おしえて先生

胃切除後の食事について教えてください

こはる(#)・30~39歳女性 2007/01/11 投稿

義母が胃がんで胃の2/3を摘出しました。告知を受けたときには本当にショックな様子でしたが、自宅に戻った今は、食事も少しずつですが摂れるようになり、体力も回復してきたようです。しかし、そばを食べるとつかえてしまうようで、どうき、目まい、疲労感などがあり、つらそうです。母はそばがとても好きなので、なんとかしてあげたいと思うのですが、少しでもこのような症状を抑えることはできないのでしょうか?

1回の食事量を減らし、何回にもわけて食べましょう

こはるさんのお義母さんは、胃の2/3を切除されていますので、残った胃の容量は手術前の1/3と、非常に小さくなっています。そのため、一度にたくさんの食べ物を消化することができません。
このような胃切除後の患者さんには、食事中の水分摂取をなるべく避ける、1回の食事量を減らし、消化が良く栄養価の高いものを1日数回にわけて、ゆっくり食べるなどの注意が必要になります。これは胃切除後の患者さんに多くみられるダンピング症候群の予防にも有効です。
ダンピング症候群とは、食後すぐに起こる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間後に起こる後期ダンピング症候群にわけられます。早期ダンピング症候群は、胃が小さくなったために食べた物が急速に小腸へ排出されて起こるもので、吐き気や嘔吐、腹痛、腹鳴(ふくめい)、下痢、さらに動悸、めまい、冷や汗などの症状があります。後期ダンピング症候群は食後にインシュリンが過剰分泌されるために起こる低血糖が原因です。脱力感、冷や汗、めまいなどの症状が見られますが、糖分を摂ることによって、その症状は軽くなります。
今回ご質問にあった義母さんの症状は、早期ダンピング症候群と考えられます。注意点としては先ほど紹介した通りですが、そのほかにも、麺類や繊維質を多く含む食品はできるだけ避けた方が良いでしょう。そばを食べたいときには、つるつると飲みこまないよう、細く刻んだものをよく噛むようにしてください。また食後すぐに動かず、横になるなどして安静を保つことも、ダンピング症候群の予防になります。
徐々に食事のコツもつかめてきますし、残った胃も少しずつ拡張してきますので、早期ダンピング症候群は、経過とともに症状は軽くなってくるものです。しかしいつまでも改善しない、あるいは逆に悪化するようなことがあれば、すぐに主治医に相談して下さい。

ご回答いただいた

小川 一誠 先生

ドクター
ご活躍の場所 愛知県がんセンター名誉総長
ご専門 臨床腫瘍学(癌の化学療法)
ご経歴 名古屋大学医学部卒業
愛知県がんセンター内科医員
メモリアル・スローン・ケッタリング癌センター(米国ニューヨーク市)留学
愛知県がんセンター内科医長
癌研究会癌化学療法センター臨床部部長
癌研究会付属病院化学療法科部長
癌研究会付属病院副院長
愛知県がんセンター病院長
愛知県がんセンター総長
愛知県がんセンター名誉総長
著書 がんの早期発見と治療の手引き(小学館)、抗癌剤の選び方と使い方(南江堂)ほか
所属団体 日本癌学会、日本癌治療学会、日本乳癌学会、日本血液学会、米国癌学会、米国臨床腫瘍学会、欧州臨床腫瘍学会
先生からの一言 癌の一次予防は、禁煙、バランスのとれた食生活、適度の運動などの生活習慣です。二次予防は、定期的に癌の検診を受けることです。癌は予防可能な病気であり、早期診断・早期治療で治癒します。