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ストレスは悪者?ストレスが体に与える悪影響

実は、人はストレスがまったくない環境では、生活ができないそうです。でも、過度なストレスは心だけでなく、体に悪影響を与えます。ストレスが体に与える悪影響と、ストレスと関係の深い病気についてご紹介します。

ストレスのない人はいない

「あなたはストレスを感じていますか」と聞かれたら、なんと答えるだろうか。 「毎日ストレスだらけで、まいってるよ」という人もいれば、「ストレスなんて感じたことないよ」という人もいる。だが、ここで問題。ストレスのない人はいるのだろうか。

さまざまな刺激がなにもない(いわゆるストレスがなにもない)部屋で過ごす実験をしたところ、体温調節機能は低下し、暗示にかかりやすくなり、挙句の果てには幻覚・妄想まで起こってしまったそう。
心と体のバランスを保つには、適度なストレスは必ず必要であり、ストレスがまったくない人はいないのである。

ストレスを感じると、体はどうなる?

ストレスとは、専門的に言えば「寒冷、外傷、疾病、精神的緊張などが原因になって体内で起こる非特異的な防御反応」のこと。わかりやすく言えば、人には、ホメオスタシス(恒常性の維持)と呼ばれる体を常に一定の安定した状態にするはたらきがある。 これのおかげで、寒さや精神的な緊張によって乱された体内の変化を元に戻してくれるのだ。このときの体内に起こる変化や、それを元に戻そうとする反応などをひっくるめて「ストレス」と呼んでいる。そして、そのストレスの原因となる刺激を「ストレッサー」と呼んでいるのだ。

ストレスが体や心に与える影響は?

ストレスが体や心に与える影響と深く関係しているのが、自律神経。自律神経とは、自分の意志とは無関係に心臓や胃腸、血管などの内臓を支配し、その機能を調節しているものだ。ストレスとの関係は、

体になにか刺激が加えられると、脳下垂体を通して副腎皮質ホルモンが分泌される。
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このホルモンが自律神経を仲介役として各器官に作用し、刺激が体に与える影響を最小限にしようとする防御反応がはたらく。
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でも、ストレッサーによる刺激が一定の限度を超え長く続くと、体内での防御体制が破壊され、心拍の増加や血圧の上昇など、体内に変化をもたらす。
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この状態が長く続くと、食欲の低下、筋肉の緊張、疲労感、不眠、イライラ、憂うつなどいわゆる「ストレス反応」となって現れる。

ストレスが体に与える悪影響

「病は気から」とも言われるように、過度なストレスは、心だけでなく体にかなり悪影響を与える。以下の病気は、ストレスと関係が深いものだ。

ストレスと体調の密接な関係

  • ●神経性胃炎(胃神経症)
    イライラや精神的な緊張が続くと、胃の痛みや胃もたれなどの症状が出てくる。内視鏡やX線検査でも特に胃に異常が認められない場合、神経性胃炎や胃神経症などと診断される。
  • ●胃・十二指腸潰瘍
    神経性胃炎と並ぶ、代表的なストレス症のひとつ。精神が極限状態に置かれると「一晩で胃に穴があく」と言われるほど、消化器機能は精神状態に左右される。ストレス症としての胃・十二指腸潰瘍は、治っても再発しやすく、軽視してはいけない。
  • ●過敏性腸管症候群
    長期間にわたって下痢と便秘を繰り返したり、腹痛や腹部の膨満感が続く病気。緊張したり食事をするとすぐに腹痛を伴う便意を催す「神経性下痢」、細く小さな便やコロコロした固い便が少しずつ出る「けいれん性便秘」、また便秘と下痢を繰り返す場合などがある。
  • ●自律神経失調症
    人には交感神経と副交感神経という二つの自律神経があり、これらのはたらきによって呼吸、循環、消化などの機能が調節されているが、このバランスが崩れると自律神経失調症と言われるさまざまな症状が現れる。めまいや立ちくらみ、のぼせや冷えなど原因のわからない全身の不定愁訴がある場合、この病気だと診断されることがある。
公開日:2002年1月15日