アレルギーは、病気の中でも「個性的」な病気だ。
その原因や発症が複雑で、ひとりひとり異なり、確実な原因やアレルゲンが特定できないこともめずらしくない。しかしそのなかでも多く見られる、現代日本の主な三大アレルギーは以下の通りだ。
それまで何のアレルギーもなかった人が、突然発症することが激増している現代的なアレルギーのひとつ。花粉がアレルゲン*となる。
日本の生活環境の激変により、特に子どもたちの間で増えている。食物アレルギーと重なることが多いが、正確なアレルゲン*が特定しにくい。
「ぜんそく」は、かつては特定の工業地域や幹線道路ぞいに発症することが多かったが、日本全体の大気汚染と、アレルギー体質の人の増加によって、日本人に「一般化」してきている。
*アレルゲン:アレルギーを引き起こす原因となるもので、確認されているものだけで200近くある。花粉、ダニの死骸、ホルムアルデヒドなどの代表的なものだけでなく、寒さなどもアレルゲンとなる。
こうしたアレルギーに共通するのは「体を守るために備わった免疫機能が、あるアレルゲンに対して過剰にはたらいてしまう」ことで起こる病気ということだ。本来、免疫がはたらくのは「体に害のあるもの」がターゲットなのだが、アレルギー体質の人では「日常に一般的にある、毒性がない・強くないもの」もターゲット=アレルゲンとなってしまうのだ。
アレルギーで心配なのは「体質だから仕方ない」とあきらめきってしまうと、新たな症状に進行することがあるということだ。
注:アレルギー体質の人が必ず進行するということではない。