乗用車やバス、飛行機などの乗り物で起きる乗り物酔いは、体のバランスをとる働きをもつ内耳の器官に伝わる刺激や、視覚とバランス感覚とのズレによる自律神経の失調などが、原因と考えられています。乗り物酔いを防ぐ方法や酔ってしまったときの対処法を紹介します。
乗用車やバス、電車、船、飛行機など、どの乗り物でも起きる可能性がある、乗り物酔い。体のバランスをとるはたらきをもつ、内耳の器官に伝わる揺れ・加速の刺激、視覚や嗅覚への刺激、視覚とバランス感覚とのズレによる自律神経の失調などが、乗り物酔いの原因だと考えられています。また、以前に乗り物酔いをした記憶がストレスとなり、乗り物酔いの症状が誘発されることもあります。
特に、体のバランスをとる機能が発達しはじめる小学生から中学生にかけては、乗り物に酔いやすいことが知られています。この年齢を過ぎると酔いにくくはなるものの、大人でも乗り物酔いが起きることはあります。
乗り物酔いをしないためには、あらかじめ対策をすることが大切です。乗り物に乗る前と乗ってからで、それぞれ次のことに注意しましょう。
たとえ予防をしても、乗り物酔いを確実に防げるわけではありません。乗り物に酔い、吐き気などの症状が起きたときは、次の対処法を行うと良いでしょう。
風に当たり、外の空気を吸っているうちに、リラックスできます。
乗り物から降りられないときは、せめて洋服のボタンやベルトをゆるめ、横になるなどできるだけラクな姿勢をとりましょう。
薬には予防効果がありますが、酔った後に服用しても、症状を和らげる効果が得られます。
クラッカーを食べたり、ジンジャーエールなどの炭酸飲料を少量ずつ飲んだりすると、吐き気が和らぐことがあります。ミントティーも、胃をすっきりさせる効果があると言われています。
ただし、自分では乗り物酔いだと思っていても、実際には脳や耳の病気が隠れていることもあります。大人になってからも乗り物酔いが治らない場合や、長らく乗り物酔いをしていなかったのに急に症状が出た場合は、耳鼻科などで相談しましょう。