おしえて先生

食道がんでしょうか?

猫かあしゃん(#)・40~49歳女性 2009/05/15 投稿

数年前より、水を飲むと食道に流れて行くのが分る様になりました。たまたまTVを見ていると「余りよくない症状」と言っておりました。
その後いつからかは記憶が無いのですが、お腹が空いて食事をすると直ぐに胃が膨らんで以前の様に量が食べられなくなり、白米を食べるとノドにつっかえます。そのままにしていると少しずつ食道を落ちていくのが分ります。白米が強く感じ、急いでかきこむと一番辛い症状になります。バナナやパン類をのみ込んだ後にも同じ感じになります。飲み物やのど越しの良い物は、つまりません。
病院へ行った所、喉咽頭(こういんとう)異常感症だろうと言われましたが、つまり感は食べ物を飲み込んだ時だけ感じ、それ以外はノドに違和感はありません。しみたり、痛みもありません。
喫煙経験無し、飲酒は年に数回、弱いので酎ハイ1杯位です。
現在、突発性難聴(ストレス)中で、自律神経失調症です。時々、食べた物がノドまで戻ってきたり寝ている時に胃が痛くなるため、逆流性食道炎の可能性があるということで内視鏡の検査を1ヵ月後にする事になりました(予約が一杯なので直ぐ出来ません)。逆流性食道炎でも、食べ物のつまり感を感じるのでしょうか?
もしも食道がんだとしたら、1ヵ月間も放っといて大丈夫なのでしょうか?万が一を考えたら治療が遅くなるので、とても心配です。
アドバイス宜しくお願い致します。

様々な要件から、逆流性食道炎の可能性の方が高いと推察します。

食道がんの初期は無症状ですが、進行するにつれて、特有な症状が出ます。酸味の強い飲み物あるいは刺激の強い飲み物を飲んだときに胸骨(胸の中央にある縦の骨)の裏側でしみる感じや痛み、そして硬いものを食べた時に食物がつかえる感じ(嚥下障害)が出たりします。これは食物の通る道(食道)にがんによる傷(潰瘍)ができたり、食物の通る道が狭くなったりしたための症状です。このような症状が出た時は、すでにかなり進んでいる場合もあります。
食道がんが最も多く発生する年代は60歳代であり、次いで50歳代、70歳代です。さらに喫煙歴、飲酒歴のある男性に多く発生します。よって、喫煙歴なし、飲酒歴も殆どない40歳代女性に発生するのは低い確率です。一方逆流性食道炎では、嚥下障害とともに胸焼けを伴います。
よってあなたの場合、性、年齢、生活習慣、症状などより考えて、逆流性食道炎の可能性の方が高いと推察します。内視鏡検査ではっきりとした診断が下されるでしょう。検査は1ヵ月後でも遅くは無いと考えますが、どうしても心配なら、主治医の先生に相談されたらと思います。

ご回答いただいた

小川一誠 先生

ドクター
ご活躍の場所 愛知県がんセンター名誉総長
ご専門 臨床腫瘍学(癌の化学療法)
ご経歴 名古屋大学医学部卒業
愛知県がんセンター内科医員
メモリアル・スローン・ケッタリング癌センター(米国ニューヨーク市)留学
愛知県がんセンター内科医長
癌研究会癌化学療法センター臨床部部長
癌研究会付属病院化学療法科部長
癌研究会付属病院副院長
愛知県がんセンター病院長
愛知県がんセンター総長
愛知県がんセンター名誉総長
著書 がんの早期発見と治療の手引き(小学館)、抗癌剤の選び方と使い方(南江堂)ほか
所属団体 日本癌学会、日本癌治療学会、日本乳癌学会、日本血液学会、米国癌学会、米国臨床腫瘍学会、欧州臨床腫瘍学会
先生からの一言 癌の一次予防は、禁煙、バランスのとれた食生活、適度の運動などの生活習慣です。二次予防は、定期的に癌の検診を受けることです。癌は予防可能な病気であり、早期診断・早期治療で治癒します。