人間の体には、体内時計が備わっています。自然に近い生活をしていれば、その時計のはたらきで夜は眠くなり、朝は目が覚めます。しかし、体内時計が狂いだすと24時間単位で動く通常の社会生活は送れなくなってしまいます。
人間の体は、1日24時間の単位で、起床・活動・睡眠のリズムを作りだす体内時計が備わっています。自然に近い生活をしていれば、その時計のはたらきで夜は眠くなり、朝は目が覚めます。
しかし、なんらかの理由で体内時計が狂いだすと、朝起きれない、昼にとても眠くなるなどで、24時間単位で動く通常の社会生活は送れなくなってしまいます。そうなると、退職や転職を余儀なくされることもあります。不眠を訴える人の多くが、こうした睡眠・覚醒リズム障害に陥っています。
次のグラフの通り、リズム障害は発症前から夜型の生活をしてきた人が、圧倒的にかかりやすいようです。塾や遊びで深夜まで起きている現代の子ども達が大人になる頃には、さらに多くの日本人がこの病気で苦しんでいるかもしれません。
リズム障害発症前の生活スタイル
※数値は国立精神・神経センター精神保健研究所より
睡眠時間帯が本来から大きくズレてしまい、寝付くのは朝方、起きるのは昼。睡眠時間帯が、遅い時間に後退したまま固定化した状態です。深夜まで起きている生活が習慣化し、治すことが難しくなっています。
本人は怠けたり無気力なわけではありませんが、朝どうしても起きられず、通常の社会生活が困難になります。
光の届かない洞窟で生活すると、人間は25時間を1日として生活しだすという実験を聞いたことがあるでしょう。これは、もともと人間に備わっている周期は25時間単位だからです。それを体内時計が調整することで、1日24時間に合わせています。しかし、その調整が不可能になると25時間周期が優位になり、毎日少しずつ睡眠時間が遅くなっていきます。
フリーランスや、退職後の高齢者、脳に障害のある人に起こりやすいようです。