ゴマに含まれる「セサミン」を摂取した人は、飲酒で顔が赤くなっても早く酔いがさめるのだとか。お酒に強い人でもセサミンにはアルコール分解を助けるはたらきがあるので、ゴマを食べてお酒を飲むと二日酔いが避けられやすいといえそうです。
ラットを使った動物実験では、ゴマリグナンの一種セサミンには、血液中のコレステロールの上昇をおさえるはたらきがあることがわかっている。ラットを、
に分けて実験したところ、セサミンやトコフェロールを加えて与えたラットは、与えていないラットより明らかに総コレステロールの上昇がおさえられていたのだ。しかも、善玉コレステロールは増えていた。セサミンには、コレステロールの吸収を妨げるはたらきがあるのかもしれない。
グループ | 血清コレステロール(mg/ml) | |
---|---|---|
総コレステロール | HDLコレステロール | |
高コレステロール食 | 492 (±66) | 7.3 (±1.7) |
高コレステロール食 +0.2%セサミン |
347 (±157) | 10.0 (±2.6) |
高コレステロール食 +0.2%セサミン +0.2%トコフェロール |
243 (±11) | 12.8 (±4.3) |
高コレステロール食 +0,2%セサミン +1.0%トコフェロール |
184 (±32) | 17.7 (±2.8) |
出典:「ゴマはなぜからだによいのか」 チクマ秀版社
アルコールに弱い成人男性で、セサミンをあらかじめ1日当たり100mg、1週間つづけて摂取した人とセサミンを摂取しなかった人では、飲酒後顔面の温度の変化にどのくらい違いがあるのかを調べた、おもしろい実験がある。
はじめのうちは、セサミンの摂取にはかわりなく顔面温度が上昇する(顔が赤くなる)が、30分もするとセサミンを摂取していたグループは、顔面の温度が下がるのが速かったのだ。つまり、セサミンを摂取している人は、飲酒で顔が赤くなっても早く酔いがさめるというわけだ。
もちろん、お酒に強い人でもセサミンにはアルコール分解を助けるはたらきがあるので、ゴマを食べてお酒を飲むと二日酔いが避けられやすい。
ゴマには食物繊維が豊富に含まれている。ほとんど消化されることがないまま、腸へ送られる食物繊維は便を柔らかくしてかさを増やし、スムーズに直腸へ送られるはたらきがある。このため、便秘の予防や解消に役立つというわけだ。
もちろん、ゴマばかりを食べることはなかなかできないので、ごぼうサラダにゴマを混ぜたり、海草にゴマをふりかけて食べるなど、ほかの食品と合わせて食べるのがいいだろう。
参考文献:「ゴマ」 並木満夫・福田靖子監修 NHK出版
皮膚の新陳代謝を活発にする栄養素には、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ナイアシン、たんぱく質などいろいろあるが、ゴマにはビタミンC以外の栄養素がすべて含まれている。とくに、ビタミンCとゴマに含まれる鉄を一緒に食べると、体内でコラーゲン(皮膚の組織で重要な役割を果たしているたんぱく質のひとつ)を合成しやすくなるのだ。ゴマ油は、ボディーオイルとしても使われるほど。
現代社会はストレスのかたまり。ゴマには、ストレスを和らげるはたらきがあるという。
セロトニンという物質は、精神安定、鎮痛、睡眠などの作用がある、神経伝達物質である。このセロトニンは、アミノ酸の一種であるトリプトファンが、脳に運ばれてビタミンB6やマグネシウムなどとともに作られる物質だ。つまり、トリプトファンを多くとれば、脳のトリプトファン濃度が高くなってセロトニンが増え、ストレスを和らげることができるのだ。ゴマには、トリプトファンやビタミンB6といった栄養素が多く含まれている。