体のゆがみをまねく悪い姿勢は、日常生活の中で無意識にとっていることが多いもの。ここでは、悪い姿勢のパターンをチェックしてみましょう。
日常的に悪い姿勢をとっていると、筋肉がアンバランスに発達したり衰えたりします。これが骨に影響を与え、背骨や肩甲骨、骨盤などが自然な形からズレて(ゆがんで)しまうことがあります。どのような姿勢がゆがみの原因になるのか、次にまとめました。
座って作業することが多い事務職などの場合、机と目の位置は30cmくらい離れるのが適当だということをご存知ですか?しかし、実際は目の位置に対して机が低すぎることが多いため、
(1)背中を丸める
(2)首を常に下に向けている
(3)イスを後ろに引いて前かがみになる
などの姿勢をとることが多いようです。それぞれ、背骨の胸椎、頚椎、腰椎に負担がかかり、ゆがみの原因になってしまいます。
リラックス時のあぐらなども腰椎に負担がかかる座り方です。そもそも背骨にかかる力は立っているときより座っているときの方が大きいのです。普通に座っているときに腰椎(背骨の腰の部分)の椎間板にかかる圧力は、静かに立っているときと比べ約1.4倍、前かがみで座っているときは約2倍の力がかかるといいます。それだけ、腰に負担をかけているというわけです。
車の運転をするときの姿勢も腰に負担がかかります。特に、座席に浅く座って背もたれにぐっともたれるような姿勢の場合、腰椎や胸椎に不自然な力が加わってしまいます。
高すぎるハイヒールをはくと、体重が足先にかかって前に傾いた姿勢になります。バランスをとろうと、重心を上半身の後ろにかけるため、骨盤が後ろにずれ、その分腰椎の前への彎曲が強くなって、腰痛を起こしやすくなってしまうのです。
カバンを常に同じ手で持っていると、体のバランスをとるために逆側の腰が上がりがちになり、歩くときの足の向きや立ち止まっているときの姿勢もアンバランスになります。肩にかけるバックも同じです。この場合は、片側の肩が上がり、背骨が横に彎曲した形にゆがんでしまうことがあります。
立っているとき、片足だけで体を支える「休め」の姿勢をとることが多いかもしれませんが、これも効き足ばかりを支えにしていると背骨が左右に彎曲してしまう原因となる。イスに座って足を組んだり、床に横座りをしているときに投げ出す足の方向が同じという場合も、背骨にゆがみが生じる原因になります。
パソコンが机の片側にあり、反対側に資料を置いていると、体をねじった状態で作業することになります。このねじれがいつも同じ方向だと、背骨に常に無理な力がはたらくことになります。
ゴルフ、野球など、効き手を使うスポーツをよくする人は、左右に不自然な力がはたらくことが多くなります。肉体労働者にも同じようなことが言えます。スイミングのクロールで、息継ぎをする向きが常に同じ場合も胸椎を中心にゆがみが生じることがあります。