認知症は、脳のはたらきのうちでも、特に、記憶・思考・判断など知的活動が低下した状態です。これは脳の老化による生理的なものと脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症のように病的なものに分けられます。
脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりしたために脳にえ死部分が生じて認知症状が現れるものです。脳内の酸素や栄養不足により生じるもので、脳卒中発作後に出現しやすくなります。
手足のまひや言語障害など認知症以外の症状も伴うことも少なくありません。
治療薬もある程度開発されており、付随症状が改善されることもあります。
アルツハイマー型認知症は、脳の記憶・思考・判断など精神機能をつかさどる部分の異常により、認知症状が現れるものです。
原因は明らかになっていませんが、脳の神経細胞そのものの機能低下が原因だとされます。
認知症の進行には神経伝達物質の合成異常が関与すると考えられており、NGF(神経栄養因子)などの物質を中心に研究が進められています。