「恥ずかしいから」と病院に行かない人も多い痔。症状が大腸がんと紛らわしいこともあり、放置しておくのは危険です。また、女性特有の痔になりやすい要因もご紹介します。 目次 痔の3タイプ 注意!痔と大腸がんの「よく似た症状」 実は多い!?女性の「痔主」 痔の3タイプ 日本人にとって、痔はポピュラーな病気だと言えるだろう。自分が痔であることに気付いていない、潜在痔主も多いと考えられている。痔には、大きく分けて3つのタイプがある。 痔核(イボ痔) 肛門の血行不良で、毛細血管の一部がこぶ状になったもの。ポタポタ、またはシャーッと出血する。 裂肛(キレ痔) 硬い便で肛門の粘膜が裂けて起こる。痛みと、トイレットペーパーにつく程度の出血がある。 痔ろう(アナ痔) 肛門の周りに激痛と発熱を伴うおできができる。治ったと思っても再発しやすい。 注意!痔と大腸がんの「よく似た症状」 血便や肛門からの出血があったときに「いつもの痔だろう」とたかをくくっていたら、実は大腸がんだったというケースもある。40歳以上で、血便や出血がたびたび起きるようなら、念のため大腸がんの可能性を疑っておいたほうがいいだろう。 痔と大腸がんは、血便や出血のほかにも「便秘になる」「便が細くなる」など、似た症状がある。市販の痔の薬を使っても症状が改善されない場合、早めに病院で診てもらおう。 なお、これらの症状は、以下の病気でもみられることがある。 大腸(直腸)ポリープ 直腸脱 大腸憩室(だいちょうけいしつ)症 肛門掻痒(こうもんそうよう)症 見張りイボ 尖圭(せんけい)コンジローム 大腸がん検診を受けに行こう! 実は多い!?女性の「痔主」 痔は男性に多い病気というイメージがあるが、意外にも女性の「痔主」も多いもの。女性特有の痔のリスクもあるので、普段から気をつけていよう。 便秘しやすい 便秘は痔の大敵。女性は男性に比べて便意を我慢しがちなので、便秘しやすい傾向がある。さらに生理前には女性ホルモン(黄体ホルモン)の影響で腸の蠕動(ぜんどう)運動が鈍くなり、便秘を起こしやすくなることもある。 冷え性になりやすい 薄着になる機会が多い、体の脂肪が厚くて一度冷えたら温まりにくいなどの理由により、女性は男性よりも冷え性になりやすい。体が冷えると肛門周りの血流が悪くなって、うっ血から痔を招いてしまう。 妊娠中、便が出にくい 妊娠中は女性ホルモン(黄体ホルモン)の影響で便秘がちになるとともに、大きくなった子宮が大腸を圧迫して便が出にくくなるため、痔になりやすい。 出産時のいきみが肛門に負担をかける 出産時にはかなりの力でいきむため、肛門に負担がかかり、イボ痔やキレ痔になることもある。 ■関連記事 がん10年生存率は56.3%、80%以上は前立腺、甲状腺、乳房、子宮体など 国立がん研究センター/全国がんセンター協議会 こんな自覚症状には要注意!早期発見でがんに打ち勝つ 食道がん公開セカンドオピニオンで悩み解決、専門医・薬剤師・患者会がコラボライブ もし、がんにかかったら…入院日数や費用はどのくらいかかる? がん告知で「びっくり退職」はちょっと待った!サバイバー伝授!がんとお金(2) 婦人科がん(子宮・卵巣のがん)の発症リスクと治療後のむくみ対策 キャンサーフィットネス・リンパ浮腫患者スクール 公開日:2002年11月5日更新日:2020/09/25
なぜ人間は痔になるのでしょうか?歴史上の有名人も痔に悩んでいたという話もあるようです。そのほか、痔にやさしい生活についてもご紹介します。 目次 直立二足歩行が痔の原因? この人たちも「痔主」だった!? もっとお尻をいたわろう! 直立二足歩行が痔の原因? 肛門は周囲にある筋肉(内・外括約筋)と粘膜だけではぴったり閉じることができず、すき間をふさぐために肛門の粘膜の下には細い血管が集まった静脈叢(そう)や平滑筋、弾性繊維などの結合織がつくるクッションと呼ばれる部位がある。実はこのクッション組織、30歳を過ぎる頃から老化が始まると言われている。 また、人間が進化して直立二足歩行するようになったことも、肛門に過酷な状況を作っていると考えられる。人間のように2本の足で立つようになると、上体の体重が肛門の周辺に集中してかかるために、筋肉や血管が収縮し、血流が悪くなって痔を招きやすくなってしまうというわけだ。 この人たちも「痔主」だった!? 「医学の父」「医聖」などと呼ばれるヒポクラテス。彼が生きていた古代ギリシャ(紀元前460年?~370年?)の時代から、痔という病気は既に存在していた。こんな有名人たちも「痔主」のひとりだったとか。 ナポレオン(1769-1821) 「余の辞書には不可能という文字はない」と言い切った彼も、痔には勝てなかった!?1815年、ワーテルローの戦いに敗れる数日前に血栓性の痔核に悩まされていたらしい。この敗北がきっかけでセントヘレナ島に流されてしまい、生涯を閉じることに。 松尾芭蕉(1644~1694) 「奥の細道」の著者、松尾芭蕉は、キレ痔と疝気(せんき=腹部の疼痛)を患っていた。「奥の細道」の旅で芭蕉の痔は悪化してしまい、こんな句を残している。 「持病さへおこりて、消入計(きえいるばかり)になん」(奥の細道) 夏目漱石(1867-1916) 胃潰瘍とともに文豪を苦しませたのが痔。痔の手術で入院中、友人への手紙の中で「…僕の手術は乃木大将の自殺と同じ位の苦しみあるものと御承知ありて、崇高なる御同情を賜はり度候」と書いてある。また、小説「明暗」の物語も主人公が痔の治療をしているところから始まっている。 マーラー(1860~1911) 「やがて私の時代がくる」と豪語したマーラー。オーストリアの作曲家・指揮者で、10曲に及ぶ長大な交響曲が特に有名。そんな彼の持病が痔。ウィーン国立歌劇場の総監督に就任中、命にかかわる大出血をしている。 もっとお尻をいたわろう! 痔は生活習慣病のひとつ。毎日の生活を見直すことで予防や改善ができるもの。 食物繊維とビフィズス菌を摂って快便を目指そう 痔の原因、便秘を解消するためには食物繊維が欠かせない。野菜、豆類、穀類、海草やきのこなどを十分食べて、毎日、すっきりお通じがあるようにしよう。 また、腸内に住み着く善玉菌には、食物の消化吸収を助け便通をよくするはたらきがある。善玉菌の代表は乳酸菌のひとつ、ビフィズス菌。牛乳やヨーグルトなどに含まれる乳糖や、大豆・たまねぎなどに含まれるオリゴ糖にはビフィズス菌を増やすはたらきがあるので、便秘がちの人にはおすすめ。 一方、下痢も痔の原因のひとつ。特に便秘と下痢を繰り返すことで肛門に大変な負担がかかってしまう。快便を目指すには暴飲暴食をやめ、バランスのとれた食生活を送ることが大切だ。特に食物繊維は下痢の改善効果も期待できるので、積極的に摂ろう。 香辛料やアルコールは控えめに 唐辛子やこしょうなどの香辛料は消化されずにそのまま排泄され、排便の際に肛門の粘膜を刺激し、キレ痔やイボ痔の原因になったり悪化させたりすることもある。香辛料はほどほどに。またアルコール類を摂り過ぎると、肛門のクッション部にある静脈などの細い血管が拡張してそのままうっ血につながる場合があるので、過度の飲酒は禁物。 適度な運動を心がけよう 運動不足も便秘のモト。腸の運動や排便を促す筋肉が弱り、便が出にくくなってしまうのだ。ウォーキングやストレッチなど、手軽にできるものを毎日の生活に取り入れたい。 また長時間のデスクワークや座りっぱなし、立ちっぱなしの姿勢でいるときは時々軽く体操をするなどして足腰の血行を促すようにしよう。 トイレタイムはなるべく短く トイレで座っている姿勢がお尻の血行を悪くし肛門に負担をかけてしまい、イボ痔を作ったり悪化させることも。1回の排便時間はなるべく短く、3分以内にすませられれば理想的。 どうしても長く頑張らないと排便できないという人は、朝起きてコップ1杯の水や野菜ジュースを飲んだり、お腹のツボやマッサージをしたりして、自分なりにうまく「出す」コツを見つけては? また、便座が冷たかったりするとお尻を冷やす原因に。寒い時期は暖房便座やカバーなどで冷えない工夫を。お尻丸出しで新聞や本を読むのもやめよう。 冷えを追い出そう 冷えは痔の大敵。ゆっくりと湯船につかることで肛門周りの血行がよくなり、痔の予防や改善に。また、使い捨てカイロや暖かい下着などを利用して、くれぐれも体を冷やさないようにしよう。 公開日:2002年11月5日
決して恥ずかしい病気じゃないのに、秘密にされがちな「痔」。なぜ、痔になるのでしょうか?痔の3つのタイプについてご紹介します。 目次 「痔」ってどんなもの?痔の三大疾患 その原因は「便秘」「姿勢」 肛門の構造 「痔」ってどんなもの?痔の三大疾患 人に言うにはちょっと恥ずかしい病気の「痔」。オジサンに多い病気かと思えば、実はそうでもなく若い女性でも痔持ちは多い。たとえお尻が痛くても、出血しても、恥ずかしさからなかなか病院へ行けず、そして悪化してしまう人も多いようだ。 そんな「痔」だが、主に3つの種類があるという。 痔核(=イボ痔) 最も多いのがこのタイプ。排便時や長時間座りっぱなしなどで刺激を受けた肛門の血管が、部分的に腫れてイボ状になったもの。肛門の歯状線の部分より、外側にできたものを外痔核、内側にできたものを内痔核という。内痔核は痛みがないが出血しやすく、外痔核は出血は少ないが痛みがあるという特徴がある。 裂肛(=キレ痔) 肛門縁(肛門の出口)から1.5cmほどの所は表面が皮膚に似た上皮で覆われていて、肛門と呼ばれるが、この部分にできた傷を裂肛という。主に便秘で硬くなった便を無理に出そうとする時に肛門が裂けたり、便で傷つけることがある。出血することもあるが、ほとんどの場合少量。 痔瘻(じろう=アナ痔) 肛門が化膿した後に膿(うみ)が出て、その穴がいつまでも治らず、ずっと膿が出つづけたり、いったん治ったかと思ってもまた膿が出るタイプ。肛門の周辺に膿がたまった状態を「肛門周囲膿瘍」といい、この段階では肛門の周りが腫れて熱を出し、激しく痛む。 その原因は「便秘」「姿勢」 なぜ痔になるのだろうか。 そもそも、犬や猫には痔はない、という。それは、人が直立歩行をする動物であるからだとも言われている。犬や猫は心臓と肛門が同じ高さにあり、それほど肛門付近の血管に圧力がかからないが、人は心臓が高い位置にあるため、肛門付近の血管がうっ血し、肛門に負担をかけているのだ。 そのほか、こんなことが原因だとか。 ●便秘でいつも硬い便をいきんでしている。また、下痢症の人も痔になる ●アルコール、たばこ、辛いものが好き ●長時間同じ姿勢を続ける(座りっぱなし、立ちっぱなし) ●妊娠、出産 ●遺伝的な要素 これらはイボ痔ができやすい原因だが、とくに排便のリズムが崩れると、キレ痔にもなる。さらに、下痢などの場合、肛門の肛門腺窩というポケットに便が入り込んで化膿し、アナ痔になりやすいのだ。 便秘も下痢も痔には要注意だ! 肛門の構造 肛門ってどんな構造なのか、見たことはあるだろうか。 出血や痛みでもない限り、自分の肛門を見たことはない人がほとんどだろう。というわけで、肛門の構造を図で紹介しよう。 肛門は直腸とつながった構造をしており、そこにギザギザの線のように見える歯状線がある。歯状線の部分には、十ヵ所前後のくぼみ「肛門小窩」があり、その奥に肛門線が開口している。 肛門上皮と直腸下部の粘膜の下には、網目のように血管が豊富に集まっている。これを「肛門静脈叢」といい、この部分の血管が膨らんで静脈瘤になったものがイボ痔なのだ。 公開日:2002年2月18日
排便リズムの狂いが、最大の敵。硬い便をしているうちに、肛門が傷つけられ、排便時に痛みを感じ、強く力むことができなくなります。痛みを恐れて排便しづらくなり、その結果、ますます硬い便になり、痔を悪化させてしまうことに。まずは快便生活を目指しましょう。 目次 便秘は最大の敵 よい「ウンチ」とは? 快便生活のために 恥ずかしがらず病院へ行こう 便秘は最大の敵 これまでにも出てきたが、排便リズムの狂いは便秘の最大の敵。硬い便をしているうちに、肛門が傷つけられ、排便時に痛みを感じ、強く力むことができなくなる。すると便が残るが、痛みを恐れてつい我慢してしまい、その結果便秘になりますます硬い便になり、痔を悪化させてしまう、という悪循環に陥ってしまうのだ。 この悪循環に陥らないためには、快便生活を送ることがまず必須条件なのである。 よい「ウンチ」とは? ウンチは人が食べたもののうち、最終的に不要物となったものが肛門から排出されたもの。ただ出ればいい、というものでもなく、出るなら「よいウンチ」として出すべきである。 よい「ウンチ」 ●毎日、または隔日にスムーズに出ること ●水分をある程度含み、崩れそうで崩れないくらいの硬さ ●色は黄褐色。食事内容や薬剤の服用などで変化するが、体に長く停滞するほど色が濃くなる 悪いウンチ ●カチカチ状の硬いもの ●ウサギの糞のようにコロコロしたもの ●水分が多く、形が作れないようなもの 快便生活のために 便秘や下痢で悩まされている人は、それなりに解消法を試しているはず。でも、なかなか治らない、というのが現実のようだ。それは、一時的に食べ物や生活習慣を変えても快便になるわけではなく、長時間かけて改善しなければ快便生活は送れないのだ。 試そう!便秘解消法 ●朝、起きたらすぐに冷たい水を一気に飲む ●食物繊維をたっぷりとる ●三食きちんととる。とくに、朝食抜きはもってのほか ●便意を催したら我慢しない ●ストレスを溜めない ●おなかをマッサージして刺激する ●腹筋を強化する 恥ずかしがらず病院へ行こう 「痔かな?」と思っても、それだけでは病院へ行きづらい。たいていは、イボや出血に気がつき、「もしかしてがん!?」と思って心配になり、病院へ行くようだ。 意を決して病院へ行く場合、何科に行くのがいいのだろうか。 本来、痔の専門といえば「肛門科」であるが、特に女性は「なんだか、恥ずかしい」と思うよう。それなら、「産婦人科」へ行くという手もあるようだ。しかし、やはり専門ではないため薬を処方される程度なので、痔だと診断されたら肛門科へ行ってみよう。 治療の時はどんな姿勢になるの? 病院へ行くのが恥ずかしい、という理由のひとつに、診察の時にどんな姿勢をとるんだろう?という不安がある。そこで、代表的なものをイラストにしてみた。 このような姿勢になり、たいてい医師が直接指を肛門に入れて診察する。その後は、病院によって差があるようなので、もし診察してもらって「おや?」と思うようなら、ほかの病院へ行こう。最初に訪れた病院に通院し続けることはない。 公開日:2002年2月18日
便秘が原因で起こる不調は、体の外側に出ることが多いようです。美容の悩みを持っている人は、まず、お腹の中からきれいにしましょう。これまでずっと気になっていたことが、便通とともにスッキリ解消するかもしれません。 目次 便秘解消で治る!? 美容の悩み 便秘を放っておくと大腸がんになることも 便秘解消で治る!? 美容の悩み 吹き出物・肌荒れ 便秘に悩んでいる人の多くが肌のトラブルも持っています。 便秘との関係のメカニズムは、まだはっきりわかってはいませんが、体の新陳代謝が悪くなりホルモンの代謝が落ちる、自律神経のはたらきが低下して、皮膚の血行が悪くなるなどの説があります。 いずれにしても、便秘解消とともに肌のトラブルもよくなるケースも多いようですので、両者に悩むならぜひ便秘解消に努めましょう。 おなかが張る 何となくお腹が重かったり、内側から張ってきたりするような感じは、日常生活に支障はないものの不愉快な悩みです。 便は腸内をゆっくり進んでいるうちに、発酵して臭いガスを発生します。しかし、ガスの出口は便でふさがっているため、腸内にガスがたまってしまうのです。 ちなみに、こういう状態のときのオナラはかなり臭いようです。心当たりがある人は、食生活中心に便秘解消の努力を行いましょう。 腰痛・肩こり・頭痛 腸の中にガスがたまることによって、背中や腰を圧迫するために痛みが起こるようです。肩こりや頭痛は、便秘によって自律神経のバランスを崩すことが原因と考えられています。 口臭 便秘による胃や腸の不調が原因で、口臭が出たり臭いゲップになることがあります。 痔 イボ痔は固い便が肛門を通るたびに静脈をうっ血させ、一部が飛び出してしまう症状です。また、固い便によって肛門が裂けてしまうのが切れ痔です。 こういった症状が出てしまうとなかなか治りにくくなります。肛門はしばらく使わないで休ませることができないからです。しかも、肛門が痛むのがイヤで便意をがまんしているうちに、便秘を悪化させてしまうことも多いです。 現在悩んでいる方は、敷居が高いかもしれないが専門医に診てもらったほうがいいでしょう。便秘と痔の悪循環は早目に断つにこしたことはありません。 便秘を放っておくと大腸がんになることも 最近、日本人で大腸がんにかかる人が増えています(昔はあまり見られない病気でした)。これは、便秘で悩む人が増えてきたことと無関係ではないと考えられています。 便秘になると便が腸で長く止まってしまいますが、便には有害な物質も含まれています。このような物質が腸の壁を刺激し続けることによって腫瘍ができてしまうのではないかと考えられています。 このような最悪の事態を避けるためにも、便秘は早く治しておきたいものです。
食物繊維が少ないと便秘になる 食物を体内で消化していった残りが便として排出されます。この残りの元となるのが、消化液で分解されない繊維質(食物繊維)です。そのため、繊維分を多く含んだ食物を食べると、便の量も増えることになります。 また、食物繊維には保水性とゲル形成能という特性があります。これが便の量を増やし、便の硬さを正常にし、腸管内通過時間を短くするはたらきを持っています。 従って、繊維の多い食物を食べれば、便の形が大きく柔らかくなります。 反対に繊維の少ない便は保水力がないために、硬くコチコチになります。 そのため大腸でもスムーズに便を押し出せず、停滞が起こって便秘になってしまうわけです。 痔(じ)と大腸がん 便秘になると、 いぼ痔(直腸と肛門の境目の静脈がうっ血して拡大し、静脈りゅうになる) 切れ痔(便が固すぎて排便のときに肛門の出口に近い所が切れてしまう) などの痔を引き起こしたり、発がん物質が腸の中に長くとどまり、大腸がんなどを引き起こす原因になるともいわれています。 便の状態には気をつけたいものです。 アフリカ原住民の一日の大便量は500g 摂取する食物の中に食物繊維が少ないと、結腸がんや憩室症など大腸の病気が発生しやすくなるということは、疫学的に明らかになっています。 これらの病気はアフリカの農村に住む原住民には極めてまれな病気ですが、北欧人や北米人には普通に見られる病気です。 アフリカの原住民は食物繊維の摂取量が多く、1日の便の量はおよそ500g。一方、北欧人や北米人の便は1日100g程度です。 これらの事実は食物繊維の摂取量と大腸の病気の発生とに強い相関関係があることを示しています。 このため便の量は多い方が大腸の病気になる確率が低くなるので良いと考えられています。