おしえて先生

片頭痛の薬、飲み過ぎでどうなる?

ゆりヤギ(#)・40~49歳女性 2008/10/29 投稿

最近、指示容量内で薬が効かず、「この苦しみから逃れられるなら…!」と、規定量以上飲んでしまわずにいられません。いけない事とはわかっていますが、SOS!!という感じで…。片頭痛が起こるのは、月に2~3回のペースなのですが、最近、薬が効かなくなってきて大変困っています。これまでに、エレトリプタン臭化水素酸塩エルゴタミン酒石酸塩無水カフェインイソプロピルアンチピリンスマトリプタンを服用しています。過去に、「指示容量内いっぱいに服用済み→痛み治まらず→我慢→嘔吐→嘔吐が止まらない→どうにもならない…」状態に至ったことがあり、あの地獄の苦しみを思うと、最近では規定量をオーバーして服用してしまいます。
かかりつけの医師に相談し、漢方薬との併用も行っていますが、効果がいまひとつです…(泣)。果たして、片頭痛薬を飲みすぎると、どのような弊害が起こるのでしょうか?
そういえば、私は、子どもの頃、普段は健康優良児だったにもかかわらず、中学生までは、年に1~2回ペースで、「嘔吐を繰り返す→点滴→それでも吐く→点滴…」という症状が出て、とても辛い思いをしました。大人になってからは、この発作は起こらなくなった代わりに、片頭痛に悩まされることになるとは思いませんでした。この先もずっと片頭痛と付き合っていかなければならないとすると、服用過多による害を知っておきたいと思い、お尋ねいたします。
また、今は片頭痛ですが、将来的に、子ども時代の嘔吐地獄が復活してしまう…なんて事はないでしょうか?(そちらの方が嫌なので…(恐))どうぞよろしくお願いいたします。

規定の量以上の服用は大変危険です。頭痛外来などの受診もご検討なさっては。

こんにちはゆりヤギさん。ゆりヤギさんは、片頭痛で本当に辛い思いをされていらっしゃるのですね。しかし、お薬を規定の量以上服用しては、危険だと思います。どんなお薬でも副作用の起こる可能性はあり、副作用はなるべく避けたいものです。そのためには、決められた用法用量をきちんと守ることです。用法用量を守らなかったせいで副作用が起こったケースは、とても多いのです。ですから、処方された薬以外は勝手に飲まないこと、薬の飲み方をきちんと守ること、薬を飲み忘れないこと、と言ったことはとても重要なのです。
片頭痛の薬物療法には大きく分けて二つの方法があり、一つは頭痛発作が出たときに対処する方法(頭痛抑制治療)と、もう一つは頭痛を出にくくする治療法(頭痛予防治療)です。たいていの場合、頭痛抑制治療から開始し、症状が強かったり、頭痛の回数が多かったりした場合に、頭痛予防治療を追加します。ゆりヤギさんの飲まれているお薬は、頭痛抑制薬です。エレトリプタン臭化水素酸塩スマトリプタンは新しいタイプの片頭痛薬で、片頭痛を速やかに改善します。
すべての薬について言えることですが、用法用量を守ることはとても大切です。たとえば、エレトリプタン臭化水素酸塩は食生活とのかかわりが強いので注意が必要です。グレープフルーツジュースは、エレトリプタン臭化水素酸塩の薬の作用を強める可能性があります。エレトリプタン臭化水素酸塩を服用している時に、普通なら問題ない量のグレープフルーツを食べたり飲んだりしただけで、副作用が出るなどの可能性があります。
エルゴタミン酒石酸塩無水カフェインイソプロピルアンチピリンは前駆症状(病気や発作の前兆としてあらわれる症状)のうちに服用すると効果がありますが、頭痛が起きた後では効果は小さいです。
また、用量を超えて服用すると薬物を分解し排泄にかかわる腎臓などの臓器に負担がかかり、その結果としてその臓器を傷めてしまいます。その他に考えられることとしまして、時間がたってもまだ薬が体内に残ってしまい、そこに新たに薬を飲むと血中濃度(血液中のお薬の濃度)が異常に高くなるなどの危険があります。
これによって同じお薬なら副作用が増強され、違うお薬でも相互の飲み合わせにより不具合が生じることがあります。これらは医師にとっては計算外の危険ですので、医師から指示された用法・用量は必ず守ってください。薬の効果が薄いと思うようでしたら、速やかに受診され、医師に薬の種類や用法用量について、あらためて相談されるのがよいでしょう。その際、指示された用量を超えて服用していたことを医師にお伝えになってください。
子供時代の嘔吐などが復活するかどうかは、ご相談の文面だけでは何とも申し上げようがありませんが、対処・予防方法としては、(1)頭痛が起きたときは横になる、(できれば静かな部屋で) (2)騒音やまぶしい場所を避ける、(3)睡眠時間に留意し、とくに昼寝のし過ぎに注意する、(4)アルコールの飲みすぎには注意する、(5)空腹時は起こりやすいので留意する、(6)チョコレートや赤ワインは避ける、などがあげられます。またカフェインも効果的ですので、コーヒーや緑茶を飲むのも良いと言われています。ちょっとした注意で片頭痛の引き金となるこれらのものを避けることができます。
また、現在では、頭痛を専門にしている頭痛外来もありますので、一度受診されてみるのも良いでしょう。
頭痛」ライブラリや「薬の知識・ジェネリック」ライブラリもご参考になさって下さいね。

ご回答いただいた

HelCナース

ナース
ナースからの一言
「おしえて先生」には日々、さまざまな質問が寄せられています。
なかには「お薬を飲み忘れない方法を教えて欲しい」「自分にあった医療機関を探したいけど、どうやって探せば良いかわからない」など、医師の専門性だけではお答えできないようなお悩みをいただくことが多くあります。そういった身近で幅広い質問にできる限りお答えしたいという想いから、シミックグループで働くスタッフが回答しています。シミックグループでは、看護師資格をもち、なおかつ臨床経験の豊富なスタッフが大勢働いています。