望月吉彦先生
更新日:2015/07/13
前回に続き、ブラジルのポルトアレグレで行った「傷の湿潤治療」講演についてご紹介します。
ポルトアレグレに到着後、さすがに疲れた(日本から30時間かかる)ので2日休憩を頂き、5月28日にモインニョスデベント病院を訪問しました。午前中9時から11時半まで、医師、看護師を対象とした「傷の湿潤治療」に関する講演を行いました。看護師さんが多いので、講演内容を森口先生にポルトガル語で伝えてもらえました。当初11時に講演終了予定でしたが、講演途中から質問が相次ぎ講演が長引いたので会場を移して12時まで講演+質疑応答を行いました。
なお、この講演はテレビ撮影され、院内で見られるようになっていましたし、事後も院内のサイトからは見られるようにもなっていると伺いました。
同日、午後2時から4時まで病院の外来で実際の「湿潤治療の手技、湿潤治療に使う治療材料の作り方」を指導しました。ブラジルは医師の数が少ないので、傷の治療は看護師さんがするのだと、その時、初めて伺いました。傷の処置室は看護師さんで一杯でした。びっくりしました。
実際にどうやって治療をするかのか?、治療材料の作り方(ブラジルで入手できる材料で作れるように指導)や傷の処置の実践方法、膿がある場合はどのように対処するか?。抗生物質の使い方は?など細かいところまで指導したつもりです。
この治療を行うと患者さんの痛みがほとんど無くなるので、患者さんからは感謝され、看護師さんはびっくりしていました。
と言うわけで、診療終了後は皆さんとても良い笑顔で沢山写真を撮って下さいました。
その後、森口先生のお部屋に戻って休んでいたら、病院のホームページに午前中の講演と午後の診療風景がアップされていました。その晩はブラジル老年医学会の会長さん、副会長さん、森口先生、サンパウロで緩和ケア医療をなさっている日系の千葉先生と夕食を共にしました。
翌日がブラジル老年医学会での講演です。午後2時から40分+質疑応答でした。治療原理、傷の治り方をお示しした後、実際の症例をお目にかけたら、皆さんびっくりして、どよめいていました。
講演終了後、質疑応答に移りました。沢山の質問が出ましたが、森口先生の通訳のお蔭で意義深いディスカッションが出来ました。会長さんからは、今回の学会でこの「湿潤治療」の話を聞いただけで、十分意義深い学会になったと言われ、お世辞もあるでしょうが、うれしかったです。
帰りもアブダビ経由で無事、帰国しました。30時間の長旅です。多少疲れましたが、ブラジルで好評で喜んで頂いたので疲れも吹っ飛ぶような気がしていました。
5月31日に帰国し、6月1日がクリニックの開院でしたので、頭を切り換え、6月1日からクリニックで頑張っております。今後とも、宜しくお願いします。
余談1:森口先生の同僚および看護師さんにフリクションボールペンをお土産に持って行ったら大受けでした。
余談2:2015/06/04の森口先生からのメールでブラジルで看護師グループが湿潤治療と消毒+ガーゼの旧来治療の比較治験を始める試みをしていますとの事の報告がありました。
余談3:今年もブラジル奥地に住む日系ブラジル人を対象とした無償巡回診療を横浜市立大学の先生、医学生、看護学生と共に行います。3000kmを走破します。本当に大変だと思います。この時期ブラジルは冬で時に雪が降る中の強行軍です。森口先生から、これからもご支援を宜しくお願いしますとの事です。
日系ブラジル人の無償巡回診療
余談4:ブラジル国内の禁煙事情:公共の場所は元より、全てのレストラン、ホテル内は禁煙です。100%禁煙でないとレストラン、ホテルの営業は出来なくなっています。喫煙は屋外でごく限られた場所でしか許可されていません。段々、日本が禁煙に関しては後進国になっていると感じました。
望月吉彦先生
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