近年、若者の献血に対する認知・興味が薄れていることもあり、献血者数が激減しています。今回は改めて献血について基礎知識をご紹介します。
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血液は人の生命維持に欠かせない役割を担っているが、人工的に造ることができません。そこで病気やけがで血液を必要としている人々に血液を供給するため、献血を呼びかけ、血液をストックすることが必要になります。
献血は、日本赤十字社が運営する献血ルームや献血バスで行うことができ、その際、患者の副作用発生が低く、安全性が高いとされている成分献血や400mL献血が求められることが多いようです。
献血の種類 | 説明 |
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成分献血 | 成分採血装置を使用し、血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、体内で回復するのに時間のかかる赤血球は再び体内に戻します。体への負担も軽く、多くの血漿や血小板を献血できるという特長があります。 |
全血献血 | 血液中の全ての成分を献血する方法。400mL献血と200mL献血があります。 |
200mL献血 | 全血献血で、1回の採血量は200mL。複数の献血者からの血液をあわせて一人の患者さんに輸血するほど、副作用発生の可能性が高くなるため、400mL献血の方が安全性が高いといえます。 |
400mL献血 | 全血献血で、1回の採血量は400mL。200mL献血に比べて献血量 が多いことから、少ない献血者からの輸血できるので、安全性を向上させることができます。 |
16~69歳の健康で血液成分や体重が献血基準を満たしている男女。
ただし65歳以上の献血については、献血者の健康を考え、60~64歳の間に献血経験がある人のみ受けることができます。
実際に献血はどのように行われるのでしょうか。
希望者には献血後に7項目の生化学検査成績を、成分献血・400mL献血者には、8項目の血球計数検査成績を郵送してくれるので、献血をすることで自分の血液成分の状態を知ることができます。
ALT(GPT)/AST(GOT)/γ-GPT/総蛋白/アルブミン/アルブミン対グロブリン比/コレステロール/赤血球数/ヘモグロビン量/ヘマトクリット量/平均赤血球容積/平均赤血球ヘモグロビン量/平均赤血球ヘモグロビン濃度/白血球数/血小板数
※さらに上記に加え、平成21年3月中旬より糖尿病検査(グリコアルブミン検査)も加えられる予定
献血により集められた血液は、血液センターに運ばれ、血液型検査や感染症予防のための抗原・抗体検査、献血後にお知らせする生化学検査などを行い、検査結果と照合し、すべて合格した血液のみが輸血用血液製剤となり冷蔵庫や冷凍庫などでそれぞれの製剤に最も適した条件で保管され、医療機関から発注が入り次第供給されます。
冬場になると献血に足を運ぶ人が減少傾向にあり、さらに平成7年から19年で若者の献血者数が半分に激減していることもあり、血液不足が深刻化しています。
若者に献血を身近に感じてもらおうと、成人式を前に二十歳の献血キャンペーンなどを行ったり、献血ルームでネイルや占いなど、若者が興味を持つようなサービスを行なうなどして、献血への認知や参加を呼びかけています。
献血に協力することで他人の命を救うことができるかもしれないので、まだ経験したことがない方は、まずは一度行かれてみてはいかがでしょうか。