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禁煙継続の秘けつ3/禁煙効果の確認(3) 効果のコメント

効果のコメント

チェックリストに記入した各項目について、コメントを加えました。参考にしてください。

せきやたんがとまった

禁煙により、たばこの煙によって運び込まれる種々のごみや気道刺激物質が減るため、せきやたんが少なくなります。禁煙開始後間もない頃は、気管の繊毛が修復され始め、今まで肺内に蓄積されたタールなどを体外に出そうとするため、逆にせきやたんが増えることもあります。しかし、2~3週間もすると改善してきたはずです。
もしも、禁煙後1ヵ月以上過ぎてもせきやたんが続く時は、たばこによるものではないかもしれないので、胸部のX線撮影をしてもらいましょう。

呼吸が楽になった

禁煙により呼吸が楽になる原因には、次のようなものが考えられます。

  • 血中の一酸化炭素が消失して、酸素と赤血球中のヘモグロビンとの結合がスムーズに行われるようになったことで換気効率が良くなった
  • ニコチンにより収縮していた気道や毛細血管が拡張することによって換気効率が良くなった
  • 末梢組織におけるガス交換がうまく行くようになった

このように体中で、禁煙の効果が出てきています。その調子で頑張りましょう。

目覚めがさわやかになった

今までの起床時は、体内のニコチンが欠乏した状態だったために、不快な症状があったかもしれません。しかし、ニコチンの離脱症状が無くなったあとは、さわやかな朝を迎えていることでしょう。この朝がいつまでも続くように禁煙を継続してください。

歯を磨く時の吐き気がなくなった

禁煙により、胃の調子が良くなり、胃酸の逆流が起こりにくくなって吐き気が少なくなったはずです。また、歯のヤニが減ってきたので、強く磨く必要がなくなったのかもしれません。

食べ物の味が良くなり、食欲が出てきた

禁煙により、口の中のニコチンやタールなどのイヤなにおいが消え、食事のにおいがはっきり分かるようになったことが、大きな原因です。それに加えて、味を感じる味蕾(らい)細胞は、新陳代謝が早いため、たばこによる障害からすぐに回復し、味がよく分かるようになってきたのです。
さらに、禁煙によって腸管の運動が活発になるので、食欲も出てきます。
このため、禁煙後には体重が増えやすいので、禁煙継続が安定してきたら、体重のことも考慮しながら禁煙を続けます。

胃の調子が良くなり、食欲が出てきた

禁煙により、胃の調子が良くなります。これはこれまで、口の中からニコチンやタールが胃に流れ込み、胃がもたれていたことや、ニコチンによる血管収縮で胃粘膜の血流が低下して胃の運動が低下していたことなどが改善されたためです。
しかし、食欲が出ると体重が増加しがちです。禁煙継続が安定してきたら、肥満対策にも気を配りましょう。

顔色が良くなった

禁煙により、皮膚の毛細血管の血流が良くなって顔が赤く見えることや、肺での酸素化が良くなり血液の色がより赤くなってきたことなどが原因です。
また、家庭内の鏡や電灯などの表面に常に付いていたたばこのヤニによる汚れが無くなって、クリアに見えるために、顔色が良くなった感じがするということも考えられます。
他人から見ると、いつも煙越しに見ていた顔が直接見えるので、顔色が良くなったと言われるのかもしれません。

肩凝りがなくなった

肩凝りは、肩の筋肉に疲労物質が溜まることにより引き起こされます。禁煙により、毛細血管の血流が良くなり、疲労物質が筋肉より洗い流されることで肩凝りから開放されます。この状態が続くように禁煙を続けませんか。

花の香りがよく分かるようになった

禁煙により、鼻中にあったたばこのにおいが消えたことと、においを感じる細胞が回復したことにより、外界のにおいが敏感に分かるようになったのです。
これを機に、リラクセーションのためにアロマテラピーでも始めてみませんか。たばこでは得られなかったようなリラックスした気分が得られるかもしれません。

カラオケで声がよく出るようになった

禁煙により、呼吸が楽になったこと、タールで汚れた声帯がきれいになって動きやすくなったことから、声がよく出るようになったのです。また、禁煙しているとカラオケボックス内の空気も汚れず、声が出やすいのかもしれません。

眼鏡のレンズの汚れが少なくなった

たばこの煙は直接眼鏡に当たっていたので、禁煙開始後間もなく感じられるメリットです。この効果は、周囲のたばこを吸わない人にも出ているので、きっと喜ばれているはずです。

人に不快感を与える心配が無くなった

周りの人に気を使いながら吸っていたたばこは、さぞおいしくなかったでしょう。非喫煙者にとってたばこの煙は、喫煙者の想像をはるかに超えて嫌なものです。禁煙は、自分自身だけでなく、家族や知人など周りの人も非常に喜んでいることを知っておきましょう。

たばこやライターなど、持ち物が少なくなった

最近はたばこ、ライター、携帯電話、モバイルパソコンなど、持ち歩く小物は増える一方です。禁煙することで、たばこ、ライターを持たなくて良くなり、その分、身軽になったわけです。

小遣いが減らなくてすむようになった

250円のたばこなら、一日一箱吸うと1週間で1750円、1ヵ月では、約7500円、1年では、なんと約9万円の節約になります。禁煙を1年間続けて、浮いたお金で小旅行などに行くのもいいアイディアです。

火事の心配をしなくてすむようになった

火事の原因の多くは、たばこの不始末です。禁煙はたばこによる火事を起こす心配がなくなったことでもあります。

仕事や家庭でも自信がつき、人生観が変わった

禁煙は、喫煙者にとって非常に困難なハードルです。これを越えられたことは非常に誇らしいことで、称賛を受けるに値します。これは大きな自信につながります。