おしえて先生

糖尿病、肝機能障害で高齢、薬の服用は

こるは(#)・50~59歳女性 2009/01/09 投稿

私の母(75歳)の病状に関してご相談させて頂きます。
母は、数年前、C型肝炎から肝がんを発症し、2度に渡って、カテーテルで患部を焼く手術を受けました。現在、週3回、グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩の注射を受けています。ただ、糖尿病を併発し、インシュリン注射も自宅で毎日続けています。
最近、肝機能障害からの肝性脳症を起こし、肝不全用成分栄養剤を服用するように病院で指示されました。肝不全用成分栄養剤はカロリーが高く、重度の糖尿患者や高齢者には適さないとされているようですが、母が続けても大丈夫でしょうか。

血糖値の上昇に対してはインスリン注射の量で加減し、低血糖にも注意を。

肝機能が障害されてくると、糖尿病が発症しやすくなります。
肝機能障害が高度になり、肝性脳症を起こすようになると、それだけでも、日常生活に著しい支障を起こし、危険な状態です。そこで、その症状の改善に肝不全用成分栄養剤がすすめられます。
肝不全用成分栄養剤による血糖値の上昇に対しては、インスリン注射の量で加減する必要があると考えられます。また、低血糖にもなり易いので、あまり低下させないように注意して下さい。

ご回答いただいた

板倉弘重 先生

ドクター
ご活躍の場所 日本動脈硬化学会 名誉会員
日本ポリフェノール学会 理事長
日本栄養・食糧学会 名誉会員
日本臨床栄養学会 理事長
国立健康・栄養研究所臨床栄養部長
ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授
ご専門 動脈硬化、栄養関係、高脂血症、糖尿病、高血圧など 認定臨床栄養指導医
ご経歴 東京大学大学院医学研究科博士課程修了後、同大学第三内科入局。
カリフォルニア大学サンフランシスコ心臓血管研究所留学、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授。
2000年から2010年まで茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授。
日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。
2006年「瑞宝双光章」受賞。
2009年度国際栄養学連合(IUNS)のFellowに認定(栄養学研究分野で顕著な貢献をした世界の研究者10名の1人)。
2010年「動脈硬化疾患の予防と治療に関する栄養学的研究」により日本栄養・食糧学会功労賞を受賞。
芝浦スリーワンクリニック名誉院長
所属団体 日本内科学会、日本動脈硬化学会 名誉会員、日本ポリフェノール学会 理事長、日本老年医学会、日本肥満学会、日本栄養・食糧学会 名誉会員、日本臨床栄養学会 監事、日本栄養改善学会、日本健康・栄養システム学会 理事長
先生からの一言 楽しく健康になりましょう。