焼肉と並んで韓国料理の代表・キムチ。乳酸菌や豊富なビタミン類が含まれた優れた食材でもあります。キムチの種類や栄養価などをご紹介します。
毎日の食卓でおなじみの「キムチ」。もはや韓国料理という枠を超え、すっかり日本人にも浸透している。日本国内でキムチが焼肉と共にメジャーになったのは戦後のこと。昭和30年頃を境に商品化が始まり、40年代に入って一般的に普及していったと言われる。
キムチとは朝鮮語で「漬物」の意味。なんともシンプルだが、もちろん、ほかの漬物とキムチにはれっきとした違いがある。さらにキムチを定義すれば、「韓国の漬物の総称。白菜、大根などを塩漬けにし、さらに魚介の干物、とうがらし、ニンニクなどを混ぜて漬け込んだ、発酵食品」ということになる。つまり塩漬けした白菜や大根などの原料に、様々な薬味(粉とうがらし、ニンニク、ショウガ、ねぎなど)を混ぜ合わせ、低温で熟成させた発酵食品がキムチなのだ。
日常の食生活で思うように栄養素が摂れなかった昔、冬場はキムチがカルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウムなど各種ミネラルの供給源となり、体にとって必要な栄養分の補給源だったと考えられる。
キムチの作り方は大きく3つに分けられる。
多種多様なキムチ、ここでは代表的なものを紹介しよう。
ペチュキムチ | やっぱりキムチの主流といえばこれ!しかし意外にも新しく、せいぜい一世紀半ほどの歴史しかない。 |
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カットウギ | 大根を四角に切って作るキムチ。大根は白菜に次いでキムチの基本要素になる野菜。 |
オイキムチ | きゅうりには発酵・熟成が行われやすいという特徴があり、西洋でもきゅうりを主材料としたピクルスという漬物がある。 |
プッナムルキムチ | 山東菜、小松菜、大根や白菜の間引き菜、山菜などの青菜を用いる。白菜品種が出回るまではこちらが主流だった。 |
ムルキムチ | 主材料:水気の多いキムチ 粉とうがらし、塩辛などの薬味をほとんど加えないで作る漬け汁の多いキムチ。大根や白菜などの材料に塩をし、多量の水分を加えて発酵させる。できあがりの汁も食べる。ちなみに大根の水キムチのことを「トンチミ」という。 |
韓国のスポーツ選手が遠征する際にはキムチが欠かせないという。実際にキムチは栄養価が高く、優れた食材なのだ。
ほかにも、薬味に欠かせない「ニンニク」には中性脂肪を減らしたり、動脈硬化予防やスタミナアップの効果があることがわかっている。また、「ショウガ」の香りには脳を活性化させるはたらきがあることが知られている。