向精神薬の減薬、断薬による離脱症状(禁断症状)について
僕は現在32歳ですが、中学3年生の15歳から27歳まで向精神薬を毎日欠かさず服用していました。
一番最初は友人関係のトラブルや家庭内のトラブルで精神的に追い詰められて、そのときに「それは心が風邪をひいたようなものだから、風邪薬を飲めば治るよ」的なキャッチコピーにひかれ、病院を受診しました。
最初は漢方薬を処方されましたが、徐々に西洋医学の固形の錠剤を処方され始めて、気がつくとたくさんの薬を服用することになってしまいました。
一日たくさんの薬を飲んで(飲まされ)、もう薬なしでは生活できない状態にまで陥ってしまいました。
その大量に処方される薬を一日でも飲み忘れただけで、禁断症状がでます。
体が全身で震えたり、幻覚が見えたりしてとてもまともな生活はできなかったです。
だから薬を飲み続けました。
ただ、そうするとだるくて無気力でお腹は常に下痢気味で「もう死んでしまいたい」と毎日絶望していました。
すると24、5歳のあたりで体がまともに機能しなくなってきました。
それは午後に起きることで、まともに立ってもいられなくなり、呼吸することすらうまくできない状態でした。
で、なんとか自宅に戻り一晩寝ると翌日には正常に戻っているんですけど、これがずっと続くのは生活できなくなる!と思い、病院を受診し相談したところ、
「じゃあ、薬を変えましょう」ということで、今度はまた違う薬を大量に処方され続けました。
その頃はもうまともに機能していなくて、仕事はやめてしまいました。
それからはずっと家に引きこもって、なんとか生きていました。
しかしある日「この体の異変は大量の向精神薬のせいじゃないか?」と考えるようになり、27歳から減薬、断薬を始めました。
結果的に28歳で大量の向精神薬は断薬できました。恐ろしいほどに禁断症状がでましたけど。
そして現在32歳なんですが、上記が原因かどうかは分かりませんが、人が怖くなったり、公共の場へ出ると「皆に見られている」と感じてしまい、また「音」に対してもミソフォニア的な症状が出てしまい、色々と支障をきたしています。
おそらく大量服用により脳にダメージは受けていると思いますが、急激に断薬したことが原因でしょうか?
それと、この問題解決はどのように進めていけばよろしいでしょうか?
精神科の多剤療法の薬の減薬方法
ご質問の方がどのくらいの種類を服薬されているのか不明ですが
一般的に最大公約数をかんがえると
1. 向精神薬
2. 向うつ薬
3. 睡眠薬
4. 気分安定薬
5. 副作用予防薬(胃の薬など)
6. 抗てんかん薬
このくらいであると思います。
まず症状が安定していれば。複数錠でていれば、まずこれから減らしていく。
数錠でていなければ、症状からみて一番不要と考えられる物を半錠にする。などやっていきます。
1回減らしたら最低一週間くらいは減薬の影響をみます。
離脱は慎重に減らしていけば、最初の数日で消失することがほとんどです。
このように、症状的に不要になったお薬から減らしていくことがポイントです。
減らしていく際には1週間に一度は受診してください。医師も決め細やかな対応ができます。
減薬は必ず成功しますよ。
牧野真理子 先生
ドクターご活躍の場所 | 牧野クリニック(東京都中野区東中野) 診療部長 東邦大学医学部客員講師 JICA(国際協力機構)顧問医 優秀臨床専門医 アサヒビール産業医 オレンジページ産業医 日本心身医学会代議員 日本女性心身医学会理事 国際摂食障害学会会員 |
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ご専門 | 心身医学(心療内科) 女性の心身症(摂食障害など) 職場のメンタルヘルス 異文化間メンタルヘルス |
ご経歴 | 国公立大学卒業後、北里大学医学部卒業 メルボルン大学医学部大学院卒業 |
著書 | 『誰も私をわかってくれない:摂食障害・心の迷路』(悠飛社:1999) 『異文化ストレスと心身医療』(新興医学出版社:2002) 『もういいや!!と叫んで心の毒出しができるメンタルデトックス』(祥伝社:2005) 『うつにもいろいろあるんです。』<漫画 細川貂々> (オレンジページ:2011) 【共著】 『医療看護学』(中山書店) 『職場のメンタルヘルス』(南山堂)など多数 【連載】 『からだの本』(オレンジページ)「女性とうつ」連載中 |
所属団体 | 日本心身医学会代議員 日本女性心身医学会理事 国際摂食障害学会会員 |
先生からの一言 | メンタルヘルスの疾患も早期発見が早期回復につながります。 小さなことと思ってももし悩んでいるようでしたらお気軽にご相談ください。 |
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