疾患・特集

9月22日は世界CMLデー、慢性骨髄性白血病の患者会に聞く

患者さんを支える患者会、支援団体

9月22日は、「世界慢性骨髄性白血病の日(世界CMLデー)」です。患者会の慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」は、患者さんや家族のかた同士が支え合うことをサポートし、10年以上にわたって活動を展開しています。代表の田村英人さんに患者会を設立した経緯と現在の取り組みについて話していただきました。

慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」は2007年から活動開始

世界慢性骨髄性白血病の日(世界CMLデー)

慢性骨髄性白血病(CML)は骨髄にある造血幹細胞に異常がおこることにより発症する血液の病気です。染色体の9番目と22番目の染色体が途中から切れて入れ替わって繋がったフィラデルフィア染色体が出来てしまいます。
そのなかにbcr/abl遺伝子ができ、この遺伝子からつくられたbcr/abl蛋白は細胞の増殖のスイッチを入りっぱなしにしますので、白血球や血小板がどんどん増えてしまうわけです。
なお、9月22日は世界CMLデーです。9月22日というのは、慢性骨髄性白血病(CML)の発症の原因が9番、22番染色体が関係しているからです。
この病気は約10万人に1人の割合で発症するといわれています。そのために、病気の人と会う機会は非常に少ないのです。患者さんは、孤独で不安な治療を続けています。
そこで、慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」は患者ならびに家族同士が支え合って楽しみながら「いきいき生きよう」、「CML is serious but not the end of MY LIFE」をモットーに、2007年12月から様々な活動を展開しています。

前向きに生きていく力が湧き出す生命の源となる「いずみ(泉)」をイメージ

慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」

「いずみ」とは、生命の源である水を滾々と湧き出して緑を育んでいる泉をさします。造血幹細胞が正常な血液をどんどん湧き出してくれる生命の源(いずみ)になって欲しいと願っています。
現在、この病気の治療法は分子標的薬の服用がファーストラインとなっています。しかしこの薬の歴史はまだ浅く大きな効果を得ているとは言え、さまざまな問題をまだまだ抱えています。

通院治療が中心で医療者おの関わりが少ないので患者さんや家族のサポートが重要

また、入院するケースは多くなくほとんどの患者は通院治療が主体となっています。その為同じ患者のみならず医療者やコメディカルとの接触機会も少ない状況です。
「いずみの会」では、患者さんや家族の方などに情報交換の場を提供していくことや、治療の向上に役立つ知識を提供するなどの活動、そして前向きに生きていける力を得るヒントを得てもらえるような活動を目指しています。

フェイス ツゥ フェイスの活動主体そして小児の患者さんのネットワーク活動にも積極的

「いずみの会」では、患者さんや家族を対象としたフォーラム・交流会の日本各地における開催や、会報誌の発行、WebsiteやFacebookによる情報発信などの活動をしています。小児の患者さんも大人とはまた別の問題もありますので、別組織として活動しています。
われわれCML患者さんの持つ問題点は他のがん種の方と共通点も多々ありますが特に治療方法や薬剤の選択の意思決定をどうするか、高額な医療費の問題、副作用の認識と対応、就職や仕事の問題、結婚・出産の問題、精神的立ち直り等の問題を抱えています。

人生において予想もしなかった病気をある日突然告知される訳ですから精神的ショックは言葉では言い現わせられません。メールや電話での問い合わせも受付けていますので少しでも落ち着きを取り戻して頂ければと思います。情報量としては現状とても氾濫していますが患者としてはどれが正しいか怪しいか判断できる力を持つ必要があります。知識は力です、会を通じて正確な情報を得て、同じ病気の仲間とのネットワークを築いて頂ければ幸いです。
また患者さんに役立つ情報を提供できるよう、不定期にアンケート調査も実施しています。同じ病気の仲間がどのような状況か知ることが出来ます。今後ともご協力のほどお願いいたします。

●下記は患者会情報です

患者会情報

9月22日は世界CML Awareness day(世界CMLデイ)です

  • 不定期に日本各地で交流会を開催しています。

お勧めの書籍、冊子など

  • 慢性骨髄性白血病と向き合う方へ(小冊子)*ご希望の方には送付します(無料)
  • Q&Aで知ろう!CMLの新しい検査(リーフレット)*同上
  • 造血器腫瘍 診療ガイドライン2018(日本血液学会編)
  • いずみの会 会報誌第7号「CML患者生活実態アンケート特集」(小冊子)
公開日:2018/09/21