体を動かさずにいると、骨や関節、筋肉など運動器の衰えにより、「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下してくるロコモティブシンドローム(運動器症候群、以下ロコモ)に陥る可能性があります。平成30年度国民健康・栄養調査の結果では、働き盛りの20~50歳代中心に運動不足の人が多い可能性が指摘されました。そこで、医学会や大学から配信されているオンラインの運動プログラムを紹介します。
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平成30年国民健康・栄養調査の結果(平成30年11月に実施された調査です)によると、運動習慣がある人の割合は男性31.8%、女性25.5%と、最近10年間では平成26年調査結果に次いで低い数字でした。男女ともに働き盛りの20~50歳代は平均よりも低く、統計学的な分析では女性は減少が顕著なことがわかりました。
出典:平成30年国民健康・栄養調査(PDF)
2020年は新型コロナによる外出自粛の影響が大きく、運動不足の人が増えていることが考えられます。そこで、大学や医学会が配信するオンラインの運動プログラムを紹介します。
順天堂大学保健医療学部理学療法学科は、自宅でできる症状別・疾患別の運動プログラムを動画でわかりやすく解説しています。
セルフチェックで自分に当てはまる症状や疾患を選択すると、それにあった適切な運動をYouTubeで閲覧できます。
画像:自宅でできる症状別・疾患別運動プログラム(順天堂大学保健医療学部)、順天堂大学プレスリリース
ロコモ チャレンジ!推進協議会のウェブサイト「ロコモONLINE」では、特設サイト「コロナに勝つ!ロコモに勝つ!」が開設されました。
腰痛・膝痛への対策運動や運動不足を解消するストレッチ、やや負荷の高い運動など整形外科医直伝のトレーニング方法について動画を閲覧できます。
また、健康経営カンファレンス2020のWebサイトや、近畿大学・谷本道哉先生によるロコモ予防スペシャルレッスン」、書道家金澤翔子さんがダイナミックに身体を動かして「ロコモに勝つ!」を書いている動画を閲覧できます。
順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科では、ロコモ予防のために筋肉量や筋力を向上させる運動プログラムを開発し、ウェブサイト「順大さくら“筋活”講座」を開設しました。
会員登録(無料)すると、「いつでも・どこでも・誰とでも」取り組める自体重での筋力トレーニングの方法やポイントなどが解説された動画を閲覧できます。
画像:順天堂大学プレスリリース
医学会や大学の医師などが監修した運動プログラムを活用できるようになりました。どれも自宅ででき、病気や症状に適した運動を動画で学べるものもあります。
足腰が弱ってきたとお思いのかたや運動不足を感じているかた、外出自粛を余儀なくされたことでリハビリテーション医療を受けられないかたなど、ぜひ活用しましょう。