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遠出の前にチェック!乗り物酔いを防ぐ10ヵ条

乗用車やバス、飛行機などの乗り物で起きる乗り物酔いは、体のバランスをとる働きをもつ内耳の器官に伝わる刺激や、視覚とバランス感覚とのズレによる自律神経の失調などが、原因と考えられています。乗り物酔いを防ぐ方法や酔ってしまったときの対処法を紹介します。

乗り物酔いの原因は、体のバランスをとる器官への刺激など

乗り物酔いの原因は、体のバランスをとる器官への刺激など

乗用車やバス、電車、船、飛行機など、どの乗り物でも起きる可能性がある、乗り物酔い。体のバランスをとるはたらきをもつ、内耳の器官に伝わる揺れ・加速の刺激、視覚や嗅覚への刺激、視覚とバランス感覚とのズレによる自律神経の失調などが、乗り物酔いの原因だと考えられています。また、以前に乗り物酔いをした記憶がストレスとなり、乗り物酔いの症状が誘発されることもあります。

特に、体のバランスをとる機能が発達しはじめる小学生から中学生にかけては、乗り物に酔いやすいことが知られています。この年齢を過ぎると酔いにくくはなるものの、大人でも乗り物酔いが起きることはあります。

乗る前と乗ってから、それぞれの予防法

乗り物酔いをしないためには、あらかじめ対策をすることが大切です。乗り物に乗る前と乗ってからで、それぞれ次のことに注意しましょう。

乗り物酔い予防の10ヵ条

【乗る前】

  • (1)前日は十分な睡眠をとる。
  • (2)乗り物酔いの薬を、乗る前に飲んでおく。
    ※眠気が引き起こされる場合があるので、運転手は運転前に服用しないようにする。
  • (3)空腹時や食事直後に乗るのを避ける。
  • (4)臭いや味の強い食べ物、アルコールなどは乗る前に口にしない。
  • (5)乗る前に食事をする必要がある場合は、脂肪分が少なくでんぷん質が多いもの(白米、パン、麺類、芋類など)を少量食べるようにする。

【乗ってから】

  • (6)揺れにくい座席(乗用車なら前の席、船なら中央、飛行機なら主翼の近く)を選ぶ。
  • (7)窓や換気口を開けて、新鮮な空気を吸えるようにする。
  • (8)ゆったりとした姿勢で、前方(進行方向)を向いて座る。
  • (9)景色を眺めたり、同乗者と会話をしたりして、気をまぎらわせる。
  • (10)読書や、携帯電話やゲーム機の操作をしない。

それでも酔ったときは…

たとえ予防をしても、乗り物酔いを確実に防げるわけではありません。乗り物に酔い、吐き気などの症状が起きたときは、次の対処法を行うと良いでしょう。

●乗り物から降りて休む

風に当たり、外の空気を吸っているうちに、リラックスできます。

●衣服の締め付けをゆるめる

乗り物から降りられないときは、せめて洋服のボタンやベルトをゆるめ、横になるなどできるだけラクな姿勢をとりましょう。

●乗り物酔いの薬を飲む

薬には予防効果がありますが、酔った後に服用しても、症状を和らげる効果が得られます。

●吐き気を抑える食べ物や飲み物を口にする

クラッカーを食べたり、ジンジャーエールなどの炭酸飲料を少量ずつ飲んだりすると、吐き気が和らぐことがあります。ミントティーも、胃をすっきりさせる効果があると言われています。

ただし、自分では乗り物酔いだと思っていても、実際には脳や耳の病気が隠れていることもあります。大人になってからも乗り物酔いが治らない場合や、長らく乗り物酔いをしていなかったのに急に症状が出た場合は、耳鼻科などで相談しましょう。

公開日:2014/08/11