毎年インフルエンザの予防接種を受けているのに感染してしまった、という経験ありませんか?インフルエンザワクチンの効果を十分に得るための、接種時期や回数について解説します。
インフルエンザの予防接種を受けた人の多くは、「これでもう大丈夫」と安心しているかもしれません。しかし、残念ながら予防接種を受けた後でも、インフルエンザにかかることがあります。インフルエンザワクチンは、接種を終えたからといって、すぐに予防効果が現れるわけではありません。十分な効果が得られるまでに、規定の回数の接種を終えてから2週間ほどの期間が必要となります。そのため、タイムラグとも言えるその間にかかってしまう可能性があります。
インフルエンザは、毎年12月から3月頃にかけて流行します。そのため、十分な予防効果を得られた状態でインフルエンザのシーズンを迎えるには、12月中旬までに予防接種を終えることが望ましいです。
なお、インフルエンザワクチンの予防効果が続くのは、5ヵ月程度までと考えられています。そのため、「前のシーズンで受けたから、今回は受けなくても大丈夫だろう」という考えは通用しません。インフルエンザワクチンには重症化を防ぐはたらきもあり、接種後にかかってしまった場合も症状を軽減させることができるため、毎年必ず受けるようにしましょう。
インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて製造されます。その点においても、毎年の接種は必要だと言えるでしょう。接種量と回数は年齢に応じて異なり、13歳未満であれば、期待される予防効果が得られるように、2度目の接種までを終えることが重要となります。
また、インフルエンザは3種混合ワクチンであり、どの型が流行しても予防効果が得られますが、ウイルスの突然変異による新型の場合は、予防効果が落ちることがあります。また、100%予防できるとは言い切れないので、予防接種をしても手洗いやマスクの着用などを行うことが勧められます。
年齢 | 接種量 (1回あたり) |
接種回数 |
---|---|---|
(1)6ヵ月以上3歳未満 | 0.25mL | 2回※注1 |
(2)3歳以上13歳未満 | 0.5mL | 2回 |
(3)13歳以上 | 0.5mL | 1回※注2・注3 |
出典:厚生労働省 インフルエンザQ&A
インフルエンザの予防接種は、病気に対する治療ではないため、健康保険は適用されません。そのため、費用は原則として全額自己負担となり、金額は医療機関によって異なります。ただし、自治体によっては、予防接種法で定められた定期接種の対象者(65歳以上、あるいは60~64歳で特定の障害がある人)や、それ以外の人にも公費負担が行われています。詳しくは自分が住む自治体の保健所や保健センター、医療機関、かかりつけ医などに問い合わせてみましょう。