乳がんは自分で検査でき、早期発見につながりやすい。自分で簡単にできる「乳がん」チェックや、定期検診で行う検査を紹介。もし、しこりを見つけたら「乳腺外科」もしくは近くの病院に相談して専門医を紹介してもらおう。
乳がんの治療率は、ほかの部位のがんと比べて高いことが明らかにされている。その理由のひとつに、自分で検査ができるため、早期に発見されやすいことが挙げられる。痛みを感じるよりしこりに気がつくことのほうが多く、実際に病院を訪れる人のほとんどが「自分で胸にしこりがあることに気がついた」という。
女性ホルモンが安定するときが望ましいので、月経がある人は月経後1週間前後がよい。すでに閉経している人は、日にちを決めて(毎月1日や、自分の誕生日の日など)チェックする習慣にしてもよいだろう。
自己検診を行っていても、なかなか気がつかないことや見落としはあるため、定期検診を受けることはとても大切。人間ドックや保健所、病院などで行っている定期検診を積極的に受けよう。 検診では通常、医師の質問に答える「問診」と目で見る「視診」、実際に触れる「触診」が行われる。そこで異常があると、乳房レントゲン検査などの精密検査が行われる。マンモグラフィや超音波検査は、触診だけのときよりも乳がんの発見に効果的だといえる。
自己検診でしこりに気がついたからといって、すべてが乳がんというわけではない。とくに、30歳以上の女性にできやすい乳腺症などは素人には判断のつきにくい良性のしこりの場合もある。
いずれにせよ、しこりやちょっとした乳房の異変に気がついても、「乳がん」と診断されるのが怖くて、なかなか病院に行かないという人もいる。しかし、万が一、しこりが悪性のものだった場合は、早期治療が大切。しこりを見つけたらできるだけ早く病院へ行こう。
早期発見といわれるのは、一般的にしこりの大きさが2cm以下のもの。しかし、乳がんの場合はしこりだけではなくリンパ節への転移があるかどうか、また遠隔への転移があるかどうかも判断基準とされる。しこりの大きさにかかわらず、とにかく「あれ?」と思ったらすぐに病院での診察を受けよう。
早めに専門医を受診しよう
病院へ行く場合には、乳腺を専門とする医師に診てもらうのがよい。「乳腺外科」という診療科目がある病院があればそれが望ましい。もしくはがん検診センターなどを受診しよう。もしどの病院に行けばよいのか分からない場合には、かかりつけの医師や近くの産婦人科に相談して紹介してもらうのもよいだろう。