疾患・特集

新しい季節に健康的な靴選びを

新しい季節。あなたも気分を一新して靴を見直しては?靴は職種や仕事の内容によってもふさわしいものが違ってくる。それぞれの職種に合った、健康によい靴選びを考えてみよう。

職種によって合う靴が違う!?

ういういしいフレッシュマンが街にあふれる季節がやってきた。この時期、気分を一新して、何か始めたくなるという人は結構いるのではないだろうか。転勤や異動で仕事が変わるという人も多いかもしれない。今年は、仕事で履く靴をぜひ見直してみよう。

実を言うと、TPOという面だけでなく、健康面から考えても靴選びは重要だ。職種によってふさわしい靴を選ばなければ、足の健康そのものに悪影響を及ぼすだけでなく、合わない靴を履いているストレスや疲労が仕事に影響することもある

「開張足」「外反母趾」の原因は靴にあり

足のアーチ

サイズの合わない靴を履き続けると、さまざまな足のトラブルが発生しやすくなる。疲労の蓄積や加齢などにより、足のアーチを支えるじん帯が伸びたり緩んだりしてアーチが崩れ、「開張足」になってしまうことがある。

こうなると、体重を支えるうえで重要な役割を果たす親指に力が入らなくなるため、スムーズな体重移動が難しくなって正しい歩行ができなくなる。その結果として、タコやウオノメができやすくなったり、やがては親指が小指のほうへ大きく傾いた「外反母趾」になってしまう場合もある。ちなみに、これらのトラブルを抱えやすいのは、筋力が弱く、靴選びでデザイン性を重視する女性に多い。

外反母趾になってしまった人は、パットなどで覆い、また足の指が靴先にずれ込まないよう、土踏まずのアーチを下から支えたり、ベルトやゴムで上から押さえるような靴を選んで履こう。足の変形が激しい場合は、手術が必要になることも。

用途に合った靴選びが健康のカギ!

靴を履く歴史が長い欧米では、海外旅行の際にも靴を持っていく人が多い。例えば女性なら、観光で歩き回る日中は歩きやすい靴を履き、パーティなどで夜にドレスアップするときには、オシャレで脚が美しく見えるハイヒールを履く。車に用途がいろいろあるように、靴も目的に合ったものが必要なのだ。そこで、職種と靴の関係から、健康によい靴選びを考えてみよう。

職種1:営業~歩き回る仕事

●紐やベルトがついた靴

紐やベルトがついた靴

靴の側面にサポートが入っている靴

側面にサポートが入っているものは、押してみるとわかりやすい。
紐靴 アスファルトの道路を一日中歩き回ると、相当の衝撃が足にかかる。また、足の土踏まず部分のアーチを支えるじん帯が疲労すると、足の形が平べったくなりやすい。そうなると、体重移動がスムーズにいかず、歩きにくくなることもある。
少しでも疲労を減らすため、この衝撃を吸収する素材を使ったものや、ひもやベルトで足の甲を押さえたり、靴の側面にサポートが入っているものなど、足の形を正常な状態に保つ靴が望ましい

職種2:販売~立ち仕事

●女性:ローヒール
●男性:アーチのサポートが入った靴

ローヒール

ヒールは地面と接する面積が小さいため、体重を支える足の負担が大きくなる。また、立ったりしゃがんだりもしにくい。女性なら体重を支える底の面積が大きいローヒールがおすすめ。男性の靴は、アーチのサポートで足にかかる力を分散し、足を正しい形に導くことで、疲れにくくするものが望ましい。

職種3:事務~座り仕事

●好みの靴でOK

ミュール、サンダル

座り仕事は、足にかかる負担は少ない。ただし、女性でミュールやサンダルを選ぶ場合は、ある程度大きな面積で足の甲を覆うものや、ベルトつきのものがおすすめ。

歩くことは健康の一歩。いくらデザインがかっこよくても、足に合わない靴を履いていれば、すぐに疲れたり痛くなったりしてしまう。やがては出かけるのも億劫になるなど、仕事に対しても消極的になってしまう。職種に合った靴を履いて足に負担をかけないことは、健康とやる気継続のためにも必要なのだ。

シアンシューズインターナショナル 稲葉洋二さん

お話をうかがった
シアンシューズインターナショナル
稲葉洋二さん

取材協力:シアンシューズ株式会社

公開日:2004年4月12日