足に起こる代表的なトラブル、水虫。梅雨が近づくと、毎年頭を抱える人も多いだろう。水虫は、「昨年は大丈夫だった」というあなたも、ほっとするのはまだ早い!水虫にかかってしまった人も、そうでない人も、水虫を知って損はナシ!
一般的に水虫と呼ばれているものは、「白癬菌(はくせんきん)」と呼ばれるカビが足の皮膚に寄生して起こる病気のこと。医学的には水虫のように白癬菌によって起こる病気は「白癬」と呼ばれている。
この白癬菌は、皮膚の角質を構成する成分のケラチンというたんぱく質が大好物。つまり水虫は、ケラチンがあれば足や手だけでなく、皮膚の一部である爪や毛髪まで体のどこにでも寄生する可能性がある、とても身近な感染症なのだ。
カビの一種である白癬菌は、当然高温多湿の環境が大好き。温度15℃、湿度70%以上になると活発に増殖する性質がある。まさにこれからの梅雨から夏場にかけての季節は、白癬菌にとって絶好の季節なのだ。ただ、最近では冬場でも室内は暖房が行き届いているので、冬でも水虫は発症するようになった。
ところで「水虫」というとこれまで働き盛りのサラリーマンなどお父さん世代に多いといわれていた。これは1日中履いている靴の中が蒸れ、白癬菌が最も活動しやすい環境にさらされているため。しかし最近では、ストッキングにパンプスやブーツなど通気性の悪い靴を履いて働く女性の増加に伴い、女性の感染率も上がっているという。
水虫は感染症。といっても、まわりに水虫の人がいても簡単にうつるほど感染力は強くないので必要以上に怖がる心配は無用だ。しかし白癬菌の手ゴワイところは、生命力が強いこと!剥がれ落ちた皮膚の中でも長期間生きることができるのだ。ほとんどの場合、この剥がれ落ちた皮膚が感染源となっている。家族に水虫患者がいる場合はもちろんだが、銭湯やプール、スポーツジムなど裸足で利用する場所では感染の危険性大。
とはいえ生活環境から白癬菌を完全に取り除くことは、はっきりいって不可能だ。それゆえ常に足を清潔にし、しっかり乾燥させて白癬菌が住みつきにくい環境にしておくことが最大の予防ポイントといえそうだ。
白癬菌が皮膚の角質層に住みつくまでには1日くらいかかるといわれているので、仮に白癬菌が皮膚についても足の裏から指の間まできれいに洗い流せば問題ない。洗ったあとは指の間までよく乾燥させるのをお忘れなく。
できれば数足をローテーションで履くようにしよう。通気性の良い靴や靴下を選び、脱いだ靴はよく乾燥させよう。
暖かくて湿気の多い足拭きマットやスリッパは白癬菌の格好の住処。特に家族に水虫患者がいる場合、供用は禁物。
ひとりが治っても、他に患者がいれば家中に白癬菌をバラ撒かれ続け、再感染の危険性大。
足が清潔でも床や畳、カーペットが汚くては意味がない。最大の感染源は剥がれ落ちた皮膚なのだから…。