線維筋痛症は、全身にわたって痛みが長引く病気です。慢性的な疲労やうつなど多様な症状を合併しやすいので、チェックシートなどを使って早期に発見しましょう。日常生活における支障度と線維筋痛症の可能性をチェックできる質問表があります。東京リウマチ・ペインクリニック院長の岡寛先生に聞きました。
慢性的な痛みは、日常の生活動作を長期にわたり著しく困難にさせるものです。線維筋痛症の患者さんでは痛みや疲労、落ち込みなどが長引いたことで家事や自分で歩くことができなくなったケースがあるそうです。
岡先生によると、線維筋痛症の疑いがあれば、より早い段階で専門医に受診することがすすめられます。線維筋痛症などの病気を早く特定できるほど、早期に適切な治療を受けることができるからです。QOLや日常生活の向上につながるとの話です。
線維筋痛症の可能性があるかどうかについて簡便にスクリーニングできるチェックツールとして、過去3ヵ月間における痛みや疲労などの状況を聞くロンドン質問票:London Fibromyalgia Epidemiology Study Screening Questionnaire(LFESSQ)があります。
質問項目は6問(痛みに関しては4問、疲れに関しては2問)です(表)。
痛みに関する質問1~4がすべて当てはまるかたは線維筋痛症の可能性があります。さらに疲れに関する質問1~2も当てはまるかたは重症の可能性があります。
*日本語版LFESSQ(:The London Fibromyalgia Epidemiology Study Screening Questionnaire)
出典:Clin Rheumatol 2014;134(26): 130~136
線維筋痛症は全身の痛み、疲労、抑うつ状態などを伴うので日常生活への支障が大きくなる病気です。早い段階で専門医の診療を受けることで、日常生活やQOLがより早く改善することが期待できます。
3ヵ月以上にわたって全身の痛みが長引いているなら、LFESSQ質問表でチェックをしてみましょう。チェックツールで「もしかしたら線維筋痛症?」と思ったら、専門医に相談することを考えましょう。
もう少し詳しいチェックとして「米国リウマチ学会診断予備基準(2010)」(関連記事:全身を激しい痛みが襲う病気「線維筋痛症」セルフチェック)や「The Fibromyalgia Impact Questionnaire(FIQ)」などがあります。
3ヵ月以上にわたって全身の痛みが長引いているなら、LFESSQ質問表でチェックしましょう。
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