内での薬の吸収・排泄のされ方などを調べます 第2ステップ(第2相臨床試験) 薬の効果があると想定される少人数の患者が対象。有効性・安全性・使い方(量・使う期間・使う間隔など)を調べます 第3ステップ(第3相臨床試験) 安全性の確認が進んだ段階。数多くの患者に対する最終的な有効性・安全性・使い方の確認を行います さらにこれ以外に、国から認められ市販された後でもう一度試験をする「市販後臨床試験」があります。 ページトップへ 【A~Z】 CRC(Clinical Research Coordinator) 治験(臨床試験)コーディネーター。倫理的な配慮のもと科学的に、適正かつ円滑に治験を進めるためのサポートをする専門スタッフ。責任医師の指示のもとに、治験参加者と医師、治験に関係する薬剤師や臨床検査技師、治験依頼者(製薬会社)相互をつなぐ。看護師、薬剤師、検査技師が担当することが多い。治験参加前の同意説明から参加後の通院スケジュール管理、服薬指導、参加者の相談窓口などまで、業務範囲は非常に広範。 EBM(Evidence Based Medicine) 医師個人の経験や慣習、偏りがちな権威者の意見などに左右されるのではなく、知りうる限りの疫学的研究成果や実証的・実用的な信頼できる根拠(evidence)に基づき、患者にとって最良の、効果的かつ質の高い治療を行う医療。EBMとは医療を円滑に行うための道具であり、医師にとってののぞましい行動指針である。 GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施の基準) 厚生省(現厚生労働省)が医薬品の開発における臨床試験(治験)の実施にあたって倫理性(被験者の人権と安全は守られているか)科学性(新薬の評価を行うための正しい方法か)及び信頼性(得られたデータの信頼性が保たれる正しい実施方法か)の確保を目的として定めた基準で、治験に携わる人たちは絶対守らなければならない治験の大原則です。 被験者の人権保護を定めたヘルシンキ宣言を受けて、1970年代に米国で導入され、その後ヨーロッパ各国、そして日本でも導入されました。 ※治験に参加する人の人権や安全はこの厳しいルールで守られています。 SMO(Site Management Organizaionの略) 治験施設支援機関。特定の医療機関と契約し、その施設で行われる治験業務を、医療機関の立場で代行・支援する。治験に関わる医師、看護師、事務局の業務を専門スタッフが支援することにより、関係スタッフの負担が軽減され、治験の品質向上にもつながるとされる。 ページトップへ 治験ボランティアのご紹介
新しい薬を世に送り出すために必要な治験。healthクリックでは、ユーザーのみなさんに「治験に関する意識調査」を実施した。期間中にいただいた227名の回答を一挙公開! Q. 治験を知っていますか? 「治験を知っていますか?」という問いに対し、「少し知っている」(63%)がもっとも多く、「詳しく知っている」(19%)を含めると、治験についてある程度の知識を持っていると思われる人は8割を超えた。「あまり知らない」(13%)も含めると、「治験」という言葉を知っている人は95%に達することが分かる。 Q. 治験について知っている方は、どこから情報を得ましたか? 治験に関する情報の入手源を聞いたところ、「インターネット」(49%)」がもっとも多く、「新聞やチラシ」(21%)、「家族や知人」(10%)、「医師や看護師」(9%)と続いた。 年代別に詳細を見ると、「新聞やチラシ」が60代で35%、70代では50%と他の年代に比べやや高い結果となった。 また、性別で見ると、「新聞やチラシ」は男性全体で29%、女性全体で15%と男性の方が多く、倍近い開きが見られた。 Q. 治験に対するイメージとしてあてはまるものはどれですか?(複数回答可) 治験に対するイメージとしてあてはまるものを聞いたところ、1位「効果、副作用などがはっきりしない薬を服用する」(142人)、2位「新しく有効な治療薬を世に出すという社会貢献が出来る」(139人)、3位「指示された通りに服用し、定期的に病院へ行く必要がある」(138人)、4位「新しい治療法を受けることができる」(131人)と続く。 治験のメリット、デメリットのどちらかに偏ることなく、僅差で並ぶ結果となった。 Q. 治験に参加したことはありますか? 「治験に参加したことがある」と回答したのは221人(有効回答数)中11人で、疾患名では高血圧、過敏性大腸炎、血栓改善薬(原文まま)、過活動膀胱などが挙げられた。 Q. 治験に参加しても良いと思う条件は何ですか?(複数回答可) 治験に参加しても良いと思う条件としては、「自分が患っている疾患」(154人)がもっとも多く、2位「病院が家から近い」(113人)といった利便性や「専門医に診てもらえる」(108人)とする安心感を求める声が挙げられ、「謝礼が高額」(85人)、「社会貢献ができる」(79人)などが続いた。 自由回答では「会社勤務のため、平日の拘束が無ければ参加しても良い」「海外で使用できている有効な薬が日本でも早く使えるのであれば」といった意見もあった。 Q. 治験に参加する際、どのような説明があれば安心できますか?(自由回答) 安心して治験に参加するためにどのような説明が欲しいかを聞いたところ、副作用に関する説明を望む声が圧倒的に多く見受けられた。 「効果と副作用の両面について、誠実な態度で詳細の説明があれば信頼できる」などと副作用について一定の理解を示す声もある一方、「副作用が無いという説明があれば安心」「治験は絶対安全だという説明が欲しい」「副作用が出た場合、完全に治る確証が欲しい」など、副作用を拒絶する声も多く寄せられた。 また、「参加の際の説明だけでなく、治験終了後に結果どうであったのかを知りたい。自分が世間に貢献できたのかどうかを確認できれば、また参加したくなると思う」と、参加者への報告を望む声もあった。
「治験」と検索すると、危険、バイト、高額、などちょっと心配になる結果が表示されますよね。実際のところはどうなのでしょうか?治験を実際に体験したサラリーマン男性の体験談を参考にして、治験についての理解を深めていきましょう。 目次 Q. 治験ボランティアに参加したきっかけは何ですか? Q. 以前から治験に興味があったのですか? Q. 実際に治験に参加されてみて、どんな雰囲気でしたか? Q. 参加前と後で臨床試験に対する考え方など、変わったことはありますか? 体験者:石黒誠さん(仮名)、東京在住(サラリーマン) 参加試験:健康食品(飲料)の臨床試験ボランティア 日程:1年間 Q. 治験ボランティアに参加したきっかけは何ですか? 私が勤める会社で、社員を対象にある臨床試験参加の呼びかけがあり、興味本位で参加してみたのがきっかけです。話を聞いてみると、ちょうど私のようなお腹周りの出っ張った人間を対象にしたものでした 。 Q. 以前から治験に興味があったのですか? いいえ。まったく興味はありませんでした。 ただ、以前からこのお腹を何とかしたいという思いはありました。妻にダイエット法を伝授してもらっても長続きせず、サイズはどんどん大きくなる一方。何かいいやり方はないかと思っていたところでこの臨床試験に出会い、いい機会だと思って参加してみたわけです。 Q. 実際に治験に参加されてみて、どんな雰囲気でしたか? BMI25以上かつ40歳以上の男性で、医師の許可を得た者だけが参加できる試験でした。 開始前に内臓脂肪のCTを撮影し、その後は自宅に送られてくる健康飲料を1年間飲み続けるというものでした。そのほか定期的にメールで栄養士さんに健康状態や生活の様子について報告をし、励ましてもらうというやりとりもありました。 自分が飲んでいるのが試験対象の成分が入ったものかどうかは知らされませんでしたが、こうやって第三者に励まされることで「飲みつづけよう、そして健康になろう」という意識がどんどんわいてきたのです。 Q. 参加前と後で臨床試験に対する考え方など、変わったことはありますか? 実際に参加してみてからは、新聞などで関係する記事を見かけるとついつい目がいくようになりました。私が参加した試験は1年という長期間で単調なものでしたが、栄養士さんの励ましやときには健康に関するパンフレットが送られてくることもあり、常に体や健康について意識するようになりました。 また、以前はダイエットや食事内容については妻まかせだったのが、自分で考えて工夫もするようになりました。 おかげで、試験が終了してからもお腹周りは減り続け、私の生活習慣を変えるいいキッカケになったと満足しています。
「治験」と検索すると、危険、バイト、高額、などちょっと心配になる結果が表示されますよね。実際のところはどうなのでしょうか?治験を実際に体験した女性主婦の体験談を参考にして、治験についての理解を深めていきましょう。 目次 Q. 治験ボランティアに参加したっかけは何ですか? Q. 以前から治験に興味があったのですか? Q. 参加されたのは、どういった内容の臨床試験でしたか? Q. 実際に治験に参加されてみて、どんな雰囲気でしたか? Q. 参加前と後で臨床試験に対する考え方など、変わったことはありますか? 体験者:大川素子さん(仮名)、女性、東京在住(専業主婦) 参加試験:健康食品(飲料)の臨床試験ボランティア 日程:2日間 Q. 治験ボランティアに参加したっかけは何ですか? あるサイトに治験ボランティアとして登録したのがきっかけです。 登録後、何回か治療薬や健康食品の試験へのご案内をいただきました。 今回ようやく自分の症状にあった試験のご案内が届き、しかも自宅の近くだったのでチャレンジしてみようと思ったのです。 Q. 以前から治験に興味があったのですか? 両親と妹が薬剤師をしていることもあって、実家ではよく薬に関する話題がとびかっていました。そんな環境で生活してきたので、医療やお薬に関する知識や問題意識は周囲より高かったように思います。子供のいない専業主婦で時間的余裕があるので、きっかけがあればいちどはボランティアをやってみたいなという思いがありました。 Q. 参加されたのは、どういった内容の臨床試験でしたか? 視力に問題のある方を対象に、健康食品(飲料)を摂取してその影響を調べるという内容でした。年齢や視力の度合い、試験日にすべて参加できることなど条件がいくつかありました。 いきなり臨床試験がはじまるわけではなく、その前に説明会で目の検査(屈折力・調節力)や簡単なアンケートなどの審査を受け、それをクリアした人だけが先に進みました。 Q. 実際に参加されてみて、どんな雰囲気でしたか? はじめての経験でしたので心細く、当日会場へむかうときは少し不安でした。 ですが、いざ会場に足を運んでみるとみな同じ意識で参加していることもあって、すぐにうちとけてなごやかな雰囲気に。ボランティアの経験豊富な人もいて、臨床試験に関するいろんな情報を得ることもできました。 朝11時から18時までと拘束時間は長かったのですが、2日と短期間だったのでさほど身体に負担は感じませんでしたし、意外にも試験対象の健康食品(飲料)がとても美味しかったのが印象的でした。 Q. 参加前と後で臨床試験に対する考え方など、変わったことはありますか? まず、参加してみて良かったと思っています。 ふだん何気なく目にしている健康食品が世に出るまでには、こういう過程を経ているのだと勉強になりました。そして自分がその過程に協力したという想いがあるので、実際に市販化されるととても愛着が沸いてしまいました。 今回、健康食品の試験に参加したことで、お薬の治験についても興味がわいています。もちろん、お薬の場合は治療対象でないといけないのでめったに機会はないと思いますが、新しいお薬を世の中に送り出すお手伝いが出来るのであれば、とても有意義なことではないかと思っています。
日本における治験に対する理解の低さやボランティアの少なさから、「高い」「遅い」「質が悪い」という状況になっています。その結果、新薬開発の多くが海外で行われていると現状。みんなの協力でもっともっと日本の治験を活性化させないといけません。 目次 大問題!「治験の空洞化」 治験活性化3ヵ年計画とは…? 治験の活性化は、私たちみんなの問題 大問題!「治験の空洞化」 新薬を開発する上でどうしても欠かせないステップが「治験」だが、日本における環境は、治験にかかる時間が長い、治験の質が良くない、治験にかかる費用が高い、など、これまで必ずしも整備されたものではなかった。 そのため製薬企業では、時間と手間のかかる国内での治験のかわりに、被験者を確保しやすく、CRC、SMO、CROなどの臨床試験の基盤が整備され、試験のスピードも審査のスピードも速い海外で治験を行い、そのデータを基に厚生労働省から製造販売承認を取得する方法を多くとるようになった。 こうした状況が進むと「治験の空洞化」を招き、自国で用いられる薬の開発を海外の被験者に頼ることそのものが倫理的な批判の対象となることや、日本の患者が新しい薬の恩恵に与る機会が遅れる、日本の薬剤研究開発力の低下につながる、といった大きな問題につながってしまう。 治験活性化3ヵ年計画とは…? 日本での治験を活性化させるために、2003年、文部科学省と厚生労働省は連名で「全国治験活性化3ヵ年計画」を発表した。日本国内の治験の「スピード」「質」「コスト」の問題の改善を図ることが目的で、1)国民に対して治験の普及啓発活動を行うこと 2)費用面、制度面において企業の負担を軽減すること 3)CRCの養成確保など医療機関の治験実施体制を整えること、などを盛り込んでいる。 なかでも注目されているのが、大規模治験ネットワークの設立だ。大規模治験ネットワークは日本医師会に設置した治験促進センターが管理・運営・評価しているもので、複数の医療機関をネットワークで結ぶことで質の高い治験の症例数を迅速に確保する体制を目指している。3年間で「がん」、「循環器」、「小児医療」など10疾患群のネットワークを形成することが目標としているが、参加する団体は平成17年3月時点で991施設と、大幅に拡大中。徐々に国の取り組みが成果として現れてきているようだ。 治験の活性化は、みんなの問題 以前は「治験」という言葉すら聞いたことがないという人も多かったが、最近では新聞広告やチラシ、雑誌の広告などで、治験の募集を目にする機会が増えてきた。それに伴い、治験に対する私たちの意識も、「内容をきちんと知りたい」、「協力できることがあれば参加してみたい」など、少しずつ前向きに変わってきたのではないだろうか。 これまで難しかった病気の症状を軽減させるために、副作用をもっと減らすために…。新薬の開発は、私たちの健康な生活を支えてくれる大切な基盤でもある。 治験を私たちみんなの問題として考え、しっかり根付かせていくことが、私たちの将来に大きなメリットを与えてくれるのではないだろうか。
新薬開発の要と言える治験。けれども先進諸外国にくらべ、日本では治験への理解とても低いという現状です。そのため新薬の開発がアメリカやヨーロッパにくらべ5倍もの時間がかかっています。治験の意義や必要性を正しく理解し、より豊かな社会にしたいですね。 目次 もし薬がなかったら?健康を守るための先人たちの知恵の結晶 そもそも「治験」とは?新薬開発で果たしている重要な役割 うつ病、アトピー、がん、糖尿病。病気の数だけ治験がある もし薬がなかったら?健康を守るための先人たちの知恵の結晶 風邪をひいたとき、胃がもたれるとき、ちょっとしたケガをしたとき…。日常生活で薬を使うことは案外多いもの。人類の歴史と薬との関わりはかなり古く、紀元前5000~4000年頃のメソポタミア文明の遺物には既に医術や薬についての詳細な記述があると言われています。当時の薬の材料は、植物・動物・鉱物などで、紀元前3000年の粘土板には、痛み止めにはアヘン、咳止めにはアーモンド、胃腸薬にはカミツレやセンナ、虫下しにはザクロ皮などが用いられたと記載されています。こうした植物の成分の中には、現在も薬の成分として使われているものもあります。 今日用いられている薬の多くは1940年以降に発見・開発されたもので、私たちの健康を守るうえで、次のような貢献をしています。 ●治療法のなかった病気を治療できるようになった …抗生物質など ●病気をコントロールしたり、予防したりできるようになった …ワクチン、ビタミン、ホルモンなど ●病気の診断や検査、手術などが安全にできるようになった …麻酔薬、消毒薬、診断薬など もし世の中に薬がなかったら?あなたは今日まで無事に生き延びてこられたでしょうか? 大昔から人間は薬とともに様々な病気と闘ってきました。 一番いいのは、もちろん、薬に頼らずに健康な生活を送れることです。そのためにも毎日の食事や生活習慣に気をつけ、定期的に運動をすることで自分自身の体のケアを行うことが大切。 でも、体の不調を改善し、痛みを和らげ、病気を治すために、やっぱり薬は必要なものなのです。 そもそも「治験」とは?新薬開発で果たしている重要な役割 ある企業の海外と日本の治験スピード比較(薬例1) 出典:厚生労働省「医薬品産業ビジョン(案)の概要」 21世紀に入った今も、地球上のすべての病気が制圧されたわけではありません。健康や生命を脅かす病気があり、それに対して有効な薬を待つ患者たちがいます。研究者や医師は、より安全で有効性の高い薬を研究・開発し続けていますが、薬が広く世間に出て行くためにはどうしても必要なステップがあります。それが治験です。 治験とは「治療試験…国から薬としての承認を受けるために行う臨床試験」のこと。新しく開発された薬の候補を、実際に人に使った場合の有効性や安全性、副作用について確認する過程を指しています。どんなに有効性がある成分も、治験を経なければ国から承認されず、薬として私たちの手に届くことはありません。まさに治験は新薬誕生の「要」なのです。 「未承認の薬を服用するなんて、ちょっと怖い…」と思う人も多いでしょう。しかし、現在あなたが使っている薬も、先人たちの協力によって生まれてきたもの。何かの機会に、今度はあなたが未来の世代に残せる薬の開発に協力することがあるかもしれません。あなたの病気の治療を、新薬を創るチャンスに変えること。それが「治験に参加する」ということです。 とはいえ、日本における治験の状況は、海外に比べてまだまだ成熟しているとは言えません。例えば世界各国で最近開発された新薬を100とした場合、多くの先進諸外国では、80~95の薬が既に多くの人たちに使用されているのに対し、日本では15~20程度と言われています。世界各国で使われている新薬も日本で使えるようになるには治験が必要だが、日本国内での治験環境が先進諸外国に比べて遅れていることが大きな原因と考えられます。 これを裏付けるように、ある企業が行った日本と海外の治験のスピード比較を示すデータもあります。1施設で行われた1ヵ月あたりの症例数を比較すると、アメリカでは日本の9倍~18倍のスピードで治験が進んでいることがわかります。 治験が進まないことで最も影響を受けるのは、最先端医療(海外で流通している新薬など)へのアクセスが遅れる患者です。こうした事態を受けて厚生労働省は、患者の治験参加を支援するための仕組みを整えたり、現在平均で4年かかっている治験の迅速化を目指すため「大規模治験ネットワーク」といった医療機関網の整備に取り組んでいます。 うつ病、アトピー、がん、糖尿病。病気の数だけ治験がある 治験を行っている疾病にはいろいろな種類があります。 これは一部の例。まさに病気の数だけ、薬の数だけ、治験は必要とされています。 がん 白血病 B型・C型肝炎 高血圧 気管支喘息 骨粗しょう症 パニック障害 うつ病 アルツハイマー アレルギー性鼻炎 花粉症 公開日:2003年6月23日
新薬誕生の要といえる治験ですが、日本国内では知名度が低いことやさまざまな整備がまだ不充分なため、海外に比べて遅れをとっているのが現実です。治験が世の中にとって必要だということをもっと多くの人が知らないといけませんね。 目次 10~18年という長い年月を要する新薬誕生までの長い道のり 新薬誕生までの長い道のりをみてみよう! 基礎研究~有効性のある成分を合成 非臨床試験(動物実験)~薬としての安全性や有効性を動物や培養細胞でチェック 臨床試験(治験)~実際に人が使っても有効で安心か? 承認申請と審査 認可後の評価 治験に参加するにはどうすればいいの? 10~18年という長い年月を要する新薬誕生までの長い道のり 基礎研究から製造承認を経てひとつの薬が世に出るまで10~18年という長い歳月を必要とします。その間、途中で開発を断念したものの費用まで含めると、1品あたりの薬の開発費用は150~200億円にものぼるといいます。 新薬誕生までの長い道のりをみてみよう! ▼基礎研究~有効性のある成分を合成 薬の開発は、植物や化学物質、微生物の中から、将来薬となる可能性がある新しい物質(成分)を発見したり、化学的に作り出すための研究から始まります。 ▼非臨床試験(動物実験)~薬としての安全性や有効性を動物や培養細胞でチェック 薬として可能性のある物質を対象に、動物や培養細胞を用いて安全性や有効性について調べます。 ▼臨床試験(治験)~実際に人が使っても有効で安心か? 「非臨床試験」の段階で安全性・有効性ともにパスした薬(治験薬といいます)について、実際に人が使っても安全で有効性があるかどうかを調べる最終的な確認作業を行います。この臨床試験の段階が「治験」にあたります。治験はさらに3段階にわかれ、それぞれ参加者の同意を得た上で行われます。 フェーズ1 少数の健康な人を対象に主に副作用と安全性について確認します。 フェーズ2 少数の患者を対象に、有効で安全な投薬量や投薬方法について確認します。 フェーズ3 多数の患者を対象に、有効性と安全性について既存薬などとの比較を行います。 ▼承認申請と審査 製薬メーカーは治験で安全性や有効性などが証明された治験薬について、厚生労働省に製造承認の申請を行います。数段階の審査を受け、それにパスすると初めて「薬」として市場に出ることができます。ちなみに「基礎研究」段階で新薬候補とされた物質(化合物)のうち、製造承認を得ることができるものはわずか1万分の1程度です。 ▼認可後の評価 販売開始後も薬はさまざまなチェックを受けます。病院などの医療機関でさらに多くの患者に投与された結果を元に、開発段階では発見できなかった副作用や適正使用情報などの収集が行われます。 治験に参加するにはどうすればいいの? 治験への参加は、 医師から患者に勧めるケース 病院内の募集ポスターを見て、患者自身が応募するケース 新聞や雑誌、インターネットでの治験参加募集告知を見て、患者自身が応募するケース などがあります。 1. インターネットで募集の告知を見て応募する。または 新聞で募集の告知を見て電話をかける 申し込みセンター(コールセンター)につながります。治験は目的に応じてそれぞれの募集の基準があるので、年齢や性別、症状の内容と程度、病歴、通院が可能かどうかなどを確認します。基準に合えば、治験を行っている病院が紹介されます。 2. 治験を行っている病院で詳しい説明を聞く 申し込みセンターで紹介された病院で、担当医師や治験コーディネーターから治験の目的や予想される副作用、新薬の特徴など、文書を使って詳しく説明を受けます。また、疑問に思うことは全部医師に聞いて確認します。 これは「インフォームド・コンセント」といい、治験に参加する人の人権を守る大切なステップです。 3. 同意書にサインする インフォームド・コンセントで用いられた文書をじっくり読み、自分自身が治験について理解でき、参加することに納得できれば、「同意書」にサインをします。もちろん、同意できなければ断ることもできます。また、同意書にサインした後でも取りやめることができます。 4. 治験に参加 治験の種類によって通院の回数や期間が変わってきます。治験に参加中は薬(治験薬)の決められた用法用量を必ず守ること。体調が悪くなった場合は、すぐに担当医師に連絡を。 また、必ずしも希望する薬を使えるとは限りません。治験薬と薬効や安全性などのデータを比較するために用いられるプラセボと呼ばれる偽薬(成分はショ糖など)を用いることもありますが、これが治験薬なのかプラセボなのかは参加者自身はもちろん、医師にも知らされていません。 5. 治験の終了 治験終了後も参加者の個人情報は厳密に管理されます。とりまとめられた治験データは 製薬会社から厚生労働省に申請され、承認が出れば薬として売り出されます。 公開日:2003年6月23日
治験に参加することは、現在の薬で不十分な場合の新しい治療方法を受けられたり、専門医師による通常より丁寧な診察や検査を受けられるというメリットがあります。もちろん、メリットに伴うデメリットやリスクも存在します。正しい知識で正しい判断をしたいですね。 目次 治験は患者のためのもの…あなたを守るGCP 治験において副作用が出た場合のサポート体制は? 治験のベネフィット(恩恵点) 治験のリスク(注意点) 治験は患者のためのもの…あなたを守るGCP 「人々の健康を守ることが医師の使命である。医師は、この使命達成のために、自分の知識と良心を捧げるべきである。」 この言葉で始まる<ヒトを対象とする医生物学的研究に携わる医師に対する勧告>は通常「ヘルシンキ宣言」と呼ばれ、医療に携わるすべての人たちが常に意識すべき医の倫理の規範となっています。ヘルシンキ宣言では「人を対象とした研究において、被験者の福利に対する配慮よりも、科学的、社会的な利益を決して優先させてはならない」ことを訴え、患者への安全性や倫理的な配慮に重点をおいて研究・開発を進めるよう、呼びかけています。 こうしたヘルシンキ宣言を基礎として日本にも治験実施に関する法律があります。治験実施にあたり、治験に参加する人の人権と安全性が最大限に守られるための「薬事法」と「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)」です。GCPとはGood Clinical Practice の略で、日本における治験の倫理性と科学性を確保するために設けた基準です。GCPでは大きく以下のルールを定めています。 1. 治験の内容を国に届け出ること 製薬会社は治験担当医師が合意した「治験実施計画書」を厚生労働省に届け出ます。 2. 治験審査委員会で治験の内容をあらかじめ審査すること 治験に参加する人の人権と安全性について問題がないかどうか審査します。治験審査委員会は治験の依頼を受けた病院とは利害関係のない人や医療の専門外の人を加えて組織されます。 3. 同意が得られた患者のみを治験に参加させること 治験の目的、方法、期待される効果、予想される副作用などを文書で示し、文書による同意を患者から得なければなりません。 4. 重大な副作用は国に報告すること 重大な副作用は、治験を依頼した製薬会社から国に報告することが義務付けられています。治験に参加している患者の安全を確保するために、治験計画の見直しなどの対応が図られます。 5. 製薬会社は治験が適正に行われているかどうか確認すること 治験を依頼した製薬会社は治験の進行を調査して、「治験実施計画書」やGCPに則って治験が適正に行われていることを確認します。 例えば、未成年者が治験に参加する場合はどうなるのでしょうか?GCPはこの点も明記しています。治験を行う医師が親権者などから承諾を得た上で、なお本人に意思能力がある場合、本人からも承諾を取るように定めています。 治験において副作用が出た場合のサポート体制は? 治験では、参加者の安全を優先し、いつでも担当医師に相談できるようになっています。もし普段と体調が違うな、と感じたら、すぐに担当医師に連絡をしましょう。もし副作用が起きたときは、病院からただちに製薬会社に連絡され、厚生労働省に報告されます。治験に関連しての副作用で、治療や追加の検査が必要な場合、製薬会社が補償することになっています(※治験担当医師が副作用とみなさない場合の検査費用は、参加者の負担となる場合があります)。 治験のベネフィット(恩恵点) 新薬誕生に欠かせない治験。あなたにとって恩恵もある一方、気をつけておきたい点もあります。 ●治療法が無かったり、現在の薬で不十分な点がある場合に新しい治療方法を受けるチャンスとなります。 ●その病気に対して経験豊富な専門医師による診察を受けることができます。また医師と相談して希望により通常診療であるが継続に診てもらえます。 ●通常診療より、丁寧な診察や詳細な検査を受けることによって病気の状態を正確に知ることができます。 ●治験薬を服用する際、その薬が自分に合っているか診てもらえます(効果と副作用)。また治験終了後、治療に対しての薬のアドバイスをもらえることがあります。 ●治験に関連する薬と検査代が無料です(製薬企業が負担しています)。 ●治験に参加することで生じる自己負担(診察費や交通費など)を軽減する措置が受けられることがあります(1来院7,000円など)。 ●一部の治験では、既存の薬で効果がなく、治験薬の効果があり、中止することが困難な場合に継続して使用できる場合もあります。 ●社会貢献できます(同じ病気を持つ人や次世代を担う人達のために、効果的で安心な薬を残すことになります)。 治験のリスク(注意点) ●効果(有効性)と副作用(安全性)が確立されていない薬を服用することになります(未知の副作用が生じる可能性もあります※)。 ●指示された通りの服薬や定期的な来院が求められ、日誌や記録を付ける場合もあります。 ●通常の診察より時間がかかる傾向があります(丁寧な診察や詳しい検査のため)。 ●特定の病院でしか実施していないため、現在通院している病院以外に通院する必要があり、通院時間に時間がかかる場合もあります。 ●開発中の薬と、それ以外の薬を比較する治験の場合、必ずしも開発中の薬を試せるわけではありません。有効成分が入っていない薬(プラセボ)を服用することもあります。 ※市販後臨床試験の場合は、治験で得られたデータにより既に厚生労働省に承認され市販されている薬を服用します。 ベネフィットとリスクを十分に踏まえたうえで、治験についてもう一度考えてみませんか? あなたの病気が、治験に関わることでもしかしたら世の中の役に立つかもしれません。「自分も新しい薬を育てるメンバーのひとりになろう!」という気持ちを持つことができれば、治験がもう少し身近に感じられるのではないでしょうか。 公開日:2003年6月23日